mesimarja
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(´<_` )遊廓のようです
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/02(月) 20:45:35.86 ID:08ON3DOY0


こんな真夏の暑い日ですからと、二人は町をぶらぶらしていました。

その二人は、名のある武家の金持ち坊でしてね。
武家の跡取りだと言いますが、夜が明けてから日が暮れるまで
遊女屋で金をばら撒いて遊ぶ、困った跡取りです。

ですが、その兄者はなんと揚屋で太夫を揚げていましたが、
弟者はいつも遊女と遊ぶだけで、ふらりふらりとしておりました。

どうも気に入った子が見つからないから、太夫と馴染んでも
きっと浮気するだろうと、太夫には手を出していないと言うのです。




2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/02(月) 20:50:31.24 ID:08ON3DOY0


( ´_ゝ`)「一度揚屋で太夫とって、気に入らなかったら勝手に浮気すりゃいい。」

(´<_` )「太夫揚げが何言うか。遊女でかまわん。」


そういった具合でしたが、店でお金をばら撒いてくれる二人を
忘八は一目置いておりまして、二人が茶屋へ顔を出すと、
へいへいと態々胡麻擂りするほど太鼓判を捺していました。


して今日も日が暮れるまで遊んでおりまして、いつも通りお金は空へと逃げなさる。
そんなことはお構いなしと言わんばかりに豪遊していましたから、
揚屋は賑わい賑わい、忘八は気を良くして、豪勢な食事まで出しました。

兄者と弟者は酒で顔を赤くしていましたが、二人は酒に強いほうでして、
これがなかなか酔わないから、また飲めや歌えやの万々歳でした。



5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/02(月) 20:55:15.43 ID:08ON3DOY0

 _、_
( ,_ノ` )y━・~「今夜も良くしてくださって、ほんと助かりますわ。」


忘八は煙草の煙をふわあと吐き、楽しそうに笑いなすって、
これはほんのお礼ですからと兄者と弟者の盃に酒を注ぎ、
忘八は奥へと下がりました。


( ´_ゝ`)「存分に楽しませてもらっていますよ。」


今度は芸者達は三味線弾くなれや、テンツントンと、びいんと弾く。
太夫は壇の上で、その音に合わせて扇子を舞わせ、身を軽くして踊ってらっしゃる。


ζ(゚ー゚*ζ「ほほほ…。兄者はん、ぬしはまことに人がいいんでありんすから。」



6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/02(月) 21:00:26.91 ID:08ON3DOY0


踊りながらそんなことを言っておりましたが、踊りはてんで乱れることはなく、
常に美しい舞いを客に見せるから、客もそれに魅せられていきました。

「今夜も泊ままっていくんでありんしょ。」と太夫が言うと、
誰もが皆「もちろんだ。」と頷くほどの美しさです。

けれど弟者だけはうんともすんとも頷かず、いつも通りに、
兄者の隣で酒を飲み食事をとるだけでした。
美しき太夫に見向きもしないとは、有り得ないことでした。

ですが弟者の視線の先をよくよく見ると、その目は一人の三味線弾きにありました。

見ればその三味線弾きはとても美しい容姿をしており、
また三味線の音色も一際目立って美しいものです。
酒を飲む手も止まり、その三味線の音色を聞き入っておりました。

弟者はその三味線弾きが一体どこぞの傾城かと思い、
兄者に三味線を弾く美しい娘のことを聞きました。
兄者はその娘を見て、大変驚いた様子で娘のことを話しました。



9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/02(月) 21:05:09.54 ID:08ON3DOY0


( ´_ゝ`)「お前知らんのか、あの娘の噂を。」

(´<_` )「噂?」


あの三味線弾きは、初めの内は人気がありよく呼ばれたらしいが、
何故か段々と呼ぶ人数が減り、ですが芸はたつので、こうして三味線を弾いていると。
噂ではあの娘は酷く口が悪く、それが次々に噂として広まって人気が無くなったのではないか。
兄者はそう答えなさって、また太夫の踊りに見入っていました。

弟者はそれでも娘のことが気になって、忘八を呼びました。
兄者と同じように、忘八は大変驚いた様子で、娘のことを答えました。

 _、_
( ,_ノ` )y━・~「…ああ、あの娘のこと。あの娘は口数が少ないからねえ。」


忘八も、あの娘のことは借金があることくらいしか知らないと、そう答えなすった。
「三味線の腕はいいんだけどねえ。」と、娘の三味線を聴きながら
また煙草をふわあと吐き、奥へと戻ろうとしましたが、
弟者は「ちょっと。」と忘八を引き止めました。



10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/02(月) 21:06:19.39 ID:08ON3DOY0

