mesimarja
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ミ,,゚Д゚彡長い長い、0秒間のキッスのようです
2 名前:>>1ありがとう!:2010/12/27(月) 14:16:10.38 ID:Xa4XkWs40
真夏の炎天下。

灼熱の太陽に照り付けられるは青春の土。


地獄のような照り返しが選手たちの体力を奪う。




――――美府高校 4点、螺雲寺高校 6点。

八回裏。

俺たち美府高校の攻撃で、今出てるのは三塁のみ。
それでもって、2アウト。




今、電光掲示板に出てるのは 「代打 布佐」の文字。

ウグイス嬢の声が甲子園球場に響き渡る。



俺の、出番だ。



3 名前:>>1ありがとう!:2010/12/27(月) 14:18:16.15 ID:Xa4XkWs40
( ^Д^) 「おい」

ミ,,゚Д゚彡「・・・・・・はい」


扶偽家先輩が俺の肩を揉む。

ごつごつとした先輩の手。
リラックスしろよ、と言わんばかりの計らい。




扶偽家先輩はいつだってそうだった。

主将として前に立っているときも、プレイヤーとして同じ立場のときも、
絶対に気遣いを忘れない人だ。


この決勝にたどり着いたのも、扶偽家先輩が影でも、表でも、部員のメンタルを
うまく調整してきたからなのだろうか。


4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 14:20:35.23 ID:Xa4XkWs40
ある程度揉まれた後、俺の背中に刺激が走った。
扶偽家先輩の張り手。



( ^Д^) 「リラックス」

( ^Д^) 「あと、笑顔な!」


扶偽家先輩は笑顔を大切にする人だ。
笑顔こそが、勝利の糸口になると信じている。


そういう俺も、いつ頃かは忘れてしまったがそれが自論になっていた。



ミ,,゚Д゚彡「はい!」


・・・・・・先輩たちのためにもここで同点に持ち込みたい。

それで、流れが変わってくれるのなら万々歳だ。


5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 14:22:55.76 ID:Xa4XkWs40
バッターボックスまで走る。


甲子園球場が熱狂に包まれた。
応援歌が、止まる。



バッターボックスに立った瞬間、めまいがするほどの緊張が俺を襲った。
足ががくがくと振るえ、常に咳が出そうなほどに呼吸が乱れる。


これほどまでに緊張したことなんて一度も無かった。




人々の歓声が突如、軽快な応援歌に変わった。


ああ。
そうだ。
代打は「ポパイ」だったんだっけ。




・・・・・・笑顔は作れているだろうか。


6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 14:25:45.38 ID:Xa4XkWs40
(´<_` )「よろしく」

キャッチャーの男に話しかけられた。
あまりにも突然すぎてハッとなる。




ミ;,゚Д゚彡「よ、よろしくお願いします」

おどおどとした感じでいかにも頼りなさそうな代打、だと思われたんだろうなあ。
でも、おかげで緊張は少しだけだけど解れた。



( ´_ゝ`)




ミ;,゚Д゚彡


そして、ピッチャーと目が合う。


獣のような目つき。
一回からずっと投げ続けているのに全く衰えていない球速、そしてキレ。


7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 14:29:22.72 ID:Xa4XkWs40
彼らは県予選のときからマスコミに騒がれていた、所謂「化け物」だ。

最強の兄弟バッテリー、流石兄弟。



俺も何度かテレビで見たことがある。

はきはきとした喋りでリポーターからの質問に真摯に答えていた。
本当に高校生か?と思うくらいの丁寧さだ。



そんな全国の人気者が俺の前に立ってるなんて、それだけでも信じられないことだと思う。



勝負は一瞬。

なんだっていい。
全てを失ってもいい。


この試合に勝ちたい。

先輩たちのためにも。
応援してくれているみんなのためにも。

・・・・・・神様、どうか叶えてくれ。

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 14:34:28.35 ID:Xa4XkWs40
一旦、目を閉じて深呼吸。

・・・よし。



/ ,' 3

(;^Д^)


監督の隣に扶偽家先輩。

遠くからでもわかる。
二人とも拳を強く握って、祈っているようだ。



俺はバットをスッと構えた。

それを見たピッチャーがすぐに振りかぶる。




俺の耳から一切の音が消えた。
空気がシンと冷たくなった。
視界がいつもより鮮明に映える。

・・・・・・来るぞ。

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 14:36:22.57 ID:Xa4XkWs40
直球。
かなり早い。



・・・・・・しかし、それは俺が空振りをしたときに思ったことだ。

気づいたらバッドは空を切っていた。



信じられない。
こんな速い球を投げる高校生がいるのか。









――――あれ?

審判の「ストラーイク!!」が聞こえない。


12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 14:39:40.63 ID:Xa4XkWs40
ミ;,゚Д゚彡「あ?」





後ろを振り向くと硬直して動かないキャッチャー、審判。
観客でさえも微動だにしていない。


前を向けば砂埃を上げて右手を下げているピッチャー。
砂埃さえも動いていない。



しかも、良く見たら斜め六十度くらいのところでボールが止まっている。



もちろん耳を澄ましても一切の音が無い。




・・・・・・何が、起きた?

