mesimarja
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( ・∀・) いろんなモノがあるようです
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 21:22:34.59 ID:FXgqPQUb0

( ・∀・)「…いらっしゃいませ」

( ・∀・)「いやあ、こんな店に来られるなんて、あなたも物好きですね」

( ・∀・)「え? あまりにも寂れてるからお情けで入った?」

( ・∀・)「ははは、確かに寂れてますね。まあ、これはこれでいいんですよ。私的には」




4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 21:23:49.88 ID:FXgqPQUb0

( ・∀・)「こほん…このお店では、いわくつきの商品を取り揃えております」

( ・∀・)「それぞれの商品に関するお話もありましてね…聞いてみたいですか?」

( ・∀・)「こんな店に来られるくらいですから、時間はたっぷりある筈ですよね」

( ・∀・)「では、始めましょうか」

( ・∀・)「あっ…このお店と、お話の中に出てくるお店は別物ですから。注意をお願いしますね」

( ・∀・)「でははじまり…」


              ◆



7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 21:25:15.46 ID:FXgqPQUb0

何故かそれは、目についた。
数ある目覚まし時計の中で、何故かそれは目についた。

変わった所は何もない、小さな目覚まし時計。
特別、存在感があるわけでもない。

それでも何故か、目を引きつけられていた。




     ( ・∀・) いろんなモノがあるようです

         その1 目覚まし時計





10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 21:26:44.31 ID:FXgqPQUb0

休日の朝、とあるリサイクルショップの中。

広い店内の壁と床は、清潔感のある白色で統一され、
真新しい照明と相俟って、明るい雰囲気を醸し出している。

その一角にある電化製品のコーナーで、一人の男があるものを見つめていた。


('A`)「…」

背が低く、痩せた男。名前はドクオ。

ドクオはつい最近、目覚まし時計を落とし、壊してしまい、
新たな目覚まし時計を求めてこの店にやって来ていた。


棚に所狭しと並べられている、目覚まし時計。

その内の、まるで血のように赤い色をした、小さく四角いアナログ時計に、
ドクオは目を引かれていた。


11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 21:28:14.66 ID:FXgqPQUb0

('A`)(何なんだ…? この目覚まし時計は…)

特に存在感があるわけでもない。
変わった所は何も見えない。

しかし何故か目が離せない。
いつの間にか、引き寄せられるように手に取っていた。


('A`)(うーん…これで良いか)

ドクオは持った目覚まし時計をしばし眺めた後、レジへ歩き出した。
やはり特別なものでもないようで、会計もスムーズに終わる。

「ありがとうございました」という店員の言葉を背に受け、
ドクオは店を後にした。


              ◆



13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 21:29:49.80 ID:FXgqPQUb0

白いアパートが建ち並ぶ、住宅街。
ドクオの部屋も、そのアパートの中にある。

六畳の部屋には、折りたたみベッドと小さなテーブルが一つずつと、
黒いテレビが一つ。

殺風景な部屋だ。多少、袋やカバンが散らかっている。


('A`)「…」

ドクオは目覚まし時計を袋から取り出し、まじまじと見つめた。
フタを開ける。電池を入れる所にも、何の異常もない。

何故目を引かれるのか不思議に思いながら、電池を入れようとして。

('A`)「電池ねーじゃん」

無い事に気が付く。
携帯電話を見ると、現在時刻は11時40分。


16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 21:31:31.61 ID:FXgqPQUb0

('A`)(買いに行くか?)

思い、時計を部屋の中央にあるテーブルに置く。
そのままじっと見つめていると、腹が鳴った。

('A`)(朝、食ってなかった…)

ドクオは先日、休日出勤で夜勤をしており、午前2時に帰宅して床に就いた。
11時に起床してそのまま出かけた為、朝食はとっていない。

('A`)(作るの面倒だな…外で食うか)

