mesimarja
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( )百合ノ華連話のようです。
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 22:36:23.94 ID:MjcZcz6G0

はじめに.


20XX年某日 英国 ロンドン。
近年復活した4頭立ての乗合馬車の中で、私はこれを記している。
これは、このお話のプロローグであり、作者である私から読者諸兄への私信でも有る。
何故、私がわざわざ英国に渡り、乗り合い馬車の中にいるのかというと。
それは、本作がオムニバス形式を取っているからということと、もう1つ、酷く個人的な事情によるものである。

オムニバス。元はこの乗合馬車を指しても言われ、また現代の公共交通機関のバスの語源でもある。
この由来もあって、バスを主題としたかのオムニバス作品を読んだときにはえらく関心し、その内容にも心
打たれた記憶がある。
それは、さておき。

本作は、女性同性愛を描いた短編集である。
また、短編完結型のオムニバス形式を取っている。
原則として、それぞれの話に関連性は無い。
それらを留意していただいた上で、よろしければ、最後まで。
このお話に、お付き合いいただければ、甚だ幸いである。

最初のお話の主人公は、19世紀ロンドンに住む2人。
それでは、はじまり、はじまり。



2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 22:37:05.70 ID:MjcZcz6G0

第1幕.ξ゚⊿゚)ξ令嬢と(゚、゚トソン召使のようです。a


3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 22:37:46.38 ID:MjcZcz6G0

霧の街、ロンドン。
煌々とガス灯の照らす夜道を、幌を上げた1頭立てフェイトン(軽装馬車)が走っていた。

ξ゚⊿゚)ξ「どうやって、何処まで逃げようかしら」

座席に座った少女が、呟く。
ポプリン地で出来たワンピースに小さな帽子を軽く被り、足元は編み上げのブーツ。
くるんとした、綺麗な金髪の巻髪が揺れてる。
まるで、最近増え始めた勤労女性のような格好だ。
しかし、その口調からは上流階級のアクセントが抜けていない。
その少女の声に、馭者台から応える声。

(゚、゚トソン「何処か、誰にも見つからない所へ。2人で、幸せになれる場所へです」

手段は問わない。
例え世界唯一の私立諮問探偵でも、サイエンティフィック・パーディトリアンでも見つけ出せない場所へ。
この夜が明けぬうちに。消して晴れぬロンドンの霧にまぎれて。


4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 22:38:27.38 ID:MjcZcz6G0

ツンデレ・A・スプリングフィールド。
貿易により財を成し、ジェントリとなったスプリングフィールド家。
その、4代当主の1人娘。
いわゆる、上流階級の深窓令嬢。

トソン・キャピタル。
スプリングフィールド家に使える、ツンデレ付きウェイティングメイド。
一介の、使用人。

2人のその関係は、あるいは神の悪戯か。
同性であること。階級が違うこと。
19世紀、英国・ロンドン。
その街の、古びた風習の全てが2人の恋路の障害だった。


5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 22:39:22.35 ID:MjcZcz6G0

(゚、゚トソン「本日も、お美しい」

ξ゚⊿゚)ξ「そう……」

メイフィア、サウス・ストリート。
ロンドン1の高級住宅街であるその場所に、スプリングフィールド邸はある。
その一室、ツンデレ嬢の私室に2人は居た。
上品なレースのカーテン越しに、部屋に柔らかく入り込む陽光。
その光の中で、トソンがツンデレの着付けを行なっている。

(゚、゚トソン「この後、ミセス・モンゴメリーが開くお茶会に出席いたされますので」

コルセットの紐を締め上げながら、トソンが言う。
時折、ツンデレが苦しそうに顔を歪める。

ξ゚⊿゚)ξ「ああいう所は、好きじゃないわ」

ツンデレは、女性の自由思想の持ち主であった。
上流階級の女性のたしなみであった刺繍や蝋細工などは好まず、もっぱら読書、それも様々な思想家の
書籍を読みふける事を好んだ。


7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 22:40:27.53 ID:MjcZcz6G0

(゚、゚トソン「そう仰られても、ミセス・モンゴメリー直々のご招待ですので」

厳格な家庭であるスプリングフィールド家において、そういった本を1人娘に読ませる道理は無い。
それらの書籍を入手しツンデレに渡しているのは、他ならぬトソンであった。
しかし、召使と令嬢の関係で居る時、トソンは常に、あくまでメイドとして振舞った。

