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( ^ω^)きらーきらーひかるようです |
- 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 17:12:57.63 ID:2BFAlaEz0
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ttp://imepita.jp/20090612/616050 これから派生 ちょっと前にやったながらのやりなおし
- 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 17:18:36.48 ID:2BFAlaEz0
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きらきらひかる おそらのほしよ 時間を殺せ
- 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 17:22:52.72 ID:2BFAlaEz0
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ぼくは世間的には受験生というやつで。 一応志望校だとか呼ばれるものも夏休みの大分前に決めて、後は理想と模擬試験の結果との差異を埋めるだけなのだけれど。 この二次方程式だとか動名詞だとか呼ばれる数字だとかアルファベットだとかがぼくの将来に関わってくるのかと言われるとなんだか首を傾げたくなる。 数学者になるわけでもない。日常会話で動名詞だとか関係代名詞だとか使ってたまるか。 まずぼくはぼくが大人になって老人になって、そうして死んでいくというのがイメージできない。 妄想のぼくの人生というのは、大概大学生くらいで終ってしまっているから。 ( ^ω^)「……」 ううむ、とぼくは息を吐いた。 厨二病だなぁ、と我ながら思う。別に良いんじゃないでしょうか。 中学三年生なんだしさ。高校生になるまでに卒業すればいいんだ厨二病なんて、というのはモララー先輩の弁だ。 ('A`)「解の公式とか知らねーよ。教科書載ってないじゃん。なんなの死ぬの?」 ( ^ω^)「ドクオの脳味噌がかお?」 ('A`)「え、嘘、おれ死ぬの?」 分厚いテキストを抱えた友人はぽかんとしている。 数学。青い。
- 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 17:27:14.53 ID:2BFAlaEz0
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暇に任せて机を引っ掻く。 がりがりがりがりがりがりがりがりがりがり。 がりがりがりがりがりがりがりがりがりがり。 ラノベでありそうな狂気の表記。 ぱきりと爪がめくれる。痛い。 蛋白質が足りない。割れて白く浮き上がった。 二枚に重なったそれをぱちんと弾く。 数学のテキストには虫みたいな数字がこびり付いている。 字が汚い。小さい頃はもっと上手に書けたのにぁ、とぼくはペンを転がした がりがりが続く。ぼくの爪が机を掻く音ではない。友人がテキストにシャーペンを突き立てる音。安っちろいシャー芯は、きぃきぃとがりがりと悲鳴を上げて身を削る。 うるせぇや、と呟くと。しらねぇや、と帰ってきた。 友人はペンを握っている。 ('、`*川「内藤、鬱田、喋らなーい。質問あるなら言いなさい」 塾というには余りに放任主義なそこは、いわゆる寺子屋みたいな状態だ。 先生、と呼ばれる女性の名前を知っている生徒は居ない。 校舎代わりの民家の伊藤と書かれた表札に気づいていない生徒も居ないだろうけれど。
- 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 17:31:24.44 ID:2BFAlaEz0
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('A`)「解の公式が分かりません。何ですかこれ、呪文かなんかですか」 ('、`*川「解の公式は高校で使うからねぇ、覚えとくと良いよ。代入するだけだから。 にーえーぶんのまいなすびーぷらすまいなするーとびーにじょうまいなすよんかけるえーしー」 ('A`)「呪文じゃないすか。ことごとく間違うんですけど。泣きそうなんですけど」 ('、`*川「負けるな一茶」 ('A`)「一茶じゃないです」 他の生徒は笑いを堪えてテキストにかぶりついていた。 六畳ほどの部屋に十人近い人間が詰まっている。苦しいと言えば苦しいし、そうでないといえばそうでない。 開いた窓から一番近い席にいるぼくは、それでもってふと思う。 時間、止まらないかなぁ だとか。 そういった厨二病染みた事をはじめとしたよしなしごと。 時間を止めるにはどうしたら良いでしょう。 時間を殺せ、帽子屋は言っていた。
