mesimarja
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o川*゚ー゚)o「ボーイズ・ドント・クライ」のようです
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/20(金) 20:07:58.21 ID:INNZGpU10
※この作品には偏った表現、差別的表現があるかもしれません。
どうかご注意ください。
ついでにタイトルに意味はあまりありません。拝借しただけです。


読者の皆様に、どうかひとときのおとぎ話となりますように。



2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/20(金) 20:10:06.15 ID:INNZGpU10
SIDE : Poor boy


私は昔から『女』という性が好きだった。
…というよりも自分が『女』になりたかったのだ。
何がそうさせるのかはわからないが。

( ゚∀゚)「おーいつー、今日暇か?」

(*゚∀゚)「うん。大丈夫だけど」

( ゚∀゚)「じゃーさ、ちょいナンパしに行こうぜ、ナンパ」

(*-∀-)「私は……」

( ゚∀゚)「いいから来いって。お前がいると成功率がマジいいんだから」

私の名前はつー。
VIP第二高校の二年生。性別は男。
とりあえず、戸籍上は。


6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/20(金) 20:13:04.38 ID:INNZGpU10
身長は低め。
がたいは良くはないが、運動もそこそこできる方だと思う。
そして友人のジョルジュが言うには、

( ゚∀゚)「マジお前のルックスに釣られて馬鹿な女がホイホイ釣れるんだからさ、な?」

(*゚∀゚)「私よりジョルジュ君のほうが……」

( ゚∀゚)「お前のよ、男っぽくないとことか、どっか儚げなとことかが超魅力的、…なんだとよ」

…それは単に『女になりたい』という欲望が表面に出ているだけだ。
そして、それが叶わないから儚げ……

誰に文句を言っても解決しない問題。
神様だって、こんな小さなことを取り扱ったりはしないだろう。

( ゚∀゚)「だからさー、…な?頼むよ」

(*-∀-)「…まぁ、いいけどさ……」

…どうせもう諦めかけてる人生だ。


7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/20(金) 20:16:04.41 ID:INNZGpU10
秋風が吹き抜ける街。
学生服のまま私とジョルジュは歩き続ける。

…街は嫌いだ。
すれ違う女達を見るたび羨ましくなるから。
そして、思うから。

(*-∀-)「(なんで男に産まれちゃったんだろうなー)」

…なんて、どうしようもない問題に今日も私は頭を悩ます。

『トランスジェンダー』、『性同一性障害』……
昔調べてみたのだが、どうやら私はその類の精神病らしい。
…でも、人の心を持ち出して『障害』だの『病気』だの言うのは甚だ失礼な気もする。

世の中の大半の苦しみはそうなのだけど、実際に経験しないと分からない。
私は『女』に憧れているけれど、それでも彼女達の苦しみは分からないのだ。
それと同じこと。分かるわけがない。
そう。絶対に。

(*゚∀゚)「(確率的には二分の一なのに、当たらないもんだ)」


8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/20(金) 20:19:04.52 ID:INNZGpU10
中学の、いや高校の生物の授業だったかな。
人間が『女』と『男』に分けられるのは、厳密には50:50ではないと聞いた。
『男』の方が少しばかり多くなるようできているらしい。
先生の(あんまり科学的根拠のない)与太話曰く、

( ФωФ)「これは『女』が人間のベースになっているからである。派生型の『男』は不安定なので、どうしても数が必要なのである」

…授業中、よく思ったものだ。
なぜ人間は雌雄同体ではないのか、と……
性が一つだけなら私と始めとする人達がこんなに悩む必要もなかったのに。
自己中心的で、横柄で、独りよがりな考えだが、そう思わずにはいられないのだ。

( ゚∀゚)「…お、いいおっぱい。……そこのお嬢さーん!!」

私がそんなことを考えてるとは露知らず(いや知っていたらそれはそれで困るのだが)、彼は目標を補足したらしい。
ちなみに彼が女を選ぶポイントは『胸』のみ。
…身体的には男の私も、思わずふざけてんのかと言いたくなる。

