mesimarja
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川 ゚ -゚)丸で地獄のようです
2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 14:36:54.99 ID:Mo4x5jtL0



川 ゚ -゚)「素直になるには明日じゃ遅い」

川 ゚ -゚)「そして私は難しいことを考えるのも嫌いなんだ」

川 ゚ -゚)「だから変な修飾や回りくどい言い方は大嫌い」

川 ゚ -゚)「率直に生きよう、私と君は死んでいるね」


('A`)「そのようですね」






5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 14:43:49.29 ID:Mo4x5jtL0

 片方は首から犬のリードをぶら下げ、片方は腹から包丁の柄と刃をはみ出させていた。
 首吊り死体は自分の下半身を見下ろし、詰まらなそうにぷふうと溜息を洩らす。


('A`)「我ながら、何ともセンスの無い死に方をしたようです。
    糞尿が垂れていないだけ、まだマシなんでしょうか」

川 ゚ -゚)「私はどうやら他殺かな。いや、もしかしたら物凄く器用に自殺したのかもしれない」

('A`)「どちらにせよ、腹に包丁が突き刺さっているだなんてドラマチックで羨ましいです」

川 ゚ -゚)「何、首吊りなんてチープで良いじゃないか。私はそういうの、好きだよ」

('A`)「ありがとうございます。死に方を褒められたのは初めてです」

川 ゚ -゚)「私もだよ」


 二人はお互いに頭を降ろし、日本人らしくお辞儀を何度か繰り返した。
 お辞儀合戦を四、五回繰り返してから、刺殺死体(暫定)は辺りを見回す。


川 ゚ -゚)「此処は、何処かわかるかい?」

('A`)「どうやら何処かの街の路地ですね」

川 ゚ -゚)「そのようですね」



6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 14:48:11.58 ID:Mo4x5jtL0


('A`)「こういうのはどうでしょうか」

川 ゚ -゚)「うん?」

('A`)「僕は自縛霊とします。そうしたら其の内に介護人に殺されたおじいさんの霊がやってくるのですよ」

川 ゚ -゚)「……いや、それはちょっとどうかと思うんだが」

('A`)「え、そうですか?」

川 ゚ -゚)「とりあえず私がその爺さんの役をするとして、あんなに軽妙なトークが展開出来る気がしない」

('A`)「それは、残念ですねぇ」

川 ゚ -゚)「まず君、自縛霊か?」


 言われて、首吊り死体は軽やかな足取で路地から飛び出る。
 それから刺殺死体を振り返って「出れましたねぇ」と呟いた。


川 ゚ -゚)「もの凄い勢いで出れたじゃないか」

('A`)「壁を期待していたので何だか勢い余りました」



7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 14:49:12.59 ID:yM1RwU7J0
童貞=享年パロ吹いた

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 14:52:03.25 ID:EzHkap6MO
やっぱりアレのパロかwww
支援wwwwww

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 14:54:39.63 ID:Mo4x5jtL0

 首吊り死体はゆっくりと路地に戻り、「よっこいしょういち」と掛け声をあげながらアスファルトに座り込む。
 上を見上げると、ビルとビルに遮られ、細くなった青空が広がっていた。
 どうやら昼間らしいね、と刺殺死体はいう。そのようですね、と返した。


