mesimarja
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( ^ω^)美味しいカレーのようです
6 名前: ◆qvQN8eIyTE :2011/02/13(日) 20:04:25.40 ID:844bw27f0
とてもカレーが好きな国がありました。
その国は、朝にカレー。昼にもカレー。夜だってカレー。
あげくのはてには三時のおやつでさえもカレーを食べるような国柄でした。

( ^ω^)「カレーうめぇwwwwwwww」

そんなカレー好きな国の中でも、ことさらにカレー好きの男の人がいました。

( ^ω^)「うめえぇwwwwwwwww」

もともとはこの国の中でも平均的な(といっても、一般で考えれば非常識なほどに)カレー好きの彼でしたが、
ふとしたひらめきから、いくらカレーを作ってもこびりつかない鍋を作り出し、巨額の富を得たので、
自分に幸せをもたらしてくれたカレーをさらに輪をかけて好きになるのでした。

( ^ω^)「マジカレーぱねぇwwwwwwwwwww」

今ではこのカレー好きの国有数の権力者となった彼ですが、そんな彼の住まいはもちろん大邸宅。
家から離れた場所にまで、カレーの食欲を誘う香りがぷんと届き、
ふと目を見遣ると、カレー粉で作られたレンガによって組まれた、茶色くスパイシーな壁。

その壁にいくつかある出窓から中を覗けば、壁と同じ色をした、天まで届くかというほどの家屋。

そして象さえ飼えそうなほどの広大な庭では、噴水からやはり茶色いカレーが吹き出ています。
その噴水を取り囲むかのように芽吹くのは、にんじんやじゃがいもなどの葉に、水田の中で風に揺れる黄金色の稲。
茶色と緑色に彩られた庭で、嬉しそうに駆け回るのは健康な鶏や豚。

そうです。彼はカレーを全て自宅で作れるほどに、カレーを愛しているのです。


8 名前: ◆qvQN8eIyTE :2011/02/13(日) 20:07:21.31 ID:844bw27f0
そして、つい最近のことです。彼は最高級の米を生み出しました。
一粒一粒が、どれほど炊いても形を崩すことなくピンと立っていて、適度な甘みと柔らかさを保つ米です。
今まではどちらかといえばナン食派であった彼も、この米を前にしてはカレーライス派に移るしかないほどのお米でした。

( ^ω^)「米うめぇwwwwwwwwwwwwww」

ところが、この米によって彼は深い悩みを抱くことになってしまうのです。
確かに、彼の家はカレーハウスです。
ですが、その極上の家から作られるカレーでさえも、この米には吊り合わなかったのです。

カレーライスは、カレーのスパイスを米のふくよかな甘みで受け止め、うまみをふくらませることによって味の深みを作り出します。
ですが、米があまりにも強いとカレーがただの付属品になってしまうのです。

彼はひたすらに悩みました。
朝に食べるカレーの最中でも、昼に食べるカレーの最中にも、夜に食べるカレーの最中でさえも。
充分においしいカレーを食べながらも、彼は極上の米に吊り合う極上のカレーへと思いをはせていました。
そこで彼はひらめくのです。自宅で極上のカレーを作れないのならば、国中に募集をかければいいと。

( ^ω^)「うはwwwww僕天才wwwwwww」

彼は大々的に募集をかけました。
当然、報酬は望むだけ与えるとのことも。
すると、彼のもとへ何百もの応募者が訪れました。


15 名前: ◆qvQN8eIyTE :2011/02/13(日) 20:10:14.80 ID:844bw27f0
彼はその一人一人のカレーを、極上の米と合わせてしっかりと味わいました。
朝も昼も夜も、間食の時間さえも惜しんで何百種類ものカレーを味わったのです。
様々なカレーが彼の食卓に並ぶ日々が続きます。

( ^ω^)「カレーうめえええええええ」

スタンダードなカレーから、牛、豚、鳥、羊、鹿、兎、蛙、ワニなどの様々な肉を使ったカレー。
七色に変化する不思議なカレー。
マグマのような煮えたぎったカレーから、氷河のように凍えるカレー。

金粉を撒き散らした豪華絢爛カレーが食卓に並んだかと思えば、
次の食卓にはスパイスも具材も何も入っていない、水のようにしか見えないカレーが出された日もありました。

(;^ω^)「でも米のがうまいお……」

それでも、彼の望むカレーはありませんでした。
全てが全て、米の魅力に負けてしまうのです。
やがて、どんなカレーをも否定する彼の姿にあきれ果てたのか、応募者の数も日々を追うごとに減っていきました。

それでも彼は、極上の米に合うカレーを探し続けることをやめはしませんでした。


18 名前: ◆qvQN8eIyTE :2011/02/13(日) 20:13:06.07 ID:844bw27f0
ある日のことです。
そんな彼のカレーで出来た大邸宅に、一人の白衣を着た男がやってきました。

( ^ω^)「君はどんなカレーを持ってきてくれたんだお?」

権力者は今まで何度も抱いた期待を胸に、尋ねます。

(-@∀@)「わたしはカレーを持ってきてはいません」

男はそう答えます。

確かに、彼の両手には荷物らしきものは持たれていませんでしたし、何よりも彼は白衣です。
そんな姿でカレーを持ち運んでしまえば、はねたカレーがたちまち染みになってしまうでしょう。
その恐怖は、このカレー好きの国に住む人にとって、赤子でも知っているような常識でもありました。

キョトンとする権力者を目に、男は言葉を続けます。

(-@∀@)「わたしは料理人ですらありません。確かに、カレーは好きですが、カレーの作り方もわかりません。
      ですが、極上の材料を用意することは出来ます。おたくで雇っているコックにその食材を使ってカレーを作ってもらえば、
      たちまちあなたの望む極上のカレーができるでしょう」

( ^ω^)「うはwwwww長文乙wwwww」

20 名前: ◆qvQN8eIyTE :2011/02/13(日) 20:15:35.58 ID:844bw27f0
男の言葉に、権力者は目を輝かせます。
それほどまでに、彼の言葉には自信が満ち溢れていたのです。
きっとこの男は自分の望むカレーを作ってくれるだろう。

そう確信した権力者は、ふと気がつきます。

( ^ω^)「ところで、その材料はどこなんだお?」

(-@∀@)「ふふふ」

やはり白衣の男の両腕には何もなく、どこにも極上の材料らしきものは見当たりません。
不思議に思う権力者に対し、白衣の男は小さく微笑むと

(-@∀@)「一週間ほどお待ちくださいませ。今日はあなたの期待を膨らませるためにうかがったのです」

と言葉を残して、彼の邸宅を過ぎ去ったのです。


25 名前: ◆qvQN8eIyTE :2011/02/13(日) 20:18:21.89 ID:844bw27f0
場面は唐突に変わります。
ここはカレー好きの国の端にある、大きな研究所。
たくさんのモニターに囲まれた部屋の中には、先程の白衣の男がいます。