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 14:42:56.94 ID:Xa4XkWs40
景色をぐるぐると見渡した。

時が、止まったのか?
まさか。
信じられない。



「おいすー」

突如、背中越しに間抜けな声がした。
ピッチャーに背を向けて動かない観客を見ていた俺は、全力で振り返る。



lw´‐ _‐ノv

重力を無視して、止まったボールに爪先立ちをする女。


lw´‐ _‐ノv「お待た」

ミ;;;;;,゚ω゚彡


――――・・・・・・・・・えーっと、誰?

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 14:43:58.87 ID:Xa4XkWs40








          ミ,,゚Д゚彡長い長い、0秒間のキッスのようです










15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 14:46:58.88 ID:Xa4XkWs40
冷静になってよく見たらこの女、下着だ。
黒い下着に身を包んでいる。

そして、とてもグラマナス。
俺は正直、目のやり所に困っている。



ミ;;;;,゚ω゚彡

lw´‐ _‐ノv「誰って・・・・・・」

俺は一言も喋っていないのにもかかわらず、この女は俺の思ったことが聞こえたかの
ように喋り始めた。

そんな奇妙な女の前に、ただただ立ち尽くすしかない俺。


lw´‐ _‐ノv「自分の胸に聞いてみなさい」


ミ;;;;,゚ω゚彡



大変だ。
全く心当たりが、無い。

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 14:52:29.12 ID:Xa4XkWs40
w´‐ _‐ノv「言っておくけど、君の考えていることは全てお見通しだ」

w´‐ _‐ノv「うむ。たしかにハッピーターンはうまいのだが、今そんなことを考えている場合
       では無いんじゃないかな?」


ミ;;;,゚ω゚彡


そんなこと、考えてねぇ。






・・・・・・しかし、どうなっている。
全てが動かなくなったと思ったら、意味のわからない女が目の前に現れた。

この女、何者だ?




w´‐ _‐ノv「・・・・・・まだわからないのか」

わかるわけ無いだろう。


17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 14:58:25.17 ID:Xa4XkWs40
w´‐ _‐ノv「悪魔だよ」


悪魔?
あの悪魔か?

後ろにこうもりの羽とか尻に尻尾が付いてたりする。


w´‐ _‐ノv「左様。でも、羽とか尻尾とかは流行じゃないからしてる奴は少ないよ」

ほうほう。


ミ;,゚Д゚彡

って悪魔事情について相づちを打っている場合ではない。


w´‐ _‐ノv「そうだよ。ばかうけが一番うまい」

w´‐ _‐ノv「あと、あの扶偽家って人、ばかうけに似てない?」


・・・・・・この悪魔とやらにこの状況について説明してもらおう。



w´‐ _‐ノv「しかと?ねえ、しかと?」

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 15:03:01.15 ID:Xa4XkWs40
ミ;,゚Д゚彡「ところで、悪魔さん。なんでみんな止まっちゃってんの?」

w´‐ _‐ノv「おー。初めて喋ったな少年。なかなかチャーミーな声してるじゃない」


そういって悪魔と名乗る女は止まっているボールに腰をかけた。



w;´‐ _‐ノv「くっ、食い込むっ!」

そりゃそうだろう。
想像しただけでも痛そうだ。


w;´‐ _‐ノv「なっ!何想像してんだエロ少年」

・・・!
別にケツが食い込む様を想像したわけじゃない!



w´‐ _‐ノv「知ってる」

そういって悪魔は腰掛けていたボールから地面に降り立った。

この女何なんだ。
一体。

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 15:06:38.70 ID:Xa4XkWs40
w´‐ _‐ノv「で、この状況についてだっけ?」

ああ、そうだ。
この良くわからない悪魔にペースを崩されたが、こっちが質問しているんだったか。


w´‐ _‐ノv「時間を止めたんだよ。君の願いを叶えるために」

ミ;,゚Д゚彡


時を止まっているというのは薄々予想できていた。
が、願いを叶えるというのは一体?



w´‐ _‐ノv「何言ってるんだいチェリーボーイ」

w´‐ _‐ノv「この試合に勝ちたいんだろう?」



さりげなく俺の童貞を暴露されたことは置いといて、確かに勝ちたいと願った。
それで悪魔がやってきた、と。


w´‐ _‐ノv「そゆこと」

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 15:14:09.98 ID:Xa4XkWs40
ミ;,゚Д゚彡「嘘だろ・・・」

とても信じられない。
こんなマンガでもやらないようなコテコテの話が現実になっているなんて。


w´‐ _‐ノv「嘘じゃないって」

目の前の一番信じられない存在に嘘じゃないと言われても、とても信用できない。

あまりにも緊張して幻想でも見てるんじゃないだろうか。
その線が一番濃厚だと思う。


w´‐ _‐ノv「このはち切れんばかりのナイスバディを見ても信用できないか」

それは関係ないと思う。


w´‐ _‐ノv「・・・・・・では、これでどうかな?」

ミ;,゚Д゚彡「え?」


その一言だけ残して、悪魔はフッと消えてしまった。
一体なんだったん・・・・・・

―――――――スパンッ

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 15:18:51.34 ID:Xa4XkWs40




( ゚д゚ )「ストラーイク!!」











ミ;;;,゚ω゚彡 そ






え?

・・・ええ?



