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('A`)ドクオと川 ゚ -゚) 人面瘡のようです
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 19:42:38.65 ID:WAZ8mt4F0

('A`)「乗っ取られたらこの顔はどうなんのかね」


洗面所の鏡の前で僕はぽつりと呟いた。
見るたびに貧相な顔だなと我ながら思う。

とはいえ後一か月もしないうちに見おさめかと思うと少しは愛着もわくものだ。

しかし……


川 ゚ -゚) 「無理だな、たぶん体全体、私の好みの風に変わると思う」

('A`)「そうかあ……」

川 ゚ -゚) 「まあ大切に使うからいいじゃないか」

('A`)「僕死ぬんですけど」

川 ゚ -゚) 「こう、私の血肉になってだな……」

('A`)「生々しくて笑えない」


そう僕の手のひらについている人面瘡は言った。
僕はこの人面瘡に近々体を乗っ取られる運命にある。





2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 19:46:37.88 ID:WAZ8mt4F0
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~三国志投下投下作品 ('A`)ドクオと川 ゚ -゚) 人面瘡のようです~



4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 19:51:36.88 ID:WAZ8mt4F0


何の前触れもなくそれは始まった。
体のどこかに人面瘡があらわれたのだ。

それは最初は小さな痣のようになっていて段々と成長していく。

そのうち意識を持ち始め、話すようになる。


「やあどうも」


彼らに悪意なのどは無いが、成長をし続け、やがて宿主の体を乗っ取ってしまう。

最初に発見されたのはアメリカだかアフリカだかだったらしい。

世界中にそれは蔓延しだした。

対策を打とうとした時には既に地球上に寄生されていない人はいない状態になっていた。

寄生された場所を手術などで取ったとしてもまたすぐにその近く部位に人面瘡は現れた。

そして僕もその例からはずれず、


川 ゚ -゚) 「?」

('A`)「寄生されている、と」


7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 19:59:29.96 ID:WAZ8mt4F0

鏡を見るのをやめて自分の部屋に戻ろうとすると人面瘡が言った。
ちなみに僕は人面瘡にクーという名前を付けた。

会話する時に何かと便利だと思ったのだ。


川 ゚ -゚) 「ずいぶんと君は冷静なんだな」

('A`)「あきらめているだけだよ」


事実そうだった。
人面瘡が僕の体に現れたのは他の人と比べると遅い方だった。

いたるところで突如出現しだした痣の正体がわかった上で、
自分にもそれが現れるのを知りながら待つの苦しみは筆舌しがたい物がある。

毎日のように僕は自分の体のいたるところを調べ、恐怖に震えていた。

そうしてあきらめの極致まで達した時に、ナイスなタイミングと言うべきか、この人面瘡が現れた。


('A`)「できるのなら今でも夢であってほしいんだけどね」

川 ゚ -゚) 「申し訳ないけど現実なんだなあ」

('A`)「はあ……」

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 20:05:12.43 ID:WAZ8mt4F0

川 ゚ -゚) 「ところで君、大学には行かないでいいのか、もう結構な期間休んでいるようだけど」

('A`)「夏休みだからね。っていうかどこからその情報得たのさ」

川 ゚ -゚) 「うまく説明できないけれど君の知識とかを私は共有しているみたいでね」

('A`)「もう乗っ取られてるのかも知れんね」

川 ゚ -゚) 「かもね」


僕とクーは他の人とから見たら異質と言える付き合い方をしていると思う。
他の人は自分の人面瘡が口を聞いたりしないようにタオルなどで部位をぐるぐるに巻いたりしていた。