(-@∀@)「……」

彼はただ、黙ってモニターを眺めるばかりでした。

(-@∀@)「……お」

すると、そのたくさんのモニターのひとつ、研究所の外の映像が映し出されたモニターに動きがうまれます。
黒塗りの護送車が到着し、中から制服に身を包んだ警官が数人。囚人服に身を包み、拘束された人間が五人。
老人や女性さえもその中に確認できまる囚人たちが、ぞろぞろと順番に出てきました。

/ ,' 3

(*゚ー゚)

( ゚∋゚)

('A`)

(´・ω・`)

彼らはそのまま研究所内へと入っていきます。


28 名前: ◆qvQN8eIyTE :2011/02/13(日) 20:22:01.56 ID:844bw27f0
やがてまた別のモニターに彼らの姿は映し出されます。
そこは体育館ほどの大きさの丸い部屋でした。

壁も床も天井も白で塗りつぶされた空間の真ん中に、腰ほどの高さの白い机がひとつだけぽつんと存在していて、
壁際には五つの寝袋が置いてあります。
机の上には五錠の錠剤が置いてありました。

/; ,' 3

(;*゚ー゚)

(;゚∋゚)

(;'A`)

(;´・ω・`)

ひとつしかない扉から、囚人と警官が入りました。
囚人達は、この窓も何も無いのっぺらぼうな空間に、誰一人違わず驚きの顔を見せます。
警官は特に気にすることもなく、囚人達を机の前に並ばせました。

五人が横一列に並び終えたころに、白衣の男がモニターの部屋から移動して、この真っ白な空間に入ってきました。

(-@∀@)「君らはこの国における恥部であり、死刑囚です」

白衣の男は、この五人を軽蔑の眼差しで見ながら話し始めます。

32 名前: ◆qvQN8eIyTE :2011/02/13(日) 20:25:08.15 ID:844bw27f0
(-@∀@)「君らは、僕の実験の協力をしてもらいます。
      命に関わる、というかほとんど死んでしまうであろう危険な実験のため、なかなか被験者がいなくて困っていたのですが、
      あの権力者のための研究だと警察上部に言ったら、君らを簡単に差し出してくれました」

(-@∀@)「つまり、これから行われる実験が実質的には君らの死刑となるわけです」

囚人達は顔を真っ青にして、彼の言葉に耳を傾けていました。
唐突に刑務所から連れ出された時点で、ある程度の予測はついていたのですが、
それでもこの言葉は、彼らの心を脅かすには充分すぎるほどの恐怖を与えたのです。

(-@∀@)「しかし、老年の囚人、不細工な囚人、筋肉質な囚人、太った囚人、唯一の女囚人。君らに僕はチャンスを与えるのです」

白衣の男は言葉を続けます。

(-@∀@)「君らはこのまま刑に服していたらまず間違いなく死刑によって命を落とすでしょう。
      ですが、君らの前にある机に目をやってください」

五人の囚人は、目の前の机に視線を向けます。
白い机に、白い錠剤が五錠。
それを見る囚人は、五人。


36 名前: ◆qvQN8eIyTE :2011/02/13(日) 20:28:00.64 ID:844bw27f0
(-@∀@)「大体察しがついているでしょうが、君らにはそこの錠剤を呑んでもらいます。
      きっと、この錠剤を呑むことによって君らはほとんど死んでしまうでしょう。
      しかし、生き残る可能性もゼロではありませんし、一週間生き残れたなら釈放してあげましょう」

(-@∀@)「もちろん、拒否権はありません。拒んだ時点で君らは処せられます」

ほぼ一息で言い切った後、ですが、と白衣の男は続けます。

(-@∀@)「ですが、考えてみてもください。このまま確実に訪れる死を待つのか、薬を飲んで生き残るという賭けに出てみるか。
      どちらの方が君らにとって良いのかを」

どこからともなく、息を呑む音が聞こえてきます。
五人の囚人達は、ひたすらに得体の知れないこの錠剤を食い入るように眺めるのみでした。

(-@∀@)「錠剤を呑んで一週間は水も食料もとらなくても大丈夫なようにできてあります。
      寝るときはそこの寝袋を利用してください。では僕はこれにて」

白衣の男はそう言い残して部屋から出て行きます。
続くように、警官たちも出て行ってしまいます。
ただ一つしかない扉が、彼らが出て行った後に締められ、がちゃりという音を立てて施錠されました。

閉ざされた空間に囚人が五人。
彼らはただただ黙して、食い入るように錠剤を眺めているばかりでした。

41 名前: ◆qvQN8eIyTE :2011/02/13(日) 20:30:49.78 ID:844bw27f0
/ ,' 3「わしは飲む」

白衣の男が去ってから数分後、重い沈黙を破ったのは老年の囚人でした。
白髪を乗せた顔に、深く刻み込まれた一本一本のしわが、彼の今までの人生で積んだ経験の多さを物語っています。
彼は、カレーをトイレで食べるという蛮行のせいで死罪にされたのでした。

/ ,' 3「今まで様々な経験をしたが、こんなことは初めてだ。だが、それでもわしは薬を飲んで生き延びたい」

かさついた口から、自分に言い聞かすように呟かれた言葉が、白い空間に響きます。
老年の囚人が一歩踏み出して、机に近づきました。

( ゚∋゚)「なら、俺も飲もう」

筋肉質な囚人がそれに続きます。
鶏冠のように逆立つ髪を持つ彼は、五人の中で一番背も高く、がっしりとした体つきを囚人服に包んでいました。

彼は、カレーと偽って客にビーフシチューを売りつけていたために、
この場所へと来るはめになってしまったのです。

二人が前に踏み出したことで、残る三人の醜い囚人、太った囚人、女の囚人も机へと歩み寄りました。机に乗る五つの錠剤を、五つの手が掴み取ります。
こんなにも軽く小さい薬が自らの命を左右するだなんてと、囚人達は誰一人違わず身震いする気持ちでした。

誰が合図することもなく、五人はほぼ同じ瞬間に薬を飲み込みました。
その様子はしっかりと白衣の男もモニター越しに確認していました。

(-@∀@)「実験開始だ」

静かに白衣の男は呟きます。モニターには五人の姿が変わらずに映し出されていました。

45 名前: ◆qvQN8eIyTE :2011/02/13(日) 20:34:29.32 ID:844bw27f0
(´・ω・`)「特に何も起きてないよね」

太っている囚人が辺りを見回しながら、怯えた目で問います。
背中の中ほどにまである、手入れのされていないぼさぼさの髪が、彼の頭の動きに合わせて、
ふけをまき散らかしながら揺れ動いていました。