川 ゚ -゚)「一つ、自己紹介とかしてみようじゃないか」

('A`)「見知らぬ人に本名を教えてはいけませんと生前母が言っていたのですが」

川 ゚ -゚)「マザコンか」

('A`)「マザーコンプレックスの汚名を晴らすためにも本名を言わせて頂きましょう」

川 ゚ -゚)「汚名か?」

('A`)「少なくとも男にとっては結構な汚名ですね。ドクオと申します。今度共に宜しくお願いします」

川 ゚ -゚)「女にとってのファザコンっていうのは結構微笑ましいけれどね。クールと言うよ。宜しく」

('A`)「童貞が享年かどうかは分かりません」

川 ゚ -゚)「私も処女が享年かどうかはわからない。そういう意味でも仲良くやろう」

('A`)「あわよくば初体験ですか」

川 ゚ -゚)「生き返ってもう一回死ねばいいと、今君に対して思った」

('A`)「手ひどいですね」


13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 15:00:57.18 ID:Mo4x5jtL0


川 ゚ -゚)「とりあえず、移動しようか。なんだか此処じめじめしているよ」

('A`)「そうですね。とりあえず目下の目的地はサウナ室で」

川 ゚ -゚)「いまいちそれはじめじめしているのか乾燥しているのか判断しがたいから、止めてくれ」

('A`)「おれたちは幽霊のようですが、人に見えたりするんですかね」

川 ゚ -゚)「見えたらその人にとって相当酷い経験となるな」

('A`)「首吊り死体と刺殺死体が並んで歩いているのを観たら、それはもう酷いですね」


 しかし、おれ達にとっては別に酷い経験ではないでしょう、と首吊り死体――ドクオは言う。


川 ゚ -゚)「まぁ、腹に包丁が刺さるということ以上に酷い経験というのもあまりあるまいね」

('A`)「呼吸不全で糞尿垂れ流しになるより酷い経験も、そんなには無いでしょうね」


 ドクオが立ち上がるのに手を差し伸べ、引っ張り上げる。
 クールの手は血でガビガビになっていた。
「なんじゃこりゃぁあああああ」をやったことは想像に難くない、とクールは思う。



15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 15:06:43.08 ID:Mo4x5jtL0


 路地を出ても、町並みに見覚えは無かった。
 其れ所か生前の記憶の殆どが脳内に見当たらなかった。
 ドクオもだろうか、とクールは隣のドクオを伺う。


('A`)「しまりました」

川 ゚ -゚)「どうしたね」

('A`)「家の換気扇を付けっぱなしだったことを思い出しました。
    もしおれが部屋の中で死んだとして、換気扇が付けっぱなしでは廊下に異臭がだだもれです。祭りが起きます」

川 ゚ -゚)「ああ、あれ確か私リアルタイムで見てしまったんだよなぁ」

('A`)「おれはまとめで見たので、微妙な気分です」

川 ゚ -゚)「お隣さんが常識在る人であることを祈れば良い」

('A`)「どんなヒトかは忘れましたが、祈っておきます」


 暫く、両手を合わせて祈ったドクオが「じゃあ」とクールを振り向いた。


('A`)「何処へ行きましょうか」



16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 15:11:46.28 ID:Mo4x5jtL0


川 ゚ -゚)「行きましょうか、と言われても、私は全然生きていた頃の事が思い出せないんだ」


 君と違って、換気扇のことさえ覚えていなかったよ、と嫌味をこめて言うと、ドクオは罰悪そうに頭を掻いた。


('A`)「おれも、換気扇のことしか覚えていないのですよ」

川 ゚ -゚)「換気扇のことだけか……何にも覚えてないほうがまだマシだな」

('A`)「可笑しな罪悪感が無い分、其のとおりでしょうね」


 クールはそこそこに人通りのある街を見回し「ううぬ」と唸った。
 何処へ行けばいいのだろうか、と呟く。
 ドクオは完全にクールに任せるつもりなのか、首もとの縄を弄ったりしている。


川 ゚ -゚)「君は、何かないのか」

('A`)「いえ、特には」

川 ゚ -゚)「そういうのが一番困るんだよ」



17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 15:13:39.03 ID:Mo4x5jtL0
詰ったので適当になんかお題書いて。
ラストだけは考えて在るので、それに繋げるように消化します

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 15:15:40.65 ID:yM1RwU7J0

「芸術とは何かを知っていたら、それは自分だけの秘密にするよ」

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 15:17:17.40 ID:qTrfAfOqO
つばめの巣

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 15:19:41.50 ID:yM1RwU7J0
↑お題ね

複数募集であるなら、もう一つ

おっぱい談義

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 15:21:21.56 ID:Mo4x5jtL0
じゃあこれくらいで。
書き始めるけど、お題募集は続行。

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 15:26:49.30 ID:Mo4x5jtL0
('A`)「まぁとりあえず、適当に歩きませんか。じめじめしてますし」

