mesimarja
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(´・ω・`)僕と不思議なドクオの木のようです
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 16:57:41.05 ID:xo/IpHrqO
('A`) やあ、大きな木だよ

(´・ω・`) 貧相な顔だ

('A`) うるさいなぁタレ眉

(´・ω・`) 焼き払うぞ

('A`) やめて


2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 16:59:33.11 ID:xo/IpHrqO

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(´・ω・`)僕と不思議なドクオの木のようです




5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 17:01:15.90 ID:xo/IpHrqO


学校が休みになり僕は家に篭っていた。


体に突き刺さるような日差しから逃げたかったわけではなく、
ただ外に出る理由が無かったから僕は家にいた。
言ってしまえば僕には友達がいなかったのだ。

いじめなどがあったわけではない。
ただ休みになってまで会うといった関係の人がいなかっただけだ。
要は空気、クラスにいてもいなくても変わらない存在だったのだ。僕は。

とはいえ何もせず家にいると色々と両親は口を出してくる。

「もっと遊んでもいいのよ?」
「たまには友達と遊びにいったら?」


困った物だ。友達がいないから家にいたのだけれど。

まぁ年頃の息子が家で勉強だとかばかりしているのは逆に不安だったのだろう。
じわじわと蝉が鳴き続ける外に出るのは正直面倒だったが、
まぁ致し方ないと諦め出かけることにしたのだ。




8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 17:05:46.99 ID:xo/IpHrqO

(´・ω・`) 何処へ行こうかな


特にいく宛もなく家を出たためいきなり困ってしまった。
ああどうしようかな、そんな思考だったのだ。


(´・ω・`) ……


少しばかし考え僕は近くの山で森林浴をすることにした。
図書館等も少し考えたが何故か行く気にはならなかった。


(´・ω・`) あ、これください


虫除けスプレー等をコンビニで購入して準備を整えた。
僕は少しワクワクしていたのだと思う。

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 17:09:43.83 ID:xo/IpHrqO


森林浴はなかなかに気持ちの良いものだった。
想像していたほどの暑さはなく、
風が吹けばむしろ涼しさすら感じた。


(´・ω・`) いい場所だなぁ


僕は少しだけ外に出た事を楽しく思っていた。
ひとつ深呼吸をしてみる。
家でのエアコンを通して出された空気とは違い、
どこか木々の匂いを感じた。




11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 17:14:16.17 ID:xo/IpHrqO


そうしているうちに普段はあまり思わない発想が出てきた。
夏は人を開放的にするらしいが僕も例に漏れなかったらしい。
つまり、山に登りたくなったのだ。


(´・ω・`) うん、このぐらいなら大丈夫かな


山と言ってもそれほど険しいわけではない。
休日には家族がピクニックに来たりするような山だ。
道も舗装されている。


(´・ω・`) ふふん


けれど引きこもりがちな僕には大冒険、
そういうと少し陳腐だが貴重な体験だったのだ。




14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 17:18:18.21 ID:xo/IpHrqO


(;´・ω・`) ふぅ……


普段運動をしない僕にしてはかなり活動した方だった。
頂上に着いた時には額から汗がだらだらと流れ落ちていた。
幸い、まだ夕方にはなっておらず時刻は3時を回ったところだった。


(´・ω・`) ん?


そこで初めて気づいた。


('A`) ダリー


頂上に一本、とても大きな木があることに。

それに顔がついていることに。



17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 17:20:28.35 ID:xo/IpHrqO

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(´・ω・`) ……おーい

('A`) え?だれ?

(´・ω・`) きみ、なんだよ


つい、好奇心から話しかけた。

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 17:24:10.54 ID:xo/IpHrqO


そして最初の会話だ。


('A`) やあ、大きな木だよ

(´・ω・`) 貧相な顔だ

('A`) うるさいなぁタレ眉

(´・ω・`) 焼き払うぞ

('A`) やめて


初対面の人……人ではないか。
初対面の木に失礼な発言だが何処か自然と軽口を叩いてしまう雰囲気が木にはあった。

なんというか……どこか親近感を感じたのだ。




20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 17:27:03.90 ID:xo/IpHrqO


(´・ω・`) 大きな木とかではなくてね

('A`) なんで木と顔が付いてるかって?

(´・ω・`) そうそう

('∀`) ききたい?

