mesimarja
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lw´‐ _‐ノv星を見に行くようです
2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/25(日) 20:50:45.91 ID:mS/jupPy0

冬休みを間近に控えたある放課後、少女は呟いた。

lw´‐ _‐ノv「あー。暇だ。暇すぎて死にそうなくらい暇だ」

そんな嘆きに応答するのは一人の冴えない少年だった。

('A`)「シュー先輩……今更何言ってんですか。この部活が暇なのはいつものことでしょう」

lw´‐ _‐ノv「いやどっくん、そうじゃなくてだね」

lw´‐ _‐ノv「クリスマスの予定がね、ないのよ」



   lw´‐ _‐ノv星を見に行くようです





4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/25(日) 20:51:56.79 ID:mS/jupPy0

('A`)「……恋人とか、いないんですか?」

lw´‐ _‐ノv「そんなもんがいたら、今頃私は嘆いてなんかいませんよ」

('A`)「ですよね」

シューは目の前の机にだらりと身を預けながらぼやく。
長い髪が机に散らばる。

lw´‐ _‐ノv「あー。暇だー……」

lw´‐ _‐ノv


lw´‐ _‐ノv「あ、そうだ」

('A`)「……またろくでもないこと考え付きましたか?」

どっくんことドクオが突然声を上げたシューにツッコミを入れる。
しかし彼女は表情も変えずに答えた。

lw´‐ _‐ノv「どっくんたら相変わらず失礼だね。私だって、たまにはまともなことを言うよ!」

('A`)「たまになんですね」

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/25(日) 20:52:43.12 ID:mS/jupPy0

lw´‐ _‐ノv「たまにだよ。そんなことより」

lw´‐ _‐ノv「私は実にナイスな提案をしたいわけだよ」

('A`)「はぁ」

ドクオはやはりあきれ顔だ。
シューの言うことはいつだって突然で、面倒なことばかりだった。
この部活に入って一年も経たない彼だが、それはすでに痛感していた。

lw´‐ _‐ノv「私と同じように暇そうな君だから、まずは話そうと思う」

('A`)「事実とはいえ失礼ですね」

lw´‐ _‐ノv「お互い様さ! ……でね、その提案というのは」

シューが人差し指を立て得意気に口を開こうとしたその時。

がたん、勢い良く戸が開いた。

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/25(日) 20:53:29.65 ID:mS/jupPy0

川 ゚ 々゚)

部屋の外には鋭い瞳を持つ少女が一人。
その少女はつかつかとドクオに歩み寄ると、元気な挨拶をした。

川 ゚ 々゚)「こんにちは、ドクオ君!」

(;'A`)「……こ、こんにちは」

lw´‐ _‐ノv「ああ、くるうちん、こんにちは」

川 ゚ 々゚)「……シュー先輩もいたんですね」

くるうは鋭い視線をシューに向ける。
しかしシューがそれに気付いても臆することはない。

lw´‐ _‐ノv「いたよ。もっと言えばどっくんより先に部室にいたよ」

くるうがやって来たことで賑やかさが増す。
シューとくるうの奇妙な温度差と微妙に噛み合わない問答は漫才のようでもあった。

川 ゚ 々゚)「それで、何のお話をしていたんですか?」

くるうはシューの斜向かい、ドクオの隣に座って訊ねた。
ドクオが距離を取ろうとしても、ぴったりくっついて離れない。

lw´‐ _‐ノv「クリスマス暇だね、って話」

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/25(日) 20:54:14.17 ID:mS/jupPy0

川 ゚ 々゚)「彼氏とか、いないんですか?」

lw´‐ _‐ノv「ああ、もう! 後輩が揃いも揃って年頃の乙女の精神に攻撃してくるよ!」

川 ゚ 々゚)「ドクオ君も、先輩に同じこと聞いたんですか?」

(;'A`)「聞いてない!」

苦手なくるうと同じは嫌だ、と心の中で叫ぶドクオ。
しかしシューは僅かに口角を上げて言った。

lw´‐ _‐ノv「照れんなよ。聞いてきたでしょうが」

川*゚ 々゚)「ほら……ドクオ君、私達、やっぱり赤い糸で繋がってるんだよ」

くるうがドクオに抱き付く。

(;'A`)「ひぃ!」

ドクオは顔を青ざめさせて必死に逃れようとするが、くるうは万力のような力でそれを許さない。
ドクオが非力なだけではない、本気のくるうは怪力だった。

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/25(日) 20:54:57.60 ID:mS/jupPy0