(;*-∀-)「(彼ほど単純だったらどんなに幸せだろう)」

…失礼は承知でそう思う。


10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/20(金) 20:22:04.29 ID:INNZGpU10
ξ゚⊿゚)ξ「え?私?」

ζ(゚ー゚*ζ「…ナンパというやつ?」

( ゚∀゚)「お二人さん暇だったらちょい遊ばない~?」

古典的でストレートな物言い。20年前のセンスだ。
つまりは、遠回しに『ヤラせてください』と頼んでいるようなもの。
茶髪のホスト風不良(ジョルジュ)と平々凡々な男子高校生(私)の頼み。
彼女達は、

ξ-⊿-)ξ「んー、まぁいいかな」

ζ(゚ー゚*ζ「楽しませてよね」

( ゚∀゚)「もちろん」

…軽く、受けた。
思わず溜息が出る。性開放時代とはよく言うがまさかこれほどとは。
嫌になる。安っぽい女共と、……自分に。


11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/20(金) 20:25:04.37 ID:INNZGpU10
ジョルジュが彼女等の機嫌を取っている間、私は考え事をしていた。
昔会った通りすがりの大学教授(自称)さんが、

(-@∀@)「…人間は考えることをやめたら死ぬよ。お兄さ……いや、お嬢さん」

と言っていたからだ。
…なぜその人と会ったのかは、そして何と言う名前だったのかは忘れてしまった。
名刺を貰った記憶もあるが、おそらく失くしてしまったのだろう。

ただ心理や人間についての専門家と名乗っていたのは覚えている。
午後の日差しが心地よいカフェ。そこで彼と話したのだ。

(*-∀-)「……私は、男ですよ」

(-@∀@)「それは身体的に見れば、の話だろう?」

…どうやら全てお見通しらしい。
思わず私は聞いた。

(;*゚∀゚)「どうして…分かったんですか……?」

(-@∀@)「どうしてって……、見た感じかな」


13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/20(金) 20:28:05.80 ID:INNZGpU10
(*゚∀゚)「見た感じ?」

(-@∀@)「ああ。そうだな、たとえば服装とか、指先の使い方、物の避け方しゃべり方……。…キリがないね」

自分の心の底まで見透かされた気がして、恥ずかしくなった。
俯く私。優雅にフッと笑う彼。酷い落差。

(-@∀@)「…性別なんてのは名前と同じで、自分が好きな風にすればいいのさ」

(*゚∀゚)「……そんな簡単に――」

(-@∀@)「簡単だとも」

私の言葉を遮り、彼は言う。
…よくよく考えてみれば、パッと見彼は悪徳宗教かなにかの勧誘みたいだったので、ちゃんと会話していた自分が不思議だ。
彼と会ったのは自殺の失敗で落ち込んでいた時期に重なる。
なので、おそらく自暴自棄になっていたのだろう。

(-@∀@)「役所に申請すれば名前は変えられる。少しお金を積めば性転換だって――」


15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/20(金) 20:31:05.13 ID:INNZGpU10
(* ∀)「知った口、聞かないで…ください……」

『あなたに私の何が分かるんですか』
…その言葉は、言えなかった。
溢れ出す涙を拭うのに必死だったから。
自分の矮小さに、愚かさに、惨めさに耐え切れず両手で顔を覆った。

(-@∀@)「…これは失礼。さ、涙を拭きたまえ。涙は確かに女性の最大の武器だが、それでも僕は笑ってる人の方が好きなんだよ」

(* ∀)「…っ……」

差し出された高そうなハンカチ。
それを私は受け取った。
…そして、気になっていた問いをぶつけた。

(* ∀)「どうして私に話しかけたんですか……?」

鼻声での質問。
…答えは予想に反したものだった。


16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/20(金) 20:34:05.25 ID:INNZGpU10
(-@∀@)「『君を助けたいと思ったから』…とでも、言って欲しいのかい?」