なぜ僕がそうしないのかと聞かれるとなんと返せばいいかはわからないが、まあ気まぐれと言ったところだろう。

悲観するだけしたので以外と物事を前向きに考えられるようになったのかもしれない。


('A`)「ちょっとコンビニにでも行こうか」

川 ゚ -゚) 「朝ごはんか」

('A`)「もうお昼だと思う」


時計を見るともう11時だった。



9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 20:11:11.12 ID:WAZ8mt4F0


自分の住むアパートから出てコンビニまで歩くとひどい惨状が見える。
道端に止められている車はべコベコになっていて、民家の窓ガラスも無事な方が珍しい。

焼け落ちた家の跡なんかもあったりした。


('A`)「これの大半が自分でやったっていうんだから」


対処法もない人面瘡に対してヒステリーを起こした人々が自分達でやったのだ。
僕はその時はまだ寄生されていなかったからガタガタ震えていただけだったけど。


川 ゚ -゚) 「私が出てくる前はひどかったんだな」

('A`)「みたいだね、もうみんな自殺したか声を出す気力もないみたいだけど」


いまさら驚く光景でも無い。
なるべき惨状を目に映らないようにしながらコンビニまでの道を歩いた。



12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 20:16:27.50 ID:WAZ8mt4F0


そうして到着したコンビニも他と同じで壊滅状態だった。


('A`)「缶詰とかが残っていると良いんだけど」


店に入り倒れた棚のあたりを入念に探す。
ここのところ僕はこうして職力を確保していた。

弁当などは既に腐ってしまっているが、缶詰などの保存がきくものは稀に無事な状態で残っている。


('A`)「お、カニ缶だ」


倒れていた棚をどかすとしたからいくつか缶詰が見つかった。

当分はこれで持ってくれそうだ。


('A`)「こんな状態じゃ夏休みも関係ないか……」


さっきクーから言われた学校に行かなくていいのか、という問いに対しての返答を思い出し、
そう呟いた。

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 20:21:59.12 ID:WAZ8mt4F0


缶詰以外には砂まみれになっていたペットボトルの飲料水を


コンビニの壊れたレジがある場所に財布から千円札を取り出して置いておく。
こんな状態になってしまった今では意味の無い行為ではあるのだが……


川 ゚ -゚) 「お金置いていくの?」

('A`)「なんかね」

川 ゚ -゚) 「よくわからないな、必要性を感じない」

('A`)「人間ってそんなもんだよ」

川 ゚ -゚) 「私にわかる日はくるかな」

('A`)「人面瘡だからなあ」


そういいながら、完全に乗っ取ったらわかるかもな、
なんて僕は考えていた。



14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 20:26:29.71 ID:WAZ8mt4F0


帰り道を歩きながら僕はクーと適当な雑談をしていた。

クーは知識欲が旺盛らしく、人間の感情などに対してやたら興味を示していた。


川 ゚ -゚) 「そういえば君の部屋の隣に人はいないのか?」

('A`)「さあ? 前に悲鳴が隣から聞こえたからいるのかも」


もしかしたら自殺してしまっているかも知れないな。

そんなことをふと思った。


川 ゚ -゚) 「君は結構変わり者なのかもしれないな」

('A`)「そうかもね、この状況で冷静な人は滅多にみないし」


正確には人自体滅多に見なかった。
部屋にこもっているのかもしれないし、既に自殺したりしているのかもしれない。

人を見かけても発狂してしまっていたりとこの世の終わりともいえる状態だった。



15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 20:33:40.36 ID:WAZ8mt4F0


そんな中知った顔と会った。
数少ない大学の友人の内藤だった。ちなみにあだ名はブーン。

高校時代、陸上部でそう叫びながら走ったのだとか。

こんな状況で発狂したりしていない珍しい人間の一人だ。


( ^ω^)「お! ドクオだお!」

('A`)「やあ」

ξ゚⊿゚)ξ「相変わらず不細工ね」


ブーンの肩のあたりの人面瘡がいきなりそんな事を言い出した。
彼女も僕のクーと同じような物だ。

ブーンも僕と同じで人面瘡と会話したりする変人の一人だった。


川 ゚ -゚) 「そのうち私の体になるんだから馬鹿にしないでほしいな」

( ^ω^)「なんだかエッチだお」

('A`)「笑えないジョークだ」


16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 20:39:13.11 ID:WAZ8mt4F0


( ^ω^)「ちょうどドクオを探していたんだお」

('A`)「え? 別に家で待っててくれりゃよかったのに」


僕は鍵をかけていない。
この状況で泥棒しようなんて人は滅多にいないし、なによりろくな物が家に無い。

ブーンは普段僕の部屋へ勝手に上がりこんでいた。

コンビニなどから食料を持ってきた僕にたかるのだ。

そんなブーンだからわざわざ僕を探して歩き回っていたのは少し不思議に思えた。


(;^ω^)「まあその……」