(;*゚ー゚)「いや!」

そんな中、唯一の女性である囚人が、切れ長の細い目を驚きに広げながら老年の囚人に向けていました。
対象である老人も、恐怖に目を身広げて、口を魚のようにパクパクとさせるばかりでした。
ですが、自分の身に起きた異変への恐れと理解のしがたさに、言葉を紡げないようでした。

老人を除いたすべての目が、彼に向けられます。

/ ,' 3「……!」

どういうことか、老人の耳からさらさらと茶色い粉が落ちていくのです。
とどまることを知らずに、ひたすらに、さらさらと。
流砂のように両方の耳から粉を落とす老人は、異変にただ怯えるのみです。

そして、やがて一向は気がつきます。
老人の耳たぶが消えていることに。
そう、老人は耳から粉を出しているのではなく、耳が粉末状に崩れているのです。

49 名前: ◆qvQN8eIyTE :2011/02/13(日) 20:37:26.93 ID:844bw27f0
/ ,' ,';,「あ……あ……」

粉は順調に落ち続けていきます。
だんだんと老人の耳がなくなっていきます。
耳たぶから軟骨へと侵食していき、やがては全てを粉に変えます。

一向は、老人も含めて恐怖のあまり、言葉を発することができないままでした。
白く、静かな部屋に、さらさらと茶色の粉の落ちていく音だけが聞こえます。
それはとても異様な空間でした。

/ ,',';,「あ……」

耳が全て粉に変わると、今度は耳のついていたこめかみ付近から粉が落ち始めます。
元来耳があった場所には、小さく黒い穴が開いているだけでした。

こめかみが粉になっていくにつれ、変化の面積は段々と広がりを見せます。
布にたらした色水のように、じわじわと。頬へと、顎へと、喉へと。

/ ,';,「い、いやだ」

ここにきて老人がやっと言葉を発しました。
ついに状況の整理がついたのでしょう。
自らの命の危機に拒絶を示した老人でしたが、ここで残念なことが起きてしまいます。

53 名前: ◆qvQN8eIyTE :2011/02/13(日) 20:40:46.31 ID:844bw27f0
/ ,';,「あああああああああああああああああああああああああああ」

叫んだと時を同じに、彼の顎骨が完全に粉と化してしまい、下顎が地面へとぽとりと落ちてしまったのです。
これで老人には言葉が失われてしまいました。

無情にも粉の進行は続きます。
残った上顎から、鼻、目、額へと侵食していきます。
老人にはすでに立っている力も無いようで、白い床へと体を倒していました。

,';,';,',「……」

頭部を完全に粉末にしてしまった老人は、見紛うことなく事切れてしまっています。
それでも粉は止まりません。
肩へ、腕へ、胸へ、腹へ、腰へ、股間へ、足へ。

やがて粉が止まったとき、老人のいた場所には茶色い粉の山が出来上がっているだけでした。

(-@∀@)「まだまだ、これからが本番だぞ」

白衣の男は、惨劇が終わり、パニックに陥っている囚人達の映ったモニターを見ながら小さく笑いました。
そうです。
まだ実験は終わりではなく、始まったばかりなのです。

54 名前: ◆qvQN8eIyTE :2011/02/13(日) 20:42:31.27 ID:844bw27f0
(;´・ω・`)「助けてくれ!」

太った囚人がどこにあるかもわからないカメラに向けて叫びます。
股間からは小水が滴り落ちています。

もともと彼はちょっとした悪ふざけで、ナイフとフォークを使ってカレーを食べただけのです。
それが原因でこのような異常な空間に入れられることに、彼は憤りとも絶望ともつかない感情を膨れ上がらせていました。

(;゚∋゚)「どうしてこんなことに」

筋肉質の男は、鶏冠のような髪を手でくしゃくしゃにかきながら呟きました。
体格の良い彼ですが、今ではとても小さく縮こまっています。

(;*゚ー゚)「……」

(;'A`)「……」

女の囚人と醜い囚人はひたすらに言葉を失っていました。
女囚人にいたっては、座り込んでしまって立ち上がることもできないようです。

もともと、死の危険は覚悟したうえで、彼らは薬を飲みました。
しかし、いざ目の前で実際に死人が出てしまえば、そんな覚悟など無かったようなものなのです。
まして、このような異様な死に方ならばなおさらでしょう。

しかし、囚人たちが飲んだ薬の効用はしっかりと、彼らの体内で進行しているのです。

58 名前: ◆qvQN8eIyTE :2011/02/13(日) 20:44:46.40 ID:844bw27f0
(;'A`)「あ」

落ち着きを取り戻すことのできない囚人たちの耳に、小さく短い言葉が届きます。
それは無口な醜い囚人から発せられた言葉でした。

顔面にたくさんのでっぱりがあり、整わずにナメクジをはわせたような眉毛、一重の重そうな目蓋、つぶれた鼻に異様に分厚い唇。
そんな醜い囚人ですが、彼が初めてこの場において発言をしたのです。

一行の目が彼へと向けられます。
するとどうでしょう。
筋肉質の囚人は目をひん剥き、太った囚人はさらに股間を濡らし、女の囚人は声にならない悲鳴をあげました。

彼らが見たのは醜い囚人の顔です。
ただでさえ醜かった彼の顔が、どうでしょう。
細かいできものが顔中にあふれているではありませんか。

瞼のできものは彼の重い目をさらに潰し、鼻のできものは彼の潰れた鼻を不自然に高くし、
口のできものは唇を腫れあがらせて、いまや顔の三分の一ほどの大きさにまで成長させてしまっています。

(;´・ω・`)「なんでこんな……」
 
太った囚人が後ずさりながら、醜い囚人を指差して震えた声を漏らします。
どうやら当事者である醜い囚人よりも、太った囚人の方が気を動転させているようでした。
先程おきた老人の奇妙な死からそう時間は経っていないのに、次々と起こる奇怪な出来事に、平常心など微塵も残さず飛ばされてしまったようです。

筋肉質な囚人と女の囚人は、もう言葉さえ発することもできないようでした。

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/13(日) 20:47:11.01 ID:DZo/Wgja0
ただカレー食べたいだけなのにwwww

61 名前: ◆qvQN8eIyTE :2011/02/13(日) 20:47:14.72 ID:844bw27f0
(;'A`)「……」

醜い囚人は鏡も無いこの空間で、自分の顔に生じた違和感にただ戸惑うばかりです。

彼は元来、顔は醜いものの心はとても優しい青年でした。
彼には病で床に伏した母がいます。
彼に醜い顔を与えただけあり、母の顔も当然醜いのです。

J( 'ー`)し「今日もすまないね」

('A`)「良いから、気にしないで」

そんな母に毎日三色、病人用に栄養管理されたカレーをしっかりと作ってあげるほど、彼は親思いな青年でした。
父は彼が幼いころに亡くなりました。

ある日のことです。

彼の母が、比較的体調の優れている日がありました。
せっかくのことと、彼は母を連れて近くのカレー店へ散歩し、できたての高級カレーを二人でたらふく食べたのです。
もちろん余ったカレーはタッパーに詰めて持ち帰りました。

