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mesimarja
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('A`)は服を愛しているようです
2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/16(火) 18:35:44.44 ID:KfzQOcR30

半世紀ほど前、この街にある紳士がいた。
紳士は大層裕福で、いつも上等な衣服を着、常に余裕ある笑みを浮かべていた。

その夜も紳士は高級な服を身にまとい、年の離れた恋人に会うため街へ出た。

しかし、いったい何事か、紳士は物言わぬ死体となって、朝を迎えることとなった。

発見された時、紳士は何も身につけておらず、このことから夜盗に襲われたと思われる。
紳士は常の余裕など微塵も見せず、恨みに醜く顔を歪ませていたそうだ。



3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/16(火) 18:37:22.66 ID:KfzQOcR30


('A`)は服を愛しているようです




4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/16(火) 18:40:50.18 ID:KfzQOcR30

('A`) 「店長、客いないんで店閉めていいですか」

(#´ー`) 「シラネーヨ」

('A`) 「じゃあ閉めます」

店の内側からシャッターに手を掛け、引き下ろした。
古びたシャッターは動かすたびに、ガリガリと嫌な音をたてて破片を落とす。
いい加減買い換え時なのだろうが、この店にそんな余裕はない。
また金を稼ごうにも、まず客が来ない。
なぜならこの洋服店、とんでもなく汚い。

だいぶ年季の入ったコンクリートの店舗に、汚れすぎて透明感を失ったショーウィンドウ。
小さな電球は狭い店内すら十分に照らすことができないし、マネキンたちは色あせた服を着て。
外から見れば、すでに廃業したように見えるだろう。
客を入れる為には、もう改装するほかないが、この店にそんな余裕はない。
なんとも救いようがない。


6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/16(火) 18:44:05.12 ID:KfzQOcR30

('A`) 「店長、店閉まったんで帰っていですか」

(#´ー`) 「シラネーヨ」

('A`) 「じゃあ帰ります」

(#´ー`) 「・・・ちょっと待てヨ」

('A`) 「なんですか」

出口に向いていた体を、さらに回して店長へと向き直る。
店の奥のソファでふんぞり返るその姿からは、機嫌が悪いことがよくわかる。


8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/16(火) 18:47:05.40 ID:KfzQOcR30

(#´ー`) 「俺がどうしてこんなに怒ってるのか、わかるかヨ?」

('A`) 「いいえ全く。 皆目見当もつきません」

ずいっと、店長は俺の目の前に布きれを突き出した。

そう、布きれ

いや布きれ?

所々縫い合わされたそれは・・・

('A`) 「服ですね、俺の作った」

(#´ー`) 「服じゃネーヨ、布きれダヨ」

店長に投げられた服(布きれ)は、俺の顔に当たって手の中へ落ちる。


9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/16(火) 18:50:25.41 ID:KfzQOcR30

(#´ー`) 「今この店の経済状況は?」

('A`) 「赤字、借金、給料の未払い」

(#´ー`) 「在庫状況」

('A`) 「少量の資材、大量の売れ残り」

(#´ー`) 「だったら無駄遣いしてんじゃネーヨ」

('A`) 「いやこれ売れるでしょ」

(#´ー`) 「売れネーヨ」


10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/16(火) 18:53:07.39 ID:KfzQOcR30

店長の小言を聞き流し、持っていた服(布きれ)を広げて眺める。
胴は入るし、首も手も出る。
表と裏が若干ずれているような機もするが、たいした問題じゃないだろう。
なんか入れた覚えのないスリットとか入ってるけど、そこはおしゃれだし、大丈夫。
大変!変なとこ縫ってる! けど俺は見なかった、許されるはず。

( ´ー`) 「つーかヨ、俺お前に服つくんの禁止って何度も言ったヨ?」

('A`) 「そうでしたかね」


12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/16(火) 18:56:03.35 ID:KfzQOcR30

確かに言われた。
店長だけじゃなく、学校の先生や友人にも言われた。

『お前(あなた)(君)には服を作る才能がネーヨ(ありません)(ない)』

でも俺は服が好きだった。
別におしゃれなわけじゃないけど、どうしようもなく好きだった。
だからつい、作ってしまったんです。悪気があったわけじゃないんです。
ごめんなさい、やめて殴らないで。

( ´ー`) 「まあ、今はいいヨ。 それよりこいつを見るんだヨ」

!('A(#) (こいつをみてくれ、どう思う?)