(* ∀)「!!」

(-@∀@)「…図星かね。残念ながら僕はそれほど善人ではないよ。君に話しかけたのは単なる興味本位さ」

残酷な、でも現実的な答えだった。
所詮私など彼からすればモルモットなのだ。
そう思った。

――でもその時。
小さな、本当に小さな優しい声で彼は言った。

(-@∀@)「……まぁ、知り合いに似ていたから放って置けなかったという理由もあるんだが……」

…ひとしきり泣いた後。
私は彼に全てを話した。
話さずにはいられなかったのだ。

自分のこと、家族のこと、友達のこと……
とにかく、色々なことを聞いてもらった。


18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/20(金) 20:37:05.61 ID:INNZGpU10
自殺に失敗して、両親に泣かれたこと。
周りに迷惑をかけるのは嫌だから秘密にしているということ。
もう、どうしようもなく辛いということ。

…そんなようなことを話した。
そのつまらない話を、彼は嫌な顔一つせず聞いてくれた。
そして、言った。

(-@∀@)「…僕は解決策を提示することはできないし、申し訳ないが多忙の身なので力になることもできない」

(* ∀)「………」

だから、と付け加える。
肩に手が乗る。

(-@∀@)「…せいぜい、足掻いてみなよ。自分の好きなようにね。後悔しないように」

無難で抽象的な助言を言い、彼は去って行った。
本当に何がしたかったのか謎な人だった。


19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/20(金) 20:40:05.05 ID:INNZGpU10
…私が過去の恥ずべき記憶に浸っている間に、時間は過ぎた。
どうやら『ヤル』ことになったらしかった。
ジョルジュが2人を相手にするわけにもいかないので、片方は私の担当になってしまった。

(* ∀)「(…どうにか、逃げなければ……)」

…そんなことを考えてるうちにホテルに連れ込まれ、いつの間にやら相手は全裸。
こちらの意思など聞かないつもりらしい。
と言うより、私が言わなかったのが悪かったのだが。

…いつもそうなのだ。
他人の目を気にしてしまい思い切った行動ができない。
私がもう少し無鉄砲ならば、股間にある憎らしい男性器はとっくの昔に切り落とされているはずだ。

(*-∀-)「(お父さんもお母さんも、それは良いことだと言ってたけど……)」

とてもそうは思えない。
少なくとも私は今非常に困っているし、不幸だ。


23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/20(金) 20:43:05.67 ID:INNZGpU10
ξ//⊿/)ξ「ねぇ……」

甘ったるい声を出して誘惑してくる。
私にはソッチの趣味はないので無意味なことだが、無論、彼女にそれが分かるはずもない。

ベッドに横たわる彼女は、えっと…、フルネームは忘れたがあだ名は『ツン』だったはず。
くりくりと巻かれた髪は金色。
おそらくそれがチャームポイントというやつなんだろう。
多少起伏の乏しい体つきだが、顔だけ見れば美少女の部類に入るはずだ。

(* ∀)「………」

…無性に、腹が立ってきた。
何に?…分からない。
ただ、おそらく漠然とした『女』への怒りだと思う。

こんな風に軽々しく人生を浪費するコイツが許せない。
…そう、思った。
ふつふつと湧き上がる激情を私は抑えることができず、手近にあった置時計を振りかぶり、

そして――


25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/20(金) 20:46:08.40 ID:INNZGpU10
(;*゚∀゚)「はぁはぁはぁ……」

――とんでもないことをやってしまった。
前後の記憶はよく覚えてなかったが、それだけは分かった。
そして願わくばそれが夢になるよう私は走り続けた。走って、走って、走り続けた。

(* ∀)「はぁ…はぁ……」

ひたすら走り、いつの間にか街の中。
ネオンが輝く通りを私はゆっくり歩く。

――明日からどうしよう。

その問題が頭の中でグルグルと回っていた。
彷徨うように、いや、実際彷徨いながらひたすら街を歩いた。

しばらく経って、

(* ∀)「自首、しよう……」

…そう、決めた。


26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/20(金) 20:49:08.12 ID:INNZGpU10
――その時だった。
前方から靴音が聞こえた。
ハイヒールの、コツコツという音だ。