ξ゚⊿゚)ξ「あんな、噂話するだけの集まりなんて、ナンセンスだもの」

とは言え、前述の通りスプリングフィールドの家は厳格な家であり、ツンデレに対しては常に上流階級の
レディである事が求められた。

ξ゚⊿゚)ξ「はぁ……」

ツンデレの溜息も気にせず、トソンはドレスの用意をする。
パリのデザインを取り入れた、流行物のワンピースドレス。
鮮やかな黄色の生地に、緑のラインが入っている。

ξ゚⊿゚)ξ「本当に、憂鬱だわ」

そんな、彼女のようなお嬢様であれば心弾むはずのドレスには無関心に。
ツンデレの顔からは、気だるげな表情が離れない。


9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 22:41:17.46 ID:MjcZcz6G0

(゚、゚トソン「いってらっしゃいませ。マイ・レディ」

ξ゚⊿゚)ξ「ん……」

豪奢な門の前に待機させていたブルーム(箱型4輪馬車)にツンデレが乗り込み、それを何人かの使用人が見送る。
馭者がムチを振るうと、馬車は軽快に走り出した。


10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 22:42:37.64 ID:MjcZcz6G0

夜。

ξ゚⊿゚)ξ「今日は、本当に退屈だったわ」

ツンデレの私室に、2人は居た。
煌々とした月明かりと、瀟洒なオイルランプだけがぼぅと室内を照らしている。
香の焚かれた室内には、甘い香りが満ちていた。

ξ゚⊿゚)ξ「退屈なお茶会に、退屈な劇。こんなのがノブレス・オブリージュだなんて、馬鹿げてる」

フリルの付いた可愛らしい寝巻きを着たツンデレが、ベッドに腰掛けている。
その前に跪くのは、普段通りのメイド服を着た彼女のウェイティングメイド。

ξ゚ー゚)ξ「だから、ねぇ。私を楽しませて頂戴」

(゚、゚トソン「仰せのままに」

トソンが、ゆっくりと、ツンデレの右足に手をかける。
両の手で少し持ち上げて、その甲に舌を這わせ、丁寧に、丁寧に舐め上げていく。


11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 22:43:22.80 ID:MjcZcz6G0

右足、左足。
くるぶしを越え、ほっそりとしたふくらはぎ。
膝を過ぎて、柔らかな太股へ。
そして。

(゚、゚トソン「失礼いたします」

ξ゚ー゚)ξ「うん……」

右足をベッドに上げ、脚を開いたはしたない姿勢。
露になった、下着を纏わぬその秘部に、トソンが舌を這わせる。

ξ//⊿//)ξ「ん……」

ツンデレが僅かに声を上げ、シルクのシーツを強く握る。
ソレを耳にしながら、トソンは、少しずつ溢れ出して来た蜜を舌ですくい上げ、自らの口内に飲み込む。

ξ//⊿//)ξ「あっ……はっ……」

粘着質の水音が、その音量を増すほどに、ツンデレの息は荒くなる。
形のいい唇を僅かに開き、体に汗を浮かべながら。
熱くなった吐息を吐き出す。


12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 22:44:39.10 ID:MjcZcz6G0

焼香の甘い香りに混じり、ツンデレ自身の香りがトソンの鼻に付く。
その芳しさを存分に堪能しつつ、トソンはツンデレへの奉仕を続ける。

ξ//⊿//)ξ「っつ……んっ……」

ツンデレの声が大きくなり、その腰をもじもじと動かす。
それに構わず、トソンの両腕はツンデレの両足の付け根をしっかりと掴み。
舌は、秘部を舐め上げ、時に中に入り込み、時に蕾を刺激して。
ツンデレの体を熟知したトソンの舌は、彼女を更なる官能へと導く。

ξ//⊿//)ξ「っつぁ……んぁっ……もうっ……」

ちょん、とトソンの舌が蕾をつついたのを切欠に、ツンデレの腰の動きが大きくなる。
そのまま、トソンが舌を動かすと、ツンデレはあえなく絶頂を迎えた。
ガクガクと腰を動かしながら、溢れ出す声を堪えるように歯を食いしばっている。

ξ//⊿//)ξ「はぁ……はぁ……」

(゚、゚トソン「マイ・レディ。貴女は、本当に美しい」

肩で息をするツンデレの、柔らかな桜色の唇に。
トソンの、唇が重なる。


13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 22:45:19.39 ID:MjcZcz6G0

ξ゚⊿゚)ξ「ねぇ」

うつぶせに、ベッドに寝転んだツンデレが、香を片付けるトソンの後姿に語りかける。

ξ゚⊿゚)ξ「私は、幸福な人間だわ。財産の有る家に生まれ、上等な教育を受けて、明日食べる物に困る事もなく。
     夜は暖かなベッドで眠り、雑務は全てメイド任せ。自分では、本より重い物なんか持った事は無い」

ジェントリ。
称号こそ持たないものの、その階級は実質貴族と大差無い。
路上で眠り、満足な服も食事無く、飢えと寒さで死んでゆく女たちも居るこの街。
「どの家に生まれたか」その一点で、その生活には天と地ほどの差が有る。

ξ゚⊿゚)ξ「贅沢な事だと思うけど。だけど、ね。この暮らしは、退屈なの。
     こうやって、家族と召使の目を盗む夜でなければ、貴女と抱き合うことすらはばかられる」

それでも、ツンデレは自由の人だった。
本当は、お転婆で活発な。淑やかさとは無縁の少女であった。
しかし、スプリングフィールドの家に居る限り、彼女にはレディである事が求められる。

ξ゚⊿゚)ξ「だから、ねぇ。私を連れ出して。貴女が居て、私が居る。
     そんな、満ち足りた生活の出来る何処かへ」


14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 22:46:18.29 ID:MjcZcz6G0

その語りに、トソンは。
ゆっくりと、ツンデレの方に振り返る。
そして、ひと言。
たった、ひと言。

(゚ー゚トソン「仰せのままに」

その顔に浮かんだ笑顔の、柔らかな。
幸福そうな、影の有る。

本当に、本当に。
幸せそうな、その笑顔。


15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 22:47:13.51 ID:MjcZcz6G0

第2幕.川 ゚ -゚)腐女子彼女のようです。


16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 22:47:55.64 ID:MjcZcz6G0

川 ゚ -゚)

私の彼女は腐っている。
腐ってはいるが、それは決して801だとかおやさいだとかBLだとかそういう意味でなく。

言うなれば。

物理的に腐っている。

(#゚;;-゚) 「うー」

私の彼女は、死体だから。


18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 22:48:47.87 ID:MjcZcz6G0


川 ゚ -゚)

      腐女子彼女のようです。
 
                 (#゚;;-゚)



19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 22:49:28.46 ID:MjcZcz6G0

(*゚ー゚)

これが生前の彼女。猫野しぃ、その本来の姿。
短くさっぱりと切られた焦茶色の髪。あどけなさを残す顔立ち。
溌剌とした性格の、綺麗な女性だった。
決して友好的とは言いがたい性格であった私の、数少ない友人の一人であり、初めての親友。
そして、時を置いてそれ以上の関係となった女性。

川 ゚ -゚)

自分ごとではあるが、私だって決して不美人ではない自覚はあった。
告白してくる男性も多く居た。しかし、その尽くを私は断っていた。
幼少の頃より内気な性格だった私は、多くの人に心を開けずに居た。



20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 22:50:08.82 ID:MjcZcz6G0

彼女が、そんな私に初めて声をかけてくれたのは、忘れもしない17歳の秋。
高校2年、文化祭の準備期間中であった。

(*゚ー゚) 「素直さんだよね? よろしく。学園祭頑張ろうね!」

川 ゚ -゚)「あ、ああ。よろしく……」

たまたま同じ作業をするグループとなり、その中で。
どうにも孤立気味だった私に、明るく話しかけてくれた彼女。
彼女との出会いを切欠に、私の高校生活は大きく変わった。


21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 22:50:49.35 ID:MjcZcz6G0

(*゚ー゚) 「ねぇねぇ。駅前に新しく出来たケーキ屋さん、すっごく美味しいらしいよ?
     帰りによってこうよ!」

川 ゚ ー゚)「そうだな。そうしよう」

学校帰りの寄り道。
休日に一緒に遊びに行ったアウトレットモール。
休み時間の、ささやかなおしゃべり。
そのどれもが楽しくて。どれもが大切な思い出で。
モノトーンの毎日に、鮮やかな色が付いたようだった。
そして、月日は経ち。


23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 22:51:37.00 ID:MjcZcz6G0

川 ゚ -゚)(もう、我慢できない)

私は、意を決して自身の思いを彼女に伝えた。
初めて話しかけてくれた時、とても嬉しかった事。
今まで、ずっと友達で居てくれて感謝している事。
だけど、私は、友達では我慢できなくなってしまった事。
私は、心から。
彼女を、愛しているという事。

