mesimarja
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(´・ω・`) 曰く、「男は皆魔法使い」のようです
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 19:52:38.61 ID:1ykM2cMv0
その一。

(*゚ー゚)「ねぇ、ショボちゃん。『魔法』ってあると思う?」

ある春の日の、午後のことだった。
いたいけな幼い子供にそう訊ねられた。
十歳も年上の僕を『ショボちゃん』と呼ぶ彼女、フルネームは知らないが、『しぃ』と皆は呼んでいた。

(;´・ω・`)「魔法、ねぇ……」

咄嗟にそんなことを聞かれた時、普通の人はなんと答えるのだろう。
…僕が困っていると隣にいたハローが、

ハハ ロ -ロ)ハ「ありマスよ。男はいつだって、魔法使いでヒーローなんデス。ネ?」

(;´-ω-`)「う、ん……」

と、たどたどしい言葉遣いで助け舟を出してくれた。
またどこかで聞き及んだセリフなのだろう。「男は皆、魔法使い」。

(*^ー^)「そっかー」



2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 19:56:10.36 ID:1ykM2cMv0
そんな曖昧な答えでもしぃは納得してくれたらしかった。
次の瞬間には「魔法のある・なし」という些細な問題など忘れたようで、他の子供達にまじって遊んでいた。

(´・ω・`)「………」

…ここは市街の裏にある貧民街。
今、僕の目の前で遊んでいる子供達はそこの小さな住民だ。
共働きが多いこの地域では、どうしても昼間は子供だけになりがちなのだ。

(*^ー^)ノシ

しぃが手を振っている。僕も振り返す。
ボソリと、

ハハ ロ -ロ)ハ「…ロリコン」

と不名誉なことを言われたが、別にいいだろう。
実際僕は子供が好きなのだ。
…暖かな時間はゆっくりと流れていく。

(´-ω-`)「平和だなー」


5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 20:00:10.57 ID:1ykM2cMv0
(‘_L’)「…失礼します、王子」

寝転がった僕に声が降る。
…実は日光浴のふりしてハローの下乳観察だったりする。
それを邪魔され不機嫌な僕は、目も開けずに答える。

(´-ω-`)「…『王子』はやめてくれないか、フィレンクト。今は外だ」

(‘_L’)「申し訳ありません」

恭しく礼をする。
仕事上仕方ないのだろうが、こんなところでそんなことをされると目立ってしょうがない。
執事服を着込んだ彼は言う。

(‘_L’)「…そろそろ、お城に戻られては……」

(´・ω・`)「…そうか。そうだね」

外にいると、時間が経つのが本当に早い。
もうそろそろ家に帰らないといけない時間だ。
僕は起き上がると軽く子供達に手を振り、その場を立ち去った。


7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 20:04:11.41 ID:1ykM2cMv0
その二。

僕の国は『帝王神権説』の代表のような国だった。
それが悪い、とは思っていない。
でも……

(´・ω・`)「普通の家に産まれたかった、っていうのは事実かな」

ハハ ロ -ロ)ハ「それは恵まれた人間のわがままデス」

(´・ω・`)「わかってるよ」

適当に返し、裏門をくぐる。
衛兵は今日も真面目に仕事中だ。彼等の敬礼を見ると身が引き締まる。

(´・ω・`)「…これからの予定は?」

(‘_L’)「三時より会談が入っております」

今二時過ぎ。
着替えて、雑多のことをしていればすぐか。


9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 20:08:18.10 ID:1ykM2cMv0
【+  】ゞ゚)「これはこれは、ショボンヌ王子」

立ち上がり、僕の名を言う。
なぜか常に棺桶を背負ってる彼に礼を返し、僕も座る。
…とりあえずそれは下ろして欲しい。気になるんだけど。てか椅子に座るのに邪魔だろ。

(´・ω・`)「早速用件に入りますが、今回は貴社と我が国の関係とのことで――」

一応『王子』という名目で会談しているが、どちらかと言えば『父の代わり』の意味合いが強い。
…さて、父上は今日はどこ地域の視察だったかな。

我が父、デミタスは国民の心が分かる王を自称している。
それ故国内の各地域の視察に余念がないのだ。
僕もその姿勢は見習いたいと考え、身分を隠しこっそり街に出ている。