lw´‐ _‐ノv「ひゅーひゅー。妬けちゃうね」

(;'A`)「見てないで助けてくださいよ!」

川*゚ 々゚)「うふふ……は な さ な い」

lw´‐ _‐ノv「くるうちん怖いからイヤ」

(;A;)「裏切り者ー!」


そんなこんなで数分後、騒がしい部室に新たに三人の生徒がやって来た。
これで六人の部員全員が揃ったことになる。

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/25(日) 20:55:39.66 ID:mS/jupPy0

ミセ*゚ー゚)リ「おっはよー」

まず入ってきたのは快活そうな雰囲気の少女。
それに長身でギョロ目の少年が続く。

( <●><●>)「ミセリ、それを言うならこんにちはです」

|  ^o^ |「こんにちは シューせんぱいに ドクオくんに くるうさん」

最後に人の良さそうな笑顔の少年が戸を閉めた。

lw´‐ _‐ノv「こんにちは。ワカとブームくんは昨日ぶり、みせりんは一週間ぶりだね」

ミセ*゚ー゚)リ「最近バイト忙しかったんだもん」

部屋に入った三人はそれぞれ席に着く。

川 ゚ 々゚)「ブーム君、ドクオ君の隣に座らないでよ」

|  ^o^ |「ここしか せきが あいてません」

(;'A`)「そうだよ」

ずっともがいていたドクオが一瞬の隙をついて、くるうを引き剥がした。

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/25(日) 20:56:24.80 ID:mS/jupPy0

('A`)「同級生なんだから、隣に座ってもいいだろ」

川 ゚ 々゚)「……」

|  ^o^ |「ぼくには かのじょが いるので あんしんしてください」

('A`)「な?」

川 ゚ 々゚)「ドクオ君が言うなら……」

くるうの嫉妬の対象は老若男女を問わなかったが、愛しの相手の言葉にしぶしぶといった様子で引き下がった。
しかし再びドクオの腕に絡み付く。
それなりに発達した胸が当たっているドクオは嫌そうなことを言いながらも、内心まんざらでもないようだ。

lw´‐ _‐ノv「私はブームくんに彼女がいたことに驚きなんだけど」

|  ^o^ |「にしゅうかんまえに こくはくされました」

ミセ*゚ー゚)リ「どんな子?」

|  ^o^ |「はずかしがりやさんなので まだひみつです」

ミセ*゚ー゚)リ「そう言われると気になっちゃうよ。ね、ワカッテマス君」

( <●><●>)「ミセリ、なぜ僕に振るんですか。あと、あまりしつこくしない」

lw´‐ _‐ノv「ワカって、傍から見てるとみせりんの保護者にしか見えないよね」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/25(日) 20:57:06.99 ID:mS/jupPy0

シューはワカッテマスに視線を向ける。
そして彼の手元の本を見て、口を開いた。

lw´‐ _‐ノv「そうだ。忘れるところだった」

( <●><●>)「何ですか?」

ワカッテマスが、その特徴的な大きな瞳をシューに向ける。
他の者達も、それに倣った。

lw´‐ _‐ノv「ほら、私ってクリスマス暇でしょ」

('A`)「……ああ」

ドクオはシューが何か言い掛けていたことを思い出す。

( <●><●>)「なぜ暇なんですか?」

lw´‐ _‐ノv「皆忙しくて私と遊んでくれない。誕生日前日だから家族とも過ごさないし」

ミセ*゚ー゚)リ「ああ……シューちゃんって二十六日が誕生日だもんね」

lw´‐ _‐ノv「そうそう。我が家ではキリスト様より私の方が偉いんだよ」

えっへん、胸をはるシューの姿は豊かな胸が揺れるものの、ただむなしいばかりだ。

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/25(日) 20:57:54.71 ID:mS/jupPy0

lw´‐ _‐ノv「……とにかく、私は実に素晴らしい考えを思い付いたわけだ」

( <●><●>)「でもシュー、そんなに暇なら」

lw´‐ _‐ノv「ん?」

口を開いたのはワカッテマス。
シューは彼の方を向きなおす。

( <●><●>)「星でも見に行けば良いじゃないですか」


lw´‐ _‐ノv

( <●><●>)