(*゚ー゚) 「うん……うん……」

(*;ー;)「嬉しい、よ…… 」

彼女は、私と同じ思いを抱いてくれていた。
涙を流して、嬉しいと。
私を、愛していると。
そう、囁いてくれた。


24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 22:52:30.73 ID:MjcZcz6G0

歳月は流れ、私と彼女は同じ大学へと進んだ。
仲の良い友達同士の、ルームシェアと称して。
私たちの同棲生活は始まった。

唇が触れるだけの、臆病なキスから始まった2人の関係は。
年相応の興味と欲望でもって、いとも簡単に体の関係へと発展した。
日が落ちて、月が昇り。2人が部屋にいれば。
ベッドの中は、誰にも邪魔されない2人の楽園。
幸福な日々。


27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 22:53:15.27 ID:MjcZcz6G0


だけど。





私たちの蜜月は。










唐突に終わる。


28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 22:54:02.91 ID:MjcZcz6G0

ある日、交通事故のニュースがあった。
携帯電話を見ながら運転していた主婦の軽自動車が、
交差点で信号待ちをしていた集団に突っ込んだという。
そして、その集団の中に。


彼女は居た。


29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 22:54:44.91 ID:MjcZcz6G0

私は、泣いた。
泣いて、泣いて、泣いて、泣いて。
涙が枯れてしまうんじゃないかという程泣いて、なお。
私の涙は収まることは無かった。


私は知らなかったのだが、彼女の両親はクリスチャンだった。
彼女自身は、さして信仰があったわけではなく。
典型的な、日本人的な無宗教な生活を過ごしていた。
彼女の遺体は、土葬されると言う。


31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 22:55:45.52 ID:MjcZcz6G0

(* - )

棺おけに収まった、物言わぬ彼女。
専門の人達により、事故の悲惨さはかき消され。
目を瞑って、花に囲まれた彼女は、それでもなお美しかった。

川 ゚ -゚)(しぃ……)

埋葬の日、その席に私も居た。
最も中の良い友人として。彼女のルームメイトとして。

川 ゚ -゚)(…………)

その日、何故か私は泣かなかった。
涙が枯れた訳でもなく、悲しく無いなんて事はありえない。
だけど、私の頭の中に。
1つのアイディアが、ぽっかりと浮かんでいた。


32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 22:56:52.43 ID:MjcZcz6G0

川 - )(…………)

数日後。
雨の降りしきる新月の夜。
濡れるのもいとわず、私は彼女の墓前に立っていた。
手には、スコップを持って。

自分でも驚くほどの力を持って、どんどん穴を掘っていった。
何かにとり憑かれたかの用に。実際、私は自身の妄執の虜であった。
思えば、この時の私の顔には。

川  )

笑顔が浮かんでいたのだと思う。


35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 22:58:24.27 ID:MjcZcz6G0

彼女と共に過ごした部屋。
そこに、私は再び彼女と共にいる。

川 ゚ ー゚)「しぃ。またあえて、嬉しいよ」

ベットに横たわった、彼女の裸体。死に装束は、似合っていなかった。
施されたエバーミングによって、彼女の体は数日前とまるで変わらないな美しさを保っている。

川 ゚ ー゚)「しぃ。愛しているよ、しぃ」

すっかり冷たくなってしまった彼女の体。
私が、暖めてあげなければいけないという使命感に駆られる。


36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 22:59:04.50 ID:MjcZcz6G0

川 ゚ ー゚)「しぃ、本当に、心から、愛している」

私は服を脱ぎ、彼女に身を重ねた。
抱きしめて、口付けをする。
硬く閉ざした彼女の唇を開き、舌を滑り込ませ。
彼女の口内を、隅々まで犯していく。

川 ゚ ー゚)「ん……はぁ……しぃ、君は、本当に可愛らしい」

髪に、顔に、耳に、首に、乳房に、腹に、両腕に、手に、太股に、秘部に、臀部に、背中に、ふくらはぎに、足に。
手の指、足の指、その一本一本に至るまで。
彼女の全身の、隅々まで、決して余すところ無く。手を、唇を、舌を這わせる。


37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 22:59:49.07 ID:MjcZcz6G0

決して物言わぬ彼女。
だけど、私には解る。彼女は、喜んでくれている。
嬉しいと、言ってくれている。

愛してる。愛してる。愛してる。

川  - )「はぁ……はぁ……はぁ……んぁ……あんぅ……はぁ……」

気づけば、私の秘部は濡れそぼり。
しとしとと、内側から愛液を滴らせていた。
それを、動く事の無い彼女の太股に、懸命に擦り付ける。

愛してる。愛してる。愛してる。

川  - )「しぃ……愛してる……はぁ……あうぅ……んんぅ……」

自身が絶頂を迎えるまで。
時に彼女の乳房を揉みしだき。
時に、熱い口付けを交わしながら。
私は、腰を振り続ける。


39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 23:01:26.36 ID:MjcZcz6G0

愛してる。愛してる。愛してる。

愛してる。愛してる。愛してる。

愛してる。愛してる。愛してる。

愛してる。愛してる。愛してる。

愛してる。愛してる。愛してる。

愛してる。愛してる。愛してる。

愛してる。愛してる。愛してる。



本当に。心の底から。本当に。本当に。

誰よりも。世界中の誰よりも。

私が。貴女を。誰よりも。私が。

貴女を。私が。誰よりも。貴女を。

愛してる。愛してる。愛してる。


40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 23:02:07.87 ID:MjcZcz6G0

数日後、彼女の両親から電話があった。
しぃの墓が、荒らされ。死体が盗まれたという。
私は、電話口に泣き、憤り。
自らの、思った以上の演技力に驚いた。

彼女の隣で、彼女と同じように裸で。
そっと、彼女の髪を撫でてあげながら。
時折、彼女の頬に口付けた時の沈黙を。
彼女の両親は、どんな意味に受け取ったのだろうか。


41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 23:02:49.07 ID:MjcZcz6G0

それから、時は経った。
エバーミング処理もされていたし、私も、彼女が少しでも長くその姿を保つように努力した。
しかし、私個人ではエバーミングのメンテナンスは出来ず。
徐々に、彼女の体は腐敗を始めた。

だけど、それでも。

腐敗が始まってなお、彼女は美しく。
私は彼女自身にまみれながら、彼女との蜜月を続けた。


さらに、数日後。
私としぃの部屋を、一人の女性が訪れた。


42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 23:03:55.45 ID:MjcZcz6G0

('、`*川 「はぁい。素直クールさん」

年の頃は、30代前半か。なかなかに、整った容姿をしている。
シャギーの入った、赤みの強いロングの茶髪。
黒のタイトワンピースの上に白衣を羽織り、くわえ煙草で。
両の手は、白衣のポケットに突っ込んでいる。
左耳に付けている、大きなイヤリングが印象的だった。