- 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 17:33:38.85 ID:2BFAlaEz0
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ぼくは時間の腕を掴む 時間は別の生き物みたいに右腕をはね上げ、その拘束から逃れようとした けれどぼくは離さない。 柔らかくて細い腕に指を食い込ませると、時間はさらに腕を回して逃れんとする。もう片方の腕は滅茶苦茶に振られ、既に半狂乱だ。 ぼくは特になにも思わなかった。 時間はとうとう涙を流して懇願する。 はなしてください、はなしてください ; ; ぼくははなさない。絶対に離さない。 手に持ったペンを握りなおした。事務室で五十円の安いカラーボールペン。青。ぼくのすきな色だ。 がり、がり、がり 爪 が、食い込む音がす
- 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 17:38:59.54 ID:2BFAlaEz0
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る 曰く、人間は平坦な場所に両足を伸ばして座った状態が人間にとって思考に一番適しているそうだ。 そういった友人は、けど何かその体勢って安定感無くて怖くない、とぼくに問いかけた。 ぼくは聞いていなかった。 ('A`)「おい、聞いてるか? ブーン?」 ( ^ω^)「おっ、聞いてるお」 眉をしかめた友人の頭に握り直したペンを押し込む。 赤のカラーボールペン。テキストのまる付けですっかりインクが減ったそれに、友人の血が流れ込む。 ごりっとした堅い堅い感触は頭蓋骨。それを勢いに任せて打ち破れば、ぐずりと柔らかい、脳味噌? 頭の天辺からちょっと右にずれた所からボールペンを刺した友人は、ぽかんと口を開けた。 ('A`)「え、ちょ、何か今お前おれにとんでもないことしてない?」 ( ^ω^)「え、いや、別に?」
- 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 17:44:29.15 ID:2BFAlaEz0
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ずぶと頭にペンを飲み込んだ友人が目を白黒させて席をたった。なにこれ、え、うわ、きもい。頭の悪い呟きが聞こえてくる。 他の同級生の生徒たちは、みんなその様子をみてけらけらと笑っている。一人が泣いていた。 ぼくは特になにもおもわなかった。 ('A`)「え、やだなにこれ、きもちわるい。いぶつかん。うえ、え、ぇええええ」 ( ^ω^)「うおっ汚っ」 友人が口をかぽりと開けて涙を流す。相当に気持ちが悪いらしい。 先生が慌てて「大丈夫? 熱測る?」と見当違いなことを言った。 ( ^ω^)「あ」 壁にかかった電波時計は午後九時を指している。この塾が開講しているのは九時までだ。 帰らなきゃ、とテキストやプリント、筆記用具を鞄にしまう。 確か今日は、姉さんが早く帰ってくる日なんだ。 夕飯を用意しなくちゃならない。
- 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 17:49:27.51 ID:2BFAlaEz0
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('A`)「か」 ( ^ω^)「ペン、来週には返せお」 ('A`)「あ、うん」 首を傾げながらも友人はうなづいた。ぽたぽたと涙がこぼれる。 気をつけて帰りなよ、と先生の声がぼくを追いかけた。 今日は夕飯、何を用意してくれたんだろうか。仕事が忙しい母は、毎朝ぼくと姉さんに夕食を用意して家を出る。 女手一つでぼくらきょうだいを育てるのは大変だったろう。塾までいかせてくれて。 それはすごく、本当に、有難いと、おもってたんだよ? 帰り道は当然のように真っ暗だった。 くれー、と思わず歓声をあげる。何が欲しいんだろう。そういう意味じゃないのは分かってるんだけど。 厨二病、厨二病。 ぼくは免罪符みたいにその言葉をかざす。 開き直ってりゃいいとでも思ったのか。下らない。
- 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 17:52:51.16 ID:2BFAlaEz0