それに、最近はあまり外食をしていなかった。
少しくらいは良いだろう。ついでに、電池も買おう。

思い立ったドクオは鍵を手に持ち、外へ出ていった。


              ◆



17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 21:33:08.47 ID:FXgqPQUb0

('A`)「ふー」

ドクオは30分程で昼食を終え、帰宅した。
朝食の分も食べたからか、満腹になっている。


壁にもたれ、リモコンでテレビの電源を付けると、
ドクオの嫌いなワイドショーがやっていた。

芸能人の熱愛報道だとか、私生活だとかを、
コメンテーターが話し合っている。

('A`)「ほんとにくっだらねーな」

他人の事なんだから好きにさせればいいし、
わざわざ話し合う程でもないだろう。そんなに話題がないのか。

どのチャンネルも似たような番組ばかりだった為、
ドクオは静かにテレビの電源を消す。

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 21:34:39.86 ID:FXgqPQUb0

('A-)(…眠くなってきた)

する事もなく、見るものもない。
満腹により襲ってきた眠気に、ドクオは身をゆだねる事にした。


(-A-)「…」


              ◆



19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 21:36:05.42 ID:FXgqPQUb0

(-A-)「…」

(-A-)「……」

('A`)「はっ」

ぱっと、目を覚ました。

壁にもたれかかって寝たドクオだったが、
いつのまにか寝転がっている。

('A`)(寝相は良い方なんだけどな)

思いつつ、携帯電話の時計を見る。
時刻は1時14分で、眠ってから30分弱しか経っていない。


23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 21:37:27.90 ID:FXgqPQUb0

('A`)(もっとがっつり寝るか)

元々、今日の予定は「目覚まし時計を買う」事くらいで、
他にする事は無かった。

目覚まし時計に、買ってきた電池を入れる。

アラームをONにして、時刻を「4時間後」に設定、
テーブルの上に置く。

折りたたみベッドを広げ、テーブルを枕元に近づける。
時刻をしっかりと確認してから、ドクオはベッドの上で横になった。


              ◆



25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 21:38:55.78 ID:FXgqPQUb0

4時間後。
セットした時刻に達した瞬間、けたたましい音が鳴り響く。

(-A-)「…」

('A-)「…」

(-A-)「…」

しかし、起き上がらない。

目覚まし時計が鳴っても、そのまま2度寝をしてしまう事が、
ドクオには度々ある。

時には音を止め、アラームをオフにしてから2度寝をする。
それが原因で、遅刻してしまう事が何度かあった。


26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 21:40:16.07 ID:FXgqPQUb0

('A`)「よっと!」

いい加減起きようと思い、目覚まし時計の音を止めた。
音が鳴り始めてから2分後の事だ。

時刻は17時17分。
窓の外は既に、暗い夕焼けが広がっている。

('A`)(晩飯作るのもめんどくせ)


起きたばかりで、作る気も湧かない。
夜も外食にするか、と決めたドクオはそそくさと部屋を出ていった。


              ◆



27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 21:41:40.75 ID:FXgqPQUb0

('A`)「ふんふんふふふふふんふんふーん♪」

現在の時刻は22時。
ドクオは鼻歌を歌いながら風呂に入っていた。

湯気が立ちのぼる、心地よい、熱めの風呂。
特に疲れているわけでもないが、自然とリラックスしていた。

程良い温かみが体を包み、ついつい眠ってしまいそうになる。


('A`)「ふんふふーん♪ふふふーん♪」

湯船から上がり、大きめの鏡の前でポーズを取る。
しばらくそのままでいたドクオだが、急に冷め、自分の部屋に戻った。


28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 21:43:10.08 ID:FXgqPQUb0

('A`)(そろそろ寝るか)

明日は月曜日。
ずっと夜勤で働いている為、今週も昼からの勤務だ。

体力は温存しておかなけばなるまい、と思ったドクオは、
いつもより若干早く寝る事にした。

風呂上がりで温まった体のまま布団の中に入り、設定時刻をいじる。


('A-)(あー…眠い…)

うとうとするドクオ。
少しの間眠気と戦っていたが、遂に堪え切れず眠ってしまう。


              ◆



29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 21:44:47.01 ID:FXgqPQUb0

アラーム音が部屋に響く。
現在時刻は

(-A-)「…」

('A`)「はっ!」

 8時32分。

('A`)(いくらなんでも寝過ぎたか…でも、もう少し寝ても大丈夫だよな…)