川 ゚ -゚)「目下の目的地はサウナか」

('A`)「服、脱げるんですか、おれたち」

川 ゚ -゚)「それは微妙なところだなぁ……」


 言い合いながら、歩き出す。
 どうやら人々に二人は見えていないらしい。疎らな人波ではぶつかる事も無く、気の向くままに足を向ける。


('A`)「生きていたとき、おれは何をしていたんですかね」

川 ゚ -゚)「そんなこと私が知る筈も無い」

('A`)「知っていたら、おれもびっくりですよ」

川 ゚ -゚)「私もびっくりだ」


 不意に、ドクオが立ち止まった。
 その視線は道端に立ち止まる少年に向けられている。
 知り合いか、とクールが聞くと知りませんねぇ、と返された。


('A`)「ちょっと実験です」

( ><)『此処、何処なのかわかんないんです!』

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 15:33:34.95 ID:Mo4x5jtL0

('A`)「どうもこんにちわ」

( ><)『電話、電話かけるんです! 確かおじさんの家はこの近くだったはずなんです!』


 慌しくポケットから携帯電話を出す少年に向けて、ドクオは両手を振った。
 肩を叩くように振られた右手は、するりと通り抜ける。
 背中を叩くように振られた左手は、ふわりと通り抜ける。


('A`)「……どうやらおれはまだポルターガイストを取得していないようですね」

川 ゚ -゚)「レベルが足りないのか」

('A`)「幽霊レベル五ですか。初期設定みたいです」

川 ゚ -゚)「私も触れないな。初期設定だ」


 クールも少年に向かって両手を振るうが、ふわんふわんと揺れるばかりだった。
 幽霊にありがちな事、と書かれたスレになら真っ先に書かれそうな現象だった。


川 ゚ -゚)「別に面白くないなぁ」

('A`)「もうすこし捻りはないんですかね」

( ><)『あれあれ、繋がらないんです! おばさんは専業主婦だから、いつも家に居る筈なんです!』


24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 15:38:00.24 ID:Mo4x5jtL0


 ヴぉんヴぉんと遊びまくるが、其の内に飽きてしまい、クールは地面に直接座り込んだ。
 地べたリアンというのに憧れた時期もあるが、そう大して楽しくも無いな、と眉を寄せる。
 それどころか道行く人々が巨大に見えて、圧迫感で息が詰ってしまいそうだった。


川 ゚ -゚)「息、してるんだろうか、私達は」

('A`)「二酸化炭素を吸って酸素を吐いているというのはどうでしょう」

川 ゚ -゚)「光合成だって夢じゃないな」


 電子音がする。
 在る程度人の居る町ならば、何処でだって聞くことのできる、携帯電話の着信音だ。
 気をつければ合成音声の『ユーガッタメール』も聞こえてくる。

 ふと、クールは呟いた。


川 ゚ -゚)「そういえば」


 気がつくと隣のアスファルトにドクオが体育座りをしていた。



25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 15:42:50.88 ID:Mo4x5jtL0

川 ゚ -゚)「メールを、受けた気がするんだ」

('A`)「めーる? 携帯のですか」

川 ゚ -゚)「うん。変なメールをね、受けて」


 ボトムのポケットを探るが、携帯電話は出てこない。
 そりゃあそうだよなぁ、とクールは肩を落とした。


川 ゚ -゚)「なんだろう、これはと、思った覚えがあるんだ」

('A`)「スパムメールじゃないんですか」

川 ゚ -゚)「アドレスやらなんやらは無かった気がするんだけれど、そうなのかな」

('A`)「文面は」

川 ゚ -゚)「覚えているわけが無い」


 頭上にはさらさらと青葉の揺れる木があって、それでやっとクールは此処が広場だというのに気がついた。
 小さな子供達が転がるようにして走っている。
 何だかその様子に、包丁の刺さった腹からじくりと何かが湧き上がった。