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街灯の下には死体があった。 ぼくの厨二病はここまで進行したかと悲しくなりながら、早足でそちらへ向かう。 死体は若い男だった 腹に鋭利な刃物がぐっさりと刺さっている。鋭利な刃物。包丁並に鋭利な刃物だった。 というか、 ( ^ω^)「あ、包丁」 包丁だった。 しゃがみこんで、垂れ流れる血を触らないようにしてその柄を掴んで力を込める。 ずる、と案外間抜けな音がした。 (,,゚Д゚)「あっ抜かないで」 ( ^ω^)「あっすみません」 じぐ、と男の腹から血が溢れる。 真っ青な顔をした男は、首だけをもたげて恨めしそうな目でぼくを見た。
- 14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 18:00:55.41 ID:2BFAlaEz0
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包丁が栓になっていたのか、水泡と一緒に真っ赤な血がだぐだぐと流れ出して、男の体をしんしんと濡らしていく。 それが怖くなってぼくは包丁を男の腹に押し戻す。男は気持ち悪そうに顔を歪めた。 腹に包丁が刺さっているっていうのはどうやら大変辛いらしい。見れば分かる。 異物感きめぇ、と身を起こしながら男は言った。 異物感。 ペンも包丁も、ぼくらの体にとっては異物なんだ。 (,,゚Д゚)「座薬を入れた時に近い」 ( ^ω^)「それは辛い」 (,,゚Д゚)「相当気分悪い」 頭を乱暴に掻き回した男は、腹に包丁を刺したまま僕に向き直った。 口から流れた血がすたいりっしゅである。厨二病です。 言い訳のようにそんなことを言っているけれど。
- 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 18:02:16.39 ID:2BFAlaEz0
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(,,゚Д゚)「この感覚は、ケツが腹に出来てそこから座薬入れてるっていうか」 ( ^ω^)「あ、いやいいです。止めて、細かく表現しないで」 (,,゚Д゚)「情けなくて泣きそうっていうか」 ( ^ω^)「だから良いですおって」 (,,゚Д゚)「友達に刺されるとかほんと凹む」 ( ^ω^)「おー…」 痴情のもつれという奴だろうか。 (,,゚Д゚)「いや何かいきなり刺された」 ( ^ω^)「ああ、そうですかお…」 (,,゚Д゚)「ストレス、溜まってたのかね」 ふん、と男は息を吐いて、ほんの少しだけ遠い目をする。なんだかそれがとても憎らしかった。 鞄から筆箱を出して、カラーボールペンを取り出したぼくをみて、男はやんわりと笑う。 それがまた憎らしくて憎らしくて、憎らしくて。
- 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 18:04:00.29 ID:2BFAlaEz0
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あんたは。いっつも。 そうやって。 なにもかも、わかったみたいに? お前さえいなければ。 街灯から離れて僕はまた歩きだした。 腹から包丁の他にペンを生やした男が後ろでからからと笑っている。 ギコと名乗った彼は、とりあえず薬局行ってドクペでも飲むわ、と言った。ドクペ飲んで何になるんですか、と聞きたかった。
- 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 18:07:51.11 ID:2BFAlaEz0
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(,,゚Д゚)「俺さー、妹居てさー。最近反抗期なんかね、俺のこと兄貴って呼び出したんだけど、もうめっちゃショックでさー」 ( ^ω^)「……中学生なんて、そんな、モンですお」 (,,゚Д゚)「そうなのかなー。ちっさい頃はおにーちゃんおにーちゃんって可愛、あれ……可愛かったっけ……?」 ぼくはからから笑うギコさんの腹にもう一本ペンを押し込んだ。 ペン先が皮を突き破る ぶつ。 肉を裂く にぎにぢ。 神経を掻き分けるちぎる びぎ。 骨に突き当たる かつん。 そこで気付いた。 ボールペンが刺さったのは腹じゃなくて腕だった 失敗。 腕から生えたボールペンをまじまじと見つめてから、ギコさんはぼくを見た。 ( ^ω^)「すみません、全身が滑りましたお」 (,,゚Д゚)「滑ったんなら仕方無いよな」 からからと笑う。