(*'A(#) 「すごく・・・大きいです・・・」

(#´ー`)

('A(#) 「すいませんでした」


13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/16(火) 18:59:05.20 ID:KfzQOcR30

店長が机の上に広げた新聞、そこに大きく書かれた記事、

『 連続通り魔事件 被害者ついに30人を越える 』

('A`) 「物騒ですね」

通り魔事件は珍しいことじゃないが、この被害者の数は異常だ。
その上に重ねるのは2週間前の新聞、店長は左下の小さな記事を指差す。

『○○服店に強盗 被害は現金と数着の衣類』

( ´ー`) 「○○服店には“例のアレ”があったヨ。
その○○服店に2週間前に強盗が入る、
そしてその日から尋常じゃない『通り魔事件』が始まっタ」

('A`) 「つまり、店長はこの『通り魔事件』に“例のアレ”が関わっていると?」

( ´ー`) 「十中八九、間違いネーヨ」



14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/16(火) 19:02:03.71 ID:KfzQOcR30

“例のアレ”が関わっている、
となれば、これは俺の仕事だ。
服を作れない俺が、この洋服店で働けるその理由・・・・・・


('A`) 「でも店長、なんで2週間も気付かなかったんですか」

( ´ー`)

('A`) 「もっと新聞読みましょうよ、教養って大事ですよ」

( ´ー`) 「・・・金がなくて、買えねーんダヨ」

('A`) 「すいませんでした」


15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/16(火) 19:05:02.90 ID:KfzQOcR30





青白く月に照らされる裏路地に、カツンカツンと高い音が響く。
その独特の響きを生むのは、間違いなく女性のハイヒール。
建物の暗がりに潜む人物は、それが十分に近づくまでじっと息を潜める。

カツン カツン カツン カツン
  まだ  まだ  まだ  まだ

カツン
   今


17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/16(火) 19:08:05.94 ID:KfzQOcR30

「!」

暗がりから突き出したナイフは、女性を傷つけることはなく、
男の前髪を、少々奪うことしかできなかった。

('A`) 「バレバレなんだよ」

男はナイフを避けた上体を引いたままに、目の前に伸びる腕をつかみ捻り上げる。
からりと軽い音をたてナイフは地面に落ち、暗がりの人物は月の下に引き出される。

(#*゚∀゚) 「イテェッ、離せよこの野郎!」

(;'A`) 「ちょ、イタイ!足踏むな!」

少女と呼ぶには年を過ぎ、女と呼ぶにはまだ足りない、その人物。
間違いなくストリートチルドレンだろう。
ぼろぼろのシャツに、ぼろぼろの半ズボン。そこから伸びる手足は不健康にがりがり。
そのくせ黒いベストだけは一目見て上等とわかるもので、彼女にはあらゆる意味で不釣合いな品であった。


18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/16(火) 19:11:05.20 ID:KfzQOcR30

男は彼女を見て驚いた。
別に彼女が、凶悪な『通り魔事件』の犯人だったことに驚いたわけではない。
お世辞にも治安が良いとはいえないこの街では、それほど珍しいことではないからだ。
男は、彼女のような社会の底辺に生きる者が、“例のアレ”について知っていたということに驚いたのだ。

('A`) 「お前がおとなしく、そのベストを返すなら離してやるよ」

(*゚∀゚) 「はーぁー?こんな良いもの、誰が返すかってぇーの!」

男の要求に、彼女はやや苦しげな声で抵抗を示す。
それに対し、男は不本意にも彼女を解放するほかなかった。

なぜなら彼女の着るベストから、勢いよく羽が生えたため、
いや、ベストが羽へと変わり、それを開いたために男は弾き飛ばされたのだ。

(*゚∀゚) 「アヒャヒャヒャヒャ!」

(;'A`) 「クソッ!」

すぐに体勢を立て直し、男は彼女を睨みつけるが、すでに彼女は空の中。
コウモリのような羽を、てらりと光らせ愉快気に笑う。


19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/16(火) 19:14:27.87 ID:KfzQOcR30


彼女が身につけているベストは“例のアレ”、イコール “ある紳士の遺品” である。
自分を待つ恋人の元へとむかったあの夜、何人もの夜盗に襲わた。
背広を脱がされ、顔を殴られ、ベルトを抜かれて、靴を脱がされ、
蹴られて踏まれて、果ては下着までも奪われ、殺され、
紳士は深く恨んだ。
その恨みは奪われた紳士の衣服に宿り、まもなくそれを所持していた夜盗たちを呪い殺した。