私はゆっくりと顔を上げる。
…すると目が合った。

o川*^ー^)o

美人な人だった。そう、女の私でも認めざるおえないような、美人。
映画の登場人物のような魅力的な人。本当に現実の人間なのか怪しく思えるぐらい、可愛い人。
軽く会釈をして彼女は通り過ぎた。


ひどく凄惨な一言を残して。


o川* ー)o「あなたはもう、戻れないよ?」


――そこから先は完全に記憶がない。


29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/20(金) 20:52:05.64 ID:INNZGpU10
次の日。
新聞では、あのホテルで火災があったと報じられていた。
何人もの犠牲者が出たらしい。
死者も数人。

(*-∀-)「………」

何日かが過ぎるうちに、私はこんな都合の良い幻想を抱くようになっていた。
…あれは悪い夢だったのではないか、と……

そして更に数日が過ぎ、もう私の中ではあの忌わしい日のことは、完全とは言えずとも過去のこととなっていた。
また他人を気にする生活に逆戻りだ。

(*゚∀゚)「……これで、良かったよね…?」

誰に聞いても答えが出ないであろう問いを自問する。
あの日のことが夢だったとすれば、それで良い。
だが、現実だったとすれば……?

…もう考える気は起きなかった。


32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/20(金) 20:55:05.82 ID:INNZGpU10
……数ヶ月が過ぎ、完全にあの日のことなどを忘れていた矢先、

ミセ*^ー^)リ「先輩!好きです、付き合ってください!」

名も知らぬ後輩が告白してきた。
体育館裏などに呼び出された時から嫌な予感がしていたが……

私はなんの迷いもなく言った。

(*-∀-)「…ごめんなさい。君とは付き合えないよ」

彼女は一瞬面食らったような顔をして、俯く。
…それはとても儚げでしおらしく愛おしいものだった。

(*゚∀゚)「(生まれ変わったらこういう女の子になりたいなぁ……)」

きっと私が男性ならば、告白を喜んで受けていただろう。
おそらくジョルジュでも。
つまり、胸がふくよかだった。

…そんなことを私が考えていた時だった。


33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/20(金) 20:58:07.07 ID:INNZGpU10
ミセ# -)リ「男なんて…、ヤリたいだけの屑のくせに……」

(;*゚∀゚)「…え?」

思わず、聞き返す。
すると彼女は顔を上げ、キッとこちらを睨みつけ、

ミセ#゚д゚)リ「この私が告白してやってんのに、断ってんじゃねーよッ!!」

…どうやら相当ご立腹のようだ。
私の声などまったく聞えないようで、数々の罵声を口にする。
可愛らしい顔がひどく醜く歪んで……
…それはまるで、彼女の内面を映しているようだった。

(* ∀)「………ぁ」

プツン、と何かが切れる音がした。頭の凄く深いところだった。
頭が指令を出す前に身体が動いた。
彼女を押し倒し、白く細い首に手をかけ、

――また、私はやってしまった。


35 名前:774秒で支度しな!:2009/11/20(金) 21:01:06.23 ID:INNZGpU10


…それからはもう止まらなかった。
ある時は出会い系サイトで知り合った少女、ある時は団地の人妻、ある時は、ある時は、ある時は……

(*゚∀゚)「………」

…私は人知れず殺し続けた。
『彼女達』を。人生を無駄にする人間達を。

それは面白いほど上手く行った。
誰も私を見つけられなかった。


o川*^ー^)o「こんにちは」


――たった1人、彼女を除いては。



37 名前:774秒で支度しな!:2009/11/20(金) 21:04:06.21 ID:INNZGpU10
SIDE : A hell of a cute woman and Invisible perv


僕が『人間の骨って堅いなぁ』とかなり常識な感じで当たり前なことを思っていると、彼女が言った。

川*゚ー゚)「…私、ちょっと行ってくる」

( -∀-)「…この状況下でどこへ行こうと?」

川*゚ー゚)「なーんかうちの学校の生徒を見たんだよね。つーわけで、」

行ってくるわ!っと元気良く言い、部屋を出て行く。
…200パーセント仕事を僕に押し付けたという確信がある。なんつーか、経験則?