28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 15:47:18.59 ID:Mo4x5jtL0


川 ゚ -゚)「ツバメが鳴いていた気がするんだ。その、メールを見たときに」

('A`)「ツバメですか。可愛いですよね」

川 ゚ -゚)「ああ、可愛いよなぁ。嵐なのに何故か電線に止まってたりするよな、あいつら」

('A`)「何故巣に逃げ込まないんですかね」

川 ゚ -゚)「あの必死さが可愛いと自覚しているんじゃないか」

('A`)「馬鹿ですね」

川 ゚ -゚)「鳥だからなぁ」


 ドクオが立ち上がって、ジーンズの尻をぱたぱたと叩く。
 クールもそれに続いた。
 風が吹いているのか、木の葉はさあわさあわと揺れている。

 そういえば、風という感じがしない、とクールは気付いた。


川 ゚ -゚)「台風の時に歩くのが便利そうだな、幽霊は」

('A`)「何のことですか?」

川 ゚ -゚)「風が分からないもの」


29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 15:53:27.14 ID:Mo4x5jtL0

从'ー'从『えー、嘘じゃないよう。だって見えるんだもん!』

从 ゚∀从『はいはい不思議ちゃん不思議ちゃん。そういうキャラ作りって最近はやんねーから、俺の前以外ではすんなよ』

从'ー'从『むううう』

从 ゚∀从『そういうのさえしなきゃ、お前だってもうちょっともてるだろーに』


 女子高生が二人、クールとドクオの隣を通り過ぎていく。
 その内の一人が、びしりとしっかりクールを指差して隣の女子高生にほらみろといわんばかりの視線を送る。


从'ー'从『ほらぁ、此処にも居るよ! 女のヒトと、男のヒトの、ユーレイ!!』

从 ゚∀从『あー? だから言われても見えねーっつーの』

从'ー'从『女のヒトはお腹に包丁刺さってるし、男の人は首に縄ついてるよ! 生きてるわけないもん!』

从 ゚∀从『だから、そういう……うわぁグロッ! 想像しちゃったじゃねぇか刺殺死体と首吊り死体!!』


川 ゚ -゚)「……ほほう、不思議ちゃんっていうのは本当に不思議な人も居るんだな」

('A`)「何か反応返したほうがいいんですかね?」

川 ゚ -゚)「さぁ、とりあえず、手を振ってみようか」


30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 15:59:08.22 ID:Mo4x5jtL0


 指差してくる女子高生に向かって、クールはひらひらと右手を振った。
 女子高生は益々ヒートアップして『ほらぁ!』と傍らに呼びかける。


从'ー'从『手、振ってくれたよ! ちゃんと向こうも私の事見てくれてるよ! 見えるでしょ?』

从;゚∀从『みえねぇよ……』

从#'ー'从『見えないの?! ハインちゃん、おかしいよ!』

从;゚∀从『お、可笑しいのはお前だって……。何だよ、ちょっと今日はお前可笑しいよ』

从#'ー'从『何で! 何で皆分かってくれないの! 居るのに! そこに、居るのに!』


川 ゚ -゚)「不思議ちゃんの方は……Eカップと言ったところか。小柄なわりに中々だな」

('A`)「女性はそういうの分かるんですか。良いところ僕はDだと思うんですが」

川 ゚ -゚)「制服っていうのは結構着やせするように出来てるんだよ」

('A`)「ああ、そういえば昔誰かがそんな事を言っていましたねぇ」



31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 16:07:34.33 ID:Mo4x5jtL0



从'ー'从『ねぇ、私も連れてってよ、二人とも……』

川 ゚ -゚)「因みに、良いところDなのはもう一人の方だな。スレンダーな方だから、まぁバランスは良い」

从;゚∀从『わ、渡辺?! なぁ、お前可笑しいって! 帰ろうよ、家、帰ろう!』

('A`)「身長も高いですし、確かにバランスがいいですね」

川 ゚ -゚)「もう少し下半身をシェイプアップすれば、モデル体型って感じだな。バレー部だろうか」

从#'ー'从『ハインちゃん、離してよッ! 私はあっちに連れていってもらうんだ! あの手を取れば……――!!』

川 ゚ -゚)「しかし、最近の女子高生のスカートの短さはハンパ無いな」

('A`)「正直、見ているこっちに恥ずかしいものがありますね」

从;゚∀从『渡辺! 帰るぞ! ほら!』

从#'ー'从『あんな風に、なりたい! 今みたいに煩わしいものなんてなんにもない、あんな世界に!』


('A`)「というかなんですかこの騒ぎ。怖っ」

川 ゚ -゚)「ほんとだ、逃げろっ」