15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/25(日) 20:58:44.29 ID:mS/jupPy0

lw´‐ _‐ノv「……ワカ、私が天文部部長として君に称号を与えよう」

シューは大きく溜め息をついた後、ワカッテマスに人差し指を向けた。

lw´‐ _‐ノv「今から君は天文部副部長ではなく」

( <●><●>)

lw´‐ _‐ノv「空気読めない男だ」

ミセ*゚ー゚)リ「もう少しひねろうよ」

( <●><●>)「基本的に一番空気の読めないあなたに言われると腹立たしいですね」

lw´‐ _‐ノv「くそぅ。ワカの表情変わんないからつまらん」

シューは再びだらりと姿勢を崩した。

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/25(日) 21:00:04.12 ID:mS/jupPy0

('A`)「というか、シュー先輩」

lw´‐ _‐ノv「なんだね?」

('A`)「ここ天文部なんだから、星を見るのがナイスアイデア扱いなのはおかしいでしょう」

川 ゚ 々゚)「そうだ、ドクオ君の言うとおりだ」

lw´‐ _‐ノv「くるうちんまで……。あんたら、本当に私のこと先輩だと思ってる?」

('A`)「一応頼りない先輩とは」

川 ゚ 々゚)「ドクオ君にまとわりつく欝陶しい先輩とは」

lw´‐ _‐ノv「泣きたい」

おいおいと泣き真似を始めたシューをミセリとワカッテマスが呆れたように宥める。

lw´‐ _‐ノv「まあ、とにかくだ」

立ち直ったシューが部員を見渡す。

lw´‐ _‐ノv「まずは皆のクリスマスの予定を確認しよう」

シューのその言葉に最初に答えたのはミセリだった。

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/25(日) 21:00:47.61 ID:mS/jupPy0

ミセ*゚ー゚)リ「私は友達と買い物に行くよ」

それに他の部員が続く。

( <●><●>)「僕は家族と過ごします。今年は珍しく両親の休みが重なったので」

川 ゚ 々゚)「私も用事があります」

|  ^o^ |「かのじょに でーとに さそわれています」

lw´;‐ _‐ノv「くそぅ。暇人は私だけか!?」

('A`)「あの」

声を張り上げ憤るシューに声を掛けたのはドクオだった。

('A`)「俺は暇ですよ。家族は忙しいし、友達も恋人もいませんから」

川 ゚ 々゚)「ドクオ君……」

くるうがちらりとドクオに視線を向けるが、それに気付く者はいない。

lw´‐ _‐ノv「お互いに寂しいな……」

('A`)「そうですね」

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/25(日) 21:01:33.15 ID:mS/jupPy0

lw´‐ _‐ノv「というか、まさか六人中四人も忙しい人だとは思わなかったよ」

ミセ*゚ー゚)リ「普通は暇な人の方が少ないよ」

lw´‐ _‐ノv「なわけ、あってたまるか!」

悪態をついたシューは、ワカッテマスの目の前に置かれていた本を引ったくる。
ばっ、と中程を広げて皆に見せた。

lw´‐ _‐ノv「こんな綺麗な星を、皆で見たいとは思わないのか?」

写真には美しい星空が写っていた。

('A`)「でも、ここらじゃそんなに綺麗に見えませんよ」

lw´;‐ _‐ノv「ぐはっ! それは言うな!」

( <●><●>)「……望遠鏡を使うなら関係ないでしょうが」

ミセ*゚ー゚)リ「シューちゃん、慌てすぎ」

ワカッテマスとミセリは冷めた目でシューを見つめる。
部長でありながら、彼女は実に頼りない。
それを副部長のワカッテマスと会計のミセリが補っていた。

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/25(日) 21:02:19.56 ID:mS/jupPy0