('、`*川 「自己紹介の必要は、無いわよね? どーも、"魔女"です」

彼女は魔女。
この近所では有名な、変人だ。
近くの山の麓にに大きな一軒家を持ち、日々怪しげな研究を続けている。
アメリカ、アーカムはミスカトニック大学で学び。
ネクロノミコンを始めとするあらゆる希少書の内容と、その英知を頭脳に収めたという。
"魔女"を自称する天才。


43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 23:04:41.59 ID:MjcZcz6G0

('、`*川 「もうそろそろ、貴女の彼女も限界でしょう? ちょぉっと、私を信じてみない?」

彼女は言う。
自身であれば、しぃを甦らせる事が出来ると。その技術を、英知の結晶を持っていると。
本来であれば、とてもではないが信用にたる人物ではない。
ミスカトニックといえば、コロンビア大学やシカゴ大学、マサチューセッツ工科大学に並ぶ名門ではあるが。
しかし、不穏な噂が、この国にですら聞こえ来る大学だ。

だけど、だけれども。

この時の私は、あまりにも必死で。
何故か、彼女の言葉には妙に説得力があって。
何より、もう一度しぃと共に歩きたいという想いが強くて。
彼女の言うことに、私は従った。

この時。
何故、魔女が私としぃの関係を知っているのか。
何故、しぃがこの部屋に居ると知っているのか。
私は、何故かそれを疑問には思わなかった。


44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 23:05:26.94 ID:MjcZcz6G0

しぃとの思い出が詰まった部屋を引き払うのは辛かったが、何の設備も無いあの部屋では何も出来ない。
私は、しぃと共に魔女の邸宅へと住まいを移した。

('、`*川 「ちょっと貴女の彼女、借りるわね」

そう言って、魔女はしぃを研究室に連れ込んだ。
魔女としぃを2人きりにするのが嫌で、私も付いていく。

魔女は「まぁ、別に構わないけれど」と言い拒まなかった。
しかし。
「貴女の身の事は、保障しないわよ?」と付け加えた。


45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 23:06:41.85 ID:MjcZcz6G0

魔女がしぃに施した事の内容を、私は正確に描写できない。

魔女の研究室は、その部屋そのものも、中にあった機材の1つ1つも。
壁の色彩から、書架に並べられた本の全て、卓上の小物に至るまで。
その全てが、名伏しがたく、なんと呼称すべきなのか私には解らない。

とかく、何らかの機材と何らかの薬品と何らかの儀式を持って。
私の彼女は、再び生を得た。
と、同時に。
私自身は気づいていなかったし、今もそういった実感は無いのだが。
私は、この時に死んだらしい。


47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 23:07:27.67 ID:MjcZcz6G0

(#゚;;-゚)「うー。あー。ああぁー」

死体の腐敗を食い止める事は出来たが、腐敗した部分を補修する事は出来ず。
見た目は幾分何とかなった物の、脳の損傷は致命的で。
しぃは、知性の大半を失い、言葉も失った。
しかし、私は完全な知性を持ったまま蘇生する事が出来た。
魔女曰く「もっと死体が新鮮ならね。貴女の場合い、死にたてホヤホヤだったから」との事。
だけど。

川 ゚ ー゚)「そうか。しぃは甘えん坊だな」

だけど、私はしぃの言う事がわかる。
もう、500年も一緒に居る。何より、彼女を心から愛しているから。
決して老いる事も無く、魔女の作った箱庭の中で。
私は、しぃと幸福な日々を送っている。

('、`*川 「もぉ。イチャついて無いでちょっとは手伝いなさいよ」


48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 23:08:10.05 ID:MjcZcz6G0

後で聞いた話なのだが、魔女の体は"人形"なのだという。
魔女の本体と、まったく持って、100パーセント同一な固体。
彼女はそれを作り上げ、自身のスペアとした。
記憶を、意志を、英知を、その全てを引き継いでいる人形。
魔女の本当の体は、もう何処かで死んだのかもしれないし。
何処かで、目覚めるのを待っているのかも知れない。

この事を知らず、年老いた彼女が自ら命を絶ち。
数時間後に、私と初めて出会ったときの姿で現れた時には酷く驚いた記憶がある。
それも、もう480年前の事だ。


49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 23:08:59.18 ID:MjcZcz6G0


私の彼女は腐っている。
腐ってはいるが、それは決して801だとかおやさいだとかBLだとかそういう意味でなく。

言うなれば。

物理的に腐っている。

だけど、私と彼女は幸せで。
満ち足りた生活を続けている。
魔女も、意外に優しい人間、いや、人形だ。
私は、私たちは。今の生活に満足し、これがずっと続けばいいと願っている。

私は、しぃを愛している。
本当に。心の底から。誰よりも。

愛してる。愛してる。愛してる。


51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 23:10:21.78 ID:MjcZcz6G0

間幕.


地下鉄ボンドストリート駅の前で、私は乗合馬車を降りた。
そして駅前でハンサム・キャブを捕まえ、馭車に行き先を伝える。

向かったのは、リシューという、創業100年になる老舗のカフェ。
用事を果たす前に、ふとアフタヌーンティーと洒落込みたくなったのだ。

赤い店構えに、落ち着いた、クラシカルな内装。
美味しいケーキと、極上の紅茶を楽しみながら、携えていたバッグから
ロメオYジュリエッタ ミディアムを取り出す。

私がコレを嗜むようになった理由は、もう忘れてしまった。
マッチで火をつければ、キューバ産ハバナ葉の芳しい香りが広がる。

店内からは、メイフィアの美しい町並みが堪能できる。
煙の向こうに、瀟洒な家々が揺らめいて見えた。


53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 23:11:16.04 ID:MjcZcz6G0

第3幕.川 ゚ -゚)ダー・フライシュッツは逃げるようです。ζ(゚ー゚*ζ


54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 23:11:56.23 ID:MjcZcz6G0

このVIPという街は、まさに「混沌」と称すべき様子を呈している。
裕福層の住む、小奇麗なメインストリート。
しかし、そこから路地に入り込み、いくばか歩けばスラム街の様相の貧民街に出る。
それらが複雑に、絡み合うように立ち並びながらも。
共に、敵対意識ともとれる無関心で持って、両者が干渉しないように街は出来ていた。
そんな街、VIP。

その、裕福層の暮らす綺麗な通り沿いにある、アパートメントの一室。
そこに、2人の女が居た。


55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 23:12:41.75 ID:MjcZcz6G0

締め切られたカーテン越しに入ってくる淡い陽光から、日は既に高いのだとわかる。
だけど、そんな事はお構い無しに、2人はお互いの体を貪りあう。

ζ(//ー//*ζ「クーちゃぁん、もっとぉ……」

幼さの残る顔立ちに、不釣合いなほどに女性を主張する女が嬌声を上げる。
それに応えるように、クーと呼ばれたスレンダーな女の愛撫は激しくなり、また女の下腹部から響く粘着質の
水音が、その音量を増す。