その後それらの衣服は、上等の価値で多くの人の手をそれぞれ転々と移り続ける中で、夜盗を呪い殺し、行き場のなくなった紳士の恨みは形を変え、服におかしな力を与えた。

例えばそう、紳士のベストは空を飛んだり。


20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/16(火) 19:16:11.46 ID:KfzQOcR30


('A`) 「なるほど」

男はしかめていた眉を開き、やや余裕を持ち自分の足元を見遣る。

男性が履くにはおかしい、女性の赤いハイヒール。


21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/16(火) 19:19:06.51 ID:KfzQOcR30


また、
紳士の訃報を聞いた恋人は、深く嘆き悲しんだ。
食事も喉を通らず、ろくに眠れない夜が続き、思い浮かぶのは紳士のことばかり。
そんな恋人の深すぎる悲しみは、紳士から贈られた衣服に宿り、
また同様におかしな力を与えた。

例えばそう、恋人のハイヒールは


22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/16(火) 19:22:08.11 ID:KfzQOcR30


('A`) 「よし」

男はその場で何度か足踏みをして、履き心地を確かめ駆け出す。
右足で地を蹴り、次の左足は宙を踏み、坂道を走るように彼女へむかい、空を走る。

(#'A`) 「うおおおおおおお!」

(;*゚∀゚) 「アヒャッ!?」

彼女は自分と同じ場に立てる人間など、いるはずがないと信じきっていた。
なのに今その自信が男によって崩された。
彼女の動揺に合わせるように、彼女の体もぐらりと傾ぐ。

その様子を見て男はさらなる余裕と自信を持ち、薄明かりに裾を翻しながら駆ける。


24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/16(火) 19:25:23.91 ID:KfzQOcR30

('A`) 「お前はダメだ。
全然その服を着こなせていない」

  そう、赤いドレスの裾をひらりと踊らせ、男は空を駆けるのだ。

('A`) 「服を着こなすことが出来なければ
    服を生かすことは出来ない」

一般的な男性であれば、女性のような格好をするのは出来る限り遠慮したいものだ。

しかし男は違う。


男は服が好きだ。愛しているといっても良い。
特に女性用の服が大好きだ。
自分が着たい、と思うほどに好きなのだ。
だというのに、世間というものは男性が女性の服を着ることを受け入れない。
よって男は長い間、もどかしくそれらを眺めることで自分を慰めていた。


26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/16(火) 19:28:07.68 ID:KfzQOcR30

そんな思いを抱えた男が、女性の服を着ることを拒むだろうか。
いや、拒むわけがない。
それどころか男の愛は、下着までも女性用のものを着用するほど。

('A`) 「着こなすことが出来ないとしても、
   “トータル・コーディネイト” ・・・努力することは大切だ」

着こなせているか否かは別として、男ほど愛と統一感を持って、それらを着る者はいないだろう。
これが、男が洋服店で働ける理由だ。


29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/16(火) 19:32:08.06 ID:KfzQOcR30


(;*゚∀゚) 「う・・・」

ストッキングは足を柔らかく締め付け、他との摩擦を抑え爽やかな心地を生み。
ひらりと風をはらみ、内を滑るドレスは開放的という他なく。
また逆に、胸部と股間をきつく固定する可憐な下着は、常にはない興奮を与え。

(*'∀`)

男を幸福の絶頂に昇らせる。


(;*゚∀゚) (キメェ・・・)


32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/16(火) 19:35:18.18 ID:KfzQOcR30


もう男と彼女の距離は僅かだ。

いつの間に手にしたのか、男は黒い警棒を横に大きく振り払う。
安物の防犯グッズだが、今回は武器として十分なものだろう。

彼女はそれを羽を押し出し、後退することで回避、
予備のナイフを取り出し、すぐに男へと接近。

男はまっすぐに突き出されるナイフの軌道を、彼女の手を打ち払うことで変え、
そのまま切り上げられてきたものも、身を引くことで避ける。

再度ナイフを突き出し、切り上げ、
再度手を打ち、身を引いて。

彼女は飽きることなく同じ動きを繰り返し、男もそんな彼女に付き合い動く。

(*'A`) (もしかしなくてもコイツ、素人だな)


33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/16(火) 19:38:13.16 ID:KfzQOcR30