 _、_
( ,_ノ` )y━・~「どうなされた。」


弟者はいかに真剣な様子で、忘八に言いました。


(´<_` )「決めた。あの娘にします。」


すると忘八は冗談だろうと思い、弟者に聞き返してしまいまして。

 _、_
( ,_ノ` )y━・~「本気ですかい。」

(´<_` )「ああ。」


実にその娘に決めたと言わんばかりの目でこちらを見るから、
こりゃ冗談ではない、忘八はどうしたものかと、
「して、何故ですか。」と弟者に問いなさった。

すると弟者は「何となくですよ。」と答えて、また忘八を驚かせました。
忘八は暫く考えましたが、弟者の娘を見つめる目に、うんと頷かざるを得ませんでした。



12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/02(月) 21:11:03.50 ID:08ON3DOY0

 _、_
( ,_ノ` )y━・~「ま、それも良いでしょう。あの娘が気に入かどうかは分かりませんがね。」


そしてその娘の名前を聞いたかと思うと、弟者は兄者を置いて
先に帰って行ってしまいました。


それに驚いたのは兄者で、忘八に何かあったのかと尋ねると、
「気に入った人が見つかったみたいですよ。」と言いますから、
「どんな人ですか。」と聞くと、「あの娘です。」と、三味線弾きを指差した。
兄者は、これ以上無いかというくらいに驚いていました。


( ´_ゝ`)「へえ、そりゃ本当ですか。」
 _、_
( ,_ノ` )y━・~「またここに来りゃ分かりますよ。」

( ´_ゝ`)「そりゃ来ますが、さり気に催促するんですね。」
 _、_
( ,_ノ` )y━・~「これでも金には目が無いですから。」


それもそうだと兄者は笑いましたが、やはり弟者のことは心配でした。
明日は朝一で帰ろうかと、そう思っておりました。



15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/02(月) 21:16:10.24 ID:08ON3DOY0


翌日、朝が過ぎ、昼が過ぎ、夕方になったところで、弟者は早速茶屋へと向かいました。
昨日聞いたばかりの、あの三味線弾きの名前を言うと、茶屋の主人ですら驚いた様子でして、
そんなことはかまわず、弟者は揚屋へと向かっていきました。

揚屋の忘八は弟者が来たのを見ると、本当に来なすったかとばかりに
あの三味線弾きの娘を呼びました。

 _、_
( ,_ノ` )y━・~「本当に来なさるとは。」

(´<_` )「言ったでしょう、決めたと。」


すると、あの美しい三味線弾きの娘が現れて、忘八の隣にちょいと立った。

娘は弟者を見るなり何も喋らず、ただじいっと弟者を見つめておりましたが、
やっと口を開いたかと思うと、それは卑劣な言葉でした。


川 ゚ -゚)「あ、武家の面汚しか。」
 _、_
( ,_ノ` )y━・~「これ素直!」



18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/02(月) 21:21:09.29 ID:08ON3DOY0


そんな言葉を口にしますから、忘八は素直と呼んだ娘を叱って弟者に「すみませんね。」と言いました。
弟者は、これはまたすごいなあと思いながら、怒る様子はありませんでした。

 _、_
( ,_ノ` )y━・~「こんなんですから、借金もろくに返せませんで。」

(´<_` )「ますます面白い人ですね。」

川 ゚ -゚)「五月蝿い黙れぼっとん侍。」
 _、_
( ,_ノ` )y━・~「これ素直、いい加減にせんか!」


忘八は、素直があまりに愚弄の言葉を出すので、「どうぞ好きにやってください。」と、
弟者の機嫌を損ねないよう、奉仕をしました。



19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/02(月) 21:26:16.86 ID:08ON3DOY0


素直という娘は、弟者を泊まりの部屋を不器用に案内しそこへ招き入れましたが、
案内する間、全くと言っていいほど喋らず、口を紡いだままでした。
弟者はそんなことを気にも止めず、案内されるままに部屋に入りました。

素直は部屋に入るなり、早速卑劣な言葉を弟者に浴びせながら、
襖から布団を出して、それを畳の上に敷きました。


川 ゚ -゚)「さあ何をして欲しいんだ。言っておくが私はお前のようなぼっとん侍になんぞ興味はない。」


そう言うと敷いた布団を手でぼふぼふと叩き、速くここへ寝るように、と催促しまして。
ですが弟者は、素直が思いもよらないことを口にしました。


(´<_` )「違う、そんなんじゃない。貴方の三味線が聴きたいんです。」

川 ゚ -゚)「えっ。」



20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/02(月) 21:31:21.88 ID:08ON3DOY0