出勤時間は15時40分。
いつもは10時30分に起き、だらだらと過ごしてから出発している。

もう少し寝ていてもアラーム無しで起きられる筈、
と思ったドクオはアラームをOFFにし、再び眠りについた。


              ◆



31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 21:46:05.17 ID:FXgqPQUb0

十数時間後。
ドクオはまだ起きていなかった。

そんなドクオの部屋の扉を、叩く音。叫ぶ声。

( ^Д^)「おーい! 何やってんだ! 無断欠勤かー!」

扉の前で、男が呼びかけていた。
しかし、いくら叩いても、叫んでも、部屋の主は現れない。

( ;^Д^)「…ったく、何やってんだよ。ん」

何気なく掴んだドアノブが、動いた。
回った。

( ;^Д^)「不用心な…ま、入らせて貰うぜ」


33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 21:47:38.37 ID:FXgqPQUb0

( ^Д^)「ん? おいおい、寝坊かよ」

ドクオはベッドに入ったまま、寝息を立てている。
近くにあるテーブルの上には、アラームがOFFの目覚まし時計。

( ;^Д^)「OFFじゃ意味ないだろ…」

男は溜息をつき、ドクオを揺さぶった。

( ^Д^)「おい! 起きろ! 起ーきーろー!!」

耳の傍で声を上げるが、全く起きない。

( ;^Д^)「こいつ、まさか気を失ってる…!?
      とりあえず救急車…」

男は慌てて携帯電話を取り出し、電話をかけ始める。


34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 21:50:11.90 ID:FXgqPQUb0

( ^Д^)「もしもし!すみません、救急車を…」






数分後、救急車が到着し、ドクオは病院へ運ばれた。

しかし、いくら経っても。

ドクオが目を覚ますことは、無かった。


              ◆



35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 21:51:44.01 ID:FXgqPQUb0

( ・∀・)「…おしまいです」

( ・∀・)「いかかでしたか? 何か思われた事はありますか?」

( ・∀・)「私の名言に、いz…ごほん」

( ・∀・)「とにかく、これについてのお話はおしまいです」

( ・∀・)「…おや、もう出られますか?
      他のお話もあるのですが、仕方ないですね」

( ・∀・)「では、ごきげんよう…」



36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 21:52:16.10 ID:FXgqPQUb0



     ( ・∀・) いろんなモノがあるようです

            その1 おわり




40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 21:58:17.18 ID:FXgqPQUb0

( ・∀・)「…いらっしゃいませ」

( ・∀・)「おや、またあなたですか。何かお忘れ物でも?」

( ・∀・)「…そうですか、暇つぶしにですか…」

( ・∀・)「ああ、すみません。ところで、『依存はただの停滞だ』という言葉をご存じでしょうか」

( ・∀・)「いやいや前回、言い損ねてしまいましてね…すみません」

( ・∀・)「まあ、どうぞ。その椅子に座って下さい」


42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 21:59:58.53 ID:FXgqPQUb0

( ・∀・)「こほん…このお店では、いわくつきの商品を取り揃えております」

( ・∀・)「それぞれの商品に関するお話もありましてね…聞いてみたいですか?」

( ・∀・)「こんな店に来られるくらいですから、時間はたっぷりある筈ですよね」

( -∀-)「若干、閲覧注意な部分があります。
      血や、そういった類のものが苦手な方はお引き取り願います。
      新年早々、申し訳御座いません。本当に」

( ・∀・)「でははじまり…」


              ◆



43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 22:00:56.79 ID:FXgqPQUb0



     ( ・∀・) いろんなモノがあるようです

             その2 枕




45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 22:02:18.88 ID:FXgqPQUb0

カーテンを閉め切った、暗い空間。

普段ならば僅かに光が差し込むこの部屋も、今日は生憎の曇り空で、
パソコンのディスプレイが唯一の光源だ。

(-_-)「はぁ…」

デスクトップパソコンに顔を照らされ、ヒッキーはため息をついた。
陰鬱な顔のまま画面を眺め続けている。

画面には、殺人事件などのニュースが表示されていた。

(-_-)「はぁ…」

また、溜息。

(-_-)(何やっても上手くいかないなぁ…)

