mesimarja
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(    ) それでも今を選ぶようです
2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 23:19:58.54 ID:bqObpJzNO
目覚ましのアラームが、鳴き止んだ。
ついでに時間も止まってくれればいいのになぁ、等と考えながら重たくなった体を起こす。

あまりにも妻の寝相が悪すぎて、気づけばリビングのソファーが私の寝床となっている。
その寝心地の悪い寝床で、また眠りから覚める。

買い貯められた中から適当なパンを選び、一人きりのリビングでもさもさと食べ始めた。
今日も彼女は、私が出勤してから目を覚ますのだろう。
そんなことを思いながら、淡々と朝の準備を済ませた。
いつもと変わらないルーチン、時計を確認して私は家を出た。


5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 23:21:04.34 ID:bqObpJzNO
(-@∀@) 「おはよーございまーす」

近所に暮らしている学生に、挨拶をされる。
朝も早くから大変だなと笑いながら返すと、お互い様じゃないですかと笑われた。

自分の学生時代を思い出す。
今思えば、妻と出会ったのもそのくらいのころだったかな。
当時は周りの友人から、彼女の何が良いんだと問い詰められたりもした。

一目惚れだった。
見た目がタイプとか、そんなものではない。
何とも言えない魅力が、彼女にはあったのだ。

いまだにその魅力から抜け出せないのだから、不思議なものだ。
もう何十年と一緒にいると言うのに。

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 23:22:03.45 ID:bqObpJzNO
考えごとをしながらダラダラと歩けば、いつもの時間に駅に着く。
この辺は都心の近くであるために、この時間から乗っても車内は鮨詰めとなるのだから溜まったものではない。

( ・∀・) 「あ、課長!おはようございます!」

定期券がもう少しで切れる、なんて溜め息を吐いている私に若々しい挨拶が投げられる。
振り返れば、新入社員のモララーくんがそこにいた。

彼もこの近辺の人なのだろうか。
簡単な挨拶と疑問を投げ掛けると、爽やかに笑いながら肯定した。

( ・∀・) 「この時間から乗っても満員なんだから、溜まったもんじゃないですよねぇ」

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 23:23:06.31 ID:bqObpJzNO
二人でぐじぐじと朝の電車に文句を言い合う。
不満を言い合うと何故話が弾むのか、ずっと昔から疑問に思っている。
答えは、まだ見つかっていない。

そうしてる内に、私達は棺桶へと押し込まれた。
右手にかけられた手錠を必死に掴みながら、また今日も棺桶に揺らされる。

しかしそれでも苦にならないのだ。
妻の為だと、そう考えるとこんな毎日も悪くない。
これから先、いつまで経っても私はきっと、妻に惚れたままでいるのだろう。

鮨詰めにされてから、三駅。
ラウンジと言う駅でようやく棺桶から放り出される。
気づけばはぐれていたモララーくんは、大丈夫だろうか。

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 23:24:06.96 ID:bqObpJzNO
(;・∀・) 「課長ー!」

至って無事だった。

(;・∀・) 「オレ!痴漢されたんすけど!」

しかし、頭は大丈夫じゃなかった。

( ・∀・) 「いやー、ありゃあビビりますね……声出すよりも驚きで…」

何を考えているか分からない子だが、これでもかわいい部下だ。
一応の安否を確認すると、歯を出して笑ってきた。
思わず私も笑ってしまったが、きっと若い子とは笑いのツボが違うのだろう。

会社に着き、タイムカードを切ると一言だけ残してモララーくんは駆けていった。
若いし真面目だし、本当にいい子が入ってきたものだ。

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 23:25:06.42 ID:bqObpJzNO
すれ違う社員たちと挨拶を交わしながら、私はいつものデスクに着く。
他の人よりも、少しだけいいデスクだ。
昔は、ここから見える景色は何か違うのだろう、等と考えていた。