ζ(//ー//*ζ「やんっ……あっあっあっ……んんぅ……んむぅ……」

クーの唇が、もう1人の女の唇を塞ぐ。
体は完全に密着し、2人の体から溢れ出した汗と、唾液と愛液とで、全身はグチャグチャになっている。

川//-//)「ぷはっ……デレ……」

デレと呼ばれた女は、乱れに乱れクーの声が聞こえてるかどうか、かなり怪しい程だ。
それでも、しがみ付く様にクーの肩を抱く手の力は強く、手入れの行き届いた綺麗な爪が、時折自身の
肉体を傷つける感触を、クーは存分に楽しんでいた。

ζ(//ー//*ζ「クー……ちゃ……私……ダメッ……」

キュー、っと、クーの指が、一際強く締め付けられ。

空白、そして。


56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 23:13:54.10 ID:MjcZcz6G0

ζ(//ー//*ζ「はぁ……はぁ……」

川*゚ ー゚)「可愛かったよ、デレ」

脱力し、肩で息をするデレの頬に、優しく口付ける。
そして、優しく、強く抱きしめてやると。普段よりも熱くなった体温を感じる。
気づけば、スルリと。
デレが、クーの体に腕を回し、その豊かな乳房に顔をうずめている。
ちょうど、顔の下にくる、デレの綺麗な栗色の髪。
それに鼻をうずめてやれば、汗とシャンプーの香りが混ざった芳香が芳しく。

ζ(//ー//*ζ「ねぇ、クーちゃん……」

デレが、チロチロと舌をだし、その先端でクーに悪戯する。

川*゚ ー゚)「なんだい? デレ」

それを、心地よく感じながら、次の言葉を待つ。

ζ(//ー//*ζ「次は、私がしてあげる……」


57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 23:14:35.93 ID:MjcZcz6G0

煙草の香りと、香水の香りと、2人の体の香りと。
むせ返るような、気だるげな香りに包まれて。気づけば、日も沈んでいる。
相変わらず裸のままで、ベッドに入ったままで居る2人。
空になったラッキーストライクのソフトパッケージを、クシャリと握り潰して投げ捨てながら、クーが言う。

川 ゚ -゚)y━~ 「久々に、飲みにでも出てみようか」

ζ(゚ー゚*ζ「ま~た朝まで? ま、付き合うけど」

川 ゚ ー゚)y━~「それじゃあ、服をきなきゃな」

クーがシーツを跳ね除け、床に足をつける。
すると、背中にデレがしなだれかかってきた。

川 ゚ ー゚)「ん? どうした?」

ζ(゚ー゚*ζ「ねぇ、服、着せて」

川 ゚ ー゚)「まったく。しょうがないな」


58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 23:15:18.69 ID:MjcZcz6G0

黒のパンツに白のブラウス。
ガルコ社のショルダーホルスターに愛用のSIG/SAUER P226を収め、
バックサイドポジションにSIG/SAUER P232SLを
バックアップガンとして持つ。
その上から、黒のジャケット。あまりタイトで無いものを。

ζ(゚ー゚*ζ「あっはは。クーちゃんって、いっつも慎重だよねー」

川 ゚ -゚)「単に、臆病なんだよ。一種の職業病さ」

かくいうデレも、フリルの着いた派手なスカートの中、
リングガーターにH&K P7M10を引っ掛けている。

川 ゚ -゚)「とりあえず、混む前に行こうじゃないか」

ζ(゚ー゚*ζ「さんせー」


59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 23:16:23.34 ID:MjcZcz6G0

アパートメントの地下駐車場。
クーの愛車、マッドシルバーの89年式Type.930 ポルシェ 911turboに火を入れる。
空冷水平対抗エンジン特有のアイドリング音が、車内に飛び込んできた。

川 ゚ -゚)「まったく、コイツもずいぶんボロになったな」

ζ(゚ー゚*ζ「なんていいながら、クーちゃんすごい大事にしてるじゃん。ツンデレ?」

川 ゚ -゚)「そんなんじゃないよ」

言って、チラリとタコメーターに目を落とし、アイドリングが安定している事を確認する。
アクセルを軽くあおり、クラッチをつないで発進。
道路に出た瞬間、ドカンとアクセルを踏み込めば、回転数は一気に上がり、ターボゾーンに踏み込むと
同時にターボパワーが炸裂する。
後輪で道路を蹴飛ばすように加速しながら、マッドシルバーの930ターボは宵の街を疾走した。


60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 23:17:42.11 ID:MjcZcz6G0

VIP市街のとあるビル。その3階に、小さく看板を掲げている店がある。

ShotBar Bourbon House.

重そうな、木製のドアを開ければ僅か13席のカウンター席と、ボックス席が1つがあるだけの小さな店内。
深いブルーを基調とした内壁。バックバーには、様々な酒とが並ぶ。
一枚板のカウンター。そのスツールにクーとデレは腰を下ろした。
店内に、他の客は居ない。

(*゚ー゚) 「いらっしゃいませ」

落ち着いた雰囲気の、女性のバーテンダーがコースターと灰皿を置き、おしぼりを出す。

川 ゚ -゚)「おや、マスターは休みか?」

(*゚ー゚) 「店主は、ただいま所用で出かけております。ご注文は?」

川 ゚ -゚)「ふむ。プラット・バレー。ストレートで」

ζ(゚ー゚*ζ「私はブラッディ・メアリーね」

(*゚ー゚) 「かしこまりました」


62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 23:18:55.32 ID:MjcZcz6G0

クーとデレがグラスを傾けていると、ドアベルが鳴った。

从 ゚∀从「なんだよクー。まーだ、そんなペティ・プリンセス抱いてんのか?
     なんなら、もっかいハインちゃんを抱いてみないか?」

なんて台詞を吐きながら入って来たのは、1人の女。
肩口辺りまでの、癖毛の銀髪に、蒼白い肌が印象的だ。
女は、クーの横に腰掛けるとプリマスジンのストレートをオーダーした。

川 ゚ -゚)「うるさいよビッチ。ハインこそ、もうちょっと節操を持ったらどうだ?」

从 ゚∀从「ほっとけよ」

ハインよ呼ばれた女の腰には皮製ホルスターに収まった6inバレルのマテバ 6 ウニカがぶら下がっており。
時折、スツールの背もたれに当ってはゴトリと重い音を立てる。
この手の代物を隠しもせず持ち歩くのは、そういった類のこの街の住人である証拠でもある。