(´・_ゝ・`)「いいかい。王には、国民を守る義務と責任があるんだ」

…それが彼の信念だった。
日本人の知り合いが、「うちの政治家にも見習ってほしいよ」などとぼやいていた。
でも僕からしてみたらあんなに恵まれている国はないと思う。…さっきハローが言ってたのはこのことか。


10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 20:12:12.55 ID:1ykM2cMv0
その三。

しぃが、泣いていた。

(*;ー;)「おかあさんがね、おかあさんが……」

あれから数日後のことだった。
泣きじゃくる彼女を過呼吸にならないよう落ち着かせ、話を聞く。

…お母さんが亡くなったらしかった。

(´-ω-`)「そうか……。じゃあ天国のお母さんが心配しないように、涙を拭きなさい」

ポケットに常備されているハンカチを取り出し、渡した。
僕の言葉を真摯に受け止めて彼女は涙を堪えようとしていた。

(´・ω・`)「………」

…僕は、どうしようもなく嫌な気分だった。


12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 20:16:10.66 ID:1ykM2cMv0
我が国では近年、麻薬中毒者が増加していた。
まだ経済も治安も安定していない国だ。仕方ないとも言えた。

(´・_ゝ・`)「…もっとこの国を良くしてみせる」

父の口癖。
王家の責任を感じさせる、重苦しい言葉。

…僕はその意味がよく分かってなかったらしい。
城下で死にゆく人々の気持ちを、分かろうとして………同時に分かろうとしなかった。

ハハ ロ -ロ)ハ「王子……」

心配してくれているのだろうか。ハローが声をかけてくれる。
…でも、そんな言葉、今の僕には無意味だった。

(´・ω・`)「…帰ろう」

しぃを残し僕達は立ち去った。
――立ち去るしか、なかったのだ。


13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 20:20:13.22 ID:1ykM2cMv0
その四。

「男は皆魔法使い」

――くだらない。
そう思いながら、僕の足は神殿に向いていた。
城の深部にあるそれは分かりやすく「帝王神権説」を表すものだと思っているし、実際そうなのだろう。

(´・ω・`)「………」

カツカツと、革靴の音だけが階段に響く。
この現代で石の階段、石で造られた通路。時代錯誤もいいところだ。
木でできた扉を開け放った先、松明の光が満ちていた。

(´・ω・`)「…いつ来ても、馬鹿らしい場所だな」

――中にあるのは小さな祭壇と泉。
そして、「いわくつきの品」と呼ばれる怪しげな物品ばかりだ。
そんなもの達を触らぬよう奥へ進む。

あるモノを探す為に。


15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 20:24:10.56 ID:1ykM2cMv0
……小さな、しかし厳かな神殿の奥の奥。
それはあった。

(´-ω-`)「……ふざけるな」

自分を鼓舞する。
震える手を、戦く心を、忘れ去るように。

(´-ω-`)「…たかが女の子の笑顔一つ守れないで、何が王だ。何が魔法使いだ」

バンッ、と石の壁に堅い拳を打ちつけた。
…不思議と痛みは感じなかった。
そんなものよりも心の奥底から湧き上がる激情の方が熱く胸を焼いていた。

その炎がやがて身体中に等しく染み渡った時――――

(#´・ω・`)「…人を救えない『魔法』に、何の意味がある……!!」

――僕は、それを手に取った。
それは決して踏み越えてはいけない一線を越えてしまったことも、同時に意味していた。


16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 20:28:10.96 ID:1ykM2cMv0
その五。

ビジネス街のあるビルの最上階。
そこを仕切るのは中国系のグループ、――いわゆる華僑である。

爪'ー`)y‐「……フフフ」

笑みを浮かべ紫煙を燻らす彼がその頭だった。
まだ三十路前ながら、数多くの実績を上げてきたやり手だ。

――即ち、麻薬売買の。

爪'ー`)「…あんなものは引っかかる人間が悪い」

誰に言うでもなく、彼は呟く。
ある意味では正論のその言葉を。

大真面目にそう考えていた。
麻薬に嵌り、苦しむ人間など、その程度の器だったということ。
それが理解できている――例えば自分のような――人間はそんなものに踊らされたりはしない。
詰まる所「自業自得」と……


17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 20:32:10.91 ID:1ykM2cMv0
…そう思った直後だった。

「………そうかもしれないな」

暗い部屋、眼前より声が響く。
若い男の声だ。それもどこか品の良さ、育ちの良さを感じさせる声だった。

爪'ー`)「……フン」

銃を取る。そして控えさせていたボディーガードを近くに呼び寄せる。
…男の胸には、一種の高揚感さえあった。仕事が上手く行き過ぎてつまらなく感じていたところだ。
どうせ素人の仇討ちだろう。いい暇つぶしになる、と……