24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 15:24:08.40 ID:Xa4XkWs40
思わず俺は審判の顔を見た。



( ゚д゚ )

(´<_`;)


キャッチャーも審判も俺を見ている。


・・・・・・そうか。



急に戻ったものだから俺はバットを構えていなかった。
どう考えたって、不自然だ。

ボールがピッチャーの手から放たれたときには構えていたのに、ボールがキャッチャーの
左手に吸い込まれたときは構えていない。



そりゃあ驚くか。


26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 15:28:03.65 ID:Xa4XkWs40
審判やキャッチャーの反応を見てすぐにわかった。
確かに時は止まっていたのだ。

そして何の前触れも無く、時が動き出した。




キャッチャーがピッチャーに向けてボールを投げる。
甲子園球場に鳴り響く歓声、そして「ポパイ」。



ミ;,-Д-彡

俺の中でもしっかりと時が動き出した。


ここはもう静寂の世界じゃない。
変な悪魔もいない。




夏の青春、最後の舞台。

甲子園球場なのだ。


27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 15:34:16.86 ID:Xa4XkWs40
地獄のような日照りの中、再びバットを構える。

だが、不思議と緊張はしていない。
至って冷静だ。




ミ,,゚Д゚彡




――――ピッチャーが振りかぶった。
砂埃が舞い上がる。




( ´_ゝ`)



・・・来る。


28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 15:40:01.39 ID:Xa4XkWs40
さっきよりも球速が落ちた。

ストライクゾーンには入らない。


・・・・・・いや、曲がる。




ミ#゚Д゚彡


俺は、狙いをつけてバットを振った。

またしてもバットが空を切る。








――――いや。


またしても、時が止まる。


29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 15:44:02.75 ID:Xa4XkWs40
一切の音が無くなった。

さっきと全く同じで、誰一人として動かない。


ピッチャーの体にまとわり付いている砂埃。
真剣な眼差しのキャッチャー。
動くことなく祈り続ける監督、扶偽家先輩。




そして、


lw´‐ _‐ノv「これでわかったでしょ?」

止まっているボールに爪先立ちをする下着姿の女。

悪魔だ。



こうもまじまじと時を止めたり動かしたりされたら信じないわけにもいかない。
正真正銘の悪魔だ。

lw´‐ _‐ノv「あんがとさん」


30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 15:48:26.20 ID:Xa4XkWs40
ミ;,゚Д゚彡


そういえば悪魔が俺の前に現れたのは俺の願いを叶える為、即ちこの試合に勝たせるためだと言っていた。


lw´‐ _‐ノv「そそ」

・・・・・・いちいち心を読まれるのは、なんだか面倒くさいな。
何とかならないんだろうか。


lw´‐ _‐ノv「聞こえてしまうんだからしょうがないでしょう」



lw´‐ _‐ノv「たとえ話だけど、君の目の前に米があったらどうする?」

lw´‐ _‐ノv「それを貪る様に食べる筈だ。たとえ生米であろうとも」

lw´‐ _‐ノv「それと同じだろう?」


ミ;,゚ω゚彡



意味不明、理解不能。
全く例えになっていない。

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 15:53:26.77 ID:Xa4XkWs40
悪魔はボールをポンッと蹴って宙に浮いた。
ふわふわと漂うようにゆっくりとこっちに来る。



lw´‐ _‐ノv「この試合に勝ちたい?」


もちろんだ。
絶対に、勝ちたい。



ミ;,-Д-彡「・・・・・・ああ。勝ちたい」

lw´‐ _‐ノv「あ、喋らなくても大丈夫。心読めばわかるから」






ミ;,゚Д゚彡

この悪魔とはうまくいきそうも無いな。
なんか腹が立ってきた。


34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 16:00:53.55 ID:Xa4XkWs40
lw´‐ _‐ノv「おっ? こんなこと思っちゃっていいの?」

ミ;,゚Д゚彡


lw´‐ _‐ノv「ん?」

ミ;,゚Д゚彡「失礼しました」



畜生。
この女絶対友達いない。





・・・あっ。そんなこと思ってないです。




lw´‐ _‐ノv「ばれてるよ」

ミ;,゚ω゚彡


ですよねー。


36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 16:05:26.05 ID:Xa4XkWs40
悪魔が目の前に顔を寄せる。

近い、近すぎる。




lw´‐ _‐ノv「願い、叶えてあげようか?」

そのために来てくれたんじゃないのか・・・?

lw´‐ _‐ノv「まぁ、そうなんだけどさ。形だけでも」

なるほど。




悪魔はそれだけ言い終わると、スッと背後に回った。
そして、俺の目を手で隠す。

なんか良い臭いがするぞ・・・。



lw´‐ _‐ノv「なら、今から私の質問に全部答えること」

急に声色が変わった。

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 16:09:46.50 ID:Xa4XkWs40
ミ;つД⊂彡「わ、わかった」



質問?
なんだろうか。


自然に足が震える。
緊張・・・・・・なのか? これは。


いや、怖いんだ。



急に心の中にどす黒い何かが疼いた。
そわそわと体が湧き出す。

ぬめっとした手の汗が、気持ち悪い。





lw´‐ _‐ノv「一つ目」

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 16:12:55.49 ID:Xa4XkWs40
俺は生唾を飲み込んだ。

手に隠されている目はギンと開いているだろう。
呼吸は乱れて、口でしか呼吸が出来なくなっているだろう。


自分が自分で無いような感覚。
今までに経験したことの無い気持ちが心を埋め尽くした。




lw´‐ _‐ノv

lw´‐ _‐ノv「好きなAV女優は?」





ミ;つД⊂彡


ミ;;;;;つω⊂彡


ふぇ?