ξ゚⊿゚)ξ「……」


どこか言いづらそうな顔だった。

なんとなく嫌な予感がした。



18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 20:43:49.74 ID:WAZ8mt4F0


('A`)「ああ……」


彼らの沈黙で何を言いたいかよくわかった。
こんな状況だ。

言いたいことはひとつだろう。


( ^ω^)「……実は」

ξ-⊿-)ξ「そろそろね」

( ^ω^)「乗っ取られちゃいそうなんだお、僕」


やっぱり。

ぐらり、とすこしめまいがした。


('A`)「……そっか」


そんな言葉を発することしかできなかった。



20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 20:51:24.05 ID:WAZ8mt4F0


ブーンは僕よりもかなり前に寄生されていた。
当時僕は恐怖に震えて部屋に引きこもっていたのだけど。


( ^ω^)「なんだかこんなことになってしまったお」


あの時ブーンは僕の部屋にきてそうあっけらかんと言った。
そんな振る舞いに僕はかなり救われたのだと思う。

ブーンはそんな風に良くを僕の家を訪ねてきた。


( ^ω^)「ツンって言うんだお」

(;'A`)「え……名前まで付けたの?」

ξ゚⊿゚)ξ「変わってるみたいよ、コイツ」

(;'A`)「人面瘡に同意するとは思わなかったよ」

(;^ω^)「君達酷いお……」


僕がクーと話すようになったのもブーンの影響があったのだと思う。




23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 20:57:46.13 ID:WAZ8mt4F0


そんな彼が完全に乗っ取られるのだ。
親しい友人との別れ、それと将来自分の身に降りかかるであろう事。

それを一度に僕は味合わないといけない。


('A`)「後、どれくらいで」

( ^ω^)「ツンが言うにはあと三十分ぐらいらしいお」

('A`)「そっか……近くの公園にでも行こう」

( ^ω^)「そうだおね」


ブーンは普段と変わらぬ笑顔のままだった。
どうして彼はそんな風に笑えるのだろうか。


('A`)「……」

川 ゚ -゚) 「……」


空気を読んでくれたのかツンもクーも何もしゃべらなかった。


25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 21:04:02.51 ID:WAZ8mt4F0


公園のベンチに座る。
目の前の遊具は既にボロボロで至るところにペンキの剥げが見れた。


( ^ω^)「なんだか実感がわかないお」

('A`)「僕だってそうさ」

( ^ω^)「大丈夫かお?」

('A`)「それは僕が言う言葉だと思う」

( ^ω^)「ちょっと前まで引きこもっていた奴に心配されるとは僕も終りだお」


言いたい事はいくらでもある。
今僕が発狂もせずこうしていられるのは彼のおかげだ。
内向的な僕に学校で最初に話しかけてくれたのもブーンだった。

彼がいなくては僕の学校生活はろくな物になっていなかっただろう。


( ^ω^)「……」

('A`)「……」


でも、不思議と何も言えなかった。

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 21:09:52.16 ID:WAZ8mt4F0


ξ゚⊿゚)ξ「あのさ」

( ^ω^)「お?」

ξ゚⊿゚)ξ「その……」


何が言いたいのかよくわかった。

そういうことだろう。


('A`)「ブーン……」

( ^ω^)「まあ……正直僕も怖いお」

('A`)「その、今までありがとう……」

( ^ω^)「おっおww」


少しの間があってこっちを改めて見てブーンは言った。


( ^ω^)「家に帰ってくれお、あんまり最後は見られたくないんだお」



30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 21:15:28.30 ID:WAZ8mt4F0


('A`)「……でも」

( ^ω^)「お願いだお……」

('A`)「……わかった」

( ^ω^)「バイバイだお」

('A`)「……じゃあ」


そう言って僕は走って家へと帰っていった。
目からこみ上げる物を必死で押さえながら走った。


アパートの前にたどり着き、うずくまって僕は泣いた。




31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 21:21:59.72 ID:WAZ8mt4F0



***



川 ゚ -゚) 「缶詰、食べなくていいのか?」

('A`)「さあね、食べても食べなくても同じような気がするよ」

川 ゚ -゚) 「……」


家に帰ってから何も食べずに泣き続けた。
自分がこんなにも感情を抑えられなくなったのは人面瘡に恐怖していた時を思い出した。

いや、今でも恐怖しているのか、僕は。

それからはなぜか食欲がわかなかった。

希望を捨てていないように見えたブーンがあっさりと死んだからかもしれない。

コンビニから持ってきた缶詰にも手をつけていなかった。



33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 21:32:57.67 ID:WAZ8mt4F0


川 ゚ -゚) 「でも食べないと」