- 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 18:12:46.47 ID:2BFAlaEz0
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街灯の下には姉がいた lw´‐ _‐ノv「おかえり、ブーン」 ( ^ω^)「いやあの、此処、路上」 lw´‐ _‐ノv「知ってるけど」 高校の制服。鞄には、何を思ったのか幼稚園の頃の名札が付けられている。黄色いそれ。 しゅーる、という名札をつけた姉は僕の眼孔にスプーンを押し込んだ。 銀色の光。 そういえば、何時だかドクオが人間は認識の八十パーセントを視認に頼ってるって言っていたなぁとぼくは思う。 けれど眼っていうのは二つあって、そのうちかたいっぽが無くなったらどうなるんだろう。 四十パーセント残るんだろうか。一つで八十パーセントなら、両目で二百パーセントだなんてちょっと格好良い感じの数値になってしまうしなぁ。 よしなしごとを切り裂いて、姉さんの指がぼくの頬をやさしく掴んだ。
- 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 18:19:39.81 ID:2BFAlaEz0
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lw´‐ _‐ノv「スプーンがめっちゃ滑った」 ( ω^)「すべったんならしょうがないお」 めし 金属が軋む。 ごり 骨がきしむ。 ぐぢゅ 眼しょうが粘つく。 みぢ 神経が引きのびる。 きゅぽん スナップをきかせて右側の世界が八十パーセント消失した。失敗。 残りの二十パーセントでギコさんの笑い声と姉さんの笑い声を聞いた。 くすくすとからからと。 ぼくはスプーンの異物感が半端無くて吐いてしまいそうだ。 ああ、確かにスプーンも異物だから。けれど食べ物だって異物な訳で、すると満腹感っていうのは実は拒絶反応なんじゃないのかしら、とぼくは思う。 頭を上げると、眼窩にひっかかったスプーンが額に当たって妙に冷たい。 頬を伝っているのが血なのか汗なのか眼しょうなのか涙なのか、いまいち判別がつかなかった。異物感。異物が、脳を掻き混ぜる。 猿の脳味噌って美味しいんだよなぁ。 ぼくの脳味噌もおいしいのかな、と吐き気を堪えながら考える。おんなじ霊長類だし、美味しいかもしれない。 容量も多くてお徳感たっぷり?
- 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 18:26:07.37 ID:2BFAlaEz0
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( ω^)「うわ、やだ、何この異物感きもっ。吐くおこれ吐くお」 lw´‐ _‐ノv「耐えなさいブーンはつよいこ!」 (,,゚Д゚)「つよいこ!」 ( ω^)「つよぐげォぼぅぉるッがっ、べ」 lw´‐ _‐ノv「うぎゃあ吐いた。弟がゲロ吐いた!」 競り上がる飲み下す競り上がる間に合わない。 酸が這い上がる喉を灼く口を灼く舌に巻き付く。苦い。泣いてしまいそうなほど苦かったけれど、涙はもう流れなかった。 (,,゚Д゚)「あ、カレーだ」 lw´‐ _‐ノv「ばぁろー、カレーライスだよ」 そうだ、思い出した。今日の晩ご飯はカレーシチューだった。 だって朝ごはんがそうだったから。
- 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 18:32:29.35 ID:2BFAlaEz0
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口元を拭う。スプーンにずっぽ抜いた。眼孔から垂れた僕の右側の世界の八十パーセントはまるで卑猥のブツの如くぶらんぶらんしている。 酔いそうだった。あなたはだんだん眠くなる、に近い。 なんだか眠たくなってきたけれど、意識を振り絞ってぼくは頭をもたげる。 指に力が入らない。 かんら、とアスファルトにスプーンが落っこちた。 姉さんとギコさんは何だか何時ものように平然と会話している。腹に包丁刺さっている癖に。弟にスプーン刺した癖に。 ぶら下がった眼球には死の色が見えている気がした。 頭の奥が突っ張ったような感覚がする。視神経が伸びているからだろうか。 (,,゚Д゚)「俺さー、モララーて奴に刺されたんだけど、知らない?」 lw´‐ _‐ノv「あいやさっぱり」 (,,゚Д゚)「うーん」 遠くの二十パーセントでギコさんと姉さんが話しているのが聞こえた。 モララー 知らない。 誰だよそれは。 嘘吐きが。