63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 23:19:35.68 ID:MjcZcz6G0

それからいくばか経った時。
ハインが、また口を開いた。

从 ゚∀从「マジな話、何時までそいつを抱きこんでるつもりだ? "魔弾の射手"よ」

チラリ、と。3杯目に頼んだシルバーブレットを飲むデレに目を向けて言う。
ハインがこの異名でクーを呼ぶ時は、真面目な、それも仕事がらみの話をするときだけだ。

川 ゚ -゚)「さぁな。私の気が済むまでじゃないのか?」

从 ゚∀从「そろそろ本格的にヤバくなってきてる、って気づいてるだろ?
     話じゃ、華僑関連の連中も本腰入れだしたし、ラウンジの"ウィッチ"も使われてるって話だ。
     この街が、殺し屋の見本市になるのも近いかもしんねーな」

川 ゚ -゚)「まったく、頭の痛くなる話だ。女1人に、何をそこまでするんだか」

从 ゚∀从「理由なんか知ったこっちゃねーが、シチリアの連中が米ドルで50万かけたらしいぜ?」

川 ゚ -゚)「奴さんも、相当本気だな。弾代だってロハじゃない。撃ち合いは嫌いなんだよ」

从 ゚∀从「ったく、ハインちゃんは忠告したぜ? ま、あんたを狩り出そうなんて馬鹿な真似はしねーが」

川 ゚ -゚)「そいつは助かるな。腕利きが少なくなれば逃げやすくなる」

从 ゚∀从「はっ。よく言うぜ」


64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 23:20:34.69 ID:MjcZcz6G0

と、そこでクーの携帯が鳴った。
ディスプレイには「ミセリ」と表示されている。

川 ゚ -゚)「何だ?」

ミセ*゚ー゚)リ『はろはろー。"仲介屋"のミセリちゃんから"魔弾の射手"にお仕事の紹介。いかが?』

川 ゚ -゚)「とりあえず、話を聞いてからだな」

ミセ*゚ー゚)リ『簡単簡単。明日の夜にVIPの某ホテルから出てくるヤツの頭を吹き飛ばすだけよん。
     方法はお任せだけど、1人やるだけで20万米ドルのボロいヤマ。
     依頼人は例によって例のごとく、って事で1つ』

川 ゚ -゚)「受けた。詳細はPCの方に送ってくれ」

ミセ*゚ー゚)リ『りょーかいりょーかい。んじゃ、がんばってねー』

電話を切ると、クーはグラスに残っていたジョージ・ディッケルを飲み干した。

川 ゚ -゚)「と、聞いた通りだ。チェックしてくれ。デレ、行くぞ」

ζ(゚ー゚*ζ「お仕事ね。わかった」


65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 23:21:24.37 ID:MjcZcz6G0

(*゚ー゚) 「こちらになります」

川 ゚ -゚)「釣りはいらん。じゃあな、ハイン」

从 ゚∀从「ああ。ま、せいぜい死なねーようにな」

「当たり前だ」と呟き店を出たクーの、階段を下りる足音が聞こえなくなってから。
ポツリ、と。ハインが漏らした。

从 ゚∀从「クーよ、お前の抱き込んだお姫様は、何処に行ったってビッグ・トラブルのタネにしかなんねーぜ?」

しばらく、揺れるショットグラスの中の酒を見つめてから。
それを、一気に飲み下した。


66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 23:22:18.44 ID:MjcZcz6G0

翌日。
VIP市街、某ホテルの屋上。そこに、2人の人間の姿があった。
1人は、黒いパンツスーツ姿の女性。
打ちっぱなしのコンクリートの床に敷いたシートの上に伏せ、J.P.SAUER&ZONE S205
ファントムスナイパーライフルを、バイポッドを使い構えている。
もう1人は、フリフリしたピンクのブラウスとミニスカートが印象的な女性。
コチラもシートの上。トライポッドで固定された単眼鏡の前に座り、
その横にはAG36をつけたG36KVが転がっている。
さらに、すぐ操作できる位置には気象観測装置のデータを表示するコンピュータが置いてある。

川 ゚ -゚)「今の時刻は?」

ζ(゚ー゚*ζ「ターゲット出現予定まであと3分。気温、湿度、風速に大きな変化無し」

川 ゚ -゚)「了解」

チェンバーには、すでに.308ウィンチェスターが装填されている。
シュミット&ベンダー社の3-12可変倍率スコープ。
8倍に固定されたそれの、丸く切り取られた視界。孤独で、孤高の。狙撃手の世界。


67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 23:23:04.86 ID:MjcZcz6G0

川 ゚ -゚)「おかしい……」

ζ(゚ー゚*ζ「予定時間から5分。動き無し」

目標は、予定の時刻を過ぎても現れなかった。
ミセリからの情報が間違いであったのか、あるいは。

川 ゚ -゚)「嫌な予感がする。デレ、車に戻るぞ」

ζ(゚ー゚*ζ「りょーかいだよ」

手早く荷物をまとめると、2人は地下の駐車場に降りた。
そそくさと930ターボに乗り込み、荷物は後部座席に放り込む。
そして、エンジンをかけた瞬間──


68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 23:23:58.05 ID:MjcZcz6G0

ζ(゚ー゚*ζ「クーちゃん、前!」

目の前に、木製ストックをつけた初期型のウージーを構えた何者かが現れた。
クーの930ターボが発車しようとしている事に気づくと、即座にフルオート射撃を叩き込んでくる。

川;゚ -゚)「強行突破するぞ! デレ、頭を下げてろ」

ボルトが後退位置で停止し、弾切れを知らせたウージーのマガジンを交換しようとする襲撃者。
それらを蹴散らすように、930ターボはRR故の高いトラクション性能でロケットスタートをきる。

川;゚ -゚)「ったく、なんて事だ」

甲高いスキール音を鳴らしながら、地下駐車場内を疾走。
出口のゲートを無理やり破って、930ターボは路上に出た。

ζ(゚ー゚*ζ「もしかして、昨日ハインちゃんが言ってた……」

川 ゚ -゚)「かもな。これの調子じゃ、いつもの部屋には戻れなさそうだ」


69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 23:25:31.94 ID:MjcZcz6G0

銃弾をうけ、盛大にヒビの入ったフロントガラスを肘で割りながら会話する。
2人とも、いつの間にかダッシュボードから取り出したサングラスをかけていた。

川 ゚ -゚)「所でデレ、後ろの車。なんだと思う?」

ζ(゚ー゚*ζ「ま、順当に考えれば追ってじゃないかなー」

マッドシルバーの930ターボの後ろ。
3台ほどの、黄色いファルコンXBが着いてきていた。

川 ゚ -゚)「私は運転で忙しい。デレ、なんとか出来るか?」

ζ(゚ー゚*ζ「まっかせて!」

ファルコンXBの助手席側の窓からは、先ほどの連中の仲間と思われる人物が身を乗り出しウージーを構えている。
シートを倒し、後部座席に転がり込んだデレが手に取ったのは、先ほどのAG36着きG36KVだ。