帰り道、悲劇は起こります。

63 名前: ◆qvQN8eIyTE :2011/02/13(日) 20:48:04.66 ID:844bw27f0
J( 'ー`)し「おいしかったね」

('A`)「うん」

彼ら親子の醜さは、近所では知れ渡っていたことでした。
その醜い親子が、二人揃って道を歩いている。
それだけで、彼らに対して敵意を向けるものもいたのです。

二人が歩いている道へ、十歳くらいの男の子が駆け寄ってきました。

('A`)「……?」

何かと見ていると、あろうことかその子供はニヤニヤ笑いながら、彼の母へ握っていた石を投げ、
運悪くそれが彼の母の目に当たり流血してしまったのです。

64 名前: ◆qvQN8eIyTE :2011/02/13(日) 20:49:17.64 ID:844bw27f0
J(;'ー")し「きゃっ!」

(;'A`)「!!」

彼はショックで手に持っていたカレーを落としてしまいました。
その後に沸きあがってきたのは、言い表しようのない怒りでした。

(#'A`)「お前……!」

醜い彼はその少年の髪を掴み、地面に落ちたカレーへと叩きつけました。
何度も、何度でも。
少年を仕向けたであろう母らしき人物の悲鳴が響き渡ります。

そこからの記憶は、彼には特に残っていませんでした。
母や、かの少年の現状は、今の彼には知るよしもありません。


76 名前: ◆qvQN8eIyTE :2011/02/13(日) 20:58:07.65 ID:844bw27f0
醜い囚人と、老年な囚人の症状の違いをあげるとするならば、それは進行の速度でしょう。
老人は症状が出たと同時に、止まることなく崩れていきました。
しかし、醜い囚人の症状は、できものがたくさん顔にあらわれただけで、そこから先は何も変化が起きませんでした。

それは他の囚人も気付いたようで、僅かに落ち着きを取り戻しつつあります。
その様子をモニターで見ていた白衣の男は、静かに呟きます。

(-@∀@)「今日はこれで終わりかな」

彼の言葉通り、そこから先は目立った変化などなく、焦燥しきった囚人たちはやがて、誰が言い出すでもなく寝袋に入ることを決めました。
彼らを襲う恐怖や驚きは、想像以上に彼らの体力を奪ったのでした。
誰一人言葉を発することなく、ただ呼吸の音と、時々混じる嗚咽の声だけが、静かな部屋に響くのでした。

時間もわからず、今が昼か夜かさえもわからないまま、大好物のカレーを口にすることも叶わずに、
ただ一週間という時がせめて自分だけは無事のまま過ぎ去ってくれるのを願うばかりでした。


81 名前: ◆qvQN8eIyTE :2011/02/13(日) 21:00:02.21 ID:844bw27f0
(;´・ω・`)「「あぁ!」」(゚ー゚*;)

悲鳴と共に囚人たちの二日目は始まります。
太った囚人と女の囚人が互いに顔を見合わせて悲鳴をあげたのです。
その声に起こされた筋肉質の囚人は二人の姿を見て、驚きと共に彼に内在していたどこか冷静な心で考えます。

(;゚∋゚)(彼らにも変化が起きてしまった……)

太った囚人のやたら長い髪は、寝癖にしては不自然なほどに重力に逆らって天井へとぴんと立っていましたし、
女の囚人の顔は、不自然なほどに赤らんでいました。

('A`)「ん……?」

やがて顔中をでこぼこに埋め尽くされた醜い囚人も起き上がります。
昨日よりも寝ている間に症状が進んでしまったようで、顔の隆起は激しくなっていました。

(;'A`)「うわっ」

そんな彼でさえも、二人の変化には驚きを隠せなかったようで、ほとんど潰れてしまっていた瞼を精一杯に見開いていました。


85 名前: ◆qvQN8eIyTE :2011/02/13(日) 21:02:25.61 ID:844bw27f0
太った囚人と女の囚人は、互いの反応から自らにも変化が起きはじめてしまったことに気が付きます。
太った囚人は全身から脂汗を滲ませ、女の囚人は金切り声をあげだします。

そして女の囚人は、ここに来る原因となった自分のヒステリーな性格を恨むのです。

(*゚ー゚)「ギコ君っ」

(,,゚Д゚)「なんだ、しぃ」

彼女には恋人がいました。
一流企業に勤め、背も高く精悍な顔つきの好青年でした。
彼女は彼に愛を誓い、一生を彼に捧げるつもりでした。

時には彼女のわがままから喧嘩にも発展することもありましたが、彼女にとっては全て順調に進んでいた恋でした。


132 名前: ◆qvQN8eIyTE :2011/02/14(月) 02:09:34.85 ID:GYYpPLA70
(,,゚Д゚)「……終わりにしないか?」

(;*゚ー゚)「……え?」

しかし、前ぶりもなく彼女は恋人にふられてしまいます。
お洒落なカレーのバーでのことでした。
薄暗いバーの中、落ち着いたジャズミュージックと同時に入ってきた別れの言葉。

それは彼女の平常心を失わせるには充分すぎる言葉でした。

仕事が忙しくなったとか、彼女への関心が薄れたとか、その他多くの理由が彼の口から語られましたが、
彼女の耳にはすでに入っていません。
ただただ、彼女の中では悲しみと悔しさと怒りが折り重なり、混ざり合っていたのです。

(* ー )「なん、で……?」

今までの日々が思い返され、それが決して二度と掴むことのできないことなのだと彼女が理解したと同時、
彼女の手はカレーの入ったグラスを掴み、隣に座る元恋人へ投げつけていたのです。

(*;ー;)「なんでよっ!!」


134 名前: ◆qvQN8eIyTE :2011/02/14(月) 02:11:12.29 ID:GYYpPLA70
さて、囚人たちへと話を戻します。

太った囚人と女の囚人は確かに相当取り乱しました。
しかし、老人や醜い男とは違い、二人はまったく症状に進行が見られません。
そのことから太った囚人と女の囚人は僅かに平常心を取り戻すことができました。

(;*゚ー゚)

(;´・ω・`)

(;゚∋゚)

(;'A`)

彼らは特に言葉も交わすことなく、静かに時は過ぎていきます。
一刻が過ぎるごとに絶え間なく襲いかかる死の恐怖が、彼らの精神を蝕み続けるのです。
そんな中、一人だけ沈み込んだ心に僅かな喜びを見出した人物がいました。