('A`)「うるさい」

川 ゚ -゚) 「……」


それきりクーは何も言わなかった。
僕はただ眠り続けていた。

すぎていく時間をひたすら布団の中で過ごす。
時間の感覚もわからなくなっていく。

寝ている時と起きている時の境目がわからなくなっていく。


そんな時だ。


僕の部屋のドアが開かれた。




38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 21:38:21.50 ID:WAZ8mt4F0


ξ゚⊿゚)ξ「……」

('A`)「やあ……」


ツンだった。
なるほど、体を乗っ取ると体型も変わるのか。

どうやら僕の体もそんな風に変わるのだろう。

ツンは普通の成人女性のように見えた。
もしも元が人面瘡だと知らなかったら普通の人だと思っていただろう。


ξ゚⊿゚)ξ「……」


彼女はいそいそと缶詰を皿に開けて、僕の近くへと持ってきた。


ξ゚⊿゚)ξ「食べて」

('A`)「嫌だね」

ξ゚⊿゚)ξ「アンタ死ぬわよ?」

('A`)「食べてもそのうち死んでしまうさ」

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 21:44:10.40 ID:WAZ8mt4F0


('A`)「どうせ乗っ取られて死ぬ」

ξ゚⊿゚)ξ「ブーンに頼まれたんだけどね、私」

('A`)「自分で乗っ取ったのに?」

ξ゚⊿゚)ξ「別に私たちだって好きで乗っ取ってるわけじゃないわ」

('A`)「どうだかね」

ξ゚⊿゚)ξ「別に……私だって乗っ取りたかったわけじゃない……」


缶詰はツナ缶だった。
スプーンで口に入れられる。

拒もうとしたがどうやら衰弱しきっているらしくなされるがままになってしまった。


ξ゚⊿゚)ξ「じゃあまた様子を見に来るから」

('A`)「そうですか」


食べ終わり、望まぬうちにいくらか回復した僕を見て彼女は帰っていった。




41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 21:48:44.19 ID:WAZ8mt4F0


('A`)「クー」

川 ゚ -゚) 「なんだ」


変わらず布団に横になったまま僕は尋ねた。


('A`)「君達はなんで乗っ取ろうとするのさ」

川 ゚ -゚) 「私達だってわからないさ、君達が息をするように私たちは寄生した人を乗っ取ってしまう」

('A`)「本能ってやつ?」

川 ゚ -゚) 「どうだろう、理性を持ってしても抑えられないからなこれは」

('A`)「君達が乗っ取らないでも、生きられたらどうしてた?」

川 ゚ -゚) 「そりゃあ共存しようとするんじゃないかな」

('A`)「そうか……」


そこまで話て僕は目を閉じた。
今日はもう寝てしまおう。



44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 21:54:30.44 ID:WAZ8mt4F0


翌朝僕はブーンの住んでいたアパートを訪ねた。
インターホンを押すとツンの声がした。


ξ゚⊿゚)ξ「あがって」

('A`)「ああ」


ブーンの部屋は最後に見た時といくらか変わっていた。
壁のいたるところに殴ったような痕跡があったりした。


('A`)「ブーンも悩んでいた?」

ξ゚⊿゚)ξ「うん……最初のあたりは特に」

('A`)「そうなのか……」


ずいぶんと僕は彼に頼りすぎていたみたいだ。
話してくれてもよかったのに、なんて勝手な事を考えたりした。



46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 22:02:28.40 ID:WAZ8mt4F0


('A`)「特別用があったわけでもないんだけどね、ただ話でもしようかと」

ξ゚⊿゚)ξ「怨んでないの?」

('A`)「そこらへんも含めて聞こうかなと」

ξ゚⊿゚)ξ「ブーンのこと?」

('A`)「それもある」

ξ゚⊿゚)ξ「私が嘘をつくかもしれないわよ?」

('A`)「その時はその時だよ。本当かどうかはともかく暇つぶしにはなるさ」

ξ゚⊿゚)ξ「そう……」

('A`)「君は自分の意思でブーンを乗っ取ったか?」


死ぬまでの暇つぶしだ。
ツンやクー達の事を少し知りたくなった。

ブーンがどんな気持ちで乗っ取られたのかも知りたかった。

何かしてないと落ち着かなかったのかもしれない。


50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 22:11:01.14 ID:qkyyeqrS0


ξ゚⊿゚)ξ「そんな事、したくなかったわよ」

('A`)「そうか……」

ξ゚⊿゚)ξ「変に知能があるからね、私達」

('A`)「昨日クーにも聞いたんだ。自分の意思かって」

ξ゚⊿゚)ξ「……」

('A`)「違うって言ってた。息をするようなものだって」

ξ゚⊿゚)ξ「でしょうね……他の人は知らないけど、話たり関わりを持った他の人面瘡も好きでやってはないと思う」

('A`)「なんでこうなってんのかね」

ξ゚⊿゚)ξ「わからないわよ……そんなの」

('A`)「君さ、」

ξ゚⊿゚)ξ「何?」

('A`)「ブーンがいなくなってどう思った?」

ξ゚⊿゚)ξ「……悲しかった」


53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 22:19:02.18 ID:qkyyeqrS0