(;-∀-)「…はぁ」

目の前に広がる死体、じゃなかった、遺体を見る。
解体は半分程度終わったが、それでもまだ半分残っている。
文句を言っても仕方ないので大人しく太腿の切断に取り掛かることにする。


38 名前:774秒で支度しな!:2009/11/20(金) 21:07:04.70 ID:INNZGpU10
…あらかた解体が終わったので、それをビニールで包み、スーツケースに詰める。
知っているだろうか。人間でもしっかり分解すればちょっとした旅行鞄に入るようになるのだ。
でもどうやら今日の鞄は小さかったらしい。
首が、入らない。

( ・∀・)「………」

…とりあえず枕元に置いてみる。
うん、気持ち悪い。化けて出そうだ。

( ・∀・)「手提げ鞄の中にでも入れておこー、っと」

恨みを込めて、お姉さんの鞄の中に押し込める。
…なかなかいい感じだ。

1人目が終わり、後ろを向く。

(;-∀-)「はぁ……、あと2人もか」

たとえ男でも3人分の解体はちと骨が折れる。
骨を折るのは僕の方なんだけどね。……別に上手くはないな。そもそも関節外してるし。


39 名前:774秒で支度しな!:2009/11/20(金) 21:10:05.51 ID:INNZGpU10
次の方に取り掛かる前に、僕の説明をしておこう。
この告白文を読んだ誰かが分かりやすいように。

僕はモララー。今は一応このありふれた名前で通している。
チャームポイントは右手の手袋。
髪は黒くて、背はそこそこ高い。
自分で言うのもなんだけど、割と美形だと思う。いや、変装だけれどね、この顔?

川*^ー^)「ただいまーっ!!」

( ・∀・)「おかえりなさい」

そしてこれがお姉さん。今は変装中。
名前はキュート。多分偽名。綴りは英語の『可愛い』と同じだ。
凄くグラマーで顔も可愛い。高校3年生なんだけど、勉強も運動もできる。
一言で表すなら、『地獄のような女性』ってところかな?

…そんな彼女は、戻ってきて早々こう言った。

川*゚ー゚)「作戦変更!ホテルに火をつけます!」


41 名前:774秒で支度しな!:2009/11/20(金) 21:13:05.76 ID:INNZGpU10
…お姉さんの一言で作戦は変更。
遺体をバラバラの場所に置き、火をつけ、燃やし尽くすことに。
他のお客さんには迷惑だが仕方ない。

川*゚ー゚)「君は1階に行って、監視カメラとフロントのリストをさっくり壊してきて」

( -∀-)「了解。…でもなんで急に?」

めんどくさいことを押し付けられたのだ。
これぐらい聞いてもいいだろう。
彼女は、決まってるじゃない!と前置きし、

川*^ー^)「面白いことになりそうだからだよ!」

…まぁ、いつものことだ。
居候の身で主に難癖つけるのもどうかと思うので、おとなしく従う。

従業員の1人を絞め落とし、服を拝借。
警備室へ行きカメラに工作。下調べはもう済んでる。
…管理がずさんで助かった。


44 名前:774秒で支度しな!:2009/11/20(金) 21:16:08.11 ID:INNZGpU10
お次はフロント。
これは大変だと思ったが、物凄い音で鳴り響く火災報知機に助けられ、なんなく成功。
お姉さんはもう逃げたのでゆっくりしていける。