- 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 18:33:44.50 ID:2BFAlaEz0
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とりあえず眼球を目の穴につっこんだ。乾いた眼が擦れて痛い気がする。 酷く手指が汚れているような気がして。 ①アレになって ②赤くなって ③ゴミになった ゴミはゴミバコに捨てなきゃならない。 例えば割った鏡とか。壊れたライトだとか。きらきらしているものとか。 ('A`)、 お前はスペランカーか 友人のそんな言葉が聞こえた気がした。 瞬きをする。 脳味噌がスープになった。アレになった。 ( ω^)「あ、死んだ」
- 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 18:35:38.18 ID:2BFAlaEz0
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さぁ体中から要らない物を廃棄する時間が始まった。 心臓を止めろ。肺を潰せ。骨は片っ端から粉になればいいのに。循環する必要なんてないから循環器官は纏めて殺す。 異物を取り込む活動なんてしたくない。消化をするくらいなら死んでしまえ。耳も鼻も必要ない。この左目さえあればぼくはそれでいい。手も足も壊せ。要らないさ。 必要とあらば血流だって止めたいんだから。 きらきらしたあれだけ見れればそれでいい。 それじゃあ眼球も始めようか。入れたばかりの右目をもう一度ひっこぬく。ぬぶ。ぶちん。神経はゴムみたいに切れた。 ぼどりと地面に落ちた右側の目を左半分の視界で確認する。アディダスのランニングシューズはこんなことをするために格好良いんじゃないけど。 ぶち 気がついたら姉さんの黒いパンプスがぼくの眼球を潰していた。 先週、買い物に行ったときにスーパーで買った千五百円の小さなパンプス。足の甲にちょこんとついた小さなリボンに、汚い何かがこびり付く。 ( ω^)「ぼくの眼を潰すなお」 lw´‐ _‐ノv「しらねぇや」
- 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 18:39:50.09 ID:2BFAlaEz0
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姉さんはくすくすと笑った。 ギコさんはからから笑っていた。 からから笑っていた。からか からからからからからからからからからからからからからからから からからからからからからからからからからからからからからから からからからかかつかれた ほら在りがちな狂気の表記。 ぼくは笑わない。絶対に笑わない。
- 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 18:41:05.55 ID:2BFAlaEz0
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街灯の下には僕の好きな子が立っていた。 眼孔に視神経を押し込めたぼくは彼女に飛びつく。「なによ止めなさいよ」とその子は顔を赤くして怒鳴った。 lw´‐ _‐ノv「……中学生の爛れた性活」 (,,゚Д゚)「流そう性春の汗」 lw´‐ _‐ノv「む、そっちのが爽やかでいいな」 (,,゚Д゚)「セックスはスポーツです!」 lw´‐ _‐ノv「おお、何だか一気に汚い。おとなきたない」 死にぞこないと下世話な家族はほっておく。 ξ゚⊿゚)ξ「ねぇブーン」 ( ω^)「なんだお? ツン、こんな夜中に出歩いちゃダメだお」 ξ゚⊿゚)ξ「あんたには言われたくないわよ」 ( ω^)「だってツン、女の子だお」 ξ゚⊿゚)ξ「男女差別じゃない」
- 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 19:07:34.26 ID:iLA8ItMM0
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( ω^)「キャベツ?」 ξ゚⊿゚)ξ「死ね」 ( ω^)「もう半分くらい死んでるお」 ξ゚⊿゚)ξ「見ればわかるわよ。見ればわかるでしょ」 ( ω^)「おっ」 ξ゚⊿゚)ξ「ぼっろぼろ」 ( ω^)「おっ」 栗色の睫にそれよりずっと色の薄い髪。白い肌。とろけそうなぴんくの唇。ぽきんと折れそうな細い指。 制服のスカートから伸びた足は冷たく細い。ぴしりと白いソックスが映える。 酷く華奢。けれど不健康ではなくて。小さな体に比例するみたいに小さな靴。小さな手。 お気に入りと言っていた赤いカチューシャが頭の上に乗っている。 くるくると細い髪は頭の横でゆんわりと結われていて。いつもはきっちり閉じたシャツは、今日に限って第一ボタンが取られていた。 ほっそりとした体型にマッチした慎ましい胸部が浅く上下している。 浅く色づいたそのいろに、僕はちょっと興奮した。 彼女の睫に縁どられた大きな眼は、きらきらしている。 ぼくのだいすきなこは、いつものようにちょっと不機嫌そうにぼくの後ろのギコさんを見遣る。