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 16:16:23.93 ID:Xa4XkWs40
lw´‐ _‐ノv「早く答えたほうが身のためだぞ」


悪魔は本気だ。
現にそういった後、俺の体はピリピリと痺れた。

どうやっているのかはわからないが時を止める事だって出来るんだ。
俺の命を奪うことなんて容易いだろう。



ミ;つД⊂彡「・・・あすかみみ、だ」

俺は素直な気持ちで答えた。

一番好きなAV女優の名を。
一番抜いたといって過言ではないその名を。


lw´‐ _‐ノv

lw´‐ _‐ノv「二つ目」


悪魔は何の反応も見せなかった。

恐怖よりも恥ずかしさが上回ったような気がする。
うん。


43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 16:20:56.04 ID:Xa4XkWs40
恥ずかしがっている場合ではない。
次の質問が来る。


lw´‐ _‐ノv「扶偽家という人で抜いたことがあるだろう」

ミ;;つω⊂彡


待て。
扶偽家先輩のことか?


無いぞ。


lw´‐ _‐ノv「嘘をつくんじゃない」


嘘じゃねぇぇえぇぇえぇえぇええええ!!



lw´‐ _‐ノv

lw´‐ _‐ノv「床オナか?」

・・・・・・さっきからちょっとおかしい。
何のための質問だ?


47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 16:24:52.17 ID:Xa4XkWs40
lw´‐ _‐ノv「・・・だって、ただ願いを叶えるのも癪だし」


要するにこの悪魔の遊びってわけか。



lw´‐ _‐ノv「悪魔っぽいでしょ?」

そう言うと悪魔は覆っていた手を退かす。
俺が悪魔のほうに振り返るとニコニコと満足げな顔をしていた。


なんなんだこいつは。
ふざけているのか?



lw´‐ _‐ノv「うむ」

そう言うと俺の顔に右手を被せた。

やっぱりいい臭いがする。



lw´‐ _‐ノv「・・・・・・じゃあ本題に戻ろうか」

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 16:28:46.59 ID:Xa4XkWs40
一つ目のふざけた質問の時と同じ、冷たい声。

透き通るような白い肌の周りに黒いオーラのようなものが見える。


lw´‐ _‐ノv「どうして、勝ちたい?」



悪魔の口から出たのはシンプルな質問。
俺がこの試合に勝ちを望んでいる理由。





lw´‐ _‐ノv「理由なんて聞かなくても叶えられるんだけど」

lw´‐ _‐ノv「少し、気になってね」

lw´‐ _‐ノv「心ではなく、君の口から聞きたい」



手を退かすことなく悪魔は喋り続ける。
ピタリ、と俺の顔に密着した手だけがあったかく感じた。

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 16:32:06.64 ID:Xa4XkWs40
ミ,,゚Д゚彡「・・・・・・勝つということが一番大切なことじゃない」

ミ,,゚Д゚彡「それはわかっているんだ。・・・・・・それでもっ」

ミ,,゚Д゚彡「それでも、先輩たちやスタメンになれたタメや後輩の姿を見てると・・・」


ミ,,-Д-彡

ミ,,-Д-彡


ミ,,-Д-彡「何としてでも、勝ちたい」



ミ,,゚Д゚彡「そう、思ったんだ」


俺は率直な自分の気持ちを言った。
少し日本語がおかしかったかも知れない。



lw´‐ _‐ノv

そんな言葉でも、悪魔は黙って聞いていた。


51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 16:37:42.56 ID:Xa4XkWs40
lw´‐ _‐ノv「ふむ」

悪魔が俺の顔に密着させていた右手を退かす。




lw´‐ _‐ノv

ミ,,゚Д゚彡


しばらく俺と悪魔は見詰め合った。



良く見ると青い目をしている。
整った顔立ちはさながら天使のようで、とても悪魔には見えない。



唯一悪魔っぽいところといえば、黒いしなやかな髪と黒い下着、そして意味のわからない
質問等々。


52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 16:41:04.41 ID:Xa4XkWs40
lw´‐ _‐ノv

lw´‐ _‐ノv「あんた、良い目をしてるよ」

ミ,,゚Д゚彡「へ?」


悪魔は俺の首に腕を回す。
そして顔を近づけた。


額と額がぶつかり合う。
悪魔の優しい体温が額に伝った。



lw´‐ _‐ノv

lw´‐ _‐ノv「願い、叶えてあげる」

ミ;,゚Д゚彡「お、おい・・・」


俺は気が動転していただろう。
心臓が張り裂けそうなほど音を立てていて、今にも倒れてしまいそうだ。

悪魔のいい臭いにも、綺麗な顔立ちにも、美しい体にも、全てを預けてしまいそうになる。

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 16:45:20.43 ID:Xa4XkWs40
lw´‐ _‐ノv「ん・・・・・・」