( ・∀・)「服、ありがとね」

気絶したまま放置して火災に巻き込まれ死んでしまうのも忍びない。
服を戻して裏口から外へ放り出す。
多分、死なないと思う。

( -∀-)「~~♪」

そしてそのままバックレ。
野次馬というのは犯罪者にとって凄く好都合。
できる限り自然に、街に溶け込んでいく。

…今日の仕事は終わり。
計画の変更はあったけど、結構なハイスコアなんじゃないかな。


45 名前:774秒で支度しな!:2009/11/20(金) 21:19:13.80 ID:INNZGpU10
深夜のつまらない番組を見ながらご飯を作っていると、お姉さんが帰ってきた。

o川*>ー<)o「ただいまーっ!疲れたよ~……」

( ・∀・)「ご苦労様でした」

飛びついてくる彼女をキャッチする。
手ぶらと言うことは、死体は上手く処理できたらしい。
…都会ってのは恐ろしい。『人間』というめんどくさいものでも処理してくれる所があるのだから。

( -∀-)「お姉さん、説明してくださいよ」

o川*゚ー゚)o「え?何を?」

( ・∀・)「作戦変更について」

普段通りの姿に戻った彼女に訊ねる。
ちなみに、僕はこっちの方が好きだ。…なぜかって?
…可愛いからに決まってる。
可愛いは正義でカッコいいは大義なのだ。


46 名前:774秒で支度しな!:2009/11/20(金) 21:22:07.32 ID:INNZGpU10
o川*゚ー゚)o「んーっとね~、『種』を見つけたの」

( ・∀・)「なるほど。『種』ね……」

彼女は高校生ながら(実際の年齢がいくつなのかは知らないけど)『便利屋』をやっている。
そして彼女には卓越した犯罪の才能と運、あと技能がある。
それが、

o川*^ー^)o「今はまだまともだけど、これからきっと壊れちゃうんだから!」

『犯罪者になりそうな人を見つける』というスキルだ。
犯罪者を作る犯罪者なんて推理小説なんかじゃありふれた存在なんだけど、彼女はまさにそれ。
僕はそんな彼女に惹かれた異常者ってわけ。

…ま、もっとも今回の場合は人を殺した後だったらしいけど。

o川*゚ー゚)o「…え?違うよ?」

( ・∀・)「なにが違うんですか」


48 名前:774秒で支度しな!:2009/11/20(金) 21:25:05.82 ID:INNZGpU10
o川*゚ー゚)o「あの子は、つーって言うんだけどね、あの子は殺してないよ?」

所属する高校の全校生徒800余名の名前と顔と基本データぐらいは軽く暗記している彼女。
その彼女に、え?と思わず聞き返す。
…答えなど予想できただろうに。

o川*>ー<)o「気絶してただけだったから、もれなく大サービスでトドメを刺してきてあげたのだ!!」

……こないだ、コンビニでジャンプを立ち読みしてたら『絶対悪』という言葉が出てきたわけだが……
彼女こそ『絶対悪』だと思う。
最凶で、最狂で、最興で。
もう彼女がこの街からいなくなるだけで相当死ぬ人間が少なくなると思う。

o川*゚ー゚)o「あとかる~く、心を揺さぶってあげて、帰ってきた」

( ・∀・)「…軽く?」

o川 ゚ー゚)o「そう、軽くだよ」

彼女は急に真面目な顔になり、言う。


49 名前:774秒で支度しな!:2009/11/20(金) 21:28:06.67 ID:INNZGpU10
o川 ゚ー゚)o「確かに私は『種』が分かるし手を加えたりもする。でも、結局は自分なんだよ」

( ・∀・)「…自分……」

o川 ゚ー゚)o「そう。ちゃんと芯がある人間は、私の言葉ぐらいじゃグラつかない」

どんな事情があってもね、と意味深に呟き、風呂場に向かう。

…僕は彼女の事情など知らないし知りたくもない。でも、彼女が夜な夜なうなされているのは知っている。
僕を置いているのもきっと、僅かに残っている『人間』としての部分がそうさせているのだ。