- 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 19:19:13.09 ID:iLA8ItMM0
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姉さんがギコさんの腹の包丁をざくざく抜いたり刺したりしていた。 ギコさんは冷や汗を流して抵抗しているけれど、あれで姉さんは力が強いので、まるでなっていない。 ξ゚⊿゚)ξ「……兄貴、なにやってんの」 (,,゚Д゚)「いや、俺にもよくわからん……めっちゃ痛い。気持ち悪い。この子止めて、ブーン」 lw´‐ _‐ノv「包丁の抜き差しだよ、ツンちゃん」 ( ω^)「あんたら何やってんだお……姉さん、止めなさいお」 ぼくの後ろではギコさんと姉さんがじゃれ合っていて、それをぼくとツンが呆れて見守る。 そうだ、それがぼくらだ。 小さい頃から変らない。お兄ちゃん妹、お姉ちゃんと弟、立場が逆だったらぴったりなのにね、なんて言われていて。 あれ?
- 36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 19:28:36.73 ID:iLA8ItMM0
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そうだ、ぼくと姉さんがきょうだいのようにツンとギコさんはきょうだいで。 ツンとギコさんは仲良くないけど仲が良くて。何だかそれがにくらしくて、うまとましくて。うらやましくて。 ツンのきらきらした眼が、そっちを向いているのが嫌で。 だからぼくはギコさんの腹に、 ああえっと、ねぇ?
- 37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 19:30:36.22 ID:iLA8ItMM0
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ttp://imepita.jp/20090612/699350
- 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 19:38:08.05 ID:iLA8ItMM0
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包丁はホームセンターで買いました。 ぼくはいわゆる早熟型で、体格的にはもう大人なので、包丁を買っても何も言われませんでした。 店員さんはお金を払ったぼくに笑顔でありがとうございましたといいました。とても素敵な笑顔でした。 家に帰ってから。一応研ぎ石で手入れをしました。もしもうっかりきちんと刺さらなかったらと思うと不安で不安で仕様がありませんでした。 姉さんから教わった包丁の手入れの仕方がこんな所で役に立ちました。姉さんありがとうございます。 携帯電話で電話をしました。急ぎの用だと言うとおにいさんはすぐに来てくれました。 人気の無いところということで、ぼくはおにいさんを近所の神社に呼び出しました。汚してしまってごめんなさい。人が居なくて助かりました。ありがとうございます。 バイト中なんだけどな、と言っていたのに、本当におにいさんはすぐ来てくれました。嬉しかったです。ありがとうございます。 包丁を取り出したぼくをみてからからとおにいさんは笑いました。 何時ものように笑いました。酷く憎たらしかったです。憎んでしまいました。ごめんなさい。 別に邪魔するきなんてないぞと笑いました。その眼があの子そっくりにきらきらしていることにそのときぼくは漸く気付きました。けれど遅かったんだと思います。 でも存在が邪魔なのですと言ったら、おにいさんはわらって許してくれました。嬉しかったです。ありがとうございます。 ぶつ 皮の裂ける音 めぎ 肉の切れる音 ぐぢ 筋肉のちぎれる音 ごつ 内臓の壊れる音 ぶつ 皮の裂ける音 めぎ 肉の切れる音 ぐぢ 筋肉のちぎれる音 ごつ 内臓の壊れる音 ざく
- 40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 19:43:13.64 ID:iLA8ItMM0