( ゚∋゚)「……」

筋肉質の囚人です。
最初に死んでいった老人はもちろんのこと、太った囚人、女の囚人、醜い囚人に異変が起きていく中、
彼だけが何もおきていなかったのです。

それどころか、すこぶる体調もよく、いつもよりも心なしか体が軽く感じていました。

135 名前: ◆qvQN8eIyTE :2011/02/14(月) 02:12:43.57 ID:GYYpPLA70
筋肉質の囚人は考えます。

( ゚∋゚)

ほとんど死ぬと白衣の男が言っていたのだから、きっと俺だけが生き残り、俺以外のみんなが死んでくれるのだろうと。

( ゚∋゚)

そして、もし生きて帰れたのなら、もう決してビーフシチューをカレーと偽って売ったりはしないと、
心の中の神に誓うのでした。


137 名前: ◆qvQN8eIyTE :2011/02/14(月) 02:14:56.65 ID:GYYpPLA70
それにしても、とにかく静かな部屋です。
誰が見ても退屈するであろう部屋です。

なんせ、あるのは机と寝袋と茶色い粉の山。
そして恐怖に怯える囚人が四人いるだけなのですから。
そんなつまらない部屋を、四六時中休むことなくモニターで監視する人がいます。

(-@∀@)「ふふ」

白衣の男です。

彼は昨夜に、数十分ほどの仮眠をとりましたが、
それ以外の時間は、ひたすらにモニターへと目を向けていました。
あの錠剤はこの白衣の男が開発したもので、この実験は彼が錠剤の効能を試す、いわば自分の子どもの発表会のようなものなのです。

(-@∀@)「ふふふ」

証拠に、白衣の男は寝不足から塞がろうとする瞼をこすりつつも、目は喜びでらんらんと輝いていました。
そして、その目が一層輝くときがくるのです。

(-@∀@)「おおっ!」

(;'A`)「うわっ!」

醜い男の悲鳴が響きます。
彼の顔に生じていた違和感が、一層大きくなったのです。
それは大変な痛みと共にやってきました。

138 名前: ◆qvQN8eIyTE :2011/02/14(月) 02:17:16.37 ID:GYYpPLA70
彼の顔にできたでこぼこは、今までたいして痛むことなどありませんでしたが、唐突に痛み出したのです。

(;´・ω・`)「ひぃっ!」

(;*゚ー゚)「きゃっ」

(;゚∋゚)「う……」

他の三人が彼に目を向けると、三者三様の悲鳴をあげました。

それもそのはず。
彼の顔にあったできものから、たくさんの柔らかい産毛がはえ、さらには彼の皮膚を突き破り、深緑の新芽をもが顔を出していたのです。
醜い囚人は内側から強い力で皮膚を裂かれる痛みに顔をさらに醜くゆがませるのみ。

(;'A`)「あぁ……」

そして、彼の脳内には最初に死んだ老人が浮かびます。
老人の死に際と、今の自分の状況を重ね合わせ、なによりも先に絶望するのでした。

(;'A`)「かーちゃん……」

最後に見た、目から血を流す母の姿。
そんな母が、今では身よりもなく一人でどうしているのか。

140 名前: ◆qvQN8eIyTE :2011/02/14(月) 02:19:47.55 ID:GYYpPLA70
J( 'ー`)し

顔にはしる激痛と、死の恐怖で彼の体から抜けていく活力が、母の姿を思い起こさせます。
もう二度と見ることのできないであろう、自分にとって唯一の肉親を思い、醜い男の潰れた目から、ぽろぽろと涙がこぼれるのでありました。
その涙がいまや人間の顔ではない彼の頬へとつたうと、なんということでしょう。

奇跡が起きたのです。

('A`)「え……?」

痛みが一気に引き、新芽はそれ以上育つことなく、唐突に起きた変化は、唐突に止まったのです。
絶えず響いていた断末魔の声が尻すぼみに消えていきます。

三人の囚人は驚き、口をあんぐりと開けています。
ですが、一番驚いたのは醜い囚人でした。
あんなに皮膚に刻みつけられた痛みは完全に消え去り、新芽が出て裂けてしまった傷の痛みすらも感じません。

('A`)「……?」

しばらく呆然とした後、彼は彼なりの理由をつけました。
自分の母を思う心が奇跡を起こし、自分を助けたのだと。

(;゚∋゚)「大丈夫なのか?」

筋肉質の囚人が恐る恐る尋ねます。
泣いたために目を真っ赤に腫らした囚人は、さらに醜くなった顔に小さな笑みを浮かべて頷くのでした。

('∀`)「うん」

141 名前: ◆qvQN8eIyTE :2011/02/14(月) 02:21:51.16 ID:GYYpPLA70
同時に、醜い囚人に酷い睡魔が襲いかかります。

(ぅA`)「……ふぅ」

それはもう、数十秒と起きていられないほどの睡魔でした。
心配そうに見つめるほかの三人を尻目に、醜い囚人は先程までの絶望からの切り替わりを変に思いながらも、
そそくさと寝袋に入るのです。

(-A-)「……おやすみ」

そして彼は二度と、目覚めることはありませんでした。
 
翌朝、体内時計でなんともなしに朝の訪れを感じた三人の囚人は寝袋から出てきます。
この実験が夢であることを祈りながらも、目覚めてしまい、現実であることの再確認を強いられ、
絶望しながら起きるのです。

142 名前: ◆qvQN8eIyTE :2011/02/14(月) 02:24:00.93 ID:GYYpPLA70
しばらくの時間が流れます。
それでもまったく寝袋から出てくる気配のない醜い囚人を変に思い、女の囚人が彼の寝袋へと近寄ります。

(;*゚ー゚)「どうしたの……?」

声をかけながら顔を覗き込み、そして女の囚人の甲高い悲鳴が部屋に響くのです。

(;*゚ー゚)「っ! きゃあぁぁあああ!」

慌てて駆け寄った二人の囚人も同じように悲鳴をあげました。
 
(;´・ω・`)「ひぅっ」

(;゚∋゚)「うぅ」

(-∀-)

醜い囚人は、幸せそうな寝顔で死んでいました。
顔を通常では考えられないほどでこぼこさせ、ところどころに新芽を出し、
全体には柔らかな産毛をはやし、そして昨夜までは人間の肌色であったはずの顔を、土色に変色させて死んでいました。

(-∀-)

あまりにも醜い顔にはられた幸せそうな寝顔が、まるで不思議なお面のように見えるのでした。

143 名前: ◆qvQN8eIyTE :2011/02/14(月) 02:26:22.91 ID:GYYpPLA70
さて、これで囚人たちの恐怖はさらに肉迫したものとなります。
老人も、醜い囚人も、最後は人と言えるような死に方ではありませんでした。
そして、少なくとも太った囚人と女の囚人は、少しずつ人間離れした姿へと変わっているのです。

(;*゚ー゚)

女の囚人は昨日よりもさらに赤みを増して、夕日のような皮膚になっていましたし、

(;´・ω・`)