…事実、一緒に寝てる時はスヤスヤ眠る。
そりゃもう気持ち良さそうに。

( -∀-)「……さて、と」

気持ちを切り替える。
僕はモテる秘訣とは気分の切り替えだと思っているので、今はとりあえず犯罪者の『僕』はお休みだ。
この目の前の案件。
つまり、このマリネをどう美味しく作るかが、今は大事なのだ。
…隠し味だけはもう決まってるんだけどね。


51 名前:774秒で支度しな!:2009/11/20(金) 21:31:10.34 ID:INNZGpU10
翌日。
制服に着替えた彼女と共に朝ごはん。
いやぁ、美しい女の人と食べるご飯はホントに美味しい。しかも制服ですよ制服。
有頂天でテレビをつければ、キャスターが昨日のことについて話してる。

『死者は4名、怪我人は10名ですが軽症で――』

o川*>ー<)o「やったね、―――!見事に民間人の被害はゼロだよ!!」

( -∀-)「ほぅ…。流石お姉さんですね」

ゼロってか何人か怪我してるけどね。大丈夫かな。
ニュースはなおも続く。

『原因は不明。しかし、監視カメラ類の故障などずさんな――』

…申し訳ない。それは僕です。
責任取らされて首になる人がいれば同情します。

結局原因はタバコということになった。
嫌煙家歓喜な展開。


52 名前:774秒で支度しな!:2009/11/20(金) 21:34:11.45 ID:INNZGpU10
o川*゚ー゚)o「4人殺して……。これはハイスコアかもね!」

お姉さんは犯罪のプロだ。
…本当に、凄く迷惑なプロ。捕まえられないあっちも相当無能だけど。

o川*^ー^)o「仕事も成功してご飯がおいしー!!」

ご飯を食べる彼女。
…やはりと言うかなんと言うか、彼女にも『悪の美学』が存在する。
一般人を巻き込まない、犯罪を楽しむ、真実を愛す…というもの。
最後が不明確だが、これは「自分が事件を起こせば、常に真実は自分が握っている」わけだ。
彼女曰く、

o川*>ー<)o『賢者は真実を愛すものだしね!!』

…なのだが、僕は多分単に良心の呵責のせいだと推測する。犯行の理由をつける為の。
と言うか、そうであって欲しい。
人間も機械も犯罪者も、1つぐらいは弱みがあったほうが可愛いから。


53 名前:774秒で支度しな!:2009/11/20(金) 21:37:08.17 ID:INNZGpU10
月日は流れ、数ヵ月後。
学校から帰ってきた彼女が珍しく静かだ。
…この場合、

o川 ゚ー゚)o「…堕ちたよ、あの子は。今日人を殺してた。私が差し向けた人を、ね」

やっぱりね。
…その後始末をして疲れたらしい。
シャワーを浴びるとすぐに寝てしまった。

仕方ないので、僕も布団に入る。
あまり眠たくはなかったが、女の子がうんうん呻いているのは見ていて気持ちの良いものではない。
僕の良心の呵責というわけだ。

o川*-ー-)o「くー……」

あの恐ろしい犯罪者もこの時ばかりは人の顔。
名前に相応しく、誰よりも可愛くて、超グラマーで、全く抜け目がなく、才気が溢れていて、死ぬほど魅力的。

…そんな彼女が僕は好きだ。多分世界で一番好きだ。
異常なのかも知れないけどね。


54 名前:774秒で支度しな!:2009/11/20(金) 21:40:07.79 ID:INNZGpU10
――さて。物語も詰め。
ただの『殺人鬼』と成り果てた彼を彼女はどうするのか。

o川*゚ー゚)o「こんにちは」

(;*゚∀゚)「………」

路地裏。
絶賛犯行中の彼はただただボーゼンとしている。血だらけだけど、どうやって逃走するつもりだったの?
…しばらく黙っていたお姉さんは、膠着状態に飽きたのか、ポケットから写真の束を取り出しばら撒く。