- ぶつ ぼ皮のぢ 筋肉のちぎれる音 めぎ 肉の切れる音
ぐぢ くの壊れる音 ごつ は臓の壊れる音 ごつ 内臓の壊れる音 切れるあ音 つ 内臓の壊筋肉のちぎれる音皮の裂ける音 ぢ 筋肉のちぎれる音 れる音 ざく ざく ざく ごつ ん臓の壊れる音 ごつ 内臓の壊れる音 ざくざく 切れるたく音 つ 内臓皮のぢ 筋肉のちぎれる つ 内臓皮のぢ 筋肉のちぎれ ぐぢ も肉のちぎれる音肉のちぎれる音 めぎ 肉の切れる音 ぐぢ きの壊れる音 ざく ざく ざくつ 内臓の壊れる音 ごつ 内臓の壊 ごつ ら臓の壊れる音 ごつ 内臓の壊れる音 ざくざくれる音 ごつ 内臓の壊れる音 ざ 切れるいく音 つ 内臓皮のぢ 筋肉のちぎれる音 めぎ 肉の切れる音 の壊れる音 の壊筋肉のちぎれる音皮の裂ける音 ぢ 筋肉のちぎれる音 ぐぢざじの壊れる音 壊れる音 ざく ざく ざくざぢ 臓の壊れる音 壊れる音 ざ ごつ ゃ臓の壊れる音 ごつ 内臓の壊れる音 ざくざくざくざくざくざくざく 切れるな音 つ 内臓の壊筋肉のざくれる音皮の裂ける音 ぢ 筋肉のちぎれる音 ぐぢ か肉のちぎれる音肉のちぎれる音 めぎ 肉の切れる音 ざくざくざくざくざく ざく っ臓のざくるざく音 の壊ざくざくざくざくざくざく筋肉のちぎれる音皮の裂ける音 ぢ 筋肉のちぎれる音 ぐざくたく ざくのちぢ 筋肉のちぎれる音肉のちぎれる音 めぎ 肉の切れる音 ぐぢ んの壊れる音 ざくざくざくざく の壊筋肉のちぎれる音皮の ご壊れだくざくざくざくる音 ざくざくざくざくつ 内臓ざくざくの壊ざくざくざくざくれる音 ごつ 内臓の壊れ壊れる音 の壊筋肉のざくざくざく皮のざくざく 切れざける音 つ 内臓の壊ぎれざくざくざくる音 めぎ ざく切れる音 れる音 ざくざくざくざくつ ごぎ れの切れざくざくざくる音 めぎ 肉のざくざくざく音 ざくる音 ざくざくざくざくつ 内ざくざくる音 ごつ ざくざく内臓の壊れる音音音音 ぐぢざどざくざくざくざくざくざくざく ざくざくざくざくざくざくざく 抜いた包丁はきらきら光っていてツンの瞳のようで、時間止まれとぼくは思いました。
- 41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 19:44:06.73 ID:iLA8ItMM0
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だってその輝きには替えられない
- 44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 19:49:19.53 ID:iLA8ItMM0
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バカだなぁ、殺すなんて、と友人は言った。 お前はスペランカーかよ、と。 ('A`)「そんなに嫌いだったの」 ( ^ω^)「ぼくはギコさんのこと、嫌いじゃなかったお? 寧ろ好きだったお。大好きなにーちゃんだったお」 それでも、だ。 たとえ其の所為で姉さんに殺されようとも、一瞬のツンの瞳の輝きが。あの一瞬の輝きが。 そのあとのツンがどうなろうと知ったことか。
- 45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 19:51:23.61 ID:iLA8ItMM0
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('A`)「……夢なんだからさ、全部忘れて楽しめばよかったのに」 ('A`)「そしたら、姉にスプーンで脳味噌啜られる間際の、最後の最後の幻想で、平和な一生、終えられたかもしんないのに」 ('A`)「バカだなぁ、ブーンは」 ('A`)「ツン、死んじゃったぜ?」 うるせぇな。 lw´ _ ノv ξ ⊿ )ξ ; ;
- 47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 19:53:04.54 ID:iLA8ItMM0
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きらーきらーひかる ようです ぐぢゃり
- 48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/12(金) 19:54:34.81 ID:iLA8ItMM0
- 以上で終り
有難う御座いました。途中でIDが変った理由は俺が知りたいです。 ご飯はコロッケでした。もっかい有難う御座いました。
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