だが実際はどうだ、何も変わらないのだから、苦笑いも浮かぶだろう。
きっと、あの頃よりも少しだけ、この席に相応しいだけには、成長したのだろう。

(゚、゚トソン 「おはようございます、お茶です」

席に着き書類を整理していると、去年入社した都村くんがお茶を出してくれた。

何時から出勤しているのだろうか。
おそらく、まだ社内にはそんなに人はいないだろうに。

(゚ー゚トソン 「それでも来る人はいるのですから」

にこやかに笑い、一度頭を下げると彼女は去っていった。

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 23:26:02.24 ID:bqObpJzNO
正直、彼女の人気は凄まじいものだ。
見た目はもちろんながら、その気遣い方が完璧、とにかく優しいのだ。
彼女にぶち当たって撃沈した部下を、私はこの目でたくさん見てきた。

確かにいい子だ、私が妻と出会っていなければ惚れていたかも知れない。
有り得ないifの話等くだらないのだが。

――――――――――――――――――――――

業務に没頭していると、時が過ぎるのは早いものだ。
腹の虫が上げた泣き声で、休憩時間が訪れたことを知る。

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 23:27:26.05 ID:bqObpJzNO
今日は何を食べようか。
そんなことを考え、散らかったデスクを整理していると聞き慣れた声が私に飛んできた。

( ・∀・) 「課っ長ー、飯食いに行きましょう飯!」

コイツ私のこと好き過ぎだろ……。

( ・∀・) 「最近出来た定食屋が、なっかなか美味いんですよー」

分かった分かったと宥めると、満面の笑みで私の片付けが終わるのを待っている。
全く。
しかし、この歳になっても好かれるのは喜ばしいことだ。

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 23:29:25.56 ID:bqObpJzNO
モララーくんの言っていた定食屋は、歩いて数分と会社からも非常に近い位置にあった。
値段もリーズナブルでボリュームもなかなか、店員さんも少なくゆっくり出来る雰囲気で悪くない。

会社や満員電車の愚痴を聞かされながら食事を進めていると、ふと突拍子もない疑問を投掛けられる。

( ・∀・) 「課長、もし、タイムマシーンがあったら、どうしますか?」

タイムマシーン。
過去に戻れたり、未来へ進んだり、それが出来るSFなアレだろうか。

( ・∀・) 「そー、それッス。どうします?」

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 23:31:09.77 ID:bqObpJzNO
先ほどまでの愚痴に比べたら、遥かにマシな話題だなと思いつつ、考えた。

確かに魅力的なものだが――きっと使わないだろう。

( ・∀・) 「えー!何でッスか!?過去に戻れるんですよ?」

信じられない、と言った様子でモララーくんは答える。
確かに、自分の半生を見返してみれば、後悔している部分は多々あった。

( ・∀・) 「じゃーいいじゃないですか、使いません?」

しかし、だ。
過去に戻れる日が来ても、迷わず私は今日を選ぶだろう。

過去に戻り、やり直して、妻に会うことが出来なければと思うと、コワくて仕方がないから。

20 名前:ちょい洗い物してた:2010/11/20(土) 23:41:37.38 ID:bqObpJzNO
( ・∀・) 「はぁー……そーゆーもんですかねぇ…」

他の人は分からないが、私はそんなものだと言って定食に付いてきたお茶を飲み干す。
だから、タイムマシーンは魅力的だが、せっかくだけど要らないよ、とifの中で結論付けた。

――――――――――――――――――――――

会社に戻り、業務を再開してからの時の流れは、やはり早いものだ。
ただただデスクに向かっているだけで、気づけば就業時間が訪れている。

帰りの支度として、昼間と同じく散らかしたデスクを整理していると、今度は聞き慣れた女性の声が。

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 23:42:59.84 ID:bqObpJzNO
(゚、゚トソン 「お疲れ様です」

そう言いながら空になった湯呑みを下げる。
やはり気の利く、良い女性だなと思っていると、そのまま話掛けてきた。

(゚ー゚トソン 「もし、今日この後ヒマなのでしたら、飲みに行きませんか?」

思わぬところから、銃弾が飛んできた。
こんな若い子から声を掛けられるとは、私もまだまだ捨てたものではないのかも知れない。

しかし、家には私の帰りを楽しみにしている娘がいる。
それに私は早く家に帰り、妻の顔が見たいのだ。

(゚、゚トソン 「……そうですか」

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 23:44:00.82 ID:bqObpJzNO
奥様が羨ましいですと、にこやかに返され、そのまま別れの挨拶を交わすと都村くんは去っていった。
会話の間に身支度はすっかり済んでいたので、そのまま社員に挨拶をして私は会社を後にした。

