mesimarja
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ζ(゚ー゚*ζそれは血のようでするどい
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 19:12:48.28 ID:Wg9Ue2X70

幸せ。
それは、青い鳥がはばたいて、せっかく自分の手の中に飛び込んできても、
迷っているときや、屈託から逃れられないようなときには、
手の中の小鳥を、あげたりさげたりして、いろいろといじくりまわしてしまって、

けっきょくは殺してしまうのです。

そうして、自分の手の中には、
幸せへと変わるはずだったものの、残骸だけが残るのです。






リストカットのお話をしようと思います。








2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 19:13:32.02 ID:Wg9Ue2X70



こう言うと、あなたはきっと唇の端に、
あざけりにも似た冷笑を浮かべるでしょうね。

そうして、

ああ、年頃の女の子には、そういう時期があるものだよ

なんて言って、やさしく私の髪を撫でようとしてくれるかもしれません。


でも、聞いてください。
血にまみれた腕を見ることが好きだった、私の話を。






5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 19:15:53.30 ID:Wg9Ue2X70






わたしは、どうやら人とは違ったみたいです。
どこがちがうのかは、わかりません。

かおでしょうか。
からだでしょうか。
せいかくでしょうか。
それとも、もっと根源的な、
わたしの、そんざいそのものが、間違ってしまったのでしょうか。


朝、教室のドアを開けた私の「おはよう」の声に、皆がそっぽを向いたりとか、
あるいは、窓際の暖かい日溜りに群れた女の子たちから返る、くすくすとした笑い声だとか、
彼女たちの幼い睫毛にまとわりついた、真っ黒いマスカラを震わすような、嫌らしい笑い顔だとか、

それらが、いかに私が間違っている「もの」なのか、
小さく小さく囁くように告げてくるのです。


オマエハ、ココニイルベキデハナイ。
と。




7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 19:19:26.42 ID:Wg9Ue2X70




ええ。勿論分かっています。

よくある、とてもよくある、
思春期の子どもの、まるで水槽のような狭い世界の、
小さな「いじめ」というもので、
私は意味もなく担ぎ出されたスケープゴートで、


私である意味なんかなくて。


ええ。それほど、馬鹿じゃありませんもの。
馬鹿じゃ、ありませんもの………。





8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 19:22:14.73 ID:Wg9Ue2X70



ですが、
そんな、辻褄合わせの正しさは、
私にとって、なんの救いにもならないのです。



だって、私の机に小さく掘り込まれた「死ね」の文字は、
確かな説得力を持って、私の心を突き刺すのです。

あの、教室に満ちた悪意が、敵意が、私を排除しようとする意思が、
私を、じくじくと、蝕んで行くのです。


ζ(゚ー゚*ζ「ああ。」






間違ってしまいました。

私が悪いのです。

あの、敵意は、向かうべくして、私に向かった。

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 19:26:39.52 ID:Wg9Ue2X70





いいえ。私は、悪くありません。

私は、正しいのです。

あの、悪意は、正しい私を排除しようとする、正しくない意思なのです。




あいつらが、悪いのです。

あいつらが。






ζ(゚ー゚*ζ「ああ」





10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 19:31:32.79 ID:Wg9Ue2X70



間違った私は、粛清されるでしょう。
正しい私は、排除されるでしょう。


ああ、つまり、私の根源が。
私の、存在が。




ζ( ー *ζ「ああ」





11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 19:32:24.49 ID:Wg9Ue2X70




一番最初に、手首を切ったのは、
多分、確かめる目的だったと思います。
あまりにも、あまりにも、自分が周りと違って思えたから、
体の中身は、どうなのかと思って。


血が出ました。
当たり前ですね。

それで、私、馬鹿らしくなっちゃって。
馬鹿らしくて、面白くて、そんな滑稽な私が可愛らしくて、
血まみれになった左腕が、なんだか陰惨な感じで、
そんなに痛くなかったのに、こんなに馬鹿らしいのに、

左腕ばっかり、悲惨なふりをして、
分かり易く、傷ついた、私の左腕が、
どうしようもなく、愛おしくて。







12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 19:36:04.06 ID:Wg9Ue2X70






ところで、さっきから、にこにこ笑っていますね。
あなたはきっと、その柔和な笑顔の下で、いま、こう思っているのでしょう。

ああ、世界も視野も狭い中学生の女の子が、
自分に酔って、かまってほしくて、自傷のまねごとをしたんだな、

なんて。

ええ、いや。

やさしい誤魔化しの言葉は、一旦脇に置いてくださいね。

そして、聞いてください。





13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 19:41:40.13 ID:Wg9Ue2X70





あなたは、私を理解したような気になっている。
「自分に酔った可哀想な女の子」の枠に私を当てはめて、
私を、理解した、という事実をお作りになろうとしている。



ええ。馬鹿にしないで下さい。



言葉を弄んでいるだけで、
わかったような気になって、
知りもしないことをえらそうに語ってるだけじゃないですか?