|  ^o^ |「それに ぷらねたりうむに いけば きれいな よぞらは いつでも みられます」

lw´‐ _‐ノv「だってさ、どっくん」

('A`)「いや、そのくらい自分で思い付きましょうよ」

川 ゚ 々゚)「ずるい。私もドクオ君とお話したいのにシュー先輩ばっかり……」

lw´;‐ _‐ノv「いや、私はもうどっくんのツッコミいらないから」

lw´‐ _‐ノv「どっくんまるごとくるうちんにあげるから、そんな目で見ないでよ」

くるうの嫉妬は止まらない。
その被害を最も被っているのは、誰にでも馴々しい態度をとるシューだった。

ドクオと関係の薄いミセリとワカッテマスが止めて、やっとのことでくるうは落ち着いた。

川 ゚ 々゚)「シュー……許さない」

ミセ;゚ー゚)リ「くるうちゃん、せっかくのきれいな顔が台無しだから怖い顔はやめて」

( <●><●>)「あなたの大好きなドクオ君が怯えていますよ」

(;'A`)「え、俺の名前出さないでくださいよ」

川 ゚ 々゚)「ごめんね、ドクオ君……」

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/25(日) 21:03:18.00 ID:mS/jupPy0

lw´‐ _‐ノv「はー……一件落着」

(;'A`)「人を生け贄にしといてそれは酷い!」

lw´‐ _‐ノv「で、クリスマスの最終確認だけど」

ドクオを無視してシューが口を開こうとしたまさにその時、再び邪魔が入った。


( ´∀`)「部員諸君、こんにちはモナ」

部室に入った中年男性が声を上げた。

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/25(日) 21:04:04.10 ID:mS/jupPy0

lw´‐ _‐ノv「ちっ……また邪魔か」

( ´∀`)「顧問に向かってその台詞、どうかと思う」

ミセ*゚ー゚)リ「モナー先生、今シューちゃん荒れてるんで、そっとしといてあげてください」

ミセリがモナーに対して言う。

( <●><●>)「今時間があるようでしたら、先生もシューの話を聞いてやってください」

( ´∀`)「……何モナ?」

部室の扉のすぐ横に放置されていたパイプ椅子に腰掛けたモナーがシューに聞く。

lw´‐ _‐ノv「……こほん」

シューは立ち上がり、大仰に咳払いをして見せる。
そして、言った。

lw´‐ _‐ノv「えー……クリスマス、暇な人で集まって星を見に行こうと思います」

lw´‐ _‐ノv「昼過ぎにプラネタリウム、夜に天体観測とか、そんな感じの日程で」

lw´‐ _‐ノv「誰か、私と楽しい時間を共有しないか?」

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/25(日) 21:04:53.99 ID:mS/jupPy0

( ´∀`)「面白そうモナね。先生がついていってやるモナ」

モナーが言った。

lw´‐ _‐ノv「先生と一緒?」

( ´∀`)「そうモナ。天文部としての企画なら顧問も行くべきモナ」

lw´‐ _‐ノv「とかなんとか言って、本当はクリスマスに予定ないだけなんじゃないですか?」

(;´∀`)「そ、そんなわけないモナ。先生には素敵な彼女がざっと十人はいるモナ」

ミセ*゚ー゚)リ「誤魔化し方が雑ですね」

(;´∀`)「言うな!」

モナーという男は、人柄は悪くないのだが、いい年をして妻どころか彼女というものすらなかった。
彼が顧問を務める天文部の部員達は、時折そんな彼をからかうのだった。

lw´‐ _‐ノv「じゃあクリスマス暇なのは私とどっくんでオーケー?」

('A`)「先生が抜けてます」

lw´‐ _‐ノv「あ、忘れてた」

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/25(日) 21:05:35.57 ID:mS/jupPy0

( ´∀`)「君という奴は……」

シューの言葉に半ば呆れ果てるモナー。
そして、モナーをじっと見つめる人物が一人。

川 ゚ 々゚)「モナー先生……私のドクオ君と一緒……」

|  ^o^ |「だれか かのじょを とめてください」

ブームの声にミセリとワカッテマスが動き、その場はどうにか収まった。

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/25(日) 21:06:24.64 ID:mS/jupPy0