生まれてこの方、何も上手くいった試しが無い。


46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 22:03:49.11 ID:FXgqPQUb0

学校の成績は中の下。
面接では行く先々で落とされる。
道を歩けば不良に当たる。

いくらなんでも運が悪すぎる。なんで僕だけ、こんな目に遭うんだ。
なにもやる気が起きない、このまま引き篭っていようか。

ヒッキーは、全ての失敗を「運が悪い」で片付けていた。
ろくに努力もしてこなかったのが原因だが。


(-_-)(そりゃ僕だって、ダメ人間ってことは分かってるさ)

ヒッキーにも自覚はあった。
しかし変われない。いや、変わろうとしなかった。

「面倒」だからだ。


47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 22:05:22.17 ID:FXgqPQUb0

(-_-)(何もかもが面倒だ…)

直面する現実から逃げ続けた結果が今の生活。
親の脛をかじり続ける生活。


(-_-)「何もかもがどうでもいい…」

ヒッキーは呟くと、パソコンをスリープモードにして、布団に寝転がった。
1日中を画面に噛り付いていた為、瞼が重くなってきたのだ。

瞼を閉じ、眠ろうとする。

(-_-)(…)

(-_-)(…)

(-_-)(眠れない…)


49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 22:06:54.20 ID:FXgqPQUb0

眠ろうとする時にも、これから先の事を考えてしまう。

もし家から追い出されたら。もし親が死んでしまったら。
どうやって生活していけばいいんだ。

言いようのない不安が襲い、胸が苦しくなってくる。

(;-_-)(眠れない…というか枕が固い…)

先日、親から貰った新しい枕。
親には悪いが、これでは眠れそうになかった。


パソコンを立ち上げてネットショップを開き、枕を探す。
すると。

(-_-)(好きな夢を見られる枕?)


50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 22:08:40.46 ID:FXgqPQUb0

「この枕に『見たい夢の内容』を書いた紙を貼り付けて眠れば、
 必ずその夢を見る事が出来ます!しかも安眠できるよ!/(^o^)/」

値段は500円。

1000円以上の枕がずらりと表示されている検索結果の中で、
破格の値段だった。

(-_-)(騙されたと思って、買おうか…)

2週間前までバイトをしていたので、少しだけ貯金がある。
ヒッキーは迷うことなく、注文をした。


              ◆



51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 22:09:50.84 ID:FXgqPQUb0

2日後。

目の前には、待ち望んでいた品があった。
枕だ。

(-_-)(…どうしようかな)

どんな夢を見ようかと、ヒッキーは悩み続けている。


(-_-)(鬱憤が晴らせると良いな…)

何をしても見返りの無かった人生。
そのイライラを夢の中で解消しよう、とヒッキーは思い立った。

紙にペンを走らせる。
『僕を落とした面接官をボコる夢』と書かれた紙を、テープで貼り付けた。


52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 22:11:04.46 ID:FXgqPQUb0

(-_-)(これでよし…)

効力を信用しているわけではないが、ものは試しだ。
枕を置き、頭を乗せ、そのまま瞼を閉じる。

(-_-)(リラックスできるな…)

低反発の枕は、すっと馴染んだ。
あの硬い枕とは大違いだった。

ヒッキーはなるべく考え事をしないようにして、静かに眠りについた。


              ◆



53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 22:12:35.89 ID:FXgqPQUb0

(-_-)(ん)

辺りの景色が変わった。空気も、変わった。
長い廊下に、ヒッキーは居た。

(-_-)(…これは夢?)

いつの間にか、黒いスーツを着て座っている。
目の前には扉がある。

何気なく頬をつねると、痛みが走った。

(-_-)(明晰夢というやつかな? 痛みはあるけど…)

明晰夢。
夢であると自覚でき、思い通りに状況を変化させられる夢。

(-_-)(でもこれはあの時の…)


54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 22:15:14.26 ID:FXgqPQUb0

高卒後の就職活動で、面接を受ける時の状況と全く同じだった。
まるで、過去そのもの。

(-_-)(まさか本当に…?)