(* ∀)「…これ、私の……」

o川*゚ー゚)o「…そう。証拠ってやつよ」

…偉そうにデカい胸張ってるが、それを調べたのは僕だ。
ついでに証拠隠滅も僕がしてる。スゲェ疲れた。
感謝して欲しい。お二人さん。
いや、してるのかな。最近の行動を見る限り。


55 名前:774秒で支度しな!:2009/11/20(金) 21:43:06.69 ID:INNZGpU10
そんな風に僕が思っていると、彼女は突然、

o川*^ー^)o「つーちゃん!」

…と言った。
つーちゃん?なにそれ。彼の名前だったっけ?

o川*゚ー゚)o「女の子っぽい名前でいいじゃない。そういう事情に相応しいと思うけど」

(;* ∀)「な…んで……」

o川*゚ー゚)o「んー、見た感じかな?」

件のつーちゃんは、『性同一性障害』であるらしい。
だから『彼』ではなく『彼女』の方が正しいか。
そういった小さな心遣いもモテる秘訣だ。

…そして、そんなことを見た感じで見抜いてしまうお姉さんは何者なんだろう。

o川*゚ー゚)o「…では、つーちゃん。運命の選択に参りましょう」


56 名前:774秒で支度しな!:2009/11/20(金) 21:46:08.95 ID:INNZGpU10
レディース用の拳銃を取り出し、彼女に向ける。
突きつけるは選択肢。

o川*゚ー゚)o「ここで死ぬか、自首するか」

…うわぁ、なんだよそれ。
どっちもほぼ人生終わりじゃねぇか。
とかなんとか思っていると、それか、と付け加え、

o川*゚ー゚)o「もしくは私の元に来て、『犯罪者』ってものを学ぶか」

パチンと指を鳴らす。
合図に従い、持っていた鞄の中身をぶちまける。
大量の札束を。

o川*^ー゚)o「その場合はあなたに、もれなく『女』の身体をプレゼント!」

(* ∀)「………」

ああ、運命が扉を叩く音がする。


57 名前:774秒で支度しな!:2009/11/20(金) 21:49:07.79 ID:INNZGpU10
…残酷な選択肢だ。と僕は思う。
だってそうだろう?
どれを取るにせよ何かを捨てろと言っているのだ。お姉さんの遊びの為に。

この場で命を捨てるか。
今の生活を捨てるか。
…『自分そのもの』を捨てるか。

(* ∀)「…私は――」

…でも、こうも思うのだ。
彼女はそんなものの前に、人間として大事な、とても大事なものを捨てていると。
事情がなんであれ、きっかけがなんであれ、そんなことはいい訳にはならないのだ。
因果応報というわけ。罪は償わなくてはならない。
いつかは僕も。

…彼女の答えを聞き、お姉さんはニッコリと微笑んだ。

o川*^ー^)o


――そして、辺りに銃声が響き渡った。


59 名前:774秒で支度しな!:2009/11/20(金) 21:52:10.79 ID:INNZGpU10
o川*>ー<)o「あ~、お腹減った~」

彼女はキュート。
英語の『可愛い』と同じスペル。
一言で言えば『地獄のような女性』だ。
名前に相応しく、誰よりも可愛くて、超グラマーで、全く抜け目がなく、才気煥発、死ぬほど魅力的。

…あと、

o川*゚ー゚)o「…うん。これで良かったよね?」

ちょっとだけ、キザで気の利くお姉さんだ。



~END~


60 名前:774秒で支度しな!:2009/11/20(金) 21:55:09.46 ID:INNZGpU10
ああ、自己嫌悪。
皆さんこんな稚拙な作品にご支援ありがとうございました。

「cute」の意味を全て含めたキャラを作ろうとしたところこんな感じになってしまいました。
何が酷いって前半と後半でジャンルが違うことですね。すいませんでした。


…つーはどうなったのか。
あえて描写はせず。結末はご自由に。


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