――クリスマス当日の昼過ぎ、シューの自室にて。

lw´‐ _‐ノv「今日は両手に花ならぬ男のプチハーレムか」

lw´‐ _‐ノv「やだ、冬休み明けたら、くるうちんに始末されそうな予感。どっくんのせいで」

寝間着のジャージから外出着に着替えるシューは呟く。
周囲に人がいないと独り言が増えるのは彼女の癖だった。

lw´‐ _‐ノv「今日は寒いな。望遠鏡は一回家に取りに戻るから……」

lw´‐ _‐ノv「財布、ハンカチ、ちり紙、学生証に鍵……こんなもんかね」

荷物を肩掛け鞄に詰めて、立ち上がる。

lw´‐ _‐ノv「行くか」

そして自室を出ようとしたその時。
唐突にジングルベルが聞こえた。
今日のためだけに設定した着信メロディは、彼女の携帯電話にメールが来たことを伝える。

lw´‐ _‐ノv「携帯……忘れるところだった」

ベッドの上に放置されていた携帯電話を手に取る。
メールが二通来ていた。

lw´‐ _‐ノv「今来たのがどっくん、全然気付かなかったのがモナー先生のか」

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/25(日) 21:07:22.60 ID:mS/jupPy0

まずは先に来ていたモナーからのメールを確認する。

『急な仕事が入ったからプラネタリウムには行けなくなったモナ。
天体観測は遅れるけど行けるモナ。』

lw´‐ _‐ノv「質素なメールだ」

lw´;‐ _‐ノv「うーん……どっくん嫌いじゃないんだけど、二人で出掛けるのは嫌だなぁ」

しかし、もう一通のメールはドクオからのもの。
二人で出掛ける以上の、嫌な予感しかしなかった。

lw´‐ _‐ノv「ええい、ままよ!」

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/25(日) 21:08:28.57 ID:mS/jupPy0

『きゆうなようじがはいりました』

lw´;‐ _‐ノv「何、このメール!? 小文字と句点すら打ててないよ!」

ドクオからの奇怪なメール。しかし要件は伝わったので返信はしない。

シューはそっと携帯電話を閉じた。

lw´‐ _‐ノv「……だが要するに、今日は来られないということなんだろうな」

lw´‐ _‐ノv

lw´‐ _‐ノv「ひとりプラネタリウム、か……」

そう呟いて、シューは部屋を出た。

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/25(日) 21:09:13.65 ID:mS/jupPy0

時刻は夕方、冬の空はすっかり暗くなっている。

lw´‐ _‐ノv「寒い」

ある高台の公園にシューの姿があった。
ファーのついた厚手のコートに身を包み、マフラーと手袋もしているが、それでも寒い。
今日は特に寒いと天気予報で言っていたのを思い出した。

lw´‐ _‐ノv「先生いつ来るんだ」

lw´‐ _‐ノv「……一人で見てよう」

持ってきた望遠鏡を組み立てる。
幼い頃から天体観測を趣味としていた彼女にとっては慣れたものだった。

lw´‐ _‐ノv「今見えるのは……」

一冊の本を鞄から取り出し、ぱらぱらと捲る。
長年使ってきた星座の解説書はすでにボロボロだ。

本当は本がなくても見える星くらい分かる。
それでも本を開くのは、もはや習慣だった。

lw´‐ _‐ノv「やっぱり、オリオン座かな……」

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/25(日) 21:10:10.05 ID:mS/jupPy0

空を見上げる。
雲一つなくとも、漆黒の夜空に星はほとんど見えない。

lw´‐ _‐ノv「肉眼だと冬の大三角とオリオン座くらいが限界なんだよね」

シューがいるのは、高台にある公園。
それでも住宅街や駅前の商業施設に灯る明かりに、星の瞬きは遮られてしまう。

暗い空に目を凝らして、それからシューは望遠鏡を覗いた。

lw´‐ _‐ノv「んー……」

調節ネジを回して、星が見えるようにピントを合わせる。

シューはこの作業が好きだ。
焦れったいが、成し遂げたその後には大きな感動を味わえると知っている。

lw´‐ _‐ノv「……」

lw´*‐ _‐ノv

lw´*‐ _‐ノv「……見えた」

小さな筒の向こう側に広がるのは、広大な星の海。
シューと同じく星の大好きな両親が彼女の誕生日に買い与えた望遠鏡は、美しい世界を映し出していた。

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/25(日) 21:10:58.03 ID:mS/jupPy0