望んだ夢を見られるのか。
鼓動が高鳴る。

迷うことなく扉を開けると、部屋の中にはヒッキーを落とした男がいた。

(-_-)「あ」

体が「勝手に」動き、ヒッキーは間抜けな声を出した。
一直線に男へ向かう。

近付き、腕を振り被って。


55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 22:16:55.49 ID:FXgqPQUb0

殴った。

殴った。
蹴った。
顎をかち上げた。
鳩尾に拳をめり込ませた。
顔面に膝蹴りをした。
頭を床に叩きつけ、何度も踏み付けた。
腹にも、何度も蹴りを入れた。
何故か自分に痛みは無かった。
何故か抵抗はされなかった。
いつのまにか男は血だらけになっている。

(;-_-)(おいおい、流石にやりすぎじゃないか?)

それでもヒッキーの体は止まらなかった。
意志とは無関係に、男を殴打していく。



58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 22:18:31.58 ID:FXgqPQUb0

ひとしきり痛めつけて、ヒッキーは動きを止めた。
男の顔は、原形を留めていなかった。

(-_-)「…ふぅ」

殴っている内に麻痺してきたのか、ヒッキーは爽快な気分になっていた。
達成感が湧き上がる。

それと同時に。

(-_-)「ん」

強烈な眠気がヒッキーを襲った。
逆らう事も出来ず、瞼が閉じられる。


              ◆



59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 22:20:03.29 ID:FXgqPQUb0

(-_-)「…」

(-_-)「…うーん」

夢から覚め、ヒッキーは瞼を開けた。
すーっと、眠気が無くなっていく。


(-_-)(本当に見れた…これはすごい)

時計を見ると、眠ってから1時間弱しか経っていない。
枕の下の紙は、無くなっていた。

(*-_-)(もう1度やってみよう)

新たな楽しみが見つかり、ヒッキーは喜んだ。
再びペンを走らせ、同じように枕へ貼る。

『いろんな人を殺す事が出来る夢』


61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 22:21:44.73 ID:FXgqPQUb0

ヒッキーは、鬱憤が溜まっていた。

(-_-)(なんで僕だけ…)

自分がこんな目に遭っているというのに何故、
他人は幸せそうに暮らしているんだ。普通に暮らせているんだ。

他人の幸せが許せなかった。
かすかな苛立ちが、大きな憎悪へと変わっていった。

(-_-)「やる」

1度だけ現実でもやってみようかと思ったが、
勇気が出なかったヒッキー。

警察に捕まり、自分を世間に晒される事が怖かったから、だった。

しかし、夢の中ならば話は違う。
人を殴っても殺しても、罪に問われる事は無い。


62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 22:23:54.97 ID:FXgqPQUb0

夢だから。

夢の中なら、いくらでも好きな事を出来る。
その手始めとしてやっておこうと思ったのが、これだった。


期待に胸に膨らませ、ヒッキーは2度目の眠りについた。


              ◆



63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 22:25:16.52 ID:FXgqPQUb0

(-_-)(…)

(-_-)(今度は街中か)

人通りの多い街路に、ヒッキーは立っていた。
老若男女、様々な人々が歩いている。

いつの間にか、ヒッキーの右手には包丁が握り締められていた。

(-_-)「じゃあやるか」

呟いて、ターゲットを探し始める。
手頃な人を、探す。

(-_-)(…いや、何をやってるんだ。これは明晰夢じゃないか)