…ごめんなさい。





14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 19:45:55.58 ID:Wg9Ue2X70


ごめんなさい。
ごめんなさいごめんなさい。

気を悪くなさらないで下さい。
ムキになったりしてごめんなさい。
どうぞ、怒らないで下さい。


話を、話を続けましょう。




16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 19:47:42.04 ID:Wg9Ue2X70



ええと、そう。手首を切った話ですね。

血はね。赤いんですよ。
あ、また笑いましたね。
当たり前だと、思われてるのでしょう。

でも、血は赤いんですよ。
鮮やかなんです。
私の、絶望に塗りつぶされた日常に、あの真っ暗な世界で、
血だけが、赤々と流れるんです。


見たくて、
見たくて、

綺麗で、

私は、私の体の中に、こんな綺麗なものを隠していたのかと思って。




18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 19:49:14.95 ID:Wg9Ue2X70



それで、学校では、
一年か二年、そんな状態が続いたと思います。

私は、どんどん暗くなって、目つきなんかも落ち窪んできて、
しじゅうおかしなことばかり考え続けて、

無視されて、
つらくて、
たくさん考えて、
なにも分からなくて、
気分が悪くなって、

一人になったら、手首を切って。
血にまみれた腕を見て。


ああ、綺麗だなあって。
血まみれで、
悲惨な感じで、
不幸な感じで、
被害者な感じで、

ああ、救われるなあって。




20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 19:53:13.72 ID:Wg9Ue2X70


大変だったんです。

中学生にとっては、そこが、教室が、教室の中の女子の群が、全てで。

大変だったんです。

私は、いっぱい頭をぐるぐる悩ませて。

頭を、ぐるぐる。

それだけならいいんですけど、
悩むだけなら、後には残らないんですけど、

腕には、こんなのがいっぱい残っちゃって。

あはっ。見て下さい。もっと。

もっと。これ、私の、見て下さい。

傷痕。

汚いでしょう?

一応、これでも、女の子ですし、ね。
こんなにしちゃって、こんなにズタズタの、可哀想なだけの左腕にしちゃって、

ああ、どうしようって。
時々、我に返って思うんですけど。

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 19:57:53.77 ID:Wg9Ue2X70



だけどね。
転機は訪れました。

中学生だから、
普通にしていれば、普通に高校に行っちゃうんです。

そしたら、世界が一気にがらりと変わって。

まったく新しい環境で、
新しい世界に入っていける。

私は、拍子抜けしました。

だって、今まで、私にとって全てに思えたものが、
じつは、それはほんのちっぽけな、中学校という小さな枠の中だったんだ、って。
知ったんですから。


私は、本当に救われるかもしれない。
あの、鮮やかな血の色の、慰めるような救いじゃなくって。
本当に、本当の、しあわせを、手に入れられるかなって。





22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 20:02:11.77 ID:Wg9Ue2X70


中学校と同じようなのだけは、絶対にいやだと思って、
それで、私は友達を作る努力をしました。
まずは、近くの席の人に話しかけてみたのです。



ζ(゚ー゚*ζ あ、あの・・ 友達になってくれない?

从 ゚∀从 ん? いーよ!
      ってか最初からクラスメートじゃんw変なヤツだなww

ζ(゚ー゚*ζ あ、そ、そうだよね!

从 ゚∀从 よろしくな!



ハインっていう子とは、仲良くなれそうでした。

カラカラとよく笑う、明るい子で、
私の心まで、照らしてくれるような気がしました。




23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 20:04:04.59 ID:Wg9Ue2X70



列を作ったとき、
出席番号が前の人にも、声をかけてみました。


ζ(゚ー゚*ζ ねえ! 友達になって!

川 ゚ -゚) …?

ζ(゚ー゚*ζ あ、ごめん。私はデレ。ねえ、私たちクラスメートだし、友達だよね?