lw´*‐ _‐ノv「あれがシリウス、あっちがベテルギウス!」

lw´*‐ _‐ノv「今宵も素晴らしい天体観測日和だ!」

望遠鏡を覗き込みながらにやにや笑うシューの姿は、知らない人間が見たら気持ち悪いものに違いない。
幸い、クリスマスの公園に彼女以外の人物は見当たらないが。

しかし、高かったはずの彼女のテンションはすぐに落ち込んでしまった。

lw´‐ _‐ノv

lw´‐ _‐ノv「……誰かと、見たかったな」

そう呟くが、風に掻き消されて自分自身にもよく聞こえなかった。

lw´‐ _‐ノv「モナー先生遅いな。どうでもいい時にはいるのにね」

lw´‐ _‐ノv「どっくん、どうしたんだろ。あのメール……もしかして、今頃事件に巻き込まれてたりして」

lw´‐ _‐ノv「くるうちん、何の用事があるんだろ。結局教えてくれなかったよね」

lw´‐ _‐ノv「ワカ、今頃家族と一緒かな。羨ましい」

lw´‐ _‐ノv「みせりん、まだ買い物してるのかな。私も誘えよ」

lw´‐ _‐ノv「ブームくんは……」

lw´#‐ _‐ノv「爆発しろ!」

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/25(日) 21:11:42.34 ID:mS/jupPy0

独り言のはずが、徐々にヒートアップしたシューは、ついに大声で叫んでしまう。

「うわっ!」

lw´;‐ _‐ノv「!?」

どこからか、誰かの驚いたような声が聞こえた。
思わず身構えたシューは、辺りを見渡す。

lw´;‐ _‐ノv「あ……」

シューが見上げていた夜空の正反対、彼女の後ろ。

ミセ;゚ー゚)リ「あはは……ばれちゃった」

lw´‐ _‐ノv「みせりん……」

街灯の灯りもよく届かない小さな茂みから出てきたのはミセリ、そして。

lw´‐ _‐ノv「みんな……」

( <●><●>)|  ^o^ |川 ゚ 々゚)('A`)

ミセ*゚ー゚)リ「皆、何だかんだ言って、シューちゃんのこと気にしてたんだよ」

真っ先にシューの元へ駆け寄ったミセリが優しく言った。

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/25(日) 21:12:25.05 ID:mS/jupPy0

lw´‐ _‐ノv「なんだ……天文部の部員はツンデレばっかかよ……」

ミセ*^ー^)リ「ふふ……皆、素直じゃないよね」

やはりふんわり優しく笑って、ミセリはシューを見つめた。

ワカッテマス達もシューの元へやって来る。

( <●><●>)「良い望遠鏡ですね」

lw´‐ _‐ノv「そりゃね。私以上に星に愛情を持ってる父さんと母さんが選んだんだもん」

('A`)「今日は何が見えました?」

lw´‐ _‐ノv「たくさん見えたよ。……どっくん、見てみる?」

('A`)「いいんですか?」

lw´‐ _‐ノv「もちろん」

そう言ったシューは、望遠鏡を覗こうとするドクオの隣に不機嫌そうに立つくるうに気付いた。

lw´‐ _‐ノv「くるうちんも見なよ。どっくんにいろいろ教えてもらいながらさ」

川 ゚ 々゚)「……」

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/25(日) 21:13:25.65 ID:mS/jupPy0

シューを一瞥して、くるうは小さく言った。

川 ゚ 々゚)「ありがとう、ございます」

軽く頭を下げて、彼女は望遠鏡を覗くドクオに抱き付いた。
ドクオの首が絞まっているが、見なかったことにする。

lw´‐ _‐ノv「ところで」

シューはワカッテマスに向き直った。

( <●><●>)「何ですか?」

lw´‐ _‐ノv「何でここに来たの? 皆、用事あったんでしょ」

シューの素朴な疑問に、まずはワカッテマスの隣に立っているブームが答えた。

|  ^o^ |「かのじょのうちは もんげんが きびしいんです」

lw´‐ _‐ノv「へぇ……ますます君の彼女がどんな子か気になるよ」

lw´‐ _‐ノv「……ワカとみせりんは?」

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/25(日) 21:14:30.26 ID:mS/jupPy0