太った囚人は逆立つ髪のほかに、皮膚にうっすらと縦方向に等間隔で何本かの筋が入っていたのです。
二人はこれに気がつくと、最初にやはり大きな悲鳴をあげました。
この白い部屋に連れられてから、はたして何度目の悲鳴でしょう。

そして、太った囚人はまた小水を股間からたらし、女の囚人は泣き叫ぶのです。

( ゚∋゚)

そんな彼らを見て、心の中で筋肉質の囚人はほくそ笑みます。
やはり彼の身体には目立つ異変は起きていませんでしたし、自慢の筋肉に包まれた身体も、
昨日よりさらに軽く感じているのです。

そして醜い囚人が死んだのも、彼にとっては吉報でありました。
他の囚人が死ねば死ぬほど、自分が助かる可能性が高くなるのだと、彼は微かな罪悪感とともに考えているのです。
この異常な空間は、彼から道徳的な考えを奪い去ってしまったのでした。


145 名前: ◆qvQN8eIyTE :2011/02/14(月) 02:29:21.48 ID:GYYpPLA70
さぁ、大変なのは異変の起こっている太った囚人と女の囚人です。

まず、女の囚人の変化は真っ赤な肌だけで収まりませんでした。

(;*゚ー゚)「うぅ……」

関節の一つ一つが思ったように動かなくなってきたのです。
指を開こうとしてもなかなか開かず、骨の軋む感覚を覚えながら、やっとのことで開くのです。
それは指におさまらず、全身に広がっていました。

(*;ー;)「いや……」

彼女はランダムに命を奪っていく死に神の目が、今度は自分に向けられたのだと悟りました。
しかし、身体も満足に動かせなくなった彼女にできるのはただ泣き叫ぶのみ。
骨をぎしぎし軋ませながら、彼女はヒステリックに叫びながら泣き続けるのでした。

(*;ー;)「いやぁぁぁあああああああああ」


147 名前: ◆qvQN8eIyTE :2011/02/14(月) 02:32:00.46 ID:GYYpPLA70
そして、女の囚人の泣き声が響き渡る中、太った囚人は湿っている股間など気にせずに、必死に逆立つ髪を下ろそうとしていました。
根拠はありませんが、髪の異変を戻すことで、進行してしまっている異変そのものを戻すことができるのではないかと考えたのです。
しかし、彼の髪は長く、彼の腕は短かったのです。

(;´・ω・`)「ふんっ! ふんっ!」

なかなか髪の先まで手が届かず四苦八苦していました。
そこで、彼は頼むのです。
鶏冠頭の筋肉質な囚人に。

(;´・ω・`)「ちょっと髪を降ろしてくれないか?」

( ゚∋゚)「……」

彼は他人の異変が止まってしまうのをこころよく思ってはいませんでしたが、
それでも頼まれたことは断れませんでした。
ましてや太った囚人にとって、それは命に関わる頼みごとだったのです。

背の高い筋肉質な囚人は、軽々と太った囚人の逆立つ髪の頂点を掴みます。

( ゚∋゚)「これを掴んでおろせばいいんだな?」

(;´・ω・`)「た、頼むよ」


149 名前: ◆qvQN8eIyTE :2011/02/14(月) 02:34:54.92 ID:GYYpPLA70
必死に頼みこむ太った囚人に、心中で舌打ちしながら彼は髪を下へと引っぱりました。

( ゚∋゚)「ふんっ」

するとどうでしょう。
想像以上に簡単に太った囚人の髪の一部は下へと降りていきました。
それだけではありません。

(´゚/ω/゚`)「アッー!」

彼の皮膚にうっすらとはいった筋に沿って、彼の髪は皮膚ごと落ちていったのです。
声にならない悲鳴が、女の囚人の泣き声を塗り替えていきます。

(;゚∋゚)「うっ!」

驚いた筋肉質の囚人は手を止めましたが、それでも太った囚人の髪は、彼の皮膚を連れて地面へと落ちていきます。
皮膚の下が筋に沿って露わになった太った囚人は、痛みに我を忘れて叫びます。

(´゚/ω/゚`)「ぎゃあああああああああああああああああ」

すると、今度は筋肉質の男が何もしていないのに、自然と太った囚人の髪がどんどんと下りてくるではありませんか。
もちろん皮膚も筋に沿って剥がされていきます。
服すらも、皮膚と合わせて裂けていきました。


150 名前: ◆qvQN8eIyTE :2011/02/14(月) 02:36:39.06 ID:GYYpPLA70
(´゚/ω/゚`)「ひぎゃああああああああああああああああああああああああ」

やがて彼は、全裸になります。
彼の足元には、つい先程までまとっていた衣服や皮膚が落とされていました。
脂肪に固まった身体や、腹部の肉に埋没している男性器が丸出しになっても彼は気にしませんでした。

(´゚/ω/゚`)「いたいいたあいたいいいたいいいいいいいいいい」

むしろ、気にする余裕などはありませんでした。
露わになった筋肉に、全身をはしる血管。
顔を覆う皮膚もはがれているため、目や鼻、口といった部品は残っているものの、人相は完全に別のものに変わってしまっています。

不思議なことに出血はないものの、全身の神経を引きちぎられたかのような痛みが、ずっと太った囚人を苦しめました。
まるで彼は、生きる人体模型のような姿でした。

(;゚∋゚)「……」 

太った囚人の皮膚をその手で剥いでしまった筋肉質の囚人は、鳥肌が止まりませんでした。
それは、いくら時間が経ってもおさまる気配を感じさせませんでした。

151 名前: ◆qvQN8eIyTE :2011/02/14(月) 02:39:17.82 ID:GYYpPLA70
地獄のような空間でも、時間は平等に流れます。
やがて三日目も終わりに近づき、彼らも平常なら眠りにつくであろう時間となりました。
ですが、彼らには睡眠をとるなどという人間的な余裕はすでに奪われています。

(*;ー;)

(´゚/ω/゚`)

(;゚∋゚)

女の囚人はいったいどこに溜め込んでいたのかと思うほどの涙を、その真っ赤な頬に流し続けていましたし、
太った囚人はひたすら痛みに叫び声をあげていましたし、
筋肉質の囚人は、その手で人の皮膚を剥いでしまった感覚が脳裏に焼きついてしまったのです。

(-@∀@)

そんな彼らをモニター室で観察する白衣の男は、寝不足で赤く充血した目をよりいっそう大きく輝かせていました。


157 名前:さるやべぇ ◆qvQN8eIyTE :2011/02/14(月) 03:16:45.70 ID:GYYpPLA70
さぁ、囚人たちは一睡もせずに四日目へと突入します。
この日最初に自らの異変に気付いたのは、誰よりも自分が生き残る確率が高いと考えていた筋肉質の囚人でした。