(;*゚∀゚) 「クソッ、この、変態、がっ!」

単調で、無駄に大振りな動き。すでに息も荒れてきている。
30人もの被害者を生んだ通り魔とは思えないほどだ。

('A`) (素人が連続通り魔になれちまう・・・
     だから厄介なんだよ、あの服は)

男は心の中でぼやく。

(;*゚∀゚) 「ッ! ああもう、ちくしょう!!」

(;'A`) 「ぅお!?」

思うようにならないことに、彼女はいらだたしげにナイフを滅茶苦茶に振り回すと、
真上へ飛び上る。
男はそれを追い、彼女を見上げる。


35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/16(火) 19:41:11.62 ID:KfzQOcR30

('A`) 「逃げる気か? 無理だぞ。
     どこに逃げてもこの靴は、そのベストを探し出すからな」

恋人が紳士を捜し求めるように。

(*゚∀゚) 「誰が逃げるかってぇーの」

彼女は男を見下ろしニヤリと笑い、再びナイフを男に向けて構える。

('A`) 「・・・ああ、そういうこと」

その様子を見て、男は思わずため息をこぼす。

(*゚∀゚) 「アヒャヒャッ! 死ねよ!」


36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/16(火) 19:44:06.16 ID:KfzQOcR30

ふわりとさらに高さをつけ、彼女は男へ矢のように突進する、
が、男は横に一歩ずれ、通り過ぎる彼女を見送った。

(;*゚∀゚) 「ぅえ・・・!?」

男は地面に着き止まった彼女を、憐れむように見下ろした。
振り向いた彼女と男の目が合う。


(#*゚∀゚) 「ッなめてんじゃねーぞ!!」

彼女は力いっぱい地を蹴り出し、以前よりももっと速く、しかし以前と全く同じく男を目指す。
そしてまた、男は横へと一歩ずれる。

再度彼女は男に向かう。再度男は一歩ずれる。

再度下から、再度上から、サイド右から、再度左、再度斜め下、今度は後ろから・・・

その様子は男を中心に、彼女がぐるりぐるりと振り回されているように見える。


38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/16(火) 19:47:17.75 ID:KfzQOcR30

(#* ∀ ) 「~~~~~~~~ッ!!!」

(*'A`) (この子・・・なんてバカな子!)

彼女のスピードは、正直恐ろしい。
しかし何分動きが直線的であるため、避けることは容易い。
それに輪をかけ、彼女は力を制御することが出来ておらず、一度の突進で男と必要以上の距離を空けてしまい、男に彼女の来る方向を知るのに十分な距離と時間を与える。

('A`) (もしもコイツが着こなせていたら、危なかったかもしれないが・・・)

(*'A`) 「おい、お前!」

(#*゚∀゚) 「なんだよ変態!」

(*'A`) 「心優しい俺が、お前の敗因を教えてやろう」

(#*゚∀゚) 「まだ負けてねーよ!」

男はこちらを向いた彼女へ向かい、ひとつ指を立てる。


39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/16(火) 19:50:11.77 ID:KfzQOcR30

(*'A`) 「1つ、まず全体的に経験不足。
さっきから突くことしかしてこない。たまには振り下ろしてみたらいかが」

彼女の突進に合わせ振り返りかわし、さらにひとつ指を立てる。

(*'A`) 「2つ、さっきも言ったように着こなしがダメ。
男物を着るのはいいけど、サイズがあってない。今度からは試着してみたらいかが」

勢いを殺し男を振り返った彼女に見えるよう、さらに指を立て、

(*'A`) 「そして3つ」


40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/16(火) 19:53:21.37 ID:KfzQOcR30

男は手にした警棒を握りなおし、

('A`) 「お前には・・・」

(#*゚∀゚) 「ごちゃごちゃウルセーンダヨ! テメェ!!」

懲りずに突進してくる彼女に合わせ、警棒を高く振り上げ

(#'A`) 「服に対する愛が!」

すれちがいざま、彼女の頭めがけて

(#゜A゜) 「足りなーーいッ!!」

(* ∀ ) 「ガッ!?」

振り下ろした。


43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/16(火) 19:56:39.19 ID:KfzQOcR30

男の一撃は彼女の意識を奪い、勢いにその体は下方へと落とされていく。

ひらりひらりと黒い羽は風を掴みながら、彼女を地へと下ろす。

男もそれを追い、円を描くように歩き、彼女のそばへ降りる。

(* ∀ )