キッチリ就業時間に業務を終わらせ、帰路に付く私は優秀なのだろうか。
そんなことを会社に残る人たちを見て、考えた。

帰りの電車は、朝に比べればマシなもので――就業時間に帰るからかも知れないが、余裕を持って座ることが出来た。
ひたすらデスクに向かっているだけとは言え、業務ではなく座っていることが開放感を与えてくれる。



( ・∀・) 「あれ?課長」

 ま た お 前 か 。

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 23:44:52.36 ID:bqObpJzNO
( ・∀・) 「そういえば課長もこっち側ですもんね」

もう後ろを付けてきたとしか思えないタイミングで、新入社員のモララーくんが隣に座る。
まぁ一人で寂しく帰るよりはマシだろう。
残業はしないのかと聞けば、まだ幼さの残る笑顔を向けて答えた。

( ・∀・) 「優秀ッスから」

先ほど自分が考えていたことが、彼に読まれていたのだろうか。
そう思わせるくらいに彼はイタズラっぽく笑っている。

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 23:46:51.11 ID:bqObpJzNO
( ・∀・) 「そうそう、昼間の話ですが」

昼間の話。
タイムマシーンの話だろうか。

( ・∀・) 「はい。まぁくだらないif話をごちゃごちゃ言うのもアレですが」

もしかすると、彼は私と似ているのかも知れない。
だからこそ、好いてくれているのだろうか。

( ・∀・) 「確かに、現状に何かしらの不満があるワケじゃないですし」

僕もきっと使わないですね、なんて笑う。
それを見て、つられて私も笑う。
きっと、みんなそんなものだろう。

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 23:47:54.84 ID:bqObpJzNO
――――――――――――――――――――――

一人で乗るよりも、電車での時間は早く過ぎていった。
まだまだ話し足りない様子のモララーくんだが、何も言わずに素直にバスに乗り込んでいた。

まさか、朝もバスに乗ってから電車に乗っているのだろうか。
そう考えると、彼は私なんかよりもずっと早くに起きて活動しているのだろう。
大変ながらも真面目に会社へ来て仕事をしている。

社会人としては当然なのだが、それを嫌な顔もせずにこなす彼は、やはり優秀なのだろう。
少し、あの新入社員が可愛らしく思えてきた。

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 23:48:53.99 ID:bqObpJzNO
気づけばもう家までの距離は、なくなっていた。

いつもの様に玄関に入れば、瞬間に娘は駆け寄って来るのだろう。
そうして奥から妻が出てきて、一言。
その一言を言われる為だけに、私は日々頑張っているのかも知れない。

毎日毎日、手錠に捕まり、棺桶に揺らされ、椅子に張り付けられ。

それでも君の為なら、骨になるまで働いたっていいと思える。
その一言を掛けて貰えるのなら、それでも構わない。

そして、私は玄関の扉を開けた。
予想の通り、娘が駆け寄ってきて、すぐに奥から妻が声を掛けてきた。

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 23:49:54.96 ID:bqObpJzNO







 @@@
@#_、_@_
 (  ノ`) 「おかえり」





 彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「ただいま」



終わり

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 23:22:14.49 ID:53hj7SS1O
そういえば、いゃ何でもない

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 23:52:45.89 ID:OyJIy490O


30 名前: ◆kfuPUnAWpda0 :2010/11/20(土) 23:53:55.19 ID:bqObpJzNO
酉付けても誰やねんお前状態ですが酉を付けるんだ……
完全にこのオチを書きたかったのと、最近本当に"当たり前"や"いつも通り"が幸せに思えてきたので

ちなみに軸になっているのはBIGMAMAと言うバンドのI don't need a Timemachineです、名曲

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 23:59:14.22 ID:bqObpJzNO
それでは今から髪を切るのでこれにてどろん
支援と乙くださってありがとうございます

>>8
気になるじゃないか……

>>29
なんかゴメン……
短すぎたなー

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