32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 16:12:19.32 ID:Mo4x5jtL0





从'ー'从『あ、あ、あ……行っちゃった……』


从;ー;从『行っちゃったよう。私も連れてってよう。もう嫌なんだよう』


从;ー;从『こんな世界、生き地獄だよう』






33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 16:13:44.25 ID:Mo4x5jtL0





 ごほ、とドクオがクールの隣で咳き込んだ。
 液体の混じったような汁っぽい其れに、クールは眉を寄せてドクオの顔を覗き込む。


('A`)「あー、まぁ、あの、あれです。首吊り死体ですから、血くらい吐きますよ、多分」

川 ゚ -゚)「ああ、それもそうか」

('A`)「もしかしたらげろかもしれませんが」

川 ゚ -゚)「それなら私は即行で逃げるからな」

('A`)「処理が済んだら迎えに行きます」


 首に食い込んでいる縄に爪を立て、ドクオは呟く。


('A`)「想い人と連れションでもしたら、成仏できるんでしょうか」

川 ゚ -゚)「さぁ……私はとりあえず、首から血管が飛び出た人と付き合える自信は無いね」

('A`)「それが正しい思考回路だと思いますよ」



35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 16:19:20.72 ID:Mo4x5jtL0



 随分と走ったが、二人の息が上がるようすは無い。
 辺りの風景はすっかりと寂れたものになっていた。
 カレーの匂いが漂っていそうな住宅地である。ぽつねんぽつねんと立ったアパートにも、哀愁が漂っている。


川 ゚ -゚)「そういえば、走れるという事は、私には足があるんだね」

('A`)「……おお、本当だ」

川 ゚ -゚)「これは驚きの新事実だ」

('A`)「まぁ、元々幽霊の足が無いというのは、お茶かなんかが零れて絵の足が消えたのが元らしいですしね」

川 ゚ -゚)「え、そうなのか」

('A`)「おれも相当びっくりした覚えがあります」

川 ゚ -゚)「というか、しょんぼりしそうだなぁ」


( ><)『確かここら辺がおじさんたちのアパートがあるところだったんです!』


川 ゚ -゚)「あ」



36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 16:22:07.45 ID:Mo4x5jtL0


 先ほど腕を貫通させまくって遊んだ少年が居た。
 ドクオもかくりと首を傾けている。


( ><)『新婚に押しかけるのは申し訳ないですが……宿無しに比べたらマシなんです!』

川 ゚ -゚)「新婚夫婦に押しかけるのは歓心しないなぁ」

('A`)「暇ですから、彼についていきましょうか」

川 ゚ -゚)「ああ、新婚の出歯亀っていうのも、死後の過ごし方としては悪くないね」


 少年が背負っているリュックサックからは、青色のスケッチブックがはみ出している。
 中を見ることは出来ないが、この少年は面白い絵を描きそうだ、とクールは想った。


('A`)「そんな言い方をされるとなんだか悪いことのような気がしてきましたが」

川 ゚ -゚)「被害妄想だ」

('A`)「そうですか」

( ><)『ええとええと、確か確か、こっちなんです!』


37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 16:32:50.02 ID:Mo4x5jtL0



彼は桃源郷が此の世にあるのならば真っ先にキミを連れて行こうといいました。しかし聡明な
私はそれが詭弁だということを重々察しておりました。この世は地獄。生き地獄。どんなに強く
息を吐こうとも、どんなに強く足を踏み鳴らそうとも、この地獄からは抜け出せぬのです。いくら
言っても彼はそれを承知しませんでしたし、私もそれを察しておりました。賢しい彼が知らない
訳が無いのです。此の世が地獄と言ったのは幼き日の彼でした。拙い私が幾ら否定をしても
此ればかりは譲らないと、柔和は彼にしては強情にそう申しておりました。それだから私は彼
のその弁を否定することは出来なくて、ああそうなのかと学習するばかりだったのであります。
此れから先もそうして私は彼から学習するばかりなのでしょう。幾度と其れを否定しましたが、
私は矢張り彼から離れることは出来ぬのです。幾千生まれ変わろうとも幾千死んで死体をき
たなくさらしても、どうやったって離れたりはできないのです。彼が生まれれば追う様に、彼が
死ねば追うように。それが運命なのです。それが定めなのです。それで私は不満など、ただ
の一つもないのです。其れだけが全てなのです。だから私のこの身に宿る宿命は、誰が幾ら
殺そうとも、死ぬ術さえ持っておらぬのです。