(#'A`) 「どうしてしっかり洗濯しない!繕わない!!」

ボロボロ、汚い、ありえない!と腹立たしげに男は頭を振り、
羽から戻ったベストを彼女から脱がせる。
少々汚れてしまったそれを手で払い、汚れを落とす。
そしておもむろに顔を寄せ、臭いを嗅ぐ。

(#'A`) 「・・・臭い」

男は憮然とした表情で、その場を後にした。


44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/16(火) 20:00:13.03 ID:KfzQOcR30


 ※


穏やかな陽の下、緑にあふれた広い庭で2人の男女が、ゆったりと向かい合っている。

( ´ー`) 「ご協力ありがとうございました。
    おかげで今回も無事、回収することが出来ました」

男のほうが、感謝の言葉とともにテーブルの上に白い箱を置き、ふたを取る。
中に入っていたのは、陽光を受けてらりと光る赤いハイヒール。

女、 品のある老女はニコニコと笑いながらそれを受け取る。

('、`*川 「いえいえ、お役に立ててよかったです」

( ´ー`) 「そしてこちらが今回のものです」

男はもうひとつ同じ箱を取り出し、開ける。
中に入っていたのは、黒いベスト。


47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/16(火) 20:05:24.43 ID:KfzQOcR30

老女はそれを受け取るのを、少々躊躇する。

('、`*川 「毎度毎度、私がいただいていいのかしら・・・?」

男の様子を伺いながら困ったように聞いてくる老女に、男は安心させるように笑う。

( ´ー`) 「貴女が持つことが、祖父にとっても一番のことだと思いますよ」

('、`*川 「そう? そう言っていただけると嬉しいわ」

老女はやわらかく表情を緩め、箱を大切そうに受け取る。

そのことに男は満足げに笑んで、ティーカップを口元に運ぶ。


48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/16(火) 20:08:06.60 ID:KfzQOcR30

うふふ、と小さい笑い声。

( ´ー`) 「? どうか?」

老女は愛おしそうに目を細める。

('、`*川 「今のあなた、彼にそっくりだわ」

男は曖昧に笑い、それらを流す。

('、`*川 「ふふふ」

2人のお茶は、もうしばらく続く。


49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/16(火) 20:11:05.01 ID:KfzQOcR30


 ※


('A`) 「おはよーございます」

通り魔と戦ったその翌日、いつも通りの時間に店へやってきた俺は、狭い店内を見渡す。

('A`) 「・・・あれ?」

店長がいない。
この店には休日などないから、店にいないのなら出掛けているのだろう。
出不精な店長のことだ、行き先は多分“彼女”のところだ。
とすると、いつ出たのかは知らないが、午前いっぱいは帰ってこないはずだ。


51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/16(火) 20:14:14.80 ID:KfzQOcR30

('A`) 「暇だ!」

いつものことだが。

仕方ないので雑誌でも読んでいようかと、ぶらりぶらりと店の奥へむかう

途中、

('A`) 「おやぁ?」

一体のマネキン(俺は彼女を クー と呼んでいる)。
昨日までは同僚と同じように、薄暗い店に溶け込む存在だったのに、
今、クーは、他の誰のものより色鮮やかな服を着て、この店に確固とした存在感を放っていた。
そして、何より見覚えあるその服は・・・


52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/16(火) 20:17:11.29 ID:KfzQOcR30

('A`) 「・・・俺の作った服(布切れ)?」

昨日見たときよりも、ずっときれいに、ずっとおしゃれになっているが、
これは間違いなく俺が作った、いや無駄にしたものだ。

('A`) 「・・・・・・」

('∀`)

昨夜俺が通り魔と戦っていたとき、店長は俺がダメにした布切れを、
わざわざきちんとしたものに作り直してくれていたらしい。


54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/16(火) 20:20:32.30 ID:KfzQOcR30
(*'∀`) 「へへへ・・・」

クーに抱きつき、くるりとミシンへ身を反す。
キスも送ろうと思ったのだが、何分クーは身長が高かったので諦めた。


まったく店長、作り直せるなら俺が失敗しても大丈夫じゃないか。

俺は期待と充実感から、力いっぱいミシンを踏み込んだ。


ガッ!

('A`) oh...ヌルポゥ...


糸が絡んだ。




      ('A`)は服を愛しているようです   おわり


56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/16(火) 20:22:54.08 ID:KfzQOcR30
以上で終わりです。
支援ありがとうございました!

何か気になることや、改善点などありましたら言ってください。


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