ミ;, Д 彡「――――!」


唇に柔らかい何かが触れた。
とろけそうなほど柔らかい何か。


それが悪魔の唇だということに気づくのにさほど時間はかからなかった。

長い、長いキス。


ミ;,゚ω゚彡

lw´‐ _‐ノv

唇が離れる。
悪魔は俺のきょとんとした顔を見てにやりと笑った。
凍てつくほどに美しい笑み。



lw´‐ _‐ノv「童貞君には刺激が強すぎたかな?」

ミ;,゚ω゚彡

悪魔にまとっていた黒いオーラは、消えていた。

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 16:50:12.52 ID:Xa4XkWs40
lw´‐ _‐ノv「これで君の願いは叶う」

ミ;,゚Д゚彡


悪魔は俺の目を見て、冷たい口調で言い放った。
試合に勝ちたい理由を聞いてきたときのように。



lw´‐ _‐ノv「・・・・・・何か、変わったかい?」



・・・・・・体が軽くなったような気がする。
まるで自分の体ではないかのように。


自分の体を見ると黒いオーラに包まれていた。

悪魔の接吻を受ける前には無かったものだ。



lw´‐ _‐ノv「これが悪魔に心を売った者の証」

そう呟いて、悪魔は俺の顔を優しく撫でた。

66 名前: ◆24es8un4MA :2010/12/27(月) 17:47:38.27 ID:Xa4XkWs40
lw´‐ _‐ノv

lw´‐ _‐ノv「じゃあ、そろそろ時間を動かすよ」

lw´‐ _‐ノv「君は何もしなくて良い。体が勝手に動いてくれる」


悪魔はつま先をピンと伸ばして、ポーンと跳ねた。
そして、スッと空中で止まる。



ミ;,゚Д゚彡

ミ;,゚Д゚彡「おっ、おい・・・」

lw´‐ _‐ノv「ん?」

ミ;,゚Д゚彡「あ、ありがとう」


例を言う俺に対して悪魔は鼻で笑った。
いや、「フッ」っと声に出したのだろうか。

ルージュに染まった口がほんの少しだけ、開いていた。

68 名前:>>65 それについてはあとがきで:2010/12/27(月) 17:50:52.04 ID:Xa4XkWs40
lw´‐ _‐ノv「じゃ」

lw´‐ _‐ノv「またね」

一回目に消えたときとは違って、ゆっくりとフェードアウトしながら消えていった。
悪魔が消えた後でも時は動かない。



ミ;,゚Д゚彡

―――――――構えて―――――――

ミ;,゚Д゚彡 そ


静寂に包まれた甲子園球場で悪魔の声が響いた。

悪魔の言うとおり俺はバットを構える。
まるで、時が止まる前のような体制で。







程なくして、時が動き出した。


70 名前:>>69 さるったらお世話になります:2010/12/27(月) 17:54:30.66 ID:Xa4XkWs40
静まり返っていた球場が一瞬で熱気を帯びた。
止まっていた玉が動き出す。



俺は急に動き出した白い玉に全く反応できずにいた。

できずにいたのだが、驚くことに、体が勝手に動き始めたのだ。



自分の左足が地を踏みしめる。
自分の手ががバットを力強く握る。
そして、自分の腰が固定された状態のまま、バットを振り切った。



熱気に包まれた空間に乾いた音が高らかに鳴り響く。




(;´_ゝ`)そ

(´<_`;)そ


白い玉はどこまでも、高く、遠く俺から離れていった。

72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 17:56:50.31 ID:Xa4XkWs40
白い玉は観客に見事なダイブを決めて見せる。


ミ;,゚Д゚彡

俺はそれを黙って見ていた。




地鳴りがするほどの大歓声。

今まで流れていた応援歌「ポパイ」が止まる。
変わりに流れるは、ホームランを伝える軽快なメロディー。

照りつける太陽の下には、青ざめた流石兄弟。


自分で打っといてなんだが、見事なホームランだった。
いや、正確には俺が打ったとは言えないが。



電光掲示板には、美府高校 6点、螺雲寺高校 6点 の文字が映り出されていた。

73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 18:01:02.40 ID:Xa4XkWs40
いつの間にか体の自由がきく様になっていたので、全ての塁を小走りで回る。
鳴り止まない歓声を背に受けながら。



回り終えた俺を迎えてくれたのは部員のみんな。
みんながバシバシと俺の頭を叩く。


少し痛いが、俺は嬉しかった。
・・・いや、嬉しい反面、なんだか後ろめたい気持ちが心の奥底で疼いていたのかもしれない。
なんというか複雑な心境だ。





( ^Д^) 「すごいぞ! すごい!」

ミ;, Д 彡「・・・いや、まぐれですよ」


一番喜んで迎えてくれたのは扶偽家先輩。
俺は、なんとなく目を合わせられなかった。


75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 18:05:03.43 ID:Xa4XkWs40
ベンチに腰を下ろす。



ミ;, Д 彡

監督が顔をくしゃくしゃにした笑顔で俺に言葉をかけてくれたが、やっぱりなんとなく
後ろめたくて、目を合わせることができなかった。



ふと自分の手を見ると、黒いオーラがまとわり付いている。
まだ消えていなかったのか。


まあ、良く考えてみれば、まだ6-6。
悪魔との約束は勝利。


これから美府高校のヒットが立て続けに出るのだろうか。
はたまたホームランが連発されるのか。



そんなことを考えながら、俺はバッターボックスに立った遷都先輩を見つめていた

77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 18:09:01.38 ID:Xa4XkWs40
(’e’)