(´・ω・`) きめぇ

('A`) ヒデェヤ




23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 17:34:39.02 ID:xo/IpHrqO


僕にしては珍しいくらいに好奇心が刺激されていたと思う。

好奇心、猫をも殺すみたいな言葉が一瞬ちらりと頭を掠めたが、


('∀`) エヘヘ

(´・ω・`) キメエ

('A`) ヒデエヤ


一瞬で消えた。

彼の根元辺りに入る。
いい感じに影が出来ていて涼しかった。
そこから僕の住む町が見えた。


(´・ω・`) なかなか綺麗じゃないか

('A`) え?俺が?

(´・ω・`) マッチマッチ

('A`) やめて

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 17:39:51.00 ID:xo/IpHrqO


(´・ω・`) そんなことより


町の景色にも心を奪われかけたが好奇心を捨ててはいなかった。
なんだいキミは。
そんな気持ちがどんどんと湧いてきたのだ。


('A`) ああ、俺かー

(´・ω・`) そうそうキミだよキミ

('A`) うーん、自分でもあまりわからんのだがドクオの木だよ俺は

(´・ω・`) ドクオの木?


初めて聞く名前だ。
十数年という短さではあるが今までの人生で、一度も聞いたことの無い名前だった。



29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 17:44:49.71 ID:xo/IpHrqO


('A`) ドクオのドクは孤独のドクでね

(´・ω・`) ……

('A`) まぁ大なり小なり孤独な奴が見れるんだよ。ごめん、俺もよくわからねぇや

(´・ω・`) きみの方が孤独な気がするよ

('A`) うるせぇ


孤独。
そんな事を感じた事は無いと思っていた。
だから「そんなの嘘っぱちさアハハ」
なんて笑い飛ばせたはずなのだけど。


(´・ω・`) 孤独のドク、ねぇ

('A`) らしいぜー



31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 17:49:38.84 ID:xo/IpHrqO


どこか笑い飛ばせない自分がいた。

学校や家や、町の至るところで、
僕は人と少しはふれあっていたはずなのに。


(´・ω・`) きみは寂しいと感じた事はあるかい?

('A`) 寂しい?

(´・ω・`) そう。孤独を嫌に感じたりした?

('A`) んー……


シュールな光景だったと思う。
ひたすら木に話しかける少年と言葉を使う木。
非日常というものは案外近くにあるみたいだ。



33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 17:53:54.27 ID:xo/IpHrqO


('A`) どうなんだろうなぁ

(´・ω・`) ずっとここに一人なんだろ?

('A`) んーそれがあんま記憶がない

(´・ω・`) そうなのか

('A`) お前みたいな奴とはよく語り合った気がするよ

(´・ω・`) 類は友を呼ぶのか……

('A`) みたいだねぇ


僕には友達はいなかった。
だけれど言葉を交わす程度の付き合いのクラスメイトはいた。



37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 18:04:49.28 ID:xo/IpHrqO


(´・ω・`) 不思議だなぁ

('A`) 何が


家には母さんがいた。父さんがいた。
極々普通の家庭だ。
僕は適当に学校の事を食事の時にはなすくらいだった。


(´・ω・`) いやぁなんだか人恋しい

('A`) 人はいないが木がいるぜ

(´・ω・`) たたっきるぞ

('A`) ひでえゃ


町の八百屋さんやお肉屋さんと世間話もした。
まぁ天気とかそんなどうでもいいことだけど。




38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 18:09:15.93 ID:xo/IpHrqO


(´・ω・`) 僕って孤独かね?

('A`) さあ?俺が見えるなら孤独かもしれんね

(´・ω・`) 結構人とは話けどねえ

('A`) リア充が……死ねっ……

(´・ω・`) あ、ライター落としそう

('A`) ごめんなさい


どうしてこんな気持ちになっているのだろう。
やたら僕はセンチメンタルな気持ちになっている。
孤独じゃあなかった、はず。

寂しくなんてなかったはず。


そんな風に言い聞かす自分がいた。




39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 18:15:14.17 ID:xo/IpHrqO


気がつくと時間は経っていた。
僕のいる場所からはオレンジ色に染まった空が見えた。


(´・ω・`) ……


帰ろうか。そんな事を思った。


('A`) お帰りかい?