今なら、どんな人でも殺せる。
体格や年齢なんて関係ない。

前から、男が歩いてくる。


65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 22:29:38.53 ID:FXgqPQUb0

(-_-)「じゃあね」

擦れ違う直前、男の首を包丁で切り裂いた。
鮮血がしぶき、ヒッキーの白い服が真っ赤に染まった。

その瞬間。
ヒッキーの中で、何かが、ぷつん、と切れた。


(*-_-)「あははははははははははは
     ははははははははははははははははははははははは
     はははははっはっはっはははは!!!!wwwwww」

甲高い笑い声を上げながら、次々と道行く人を切り裂く。

首を切る、腹に突き刺す、心臓を何度も刺し続ける。
何度も何度も、何度も何度も何度も何度も切り付ける。

急所を切るだけで、すぐに人は倒れていった。


66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 22:31:23.04 ID:FXgqPQUb0

抵抗はされず、逃げられる事もない。
切る度に血が舞い、服を、顔を、街路を染め上げていく。


(*-_-)「あー楽しい! ははははははははははwwwwwww」

顔を真っ赤にしてもなお、
恍惚とした表情を浮かべて殺戮を続けるヒッキー。

疲れもしないので、ずっと動き続けていられる。
体を休めずに済む。


最後の一人が倒れると、またもヒッキーを眠気が襲った。


              ◆



67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 22:33:04.74 ID:FXgqPQUb0

ヒッキーは目が覚めてからも、嬉々としていた。
もはや正常な思考は保たれていない。

(* ゚_゚)(もーう1回!もーう1回!)

同じ夢を見るからもう1度書く必要はない、
と直感し、枕へ頭を乗せる。

今度も、すぐに寝付く事が出来た。


              ◆



68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 22:34:45.40 ID:FXgqPQUb0

ヒッキーは自分の部屋にいる。

(* ゚_゚)(今度は自分の部屋からか。面倒だけど、まあいいや)

台所へ向かい、包丁を2本取り出して家を出る。
人の多い交差点は、すぐそこにあった。


(* ゚_゚)「あははは!! カス共が!! はははは!!wwwww」

着いた時、歩行者側の信号は青だった。
スクランブル交差点を行き来する大量の人、人、人。

包丁を振り被りながら、その中に突っ込んでいくヒッキー。


72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 22:36:26.98 ID:FXgqPQUb0

(* ゚_゚)「死ねゴミ虫共!! 消えろ!! はははははwwwww」

容赦なく、切り付ける。
何度も包丁を振り回す。

次々と、鮮血が散る。
倒れる人、逃げ惑う人、叫ぶ人、電話をする人。

交差点は、混乱で満たされた。


(* ゚_゚)「死ね死ね死ねぇぇぇぇぇぇ!!wwwwww」

今度は、しゃがみ込み、泣き出した子供に狙いに定めた。
両手に持った包丁を勢いよく振り下ろす。


74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 22:38:17.21 ID:FXgqPQUb0

が。

(; ゚_゚)「あうっ!?」

ヒッキーの背中を、警棒が強かに打ち据えた。
今まで感じたことのない衝撃が襲い、包丁が両手からこぼれる。

そのまま、地に組み伏せられてしまった。

(; ゚_゚)(何で? 何で? 何で何で何で)

ヒッキーの頭の中も、混乱で満たされる。

自分は無敵の筈なのに。これは夢の筈なのに。

戸惑いを消せないまま、ヒッキーは警察に連行された。


              ◆



75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 22:39:59.35 ID:FXgqPQUb0

「今回の事件による死傷者数は10名。その内3名が、搬送後、死亡しました」



「ヒッキー容疑者は『これは夢だ、夢なんだ』と否認を繰り返しており、
 精神鑑定を――」


              ◆



76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 22:42:07.38 ID:FXgqPQUb0

( ・∀・)「…おしまいです」

( ・∀・)「いかかでしたか? 少しだけ長くなってしまいましたが」

( ・∀・)「やはり、しっかりと『区別』をつけないといけないですよね」

( ・∀・)「…おや、もう出られますか? 流石に2つも聞くと、疲れますかね」

( ・∀・)「では、ごきげんよう…」

79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 22:45:03.36 ID:FXgqPQUb0



     ( ・∀・) いろんなモノがあるようです

            その2 おわり




82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/03(火) 22:46:45.62 ID:FXgqPQUb0

今回はこれで終わりです。
支援、アドバイス等ありがとうございました。


すみません、誤字がありました。

>>62
期待を胸に膨らませ、ヒッキーは2度目の眠りについた。

期待に胸を膨らませ、ヒッキーは2度目の眠りについた。

>>72
今度は、しゃがみ込み、泣き出した子供を狙いに定めた。

今度は、しゃがみ込み、泣き出した子供に狙いを定めた。


>>73
>>80
違います

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