( <●><●>)「両親の二人きりの時間を子供が邪魔するわけにはいきませんから」

ミセ*゚ー゚)リ「一緒に出掛けた子が夕方からバイトなの」

lw´‐ _‐ノv「なんか……少し騙された気分」

脱力するシューにワカッテマスが口を開く。
いつも通りの思考の読めない表情だが、声は穏やかだった。

( <●><●>)「仕方ありません。一日暇だったのがあなただけ、というのは本当ですから」

lw´‐ _‐ノv「腑に落ちない」

シューはそう言いながら、望遠鏡の傍のドクオとくるうに目を向けた。
相変わらずの二人だが、まともな恋人のいるらしいブームと違い、あまり羨ましいとは思えない。

lw´‐ _‐ノv「……どっくんのあのメールは、何だったんだ」

( <●><●>)「メール?」

ワカッテマスが疑問を返す。

lw´‐ _‐ノv「うん。なんか切羽詰まった感じの、ひらがなだけのメール」

|  ^o^ |

ミセ*゚ー゚)リ


40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/25(日) 21:15:16.82 ID:mS/jupPy0

|  ^o^ |「それなら」

ミセ*゚ー゚)リ「ブーム君も思い当たるの?」

隣で聞いていたブームが発言し、ミセリがそれに続いた。

|  ^o^ |「はい」

lw´‐ _‐ノv「さあ、私に分かりやすいように説明しておくれ」

ブームとミセリは顔を見合わせた後、語り始めた。

|  ^o^ |「あれは きょうの おひるまえの ことです」

|  ^o^ |「まちで ぐうぜん どくおくんと くるうさんに あいました」

ミセ*゚ー゚)リ「私はお昼過ぎくらいかな」

ミセ*゚ー゚)リ「なんだか、くるうちゃんがドクオ君を引っ張り回してるように見えたよ」

|  ^o^ |「ですから そのめーるも ふくめて かんがえると」

( <●><●>)「くるうさんはドクオ君を連れ出したかった」

( <●><●>)「しかし、それにはシューとの約束が邪魔だったから断るためのメールした、もしくはさせた」

( <●><●>)「と考えられる、ということですか」

ブームとミセリはうんうんと頷く。

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/25(日) 21:16:13.23 ID:mS/jupPy0

lw´‐ _‐ノv「ほぅ……どっくんも難儀なことで」

しかし、無理矢理とはいえくるうと一緒に出掛けてしまうあたり、ドクオは彼女を嫌ってはいないのだろう。

川*゚ 々゚)「あれ、あれは何の星座?」

(;'A`)「だから引っ張るなって!」

lw´‐ _‐ノv「……青春だねぇ」

( <●><●>)「発言が年寄りくさいですよ」

lw´‐ _‐ノv「ほっとけ」

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/25(日) 21:16:57.95 ID:mS/jupPy0


それから皆で夜空を見上げて語り合った。

空気は寒くとも、心は温かい。
シューの顔は自然と綻んでしまうのだった。

lw´‐ _‐ノv「さて、そろそろ帰ろうかね」

ミセ*゚ー゚)リ「そうだね」

街の明かりはまだ煌々と輝いているし、彼女達の気分もまだ高揚している。
それでも、帰路に着く。

|  ^o^ |「とても たのしい いちにちでした」

( <●><●>)「そうですね」

幸せな時間が覚める前に、深く記憶に刻む。

川 ゚ 々゚)「こんな幸せなクリスマス、初めて」

('A`)「……俺も」

lw´‐ _‐ノv「もう君達付き合っちゃえよ」

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/25(日) 21:17:37.69 ID:mS/jupPy0

川*゚ 々゚)「……」

(;'A`)「赤くなるな! 俺は嫌ですよ!?」

川*゚ 々゚)「照れなくていいのに」

ミセ*゚ー゚)リ「私はくるうちゃんを応援するよ」

ドクオとくるう、からかうシュー。
さらに茶々を入れるのはミセリ。
それを見て笑うブームとワカッテマス。

シューにとって寂しかったはずのクリスマスは、誕生日にも負けない、最高の一日となっていた。

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/25(日) 21:19:09.34 ID:mS/jupPy0


lw´‐ _‐ノv「……なーんか忘れてる気がするんだけど」

ミセ*゚ー゚)リ「気のせいじゃない?」

lw´‐ _‐ノv「そうかな」

lw´*‐ _‐ノv「……まあ、いっか」


翌日、寒空の下三時間待ち惚けたモナーにメールでどやされたのは、言うまでもない。


46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/25(日) 21:20:23.90 ID:mS/jupPy0
以上です
代行及び支援をしてくださった皆さん、ありがとうございました

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/25(日) 21:41:04.24 ID:mS/jupPy0
乙ありがとうございました

残りわずかですが、皆さん良いクリスマスを過ごしてください

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