(´・ω・`) ああ、そうだね

('A`) そうか、あーと、ええと

(´・ω・`) 名前はショボンだよ

('A`) そうか、じゃあなショボン

(´・ω・`) またくるかもわからんね

('A`) そうかそうか


どこかドクオは嬉しそうに見えた。
やはりこんな山でも頂上に一人でいるのは寂しいのだろうか。

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 18:18:19.65 ID:xo/IpHrqO


食事の時には森林浴をした話をした。
ドクオという友達と行った、という嘘を交えてはいたが。
珍しく自分から両親と話した気がした。


(´・ω・`) なかなか悪くなかったよ、森林浴


母さんと父さんは嬉しそうだった。
少し心がじんわりとした感覚を覚えた。


45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 18:23:16.10 ID:xo/IpHrqO


夜、ベッドで横になりながら明日もまた山に昇ろうなんて考えていた。

不思議な感覚だ。木とはいえ自分以外の誰かと会うからだろうか。


(´・ω・`) なんなのだろうね


昔、こんな気持ちを感じたのを思い出した。
なんだったかな。
……そうだ、小学生の時だ。



47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 18:26:59.05 ID:xo/IpHrqO


(´・ω・`) あの時は友達と言えるような人がいたっけ


そういえばそうだった。
すっかり一人に慣れていたのかどうかわからないが、僕にも友達がいた時があった。
これはその時の、翌日に遊ぶ約束をした時の、夜の気分だ。


(´・ω・`) ……

(´-ω-`) 懐かしいなぁ……


ゆっくりと目を瞑る。
外の風が吹く音なんかに意識を委ねている内に僕は眠りに落ちていた。



49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 18:30:43.28 ID:xo/IpHrqO


(´・ω・`) ……


翌日、僕は図書館にいた。
別に山にいく予定を中止にしたわけじゃない。
昨日、森林浴をしていた時間を図書館に当てただけだ。


(´・ω・`) 別に目的はないけれど


なんでここに来たのかはわからない。
山の頂上、ドクオに会いに行くのは決まっていたとして、
何処か別の場所にも行きたかったようなのだ。僕は。



51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 18:34:54.08 ID:xo/IpHrqO


かりかり、かり


そんな音をたてながら勉強を少しした。
特に何かあるわけでもなく時間は過ぎていった。


(´・ω・`) そろそろいくかな


お昼過ぎになった頃、僕は図書館を出ることにした。
まぁ勉強はそれなりに集中できたしいいか。
そんな事を考えていた。



53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 18:37:32.52 ID:xo/IpHrqO


(´・ω・`) おっと


図書館を出ようとした時だ。
扉のところで人に肩をぶつけてしまった。


(´・ω・`) ああごめんなさい


そう言おうとして相手の顔を見ると懐かしい顔だった。


( ^ω^) お!ショボンじゃないかお!

(´・ω・`) ブーン?


昨日、寝る前に少し思い出した小学生の時の友達の、
ブーンだった。

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 18:45:08.91 ID:xo/IpHrqO


( ^ω^) 勉強かお!

(´・ω・`) うん


久しぶりに会ったにも関わらずブーンは小学生の時と変わらず接してくれた。
ブーンも勉強に来ていたらしい。
僕がこれから用があるというと、


( ^ω^) そうかお!よかったら今度勉強を教えて欲しいお!

(´・ω・`) いいけど、わざわざ勉強しにくるくらい勉強熱心なら僕いなくても大丈夫じゃない?

( ^ω^) いや、補修の課題で……

(´・ω・`) ああ…なるほど……


また明日の午前中にでも図書館で会おう、そう約束した。


62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 18:50:15.99 ID:xo/IpHrqO


('A`) ほお、よかったじゃないか

(´・ω・`) まぁね、勉強教えられるかわからないけど


出会って2日目にも関わらず僕はドクオと自然に会話出来るようになっていた。
やはりそれは僕が孤独で、
彼が孤独な僕がいたから現れたからだろうか。


('A`) 友達は大切にした方がいいぜ。俺いないからわからんけど

(´・ω・`) そうだね、それと

('A`) あん?

(´・ω・`) 僕が友達なってやるよ

('A`) ありがたいねぇ


一人と一木(この言い方が正しいかはわからないが)で少し笑った。

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 18:53:49.73 ID:xo/IpHrqO


ドクオと話すことはどうでもいいことばかりだった。
天気がどうだとか、この山の土は栄養がないだとか。
そんなことばかりだった。

だけれども、どこかそれは楽しかった。
今まで学校のクラスメイトとしてきた会話と対して変わらない会話だ。


(´・ω・`) 相手が違うからかね

('A`) あん?