ζ(゚ー゚*ζ「まずはガンポートをあけないとねー」

言うや、リアガラス越しに躊躇いなくフルオート掃射。
数発の銃弾が先頭の1台にあたり、運転席のウィンドウがが真赤に染まった。
クラッシュした先頭をかわした残りの2台は、なおをも追走を続ける。


70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 23:26:50.61 ID:MjcZcz6G0

ζ(゚ー゚*ζ「これで、イチコロだよ!」

大きく穴の開いたリアガラスからG36KVの銃口を突き出し、そのハンドガードの下。
そこに取り付けられたAG36のトリガーを引く。
発射された40mmグレネード弾は、的を違わずファルコンXBに直撃。
派手に爆発し、残りの1台も巻き込んで大クラッシュした。

ζ(゚ー゚*ζ「あっはは! そーかいそーかい!」

笑いながら、40mmグレネードを再装填するデレ。
その可愛らしい笑い声を背中に聴きながら、クーは携帯でとある番号にかけていた。

ミセ*゚ー゚)リ『はろはろー。"情報屋"のミセリちゃんです。あ、用件は言わなくても解ってるよ、"魔弾の射手"』

川 ゚ -゚)「そいつはいいな。話が早くて助かる。で、説明はあるのか?」

ミセ*゚ー゚)リ『まぁ、なんとなく想像はついてるんじゃないかな? ハインリッヒに情報リークしたの私だしね。
     今、見知らぬ人達に銃突きつけられてなかったら詳しく教えてあげてもいいんだけど、そうもいか
     なくてさー』

川 ゚ -゚)「オーケー、わかった。今度から前金無しの仕事は請けない事にするよ」

ミセ*゚ー゚)リ『それが懸命だね。それじゃ、グットラック』


71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 23:28:05.10 ID:MjcZcz6G0

携帯を助手席に投げ捨て、運転に専念するクー。
とにかく、今は一刻も早く身を隠す場所を探さねばならない。

川 ゚ -゚)(何処に逃げる……? 恐らくVIPのセーフハウスは全滅。となると……)

考え込むクーに対し、後部座席のデレ。
こちらは、えらく楽しそうにG36KVの弾倉を100発装填のC-MAGに交換している。

ζ(゚ー゚*ζ「ねぇー、クーちゃん。この後はどーすんの?」

川 ゚ -゚)「とりあえず、VIPを脱出するのが先決だろう。その前に、お客さんだ!」

応えたクーの、視界に飛び込んで来たのは漆黒の71年式マスタング・マッハ1。
チューンドポルシェのエンジン音をかき消すように響く、甲高く鋭い過給音。
どうやら大容量のスーパーチャージャーで武装しているらしいそれは、いわずと知れた、"ウィッチ"の愛車だ。


72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 23:28:59.56 ID:MjcZcz6G0

('、`*川「はろー、お2人さん。楽しくやりましょう?」

930ターボに併走するマッハ1の窓が開き、1人の女が顔を出した。
黒のマントを羽織り、頭には黒のとんがり帽。多くの人がイメージする「魔女」そのままの格好したその女が、
窓から腕を伸ばした。
その手に握られていたのは、豪奢に飾り立てられたタウルス レイジングブルの8-3/8インチ。
それも、すこぶる強力な.500S&Wマグナム仕様の。

川;゚ -゚)「冗談じゃない!」

言うやかくやの絶え間無い5連発を、クーはフルブレーキで回避。
即座に懐からP226を抜き撃つも、防弾仕様らしいウィッチの車には傷1つつかない。
その間に再装填したのか、ウィッチが窓から腕を伸ばし、レイジングブルを発砲。
それを、ジグザグ移動で回避する。

川;゚ -゚)「あんなもん食らったら、ただじゃ済まないぞ……」

言いながら、P226のマガジンを交換。
どうやってこの情況を打開するか考える。


73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 23:29:52.50 ID:MjcZcz6G0

川;゚ -゚)(魔女の車は防弾。9ミリどころかデレの5.56mmでも傷つくかも怪しいな、あれは)

魔女も、十分な腕利き。
さらに、相手の.500S&Wマグナムは最強の拳銃弾とも言われ、車のボディ程度なら簡単にブチ抜く。
下がって直撃を回避したはいいが、今度は魔女の車にうかつに近づけなくなった。
どうにも、まともに撃ち合って勝てる算段が見当たらない。
すると、後部座席から声が聞こえてきた。

ζ(゚ー゚*ζ「ねぇ、クーちゃん。あの車を追い越せる?」

川;゚ -゚)「出来るは出来るが、長くは持たないぞ? それに、この車のエンジンは後ろにある。
     あの化け物銃で後ろを撃たれるのはなお不味いんだが」

ζ(゚ー゚*ζ「だいじょーぶ。デレちゃんにお任せ♪」

川;゚ -゚)「オーケー、信じよう」

魔弾の射手、とあだ名されるほどの腕利きであっても、所詮自分は狙撃手。
この手のドンパチは、あまり得意ではない。
であれば、信じよう。この娘を。
自分の愛した女を信じてみよう。それで死ぬなら、それでもいい。


74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 23:31:21.70 ID:MjcZcz6G0

慎重に、魔女のマッハ1との間合いを計る。
次々と撃ち出される.500S&Wマグナムをかわしながら、上手くその横を抜けるタイミングを見計らう。
そして──

川 ゚ -゚)「今だ、行くぞ!」

スクランブルブーストオン。ブースト圧は一気に高まり1.8kgへ。
さらに、ニトロオキサイドを噴射。
悲鳴を上げるエンジンを無視し、コレでもかとアクセルを踏み込む。