遷都先輩が構える。
遷都先輩のフォームは特殊で、誰も真似ができないようなものだ。




今大会ではヒットを連続していて、うちの高校では少なからず騒がれている選手の一人。

悪魔の力を借りようと借りまいと、遷都先輩はヒットを出すだろう。
現にこの試合でも二本のヒットを放っている。



( ´_ゝ`)


ピッチャーが振りかぶった。
ホームランを打たれているのに全く衰えない眼力。


やはり、本物だ。


78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 18:12:14.46 ID:Xa4XkWs40
遷都先輩は一球目から打ってきた。

ベンチまで乾いた音が響く。


ボールは、、





( ´_ゝ`)


( ´_ゝ`)


( (○)ゝ゚)バキッ




(’e’;)




――――えっ?


79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 18:17:00.83 ID:Xa4XkWs40
ピッチャーがマウンドに倒れこんだ。
遠くてよく見えないが、目から血を流しているようだ。




倒れこんだピッチャーに人が集り始める。

その様子を見ていた観客が一斉にざわめき出した。



熱狂に包まれていた甲子園球場は一転して地獄と化したのだ。



ミ;,゚Д゚彡

これが・・・・・・悪魔の力、なのか?




体にまとわり付いているオーラは一向に消える気配が無い。


もしかして、この悪夢が続くというのか?

80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 18:20:44.47 ID:Xa4XkWs40
この後、八回裏の攻撃はピッチャーの予期せぬ退場によって点数が伸びるかと思ったが、特にその様な
事は無く、美府高校の攻撃は終わる。



しかし、九回表の守備。
そこから地獄はピークとなった。




まず、模羅選手。

( ・∀・)

次に、尾道選手。

( ><)

最後に流石兄弟の弟。

(´<_` )




以上、三名はデッドボールに倒れた。
特に尾道選手は当たり所が悪かったらしく、意識を失ったままタンカーで運ばれていった。


82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 18:32:07.73 ID:Xa4XkWs40
九回裏、美府高校の攻撃。

流石兄弟の兄の変わりに登板していた、

( ^^ω)

マルタスニム選手が、先ほどの流石兄弟、兄と同じように顔面にボールが直撃してタンカーで運ばれる。



そして、疋田先輩。

(-_-)

彼のタイムリーヒットにより三塁がバックホーム。



美府高校 7点、螺雲寺高校 6点。

美府高校の勝利。 





――――悪魔は、約束を守った。


84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 18:35:52.31 ID:Xa4XkWs40
部員の内、誰一人として歓声を上げるものはいなかった。
誰もが、口を閉ざして。



甲子園球場は微妙な歓声と罵声に包まれている。
美府高校側ベンチに物を投げ込む者もいた。



( ^Д^)

( ^Д^)「みんな」

( ;Д;)「お疲れ」


扶偽家先輩の目からぽろぽろと涙が零れていた。
涙の意味は明白だ。


ミ,, Д 彡


校歌が流れる。
こんなものは、聴きたくない。


・・・・・・俺はこんなこと、望んでは無かった。


85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 18:41:08.87 ID:Xa4XkWs40
――――甲子園球場から帰る途中、貸し切りバスが事故に巻き込まれた。


結果から言えば俺は死んだ。
本当に一瞬の出来事。




気づいたら、上空からメラメラと燃えるトラックと、大きくへこんだバスを眺めていた。
足がなく、ふわふわと体が軽い。


バスを見れば、不自然に俺の座っていた場所だけがへこんでいるのは明らかだ。
どうやら俺以外は死んでいないらしい。




ミ,,゚Д゚彡



でも、俺以外に誰も死ななくて本当に良かった。

これ以上、あの人たちが悲劇に巻き込まれる様を見たくない。


87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 18:45:26.84 ID:Xa4XkWs40
ふと、歩道を見ると二つのエスカレーターが目に付いた。



降下して近づいてみると、右側のエスカレーターには「天国行き」と書かれている。
当然進行方向は上だ。

真っ白なベルトで、きらきらと輝くそれは、なんともいえない気品に満ちていた。
しかし、立ち入り禁止の看板が立っていて、入ることができない。



もう一つ、左側のエスカレーターは「地獄行き」。
おどろおどろしいそれは、なんとも近づきたくない雰囲気をかもし出す。
こっちには「ようこそ」と書かれた看板。




ミ,,-Д-彡


・・・・・・どうやら行き先は決まっているらしい。
あの悪魔がそう仕向けたのか。

88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 18:49:53.66 ID:Xa4XkWs40
地獄行きのエスカレーターはすごく長かった。


ミ,,-Д-彡

時間が経つに連れて、あたりが暗くなる。
次第に何も見えなくなるまで真っ暗になってしまった。



空気はシンとしていて冷たい。
夏だというのに震えるくらい寒かった。
息が白くなるほどに。


地獄というのはどんな場所なんだろうか。
想像を膨らませるが、どれも子供染みた発想しか出てこない。



長い長いエスカレーターでの道のり。
その最中で不安と恐怖が俺の心を支配した。

89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 18:56:58.02 ID:Xa4XkWs40
――――どうやら地獄に着いたようだ。