弟者は、あの時の三味線の音色を今ここで聴きたいと、
揚屋の娘に、部屋で三味線を弾いてくれと言うのです。

それに驚いたのは、素直の方でした。あれほど卑劣な言葉を言っていましたが、
三味線を弾いてくれと言われ、急に黙り込んでしまいました。

そしてそそくさと部屋から出て行き、どこかへ行ってしまいました。

やはり駄目だったか、と弟者は諦めかけていましたが、
部屋から出て行ったはずの素直が、何故か戻ってきて、
その手には何かを持っていました。


(´<_` )「それは…。」


一つの、美しい三味線でした。




22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/02(月) 21:36:05.60 ID:08ON3DOY0


すると素直は弟者の目の前に正座して、三味線を構え、撥を構え、
今から演奏をするかのような姿勢を見せました。


(´<_` )「弾いてくれるんですか?」


諦めかけていたから、素直が三味線を弾いてくれるのかと、
思わず問うような言い方をしてしまいました。

素直は「弾いてやる。」と一言だけ言うと、三味線の音がずれていないか試しに弾き、
その後にテン、テン、ツン、トン、と綺麗な音色を弾かせました。

揺れる音色は部屋中に波打ち、また弟者を魅了させますから、
弟者はその音色を聴くのに夢中になり、まるで不可思議な世界にいるかのように。
弦はびいんと音を鳴らして、まるで障子に鯉が泳いでいるような、そんな気分にさせました。

その音色は時々顔を変えながら、一晩中続いて、そしてやっと音色は止みました。



25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/02(月) 21:41:15.61 ID:08ON3DOY0


川 ゚ -゚)「本当にこれだけでいいのか?寝なくていいのか?」


素直は不安そうに言いましたが、弟者は「聴くだけで十分ですから。」と言いました。
そして、「もちろん、あなたと寝たくないわけではありません。」と付け足しまして、
あのような言葉からは想像もつかないような、素直の困った顔に、
何やら少し嬉しくなって、弟者は思わず微笑んでしまいました。


(´<_` )「そんな顔、するんですね。」


素直は、そこからまた何も言わなくなってしまって、三味線持って部屋を出て行ってしまった。
もう朝になっていたから、弟者は「それじゃあ。」と、揚屋を後にしました。

あの素直という娘は、本当に三味線を弾くのが好きなんだろうなあと、
弟者は帰り際に思うのでした。



27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/02(月) 21:46:16.17 ID:08ON3DOY0



弟者が揚屋を去った後、素直はその部屋で三味線の手入れをしていましたが、
突然その部屋に太夫が入ってきまして、素直は吃驚としてしまいました。

「何故ここに太夫が入ってくる。」と素直が言いますと、太夫は薄く微笑みました。
素直はまた三味線の手入れを続けましたが、太夫はそこで、ぼそりと言いました。


ζ(゚ー゚*ζ「だって、許せんもの。」


すると、太夫は障子をぴしゃりと閉めなさった。
素直はまだ、三味線の手入れをしておりました。




28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/02(月) 21:51:33.38 ID:08ON3DOY0



その頃兄者は家に帰っておりましたが、母者と父者に見つかってしまい、
雷さんの御叱りをうけておりました。



次の日、また朝、昼が過ぎて夕方になりまして、
弟者はあの揚屋へ、三味線弾きの娘に会いに行きました。

「三味線弾きの素直はおりますか。」と聞きますと、「今日は見とりません。」との
言葉が返ってきた。そりゃおかしいと思い、置屋へ顔を覗かせましたが、
そこも返ってきた言葉は「今日は朝から見ないんですよ。」といったものでした。

弟者はしぶしぶ来た道を戻って行きましたが、そこで思いがけず、
あの三味線弾きの娘と、帰り道でばったり出会いました。



29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/02(月) 21:56:17.14 ID:08ON3DOY0


(´<_` )「ええ、今日はどうしたんです。」

川 ゚ -゚)「何のことかな。」


そこで弟者は、自分が素直を探して歩き回ったことを話しました。
すると素直は、「そりゃすまないなあ。」と言いまして、その後にこう言いました。




川 ゚ -゚)「それにしても、今日はやけに冷えるねえ。」





終わり。

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/02(月) 21:56:46.12 ID:3d5WPn4b0
投下は大体五分間隔かな?
もうちょい早くてもよさそう

さすがにこの文量でながらはないだろうし

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/02(月) 21:58:48.24 ID:08ON3DOY0
短編投下完了です。
怖い話、のはずでしたすみません。
支援ありがとうございました。

>>30
いつも投下が早いので遅くしてみたんですが、
ちょっと遅すぎたですかね…。

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/02(月) 22:11:24.05 ID:08ON3DOY0
すみません。失礼ながら少し解説を。

美しき太夫に見向きもしないとは、有り得ないこと
→太夫ですら振り向かせることができなかった弟者は、素直を気に入る
→その太夫が素直しかいない部屋で障子をぴしゃりと閉めた
→その後素直は真夏なのに「冷える」という
→ぎゃー

といった感じです。

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