(´・ω・`) いやなんでもない


そんな風に思った。

76 名前:すみませんゴタゴタしてました:2010/06/05(土) 19:11:49.69 ID:xo/IpHrqO


(´・ω・`) んじゃあまた明日来るよ

('A`) おうおう


そんな会話をしながら帰路に立つ。

頂上から見える夕日を僕は好きになっていた。


(´・ω・`) (明日も晴れるといいな)


今までは景色も気にしなかったはずなのに、
そんなことまで僕は楽しんでいた。




78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 19:15:56.50 ID:xo/IpHrqO


翌日、予定通り僕はブーンと図書館で勉強をしていた。


( ^ω^)ノ おいすー

(´・ω・`) やあブーン

( ^ω^) 今日は数学をやるお!

(´・ω・`) そうだね、基礎から見直していこう


適当に参考書から基礎問題を選び解いていく。
解説を読めば一人でも出来るような問題だ。
だけど……


( ´ω`)わからないお…

(;´・ω・`) ほ、ほら!ここにこれを当てはめて!


なんてこともあったりした。

82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 19:20:04.88 ID:xo/IpHrqO


そうこうしている内に時間は回る。
気づけば既に昼過ぎだった。


(´・ω・`) あ、そろそろいくよ

( ^ω^) おーありがとうだおショボン

(´・ω・`) いいよいいよ、僕も楽しかった

( ^ω^)それならよかったお!

(´・ω・`) じゃあまた明日

( ^ω^) 了解だお!


そんな会話をして席を立つ時にふと、ブーンが言った。

83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 19:25:21.45 ID:xo/IpHrqO


( ^ω^) ショボンショボン

(´・ω・`) ん?なんだい?

( ^ω^) 今度実はツンや僕の学校の人と海に行くのだけど来ないかお?

(´・ω・`) え?いいの? ツンも一緒なのに?


遊びの誘いだった。
夏らしいイベントのなかった僕にとっては嬉しい誘いだ。


(´・ω・`) でもツンも一緒なのにいいのかい?

( ^ω^) 他にも何人もいるようなイベントだから問題ないお


ツンは同じ小学生の時の友達だ。
ブーンとはその時からとても仲が良く、中学から付き合い始めたと聞いていた。
誘いを喜ぶと同時に今も仲がいい二人を喜ばしく思ったりした。

85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 19:31:31.80 ID:xo/IpHrqO


('A`) おお、そいつはいいな

(;´・ω・`) そんなことが…はぁ、あったんだよ…はぁ……

(;'A`) 息切れすぎだって……

ブーンと別れた後僕は全力で走りドクオに会いに行った。
なぜかドクオにその事を伝えたかった。
小さな時、自転車に乗れた事を大喜びで父さんに教えたみたいに、
そんな風にドクオに伝えたかったんだ。


('A`) なるほどぉ。いい感じに友達が出来てきたな

(´・ω・`) 友達…か……

('A`) そうだよ、そういうのが友達ってやつさ

(´・ω・`) ドクオも友達さ

('A`) ありがたいねぇ…

88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 19:37:05.85 ID:xo/IpHrqO


('A`) ショボン

(´・ω・`) ん?

('A`) そのブーンってやつ大切にな

(´・ω・`) うん、そりゃ大切にするよ

('A`) あと、だ。自分の学校の奴等とも少し仲良くなってみろよ

(´・ω・`) ……うん


そうしたいと思う。
今まではただ、糸が絡まってしまったような状態だっただけなのだ。
自分で知らない内に壁を作ってしまっていたのだ。

だから、孤独。

一歩踏み出せば壁の外に人はいた。

91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 19:40:10.06 ID:xo/IpHrqO


(´・ω・`) ……

('A`) まぁそんな感じ

(´・ω・`) どんな感じだよ

('A`) そんな感じはそんな感じだよ


ドクオは少し寂しい顔をしているように見えた。
やがて夕日は沈む。
青かった空はオレンジに染め上げられた。

帰宅の時間だ。




92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 19:43:13.28 ID:xo/IpHrqO



そんな風に毎日が動いていった。


午前中はブーンと図書館で勉強。たまにツンも来たりした。


午後からはドクオと会ってどうでもいいことをグダグダはなす。


そうして毎日は進んでいった。




95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 19:46:41.33 ID:xo/IpHrqO


そして明日は海に行く。


(´・ω・`) え?泊まりなの?