着いて早々、どこからかスポットライトのような光が当てられる。



ミ;,゚Д゚彡


目の前に広がるのは殺風景極まりない空間。


床は大理石のような物質、いや、大理石なのだろう。
ほとんど真っ暗で、遠くには何も見えない。

ずっと、このような殺風景が続いてるのか。




しばらく立ち尽くしていると、後ろからカツカツと足音が聞こえた。
驚いて振り返るとその正体は、


lw´‐ _‐ノv

あの悪魔だった。

90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 19:01:17.29 ID:Xa4XkWs40
lw´‐ _‐ノv「地獄へようこそ、少年」


悪魔は最初に会った下着姿とは違い、フォーマルなスーツ姿だ。
ほぼ全身を黒でつつんだ悪魔は、スポットライトのような光に当てられて明るく輝いていた。



lw´‐ _‐ノv「あ。ちなみにここでは君の思考は聞こえない」

lw´‐ _‐ノv「だからエロい事考えてもいいぞ」


身に着けているものは違えど、変わらない調子でペラペラとまくし立てる。




ミ,,゚Д゚彡「お前が、ここに連れてきたのか?」

ミ,,゚Д゚彡「願いを叶えたからか?」


俺は疑問に思っていたことを口にした。
悪魔に願いを叶えてもらったからここに連れてこられたのではないか、と。


92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 19:06:04.68 ID:Xa4XkWs40
lw´‐ _‐ノv「まあ。そういうことになるかな」

lw´‐ _‐ノv「念願の勝利はどうだった?」


悪魔はニヤニヤとしながら俺に問いかける。
本当にナンセンスな問いかけだ。


ミ,, Д 彡「最低の勝利だったよ」

ミ,, Д 彡「俺は・・・・・・」

ミ,, Д 彡「俺は、こんな勝利など望んでいなかった」


lw´‐ _‐ノv

lw´‐ _‐ノv「少年」


冷たい口調。


lw´‐ _‐ノv「悪魔に心を売るって言うのはそういうことなんだよ」


そして、あのときのような冷たい表情。
青い瞳は底が見えないほど深かった。


93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 19:09:53.88 ID:Xa4XkWs40
ミ;,゚Д゚彡「ふざけるなよ。そもそも俺はあんたなんか呼んじゃいなかった!」


何かを思う前に口が出た。

・・・・・・そうだ。
俺は悪魔なんか呼んじゃいない。
こんなふざけた女など。



lw´‐ _‐ノv

lw´‐ _‐ノv「君は・・・」

「シュー。ここからは私が話をする」


悪魔の声にかぶせるように割って入った男の声。

カツカツ、と音が近づく。


( ФωФ)

立っていたのは白髪の男性。
顎全体に生えた白い髭、背の高い大柄な体系、レトロなスーツ。

94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 19:22:17.96 ID:Xa4XkWs40
( ФωФ)「ここは地獄である」

( ФωФ)「悪魔に頼った愚かな者が堕ちる場所」



スポットライトに照らされた老人が俺に語りかけた。
その声は優しく、心に響くような暖かさ。


ミ;,゚Д゚彡

( ФωФ)

( ФωФ)「君の所属した美府高校野球部はその後、廃部になる」

( ФωФ)「莫大なクレームに絶えかねた校長が下した結論である」



老人が放ったのは信じられないような言葉。

あの歴史ある美府高校の野球部が廃部?
とても信じられない。


96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 19:25:40.98 ID:Xa4XkWs40
ミ;,゚Д゚彡


( ФωФ)「信じられない、といった顔つきだな」

( ФωФ)「だが、真実である」

( ФωФ)「悪魔に頼った報いだ」





ミ;,゚Д゚彡

ミ;,゚Д゚彡「俺は、悪魔なんか呼んじゃいないんだ・・・」



そう。
何故悪魔が俺の前に現れた。
何故俺がこんな目に合わなきゃいけないんだ。

納得がいかない。


97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 19:28:51.53 ID:Xa4XkWs40
lw´‐ _‐ノv

lw´‐ _‐ノv「君は確かに悪魔を呼んだ」

lw´‐ _‐ノv「私は君に呼ばれたから君の前に現れたんだよ、少年」



馬鹿な。


そんなことは無い。
絶対に、無い。


( ФωФ)「君は、全てを失っても良い。何が何でも勝ちたい」

( ФωФ)「そう神に祈ったのだろう?」

ミ;,゚Д゚彡


・・・・・・確かにそうだ。

俺は何としてでもあの試合に勝ちたかった。
みんなで勝利を分かち合いたかった。

98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 19:33:54.50 ID:Xa4XkWs40
( ФωФ)「その勝ちに執着する強い祈りが無意識に悪魔を呼んだ」

( ФωФ)「人という種は愚かである」

ミ;, Д 彡


俺は何も言えなかった。
ただ、俯くしかない。



そんな俺をよそに老人は悪魔に向きを変える。
それを見た悪魔も老人に向きを変えた。

何が起こるんだ?