川 ゚ -゚) ふむ…友達、か。
     すまないが、それはまだわからない、としか言えないな。
     なにせ君とは、今日出会ったばかりなんだ

ζ(゚ー゚*ζ …ごめん。

川 ゚ -゚) まあよろしく。同級生として、仲良くやろう

クーっていう子とは、うまくいきそうもありませんでした。

あまり笑わない、突き放すような喋り方をする子で、
拒絶されたような、気がしたのです。





24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 20:08:12.52 ID:Wg9Ue2X70





こんなふうにして、私の高校生活が始まりました。

友達もできました。
可愛くて、明るくて、元気なグループ。

いじめにあう以前の私も、本当はそんな風だったことを、思い出しました。

何事にも物怖じしなくて、
気持ちを屈託なく素直に表して、
ちょっとやんちゃで、反抗的。

ζ(゚ー゚*ζ ~♪

だから、私がやらなきゃならないことは、
元の私に戻るだけ。

ばいばい、真っ暗な中学時代の私。

簡単、簡単。





26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 20:10:43.76 ID:Wg9Ue2X70



…と、いうわけには、いきませんでした。
ええ、やっぱり。


从 ゚∀从 でよー

ζ(゚ー゚*ζ あははは

(*゚ー゚) けーたい代5000円までとかむかつくー

ζ(゚ー゚*ζ ねー

おはなしします。
だけど、ちがうのです。
元の私のように、楽しめないのです。
気がつけば、上手におはなしできている私を、私は、つねに確認しています。
頭の中で、いつもぐるぐると、わたしは考え続けています。

だいじなだいじなおともだち。
その、はじけるような明るい笑い声に、私に対するあざけりは、ほんの少しも混じっていないでしょうか。
その、なんでもない、ざっくばらんな態度に、私をないがしろにする気持ちが、ほんの少しも混じっていないでしょうか。




27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 20:16:40.93 ID:Wg9Ue2X70




察するに、「考えること」っていうのは、
魔物か何かだと思うのです。

一度なにかを考え始めてしまうと、
それは、悪魔と契約をしてしまったようなもので、

そこから離れようとしても、
悪魔は、ぜったいに許してくれない。

考えることからは、逃れられない。
掴んだ獲物は、離さない。

もう二度と、私の顔に、
屈託の無い笑顔は戻らない。




29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 20:23:52.94 ID:Wg9Ue2X70



ζ(゚ー゚*ζ ねえハイン

从 ゚∀从 あ?

ζ(゚ー゚*ζ 私たち親友だよね

从 ゚∀从 は? たりめーじゃん。何?

ζ(゚ー゚*ζ あ、いや

从 ゚∀从 ったく、何度目だよその質問w

なんてところから、始まって。




31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 20:24:47.45 ID:Wg9Ue2X70




例えば、彼女からのメールの、絵文字。
絵文字がないメールが来ると、
心に悪い疑惑が積み重なったり。

例えば、ふざけあっているとき、
彼女が本当に楽しそうに、笑いながら発した「死ね」という言葉が、
ひとりでに私の心の中で、
どんどんふくらんで大きくなって、とげをもってきたり。

わかりますか?

これは、全て悪魔の仕業です。

そんな、どうでもいい絵文字の有無だとか、
本気じゃないって分かっているような暴言とか、
悪魔は、それらに悪い意味を持たせて、
それから悪意を、何倍にも何十倍にも増幅させてしまう。

「考える」という悪魔の行為は、
そんなことをするんです。




32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 20:26:04.69 ID:Wg9Ue2X70




私は、あなたたちと同じ人間です。
赤い血の流れる、同じ人間のはずです。
私は、上手に、おはなし出来てますよね?



私が、あなたたちを好きなように、
あなたたちも、私を、好きでいるはずですよね?



ちくちく。ちくちく。
「考える」悪魔は、私を攻撃します。
悪意の欠片を拾ってきては、私をそれで何度も何度も攻撃します。

やめて下さい。
もう考えたくありません。

元の私にかえしてください。




34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 20:32:20.60 ID:Wg9Ue2X70




ちくちく。ちくちく。
ついに、私の悪魔は、私の体を乗っ取って、その悪意を振り撒き始めます。
些細なことを根に持って、誰かの悪口を少しずつ言ったり、
不機嫌さを隠すふりをしながらも、わざとその頭だけをのぞかせ続けたり、


ちがいます。
こんなこと、したくないのです。



でも、悪魔が。





35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 20:36:25.89 ID:Wg9Ue2X70


嫌味と、高等な攻撃のやりかたばっかり、
どんどん私は上手くなります。


从 ゚∀从 お前…最近さ…

ζ(゚ー゚*ζ え?