(;゚∋゚)「う……」

彼は二日目から、自分の身体を軽く感じていましたが、それは体調が良好のためだと考えていました。
ですが、四日目に入り、彼の身体はさらに軽く感じていたのです。
その上、三日目にたった鳥肌が、いまだおさまらないことを疑問視し、やっと気が付いたのでした。

(;゚∋゚)「うぅ……」

体が軽いのは体調の問題などではなく、れっきとした異変だということに。
 
次に深い絶望を味わったのは、太った囚人です。
皮膚もなく、全てを丸出しで一夜を過ごした彼が、ふと自分の痛んだ身体に目をやると、
昨日と同じような筋が、今度は筋肉にあらわれていたのです。

(´゚/ω/゚`)「ひぃぃぃぃいいいいいい」

そして、昨日のできごとを思い返し、皮膚と同じように筋肉が筋に沿ってめくれてしまうことを想像しては、
死の恐怖に襲われるのでした。

158 名前: ◆qvQN8eIyTE :2011/02/14(月) 03:20:12.07 ID:GYYpPLA70
(*;ー;)「あ……あ……」

そして一番の問題は女の囚人です。
真っ赤になってしまった彼女の手足は、関節が完全にくっついてしまい、棒のようになってしまいました。
これでもう彼女は自力で動くことができません。

(*;ー;)「あぁぁ……」

彼女の涙は枯れることを知らず、垂れ流しのような形で彼女の硬くなった身体を降りていくのです。
 

最初は机と寝袋、そして五錠の錠剤しかなかったこの白い部屋ですが、
今では茶色い粉の山、土色の変色した芽を顔から出している醜い死体、皮膚のめくれた男、真っ赤に固まった女、唯一人間らしい姿の筋肉質の囚人、
そしてそこらに垂れ流されている尿と涙の跡。

たった四日という時間の経過で、純白だった部屋はこれほどまでに汚れていくのです。

すすり泣きと痛みをこらえるうめき声だけが、この白い部屋に響き渡ります。
そんな中、突如奇声が響き渡るのです。

(#゚∋゚)「あああああああああああああああああああああああ」
 
筋肉質の男でした。

159 名前: ◆qvQN8eIyTE :2011/02/14(月) 03:23:25.25 ID:GYYpPLA70
鶏冠のような髪を振り回し、充血した目は飛び出るかというほどにまでひん剥かれ、
口は唾液を流しながら、筋肉質の囚人は叫んだのです。

(#゚∋゚)「あああああああああああああああああああああああ」

屈強な見た目とは裏腹に誰よりも心が弱く、今までは自分だけが生き残ると信じていた、
そんな彼が四日目にして自分の身に起きた異変に気が付いたのです。
その衝撃は、なんとか自分が有利な状況であることだけを考えて正気を保っていた彼の精神を破壊するには充分すぎるほどのものでした。

(#゚∋゚)「あああああああああああああああああああああああ」

奇声を上げながら彼は立ち上がります。
すると、彼の両方の足首が後ろへと折れ曲がり、踵がふくらはぎへとぶつかりました。

(#゚∋゚)「ああああっ!」

今度はその衝撃ですねがくの字に折れ曲がります。
重力に逆らわず膝をついた彼は、膝から大腿部にかけて複雑に崩れていきました。

(#゚∋゚)「あああっ!」

161 名前: ◆qvQN8eIyTE :2011/02/14(月) 03:27:08.60 ID:GYYpPLA70
こうなると次に地面にぶつかるのは腰です。
垂直に腰を打った彼は、不自然な形で背中を折り曲げ、それなりの勢いを持って頭を床へとぶつけてしまいます。

(# ∋ )「あっ!」

平常の彼ならば、額にコブを作って終わりだったのでしょうが、今回に限り彼には異変が起きています。
異様に鈍い音を立てたかと思うと、体の角度に対し、不自然に後ろに折れ曲がった首と、床にあわせてへこんだ額。
彼が頭をぶつけた床には、大量のどす黒い血がどんどんと広がっていきました。

三人目にして、初めての出血をともなう死者が出たのです。

(*;ー;)

(´゚/ω/゚`)

そして、気が狂い死んでいった筋肉質の囚人を見ても、残った二人の囚人は大きく取り乱すことはありませんでした。
その目に恐怖を滲ませてはいるものの、すでに自分の身体も人外のものとなり、
慌てふためく余力も残っていなかったのです。

女の囚人は静かに泣き続け、太った囚人は痛みにもがき苦しむばかりでした。

162 名前: ◆qvQN8eIyTE :2011/02/14(月) 03:30:36.38 ID:GYYpPLA70
五日目です。
この日は、二人ともさらに症状が進行してしまいました。

(*;ー;)「……」

真っ赤になり、固まってしまった女の囚人ですが、辛うじて生きていられたのは内臓がまだ生身だったためです。
その内臓さえも、異変は侵食し始めたのです。
胃が固まり、腸が固まり、肝臓が固まり、膀胱が固まりました。

(*;ー;)「……!」

だんだん体内で起きていく変化を感じ取った彼女は、数日間続いていた涙をさらに増やします。
それでも変化は止まず、肺までも固まってしまいます。
空気をいくら体内に取り込んでも、肺がそれを受け付けなくなってしまったのです。

(*;ー;)「……! ……!」

吸えども吸えども、息は苦しくなるばかり。
真っ赤に染まってしまった身体も固まり、内臓も固まってしまった彼女は、
それでも生きようと最後の最後まで空気を取り込もうと必死になりました。

(*;ー;)「……!」

しかし、異変は止まらず、無常にも彼女の脳や、心臓さえも固めてしまったのです。

(* ー )「……」

五日目にして、やっと彼女の涙が止まった瞬間でした。

164 名前: ◆qvQN8eIyTE :2011/02/14(月) 03:34:02.31 ID:GYYpPLA70
(´゚/ω/゚`)「……!」 

さて、一人残された囚人も気が気ではありません。
彼の筋肉が、遂に筋に沿ってめくれ始めてきたのです。
それは強烈な激痛をともなってやってきました。

(´゚/ω/゚`)「ぴょ……!」

頭の肉が剥がれ、頭蓋骨が見えてきます。
筋肉の中をはしる血管や神経が音を立ててちぎれていきます。
だんだんと肉は下へと向かい、首やあばらの骨を露わにしながら、筋に沿って一枚一枚落ちていきました。

(´゚/ω/゚`)「ひぎゃあああああああああ」

太った囚人は痛みに我を忘れてもがき苦しみました。
やがて全ての肉が落ち、残ったのは骨と内臓。
それでも不思議なことに、彼は生きていました。

(    )

零れ落ちそうになる眼球を眼孔に必死にとどめながら、骨で内臓を包んだ不可思議な姿になった彼は思うのです。

もしや、自分はこの姿のまま生きながらえるのではないのかと。

167 名前: ◆qvQN8eIyTE :2011/02/14(月) 03:38:38.32 ID:GYYpPLA70
翌日、六日目です。
彼の骨に筋が入り、やはり筋に沿ってめくれていきます。