( ФωФ)「シュー。これで君は100人の罪人を裁いたことになる」

lw´‐ _‐ノv

( ФωФ)「歴史を変える」


・・・・・・歴史を変える?


100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 19:38:51.23 ID:Xa4XkWs40
( ФωФ)「君にも説明せねばならないな」

ミ;,゚Д゚彡


( ФωФ)「このシューという女の悪魔。彼女も君と同じで悪魔に心を売った罪人である」

老人は俺の反応を待たずに語り始めた。
俺の目を見て、優しく。



( ФωФ)「そもそも悪魔とは簡単に言うと、現世に蔓延る欲深き罪人を地獄に送り込む者」

( ФωФ)「そして、100人の罪人を裁けば、自らの欲望の犠牲となった者を私が救済する」

( ФωФ)「それが悪魔のルールである」

ミ;,゚Д゚彡


どういう・・・・・・ことだ・・・・・・?


( ФωФ)「・・・彼女の話をしよう」


102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 19:41:23.67 ID:Xa4XkWs40
*****************



川 ゚ -゚)

生前の彼女には病気の妹がいた。
しかし、両親が蒸発し病気を治す金など無かった。

シューはたった一人の家族である妹を愛していた。
愛しているが故、何としても妹の病気を治したい。



lw´‐ _‐ノv


シューは強く願った。


「この先、私がどうなろうとも構わない。
 何としてでもこの子を助けたい。お願い、神様」


そして、シューは目の前に現れた悪魔に心を売った。


105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 19:44:34.22 ID:Xa4XkWs40
悪魔が去って言った後、シューの体が勝手に動いた。
着いたのはある屋敷の前。


( ´∀`)

地元でも有名な大富豪の家だ。
シューは大富豪と、ある約束をする。


「私の体をあなたにあげる。そのかわり、妹の病気を治して」


大富豪は承諾した。

結果的に、シューは大富豪に体を売ることになったのだ。



翌日には家に莫大な金が送り込まれていたという。



lw´  _ ノv

しかし、シューは無残にも大富豪に殺された。
目を抉られ、乳房をちぎられ、手足をもぎられ、人の形を保っていないほどに。


107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 19:47:49.87 ID:Xa4XkWs40
悪魔に心を売った者はその願いが叶う時、どんな形であれ、死ぬ。
その無残な形がシューのケースだ。




莫大な金のおかげで妹の病気は治った。





ところが、世間の目はそうはいかない。
妹を「自分の病気のために姉の体を大富豪に売り、隠滅するために姉を殺させた残忍な妹」として見たのだ。



日々浴びせられる罵声、暴力。
親しかった者からも蔑まされ、妹は完全に孤立する。


*****************


110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 19:51:44.13 ID:Xa4XkWs40
( ФωФ)「結果、その妹は」

( ФωФ)「自殺した」



lw´‐ _‐ノv


ミ;,゚Д゚彡

俺は言葉が出なかった。
なにも反応できない。


( ФωФ)「欲望の犠牲となる者というのは、罪人が真に幸せを望んだ、その対象である」


・・・・・・ひどすぎる。
あまりにも残酷だ。


ミ;,゚Д゚彡「こ、これが悪魔に心を売った報いだと言うのか?」

( ФωФ)「そうだ」

老人は冷たく言い放った。


112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 19:54:58.90 ID:Xa4XkWs40
( ФωФ)「その時だけ自らの欲望を神に祈り、願うだけで叶えてもらおうとなどする罪人が蔓延る現世」

( ФωФ)「そこに出向き、神の変わりにこの地獄へと連れてこさせる裁き人、それが悪魔である」

( ФωФ)「欲深きものは悪魔の誘いに堕ちる。堕ちる果ては、地獄だ」


ミ;,゚Д゚彡


確かに俺は神に勝ちたいと願った。
そして、悪魔に願いを託した。

だからここにいるのか?



( ФωФ)

( ФωФ)「地獄に来たものは悪魔になる。もちろん君も例外ではない」

( ФωФ)「現世に蔓延る欲深き者を裁いてもらう」


ミ;,゚Д゚彡

え?
俺が、悪魔に・・・・・・?


114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 19:58:33.55 ID:Xa4XkWs40
ミ;,゚Д゚彡「お、俺は・・・・・・・・そんなこと・・・・・・・・」

出来るはずがない。
弱きものを足で踏みつけるような事を。


( ФωФ)「愚か者」

( ФωФ)「自らの力で叶えられないと判れば、神に祈りを捧げる欲深き罪人よ」

( ФωФ)「汝に選択肢は無い」


お、俺は・・・・・・。


( ФωФ)「現世に蔓延る自らを見、裁き、悔い改めるが良い」

ミ;, Д 彡

俺は、俺は・・・・・・。


――――――――――――「欲深き故に罪深き種よ」――――――――――――




          ミ,,゚Д゚彡長い長い、0秒間のキッスのようです おわり

117 名前: ◆24es8un4MA :2010/12/27(月) 20:04:06.88 ID:Xa4XkWs40
あとがき



まず、訂正しちゃってごめんなさい。
ぼけーっとしながら投稿してたらミスってしまった。

あと青春物とか野球物だと思った人。本当にごめん。

こんな人を選ぶような話でもちょいちょい支援があって嬉しかったです。
ありがとう。
ありがとう。


ではまた。

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