(´・ω・`)「…そうかも、しれないな。愚かなのは彼等の方なのかもしれない」

現れたのは赤いローブを纏った銀髪の青年。
整った顔立ちは暗闇でも映え、腰の儀礼剣も同等に美しい。

爪'ー`)「…こいつぁとんだ世間知らずが来たもんだ」

やれ。と端的に告げた。
…「殺せ」という意味だった。


19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 20:36:15.47 ID:1ykM2cMv0
――しかし、それは為されなかった。

「「ぐぉおお!!」」

次の瞬間、双方の屈強な男達が地面に這い、手首を押さえていた。
…いや、それは正しくないかもしれない。
正しくは今ほどまで手首があったところの少し下を押さえていた。

つまり、右の手首から先を切り落とされていたのだ。

爪;'ー`)「チッ!!」

銃を構える。ここで動揺しなかったのは流石と言えるだろう。
だが。

(´・ω・`)「……いや、愚かなのは王位にいる人間か」

青年が軽く剣の柄に触れるだけで、構えた銃は綺麗に三等分にされた。
まるで、魔法のように。

…違う。それは確かに『魔法』だった。


22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 20:40:12.23 ID:1ykM2cMv0
爪;'ー`)「てめぇ、なにも――」

…言葉はそこで途切れた。
何故なら言葉を紡ぐ為の舌が地に落ちたから。

(´-ω-`)「…次期国王、ショボンヌ・S・ハイドレードより王の判決を言い渡す」

高潔さ、また高慢さを持った声が室内に響く。
目の前で声にならない悲鳴を上げ、悶絶する者達などどうでもいいと言うように。

(#´・ω・`)「貴様らは、全員死刑だ……ッ!!」

静かな響きが一変、確かな怒りを持った怒号へと変わった。
直後男達の腕が飛び、足が飛び、胴体が二つに分かれた。

…最後に仲良く全員の首が飛び、全てが終わった。

(´・ω・`)「………」

青年は、魔法使いは、この国の次期国王は、それを少しの間眺めていたがやがて踵を返す。
…少なくとも彼の横顔には後悔の表情は見られなかった。
ただ、頬に一筋の涙が流れただけだった。


23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 20:44:12.26 ID:1ykM2cMv0
その六。

何日か経ち、僕はまたあの貧民街にいた。
あの時僕の知らない場所、遠当てで戦ってくれたハローの怪我も大分癒えた。
…彼女がいなければ、僕の「私刑」は成功しなかったかもしれない。
退院したら父上に頼んでボーナスを渡してもらおう。

(´-ω-`)「…『私刑制度』……」

「帝王神権説」の代表格のようなこの国には、かつてその制度があった。
国王による直接的な断罪。「魔法」という非日常的で特別なものを使ってのものだったらしい。
それを僕は復活させた。それだけのことだ。

(*゚ー゚)ノシ

…また、彼女が手を振っていた。
完全に立ち直ったわけではないだろうが、それでも僕には十分だった。

(´・ω・`)「…男は皆魔法使い、か……」

ハローの言葉を噛み締める。
なんとなくだが、意味が分かった気がした。


24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 20:48:12.68 ID:1ykM2cMv0


魔法。

『世界の裏に存在する異端の法則と、それを操る秘法』


(´-ω-`)「……帰るか」


――願わくば、それが誰かを笑顔にする為の術であらんことを。




…END?


25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 20:51:11.74 ID:1ykM2cMv0
ご支援ありがとうございました。
暴れん坊将軍とか大好きです。
そんなわけで、至極単純な話を書いてみました。

麻薬が芸能界で横行しているようです。
世も末ですね。
皆さんも気をつけてください。


29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 21:02:49.27 ID:xu0TnMowO
―ニーチェ曰く

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 21:04:00.77 ID:1ykM2cMv0
>>29
悪を取り除く為に更に大きな悪が行われるぐらいなら、そのままになっているほうがいい。

…でしたっけ。
全くその通りです。

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/31(月) 21:28:32.42 ID:1ykM2cMv0
>>30
…よくよく考えたら、この言葉はゲーテでした。
すいません。

コメント

続き物で読みたいなー
[2009/09/06 17:25] URL | #- [ 編集 ]


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