ζ(>ー<*ζ「いけいけー!」

3速、4速、そして5速。
マッドシルバーの930ターボはトップスピードに向かって突っ走る。

('、`*川「上っ等っじゃないのっ!」

一気に速度を上げた930ターボに対し、コレでもかと.500S&Wマグナムをお見舞いしてやる。
しかし、それでも。
風となった銀色の矢は止まらない。

そして、930ターボが、

魔女の、マッハ1の、

その横に、並んだ、


瞬間。

75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 23:33:03.37 ID:MjcZcz6G0






ζ(゚ー゚*ζ「さよならウィッチ。ハロウィンにまた会いましょう?」






デレの持つG36KV。
その下に取り付けられた、AG36 40mmグレネードランチャー。
ソレが、火を噴き。
魔女の顔面を直撃、爆発した。


76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 23:33:57.35 ID:MjcZcz6G0

どうやら相当な武器を積み込んでいたのか、弩派手な音と共に大爆発を起こした魔女の車。
その燃え上がるのを尻目に、マッドシルバーの930ターボは走り去る。

ζ(゚ー゚*ζ「あっはは。たまんないねー!」

川 ゚ -゚)「まったく、40mmグレネードを直接車内に叩き込むなんて、よくやるよ」

既にスクランブルブーストは解除。ニトロも使い切っている。
ずいぶんと、いろんな所から異音がしていて、それでもなお走る930ターボに関心しながらクーは言った。

ζ(゚ー゚*ζ「ねぇ、これからどうするの?」

川 ゚ -゚)「さぁ? とりあえず、逃げよう。2人で、静に暮らせるどこかへ」

ζ(゚ー゚*ζ「うん。それ、賛成」

ネオンの煌く夜の街を。
ボロボロの930ターボが走っていった。


77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 23:34:46.12 ID:MjcZcz6G0


……。
…………。
………………。

その姿を、ビルの上で見つめるものが居た。
右手には、カール・ツァイスの双眼鏡。
左手には、携帯電話を持って誰かと話している。

从 ゚∀从 「こちら"オーカ・ニエーバ"。連中は魔女を退けた。諦めたほうがいいと思うぜ?」

肩口までの、癖のある銀髪に蒼白い肌。
"空の目"と名乗った観測者、ハインリッヒ・ハインケル。

从 ゚∀从 「気持ちはわからんでもないが、私は手出しはしねーよ。ああ。ああ。解った」

通話を切り、気だるげにタバコに火をつける。
そして、満点の星空を見上げて、ポツリ、と。

从 ゚∀从 「なぁ、魔弾の射手よ。あんたの放つ7発目は、一体誰が望んだ場所に当る?」

言って、煙草を投げ捨て。
彼女も、その場を立ち去った。


78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 23:35:27.80 ID:MjcZcz6G0

第4幕.ξ゚⊿゚)ξ令嬢と(゚、゚トソン召使のようです。b


79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 23:36:40.57 ID:MjcZcz6G0

女は汽車を降り、駅で買った新聞に目を通す。
その1面には、大きな見出しでこうあった。

『スプリングフィールド家令嬢、謎の失踪!』

スコットランドヤードの必死の捜索にも関わらず、失踪から1週間がたつ今でも見つからない。
スプリングフィールドの家では、かの私立諮問探偵を雇うつもりでいるともある。

(゚、゚トソン「なに、逃げ切ってみせますよ」

そういって、女は新聞をバッグの中にしまった。
そして、隣に立つ女性に話しかける。

(゚、゚トソン「いきましょう、マイ・レディ。ぐずぐずしては居られない」

ξ゚⊿゚)ξ「ええ」


80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 23:37:31.64 ID:MjcZcz6G0

話しかけられた女性が、大きくうなずく。
綺麗な、くるんとした金髪に、透き通るような白い肌。
その口調からは、上流階級のアクセントが抜けていない。
そんな女が、満面の笑みを浮かべて、言い放った。

ξ゚ー゚)ξ「行きましょう。貴女と私。2人で、幸せに暮らせる場所へ」

(゚、゚トソン「仰せのままに。マイ・レディ」

令嬢と使用人。
2人の逃亡劇、その行く末は、果たして──


88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/18(日) 00:00:40.37 ID:vokQu8k70

終幕.

リシューを出た私は、メイフィア、サウスストリートに向かって歩いた。
ロンドンの、古さを残す街並みを眺めていると、懐かしさがこみ上げてくる。

今から数年前、私はロンドンに留学していた。
当時、物書きを志していた私は、どうしても自分の見聞を広げたいという思いに駆られての事だ。
親の反対を押し切り、アルバイトで貯めたお金を元にして。
ロンドンに着いた私は、住み込みで働ける場所を探した。
そして、彼女と出会った。


89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/18(日) 00:01:38.77 ID:vokQu8k70

いわゆる、オールワークス。
あらゆる雑務をこなす、住み込みの雑用係として、私はその家に雇われた。
現代のロンドン。19世紀ヴィクトリア朝時代とは違い、身分制度など無い。
ごく自然な形で、私は彼女と親しくなることが出来た。

年齢の近い女性同士という事もあって、私たちは一緒に買い物に出かけたり、夜通しおしゃべり
したり。
そして。
その2人の関係もまた、ごく自然な形で一線を越えた。


90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/18(日) 00:03:52.48 ID:vokQu8k70

その後、私たちは長い蜜月を過ごした。
しかし、ある時、ターニングポイントが来る。

「日本の出版社から、私の本を出版したいと……」

「そう……」

何の経緯があってかは解らないが、私の書いた短編がとある編集者の目に止まったらしい。
その出版のために、日本に戻って来て欲しいという。
その後順調に行って私が作家になったとして、ロンドンには何時戻ってこれる?

「だけど、私は、貴女と離れたくはない……」

「何言ってんのよ。せっかくのチャンスじゃない。行きなさい」

「でも……」

「でも、じゃないでしょ。行きなさい。これは、雇用主としての命令。そして……」

そして。
彼女は、言ってくれた。

「待ってるから、帰ってきなさい。作家になって、私を迎えてに来なさい」

「はい……」


91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/18(日) 00:04:54.62 ID:vokQu8k70

そして、私は迎えに来た。
英国、ロンドン。メイフィア サウスストリート24番地。
私の、最愛の女性を。

(゚、゚トソン「遅くなって申し訳ありません。お迎えに上がりました、マイ・レディ」

ξ゚ー゚)ξ「待ってたわ。ずっと、ずっとずっと待ってた……」


これにて、この物語はおしまい。
私の、ごく個人的なお話も加えて。
最後までお付き合いいただいた読者の皆様に。
心からの感謝を。



                       ~( )百合ノ華連話のようです。~ 終。


61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 23:18:23.30 ID:Os+blGruO
頭文字?

92 名前: ◆Qq92ExZaJE :2009/10/18(日) 00:06:58.02 ID:vokQu8k70
というわけで、以上でした。
猿に気をつけろといわれて置きながら猿って申し訳ないですorz

あと>>61は何故僕とわかったのか。

96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/18(日) 00:35:38.64 ID:GpAGNi740
ずっと待っていた=200年くらいとして
ここに魔女の介入で
現代の二人=過去の二人
が示唆されるようだが

一つ一つに関連ないとしときながら気になる


97 名前: ◆Qq92ExZaJE :2009/10/18(日) 00:40:19.12 ID:vokQu8k70
>>96

そんなに深く考えてないぜ……
その、なんだ。

ごめん。

98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/18(日) 00:43:15.32 ID:HCvZGStg0
良作は読み手が勝手に広げてくれるのよ

99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/18(日) 00:48:05.00 ID:vzrhzTbQO
2年後とかに夜中思い出して恥ずかしくなりそうな小説ですね

100 名前: ◆Qq92ExZaJE :2009/10/18(日) 01:09:17.29 ID:vokQu8k70
>>98
そのお言葉、ありがてぇ・・・

>>99
2年とかリアルだからやめてくれ……

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