从 ゚∀从 なんか、××いよ?

ζ(゚ー゚*ζ え? え? どこが?

从 ゚∀从 知らねーよ。でも、なんか××いんだよ。つまんねー

ζ(゚ー゚*ζ え?






え?






36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 20:38:26.67 ID:Wg9Ue2X70


可愛く、明るく振舞ってみても、
周りに与え付けていた不快感は、隠しようもなかったみたいで。

その時は、何事もなかったかのように、すぐに、違う話題にうつったけれど、
私の中の悪魔は、狂喜乱舞して、私の心を突き刺しています。



「ほうら、やっぱり」って。




ζ(゚ー゚*ζ ねえ、ハイン

从 ゚∀从 あ?なんだよ

ζ(゚ー゚*ζ 私たち、親友だよね?

从 ゚∀从 お前、その質問もいい加減にしろよ。わかるだろ




これは、悪魔に容易く乗っ取られた、
私への報いなのでしょう。



37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 20:43:29.17 ID:Wg9Ue2X70

私はまた、
いじめられるのかもしれない。


从 ゚∀从 昨日のカラオケさー

(*;゚ー゚) (ちょ、ちょっとハイン!)

ζ(゚ー゚*ζ ・・・・


昨日はいそがしくて遊べないって言ってたよね、ハイン?




些細だった悪意の欠片は、純然たる悪意に変わり、
私の心を、さいなむのです。


私は、もう休み時間に彼女たちと机の周りに集まる事は出来なくなりました。
お昼休みは、学校をそっと抜け出して、近くの公園で一人でお弁当を食べました。
机をくっつけて食べていた時は、お弁当の中身に一喜一憂していましたが、
公園で食べるお弁当は、何の味もしません。


私はまた、他と、ちがってしまったみたいです。



38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 20:53:12.82 ID:Wg9Ue2X70




ζ(゚ー゚*ζ ・・・

从 ゚∀从 今日は授業終わってから何する?

(*゚ー゚) テスト前だよ勉強しなきゃー

从 ゚∀从 関係ねーよ

あははは…





私の席から遠いところで交わされている、
大きな声の会話。






39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 20:56:09.34 ID:Wg9Ue2X70

私が、××いから、こうなったのでしょう。
私が、悪いのでしょう。

でも、どうしてこんな。
私は、ただ悪魔に魅入られてしまっただけなのに。

こんなに苦しいのに。苦しかったのに。
どうして、私の気持ちもわからずに、
私を排除するのですか。

ああ、酷い。
酷いです。
あんまりだ。
あんまりです。



だって。


親友だって、
言ったのに。




悪魔の、笑い声が聞こえた気がしました。



42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 20:59:59.03 ID:Wg9Ue2X70





川 ゚ -゚) どうした、帰らないのか

気が付くと、
教室には誰も居ませんでした。

私とクーの他には。

ζ(゚ー゚*ζ え?

顔を上げました。いつもの笑顔で、

すこし右頬を上げた顔が、私のいちばん可愛い顔だって知っていたから、
無意識にそれを作って、私はクーを見ました。

川 ゚ -゚) さっきから一人で座って、どうしたんだ? 具合でも悪いのか

ζ(゚ー゚*ζ え?