(;^ω^) すまないおショボンいい忘れてたお

ξ;゚⊿゚)ξ ごめんね急で

(´・ω・`) いや大丈夫だよ。夏休みだす

(;^ω^)ξ;゚⊿゚)ξ よかった……


少々ビックリしたが予定も特にいれていなかったので問題はなかった。
ドクオに明日明後日は来れないと言っておこう。そう思った。


97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 19:50:39.28 ID:xo/IpHrqO


('A`) そうか明日海かぁ

(´・ω・`) お土産持ってきてやるよ。海水

('A`) 枯れちゃう枯れちゃう

(´・ω・`) まぁそんなわけだよ
('A`) おう了解了解、楽しんでこい

(´・ω・`) ……ドクオ

('A`) なんだよ

(´・ω・`) いや、なんというか、ありがとう

('A`) きめぇ

(´・ω・`) オーケー焼き払う

('A`) やめて!

100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 19:55:40.79 ID:xo/IpHrqO


帰り際、買ってきたミネラルウォーターを根元にかけてやった。


('A`) おーみなぎるぜー

(´・ω・`) なんという脱力感

('A`) まぁ、なんだ、じゃあな

(´・ω・`) うん、また

('A`) おう、さよならだ

(´・ω・`) じゃあね


ペットボトルを鞄にしまい、帰路に着いた。
明日の用意をするためにいつもより早めの時間で、
夕日は見られなかった。


(´・ω・`) ……


何か違和感を感じたが、それが何かはわからなかった。

103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 19:58:50.11 ID:xo/IpHrqO


(´・ω・`) ……


明日の支度をしながらふと考え事をする。
何か違和感があった。
それは、なんだ。


(´・ω・`) ……


『ドクオのドクは孤独のドクでね』

いつかの会話、ドクオは何て言っていた。


(´・ω・`) ……


『まぁ大なり小なり孤独な奴が見れるんだよ。ごめん、俺もよくわからねぇや』




105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 20:01:34.37 ID:xo/IpHrqO
「まぁ、なんだ、じゃあな」


これは、昼間の会話だ。
なんていっていた、なんて。


「うん、また」

「おう」






('A`) さよならだ







109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 20:04:23.46 ID:xo/IpHrqO


(;´・ω・`) ……っ!


まさか、まさか。
今の自分は孤独ではない。
家族とも話すようになった、ブーンという友達と再び再開した。

明日はブーンの友達とも遊ぶ。


(;´・ω・`) 僕はもう


孤独ではない。それはつまり孤独な奴だけが見れるドクオを。


(;´・ω・`) 見れなく、なる……?


僕はすぐさま家から飛び出した。



112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 20:09:11.76 ID:xo/IpHrqO
『ずっとここに一人なんだろ?』

『んーそれがあんま記憶がない』

『そうなのか』

『お前みたいな奴とはよく語り合った気がするよ』

『類は友を呼ぶのか……』

『みたいだねぇ』


ドクオとの会話が頭の中を駆け巡る。

ぐるぐるとぐるぐると。


(;´・ω・`)


ドクオ、君は。


(;´・ω・`) ずっと、ずっと僕みたいな奴と


同じように――――

116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 20:15:09.27 ID:xo/IpHrqO


(;´・ω・`) ドクオっ!


僕は呼吸もろくに出来ないような状態で山の頂上に着いた。
ドクオの木はまだ、あった。
しかし、淡い青い色の不思議な輝きが木を包んでいた。

それが何かはわからない、でも、それはきっと別れの輝きだ。

(;´・ω・`) ドクオっ!


呼びかける。彼を。ドクオを。

('A`) おお、ショボンか……

(;´・ω・`) 君はっ君はっ!

119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 20:21:23.11 ID:xo/IpHrqO


('A`) うん、まぁ

(;´・ω・`) このまま、また別の孤独な奴が来るまで一人で!?

('A`) そういう事に、なるなぁ

(;´・ω・`) 君は孤独なまんまでいいっていうのか!?違うだろ!

('A`) ……

(;´・ω・`) ドクオっ!短い付き合いだけど僕と君は友達だろうっ!