38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 16:38:40.21 ID:Mo4x5jtL0




( ><)『此処、なんです!』

川 ゚ -゚)「ほほう、寂れたアパートだね」

( ><)『なんだか変な臭いがするんです!』

('A`)「……」

( ><)『鍵、しまってるんです』

( ><)『ちゃーんと隠し場所を覚えてるんです!』


 少年は、扉を、開いた。



( ><)『あ』





40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 16:42:58.04 ID:Mo4x5jtL0



 小さなアパートは、入って直ぐにリビングルームがある。
 そこに倒れていたのは、黒い髪を真っ赤に濡らした女性と、天井に打ち込まれた釘から垂れた犬のリードにぶら下がった男性。
 女性の腹から飛び出た肉塊は、今にも息絶えようとしていた。


( ><)『……』


 夥しい異臭が部屋の中に蔓延っている。
 ドクオとクールは、顔を見合わせた。


川 ゚ -゚)「「……」」('A`)


川 ゚ -゚)「赤ちゃん、死んでしまったな」

('A`)「うん」



41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 16:48:21.50 ID:Mo4x5jtL0

 少年は、ふらふらとへたり込んだ。
 ドクオとクールはそれを見下ろす。蔓延る異臭に、二人は気付かない。
 これもまた発見か、とクールは呟く。


川 ゚ -゚)「幽霊は臭いを感じない」

('A`)「大発見ですね」

川 ゚ -゚)「そうだな」

('A`)「後、そういえば幽霊の声は生きている人には聞こえないんですね」

川 ゚ -゚)「ああ、そういえばあの不思議ちゃんも、声は聞いていないようだったね」


 少年は、ゆるゆるとリュックを下ろし、飛び出たスケッチブックを震える手で開いた。
 ポケットからペンを取り出す。


('A`)「ああ、そうか、ビロードくんの絵って、見たことなかったな」

川 ゚ -゚)「面白い絵を描くと想ったのに、少し残念だ」

('A`)「というか、腹に包丁の刺さった女と首をつった男を描くというのは、酷いな」

川 ゚ -゚)「酷い経験さえも芸術に変えるのが天才なんだよ。ピカソしかり」

('A`)「ゲルニカですか」

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 16:54:22.06 ID:Mo4x5jtL0


('A`)「だとしたらおれは、あんまりピカソを芸術家として捉えたくないですね」

川 ゚ -゚)「そうかもね」


 ああそうだ、とクールは頷く。
 メールっていうのは、堕胎の予定日に関するものだったな、と。


川 ゚ -゚)「ピカソは本当の芸術家ではないさ」

('A`)「ふむ、じゃあ本当の芸術家とは」

川 ゚ -゚)「それが分かったらね、絶対に誰にも教えないよ」

('A`)「要するに分からないんですね」

川 ゚ -゚)「とりあえず、この風景が芸術だとは感じない。それだけは教えてあげよう」

('A`)「ありがとう」


 女性から出た血や臓物、男性から垂れた糞尿で、アパートの一室は地獄とも呼べるような風景だった。
 その地獄を写し取っていく、少年もまた地獄の一欠片だった。




45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 16:56:10.09 ID:Mo4x5jtL0





 フローリングの床でくちゃりと血に沈む肉塊に、クールは冷たい視線を送る。


川 ゚ -゚)「お前なんか私の子じゃない」






47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 16:56:59.52 ID:Mo4x5jtL0
川 ゚ -゚)丸で地獄のようです
 end

48 名前: ◆RMvPkPTLmY :2009/08/09(日) 16:58:14.73 ID:Mo4x5jtL0

最初のお題を見た瞬間ラストがこんなんに変更されました。
どうしてこうなった。


支援、お題等有難う御座いました。
急展開に自分でもびっくりです

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