クーの言葉で、私も何か言おうとしました。

言葉を探していたら、自然に涙がこぼれてきました。




43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 21:03:29.74 ID:Wg9Ue2X70





私が泣き止むまで、クーは隣にいてくれました。
ぐしゃぐしゃになった顔をなおす間、待っててくれて、
それから、一緒に帰ってくれました。




わかってました。
意識したのは初めてだったけど、
彼女が夏でも長袖のシャツを着ているから、
私にはわかっていたのです。

仲間だって。







45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 21:10:41.99 ID:Wg9Ue2X70





次の日からも、
そのことについては、お互い触れずにいました。

お互い、長袖のシャツで隠しているものについて、
言葉を交わすことは避けていました。

でも、いけないな。

私がもっと我慢強い子なら、
きっと、あんなことにはならなかったと思います。




47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 21:11:59.18 ID:Wg9Ue2X70



それでも、半年くらいは、仲良く過ごしていました。
二人で遊びに行くことなんかも増えて、

大人っぽさにへんな憧れのある時期だから、
お酒を飲むことが、なんだか格好いいことのように思えて、

文化祭の打ち上げに、ワインを開けてしまったんです。

ζ(゚ー゚*ζ ねえ

酔った私は、もっともっとクーと親しくなりたかったんです。

…いや。ちがうな。
隠し事が、気に食わなかったのかな。

二人の間で、触れてはいけないものが存在する。
そのことが許せなかったのかもしれない。

望んだものは、何でもかなえられるべき。
何でも許される、何でも受け入れられる、そんな二人であるべき。

だって、きっとクーは私と同じ、
まちがってしまった、そんざいなんだから。

そのときの私の気持ちは、そんなわけのわからない理屈で支配されていました。



49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 21:17:34.16 ID:Wg9Ue2X70


ζ(゚ー゚*ζ 腕、見せて

言うと、クーはしばらく無言になりました。
黙って、考えているようでした。

その、なんとも言えない空虚な表情が、
私には、どうしてだか、悪魔のようにも見えて。

それから袖をめくって、私に左腕を示しました。

思ったとおり、横に走る醜い傷跡が、
左手首に何本も、何本も刻まれています。

わあっ。

ζ(゚ー゚*ζ ねー なんでそんなことしたの?


私は聞きました。
クーは答えません。





52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 21:22:03.16 ID:Wg9Ue2X70



どうして、答えないのでしょう。

なかま、なのに。

クー。
あなたも、私を、裏切るの?


ζ(゚ー゚*ζ 傷だらけじゃん あはははっ



わざと明るく朗らかに、可愛く、私は笑いました。


クーは、私の笑い声に唇を噛み締めて、
静かに静かに涙を流して、言いました。


川 ゚ -゚) 私は、君の事を

川 ゚ -゚) 君だけは、信じていたのに




53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 21:25:38.85 ID:Wg9Ue2X70




ああ。

そこで、やっと私は、
あんなに苦しめられた「考える」という悪魔の正体を、
本当にはっきりと、突き止めることが出来たのです。







その悪魔の名前は、

「疑い」と。








55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 21:29:33.81 ID:Wg9Ue2X70




それからどうなったかって?
もちろん私は、また、ひとりぼっち。

たった一人残った友達のクーすら失って、
ひとりぼっち…いや、

ハインのグループやクーには嫌われてたけど、それ以外には
クラスのみんなにあからさまに嫌われるわけでありませんでした。

そう、無関心?

そんな状態。

ときおり偶然に、だれかの気まぐれのやさしさの対象になったりはしました。


でも、そんな優しさ、悪魔が全て否定してしまいます。




56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 21:35:34.18 ID:Wg9Ue2X70



さて、と。

聞いてくれてありがとう。
私の話は、これでおしまいです。

暗くてばかで辛くて、どうしようもないお話だったけど、







幸せ。
それは、青い鳥がはばたいて、せっかく自分の手の中に入ってきても、
何かに答えを見出せないときや、屈託から逃れられないようなときには、
手の中の小鳥を、あげたりさげたりして、いろいろといじくりまわしてしまって、

けっきょくは殺してしまうのです。

そうして、自分の手の中には、
幸せへと変わるはずだったものの、残骸が残るのです。






57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 21:36:45.95 ID:Wg9Ue2X70









どんな青い鳥が飛び込んできても、
私は殺してしまうでしょう。

もう私は、幸せになれないんです。
そう、なってしまったんです。

私はきっと。
このまま生き続けていても、私はきっと、
小鳥の残骸だけに囲まれて、
みじめに、汚らしく、苦しみ悩むだけの一生を過ごすことでしょう。







58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 21:42:54.17 ID:Wg9Ue2X70




でも、私、あなたと過ごしている時は満ち足りているんです。
ご飯を食べてる時も、
一緒に歩いてる時も、
どんなに酷いセックスをしてる時だって、
心があったかくなって、他に何もいらないって思えて、
こんなまちがった私に、許されるのだろうかって思うほど。


今だって、あなたは私の話を聞いて、私に優しくしようとしていますね。
抱きしめて、背中を撫でて、大丈夫だと、言って下さるおつもりなのかもしれません。







でも、駄目ですよ。







59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 21:48:14.61 ID:Wg9Ue2X70




ねえ。愛してるって、言って下さい。

いつも、言ってくれるみたいにして。




あはは。



有難う御座います。






嘘吐き。







60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/30(月) 21:48:55.97 ID:Wg9Ue2X70
以上です。
有難う御座いました。

コメント

痛いな。偽善も嫌だけど、どうにかしたいって気持ちは何なんだろうな
[2009/12/08 01:49] URL | #- [ 編集 ]


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