ξ ⊿ )ξ「私だって好きでこうしてるわけじゃない……」


うつむきながらそう言う彼女の声は震えていた。

僕は何も言わないでそこにいた。


('A`)「どうなってしまうのかね」

川 ゚ -゚) 「……」


それからツンにいくつかブーンの話しを聞いて帰路についた。
帰り道でクーに適当に話を振ってみる。

明日の天気からなんとか乗っ取らない方法は無いかとか、
そんな軽い話題から重い話題まで。

何か話していないと不安だった。

不安をぶつける対象も僕の中でははっきりとしなかった、

どうして乗っ取らなくちゃいけないのか。

彼らが望んでいないのに僕はそうなってしまう。

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 22:29:56.06 ID:qkyyeqrS0


川 ゚ -゚) 「すまないと思っている」


夜に寝ようとしているとクーがそう言った。
クーもクーなりに今日の話しを考えているらしかった。


川 ゚ -゚) 「うまく言えないがドクオに感謝もしている」

('A`)「……」

川 ゚ -゚) 「君と共有している記憶に私達についての情報もあった」

川 ゚ -゚) 「それでこんな風に私達と話してくれる人が希少ということだと知っている」

川 ゚ -゚) 「これは恩を仇で返すと言うんだと思う」

('A`)「しょうがないよ、しょうがないんだ」


その日クーは僕が眠るまでずっと謝罪を続けていた。





57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 22:36:43.20 ID:qkyyeqrS0


それからは特に大きな変化も無く過ごした。
どうせ最後なのだからと今まで行ったことの無い場所にも行ってみた。

泳ぐには低い気温だったが海なんかにも行った。


('A`)「なんだか余命が幾ばくも無いって宣言された人みたいだな僕は」

川 ゚ -゚) 「……」

('A`)「まあ似たようなもんか、クーもせっかくだし楽しんだほうがいい」

川 ゚ -゚) 「そうか」

('A`)「そうさ」


そんな僕達の気持ちと関係なくクーは段々と右手から僕の体へと上がって来ていた。
もう時間もそう無いのかもしれない。




58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 22:43:17.22 ID:qkyyeqrS0


そうして。


川 ゚ -゚) 「ドクオ」

('A`)「……」

川 ゚ -゚) 「そろそろ」


どうやらその時は来たらしい。




59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 22:47:55.38 ID:qkyyeqrS0


自分が自分で無くなっていく感覚。

意識が溶けていくように消えていく。

視界が暗転する。浮遊感。

クーの思考が自分の中に流れてきて自分の思考が消えていく。

その中でクーの考えている事が少しづつわかってきて、自分の事がわからなくなっていく。

人面瘡、ブーン、ツン、クー。自分。

今まで積み重ねてきた時間を思い出せなくなって、

そうして。


('A`)「嘘は言ってなかったみたいだな君達」


僕は消えた。




60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 22:54:35.85 ID:qkyyeqrS0

川 ; -;) 「……」


気がつくと私は涙を流しながら砂浜に突っ立っていた。
もうどこにもドクオはいないのだろう。

体を乗っ取ったことで今までおぼろげだった感情が自分で理解できるようになった。
ドクオは消えたくないと思っていたこともしっかりと理解できた。


川 ; -;)「……」


私は、泣きながらに生まれてきた。

まるで赤ん坊みたいだ。

赤ん坊よりもはるかに知識をもっていながら私は泣いている。


川 ; -;) 「すまない……」


そう呟いた声は海辺の風に流されて消えてしまった。



61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 23:00:38.80 ID:qkyyeqrS0


これから私達はどうなるのだろう。

関わりをもったせいで悲しみを抱きながら生まれてきた私とツンのような者達。

それでも私達は生まれてきてしまった。

空に浮かぶ雲の行き先がわからないのと同じようにこれからの事もわからない。

ただ私は生き続けるしかないのだ。

人面瘡達の乗っ取ったこの世界で。



('A`)ドクオと川 ゚ -゚) 人面瘡のようです 終り







63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/05(日) 23:01:11.67 ID:qkyyeqrS0
なんかgdgdすみません
支援ありがとうございました

コメント

うーんなんか好きだよ
[2010/09/21 03:01] URL | (´^ω^`) #- [ 編集 ]


すごく好き。
スラスラ読めて心にしっかり残る話だった。
ギャグだと思って開いたが、この題材でそんなシリアスな方にも持っていけるんだなと感心した。
[2010/09/23 04:01] URL | #- [ 編集 ]


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