「……!」
 
さらに翌日、最終日の七日目です。
内臓と脳と眼球だけという不気味な格好になった彼が、さらに残された部位もめくれていきます。
脳がめくれ、それに繋がる視神経ごと目もとられ、最後に内臓が全て落ちたとき、彼は気が付くのです。

「……」

全てを失った状態でも、魂だけ。つまりは透明人間として生きていることに。
 
太った囚人は喜びました。
どんな形であれ、自分は何故か死ななかったことを。
自分だけが生き延びたことを。

「……!」

そして、一週間開かなかった部屋の扉が、外の力によって開かれます。
自由が待ち受けている外の世界に、太った囚人は心をときめかしました。

するとどうでしょう。開く扉の風圧に、僅か二十一グラムしかない彼の魂は吹き飛ばされ、
誰の知ることもない場所へと飛ばされてしまったのでした。

168 名前: ◆qvQN8eIyTE :2011/02/14(月) 03:42:05.24 ID:GYYpPLA70
/ ,' 3

(*゚ー゚)

( ゚∋゚)

('A`)

(´・ω・`)


部屋に残った、茶色い山、でこぼこの死体、体中の骨が折れて血抜きの済まされている死体、赤く硬直した死体、太った囚人のめくれた跡。

(-@∀@)「実験成功だ」
 
白衣の男は部屋の中に入ると大きく笑い、それらを外へと運び出すのでした。

170 名前: ◆qvQN8eIyTE :2011/02/14(月) 03:45:31.75 ID:GYYpPLA70
( ^ω^)「これはとても素晴らしいチキンカレーだお」

カレーハウスに住む権力者は大きな声で目の前のカレーを褒め称えました。
彼の作り出した極上の米に吊り合う、極上のカレー。
探し続けたものが、白衣の男の手によって彼の前に現れたのです。

(-@∀@)「そうでしょう。僭越ながら説明させていただきます。まずはカレー粉。
      人生においての経験はスパイスと申しますが、それはもう多分に経験豊かなものを用意させていただきました」

(-@∀@)「そして、鶏です。こちらは活発に運動し、適度に筋肉のついた鶏をしっかりと血抜きしたものです。
      余談ですが、人間が鳥のように飛ぶには、骨を極端にスカスカにしなければいけないらしいです。こわいですね」

(-@∀@)「そしてじゃがいも。見た目は醜い野菜ですが、皮をむいてみればなんと美しいことか。
      適度な甘みがカレーのスパイスをひきたてます。じゃがいもの芽にはソラニンという毒が含まれていて、
      多分に摂取すると昏睡状態のまま死に至るそうなので、そこは抜かりなく除去しております」


171 名前: ◆qvQN8eIyTE :2011/02/14(月) 03:49:02.08 ID:GYYpPLA70
(-@∀@)「ニンジンはとても美容によい野菜ですが、こちらも美しいニンジンを用意させていただきました。
      とても硬いニンジンもしっかりと熱を通せばこんなに柔らかくなるんですね」

(-@∀@)「さぁ、たまねぎです。肉厚のものをあめ色になるまで炒めれば、それだけで極上の一品となるのです。
      そういえば、食いしん坊のゴリラがたまねぎの皮をむいても実がなくて驚く童謡がありましたね」

(-@∀@)「それから、それから」

( ^ω^)「カレーうめぇwwwwwwww」
 
人間を食材に変える薬を発明した白衣の男の説明は続きます。
しかし、そんな彼の説明もどこ吹く風で権力者はひたすらにカレーを口へと運び込みます。

彼の胃へと入っていく囚人たちは、やがて権力者の血となり肉となり、彼とともに生きていくのでしょう。
ほとんど死んでしまった彼らも、このように形を変えて生きていくのでした。






めでたし、めでたし。

179 名前: ◆qvQN8eIyTE :2011/02/14(月) 04:05:24.67 ID:GYYpPLA70
これにて( ^ω^)美味しいカレーのようですは終了です。
夜遅くまでごめんね。
読んでくれた人、支援してくれた人、反応してくれた人、カレーについて語った人。
皆に感謝。最後のあとがきを許さない猿にもとりあえず感謝。

まとめはご自由に。
質問あったらどうぞ。
寝るまでだったら答えます。
寝ちゃってたら、起きてからスレが残っていれば答えます。

あと牛筋カレーは至高。

180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 04:10:44.04 ID:c8bZCFm60
乙カレー
つーか村人かよwwww

182 名前: ◆qvQN8eIyTE :2011/02/14(月) 04:17:33.62 ID:GYYpPLA70
>>180
そうだよ
お久しぶり

あとお前ら
ハッピーデスバレンタイン

183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 04:24:44.37 ID:RJesm6YEO
うるせぇ寝ろ(´;ω;`)

最後のアサピーの説明の「とても堅いニンジンでも~」のくだりにも、何か隠喩みたいなものがあるの?
しぃが堅い性格だったって意味?

184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 04:31:17.17 ID:UyfsGw4bO
しぃの罪ってなに?

185 名前: ◆qvQN8eIyTE :2011/02/14(月) 04:35:15.69 ID:GYYpPLA70
>>183
ニンジンだけは本当に死因を最後まで悩み続けたんだ。
どんだけ調べても死なないのあれ。どんどん健康的になっちゃうの。
いっそのこと健康すぎて死ぬとかやってみようとか思ったけど、簡単に固めて殺しました。
だからニンジンだけは何の隠喩でもなく、そのままの表現です。

>>184
恋人にカレーをぶっかけ。
他の囚人を見てもらえばわかるように、この世界観ではどんな些細なことでもカレーを粗末に扱えば死刑なのです。

187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 04:40:44.83 ID:ZmBZMes80
カーチャンはどうなるの?

189 名前: ◆qvQN8eIyTE :2011/02/14(月) 04:53:44.97 ID:GYYpPLA70
>>187
カーチャンについては何も考えていないので、想像に任せます。
無傷もよし
失明もよし
力に目覚めて勇者を狩るのもよしなのです。

199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 11:51:20.42 ID:oHcIBAfYO
乙カレー
面白かった
アサピーは研究のスポンサーが欲しくてブーンに最高の材料を渡したのか?

それとも、自分の研究の延長で渡したの?

202 名前: ◆qvQN8eIyTE :2011/02/14(月) 12:49:50.86 ID:GYYpPLA70
まだスレ残ってるとか胸熱

>>199
お金も目当てではありましたが、主に後者が理由です。
文中にもあるように、自分の薬を試したくて仕方がなかったのです。

コメント

グロかったけど凄く面白かった
ただ、ドクオが可哀想すぎて泣いた
まとめさん乙です
[2011/05/16 12:17] URL | #8nia95QE [ 編集 ]


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