人だとか木だとかそんなことは関係ない。

ドクオはドクオで、僕は僕だ。
彼が不思議な木だろうとなんだろうと。

君と僕は


(´;ω;`) 友達、じゃないか……

123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 20:28:37.44 ID:xo/IpHrqO


('A`) ショボン……

(´;ω;`)


声が出なくなるくらい感情が高ぶったのはいつ以来だろう。
きっと生まれて初めてだ。


('A`) 別れの時に会えたやつはお前だけだよ。覚えてないけどきっとそうだ

(´;ω;`) だめだ…お土産…持ってきて……やるって……

ろくに聞こえないような声を絞り出す。止めたい。止めなければ。


('A`) ……ありがとうな

(´;ω;`) あっ……

('A`) じゃあな


ドクオがそういったその瞬間。
淡く青い輝きは強烈な光を放った。

126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 20:32:20.62 ID:xo/IpHrqO


(´;ω;`) ……


目の眩みが治り、正常な視界を取り戻した時には、


(´;ω;`) 木が…ない……


ドクオはもう、いなかった。

131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 20:36:15.57 ID:xo/IpHrqO


(´;ω;`) ……


フラフラとしながらドクオの木があった場所を見る。

あんなにも大きくそびえ立っていた木は、もうない。


(´;ω;`) うわああああ!

泣いた。涙は止まらなかった。


(´;ω;`) ん……


その時だ。
足下になにか見つけた。

133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 20:39:10.24 ID:xo/IpHrqO


(´;ω;`) これは……


小さな木の苗だった。
ドクオが消える前まではなかった。そう断言できる。
僕は今まで毎日ここに来ていたのだから。


(´;ω;`) ……


これがドクオの木の苗という証拠はない。

だけど、僕にはそれがドクオのように思えた。




135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 20:40:53.35 ID:xo/IpHrqO







それから少し後の話










138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 20:46:06.43 ID:xo/IpHrqO


(;´・ω・`) 相変わらずあっついなぁ


夏休みは終わって新学期が始まった。
僕はドクオとの別れの悲しみを引きずったままブーン達と海に行き、
海中で号泣したりしたけどなんとか元気にやっている。

学校では少しだが友達も出来た。
今の僕は確かに孤独ではなかった。


(;´・ω・`) まったく、もう10月近いのになんでこんなに暑いのかね


異常気象だ。地球温暖化だ。そんなことをぼやきながら歩く。

(;´・ω・`) 着いた着いた


そして到着だ。
ドクオと出会い、別れたこの場所へ。

140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 20:49:09.20 ID:xo/IpHrqO
あの苗はドクオの木と同じ場所に植えた。
僕はもうドクオと会えないかもしれない、孤独ではないのだから。
とはいえドクオかもしれない苗を放っておくことなんて出来やしない。


(´・ω・`) そんなわけで今日も来たわけだよ

適当に汲んできた水を苗にやる。


(´・ω・`) 早く大きくなれ、お土産の海水ぶっかけてやるから

かけんのは枯れないくらいに大きくなったら、だけど。

144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 20:53:35.77 ID:xo/IpHrqO


(´・ω・`) ……


水をやり終わった。
一息ついて地面に座る。空を仰ぐ、


(´・ω・`) いい天気だなぁ……


最初にここに来た時もこんな天気だった気がする。


(´・ω・`) ドクオ、何度も言うようだけど


何度だって言ってやる。


(´・ω・`) ありがとう




149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 20:56:45.37 ID:xo/IpHrqO


(´・ω・`) ……買えるか


立ち上がり、苗に背を向けて歩き始める。

またこよう、そんな事を思いながら。

きっとここに来る度に「ありがとう」なんて僕は言うのだろうなぁ。


(´・ω・`) ありがとう


ぽつり、もう一度口から言葉をこぼしてみた。


「どういたしまして」


そんな声が、後ろから聞こえた気がした。

151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 20:58:27.13 ID:xo/IpHrqO









(´・ω・`)僕と不思議なドクオの木のようです









おわり

152 名前: ◆fG1I1UcIeI :2010/06/05(土) 20:59:45.82 ID:xo/IpHrqO
終わりです。ラストはご想像に任せます。

支援ありがとうございました。

コメント

いい話なんだけど、涙のようですに似すぎてる気がする。
[2010/06/20 06:09] URL | #- [ 編集 ]


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