mesimarja
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父と、母と―――今に至るようです
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 22:58:26.24 ID:JwJvvHOm0

母さんは人見知りという訳ではなく、口べたという訳でもなく、


川 ゚ -゚)


ただ、あまり喋らない方だったらしい
(今はマシンガントークで、俺は大体聞く側だ)。

上に姉が、下に弟がいて、三人はあまり似ていない。

伯母は女子高生の頃、老若男女からアプローチされるほどの美人だったと。
昔の写真を見れば、ああ、と納得できるほど美人であった。


2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 23:01:17.05 ID:JwJvvHOm0

叔父は歌が上手く、ギターも弾ける。
とても優しい人で、小さい頃はよく遊んでもらった。


間に生まれた母さんは、大勢の男たちに狙われる姉を守り、


 「もしもし? ミセリちゃんに代わって頂けますか?」

川 ゚ -゚)「姉はおりません!」


少し弱気な叔父を優しく見守る、よい次女であった――のかな?

川 ゚ -゚)「お姉ちゃんが勉強見てあげるから」

(;'A`)「い、いいよ別に」

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 23:03:37.42 ID:JwJvvHOm0

伯母は高校を出たあと、地元の有力企業に就職した。
当時は大学を出てなくても大手に就職することができた時代だ。


大学に行かなかった理由は、

川 ゚ -゚)「面倒だったんじゃない?」

とのこと。
伯母は勉強よりも遊びを優先する気質がある。
いいか悪いかはどうでもよく、伯母はそういう人なのだ。



ただし母さんは、大学に行きたかった。

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 23:06:40.29 ID:JwJvvHOm0

中学ではトップの成績を取り、有名な進学校へ入学してからも、
トップクラスの成績を取り続けた。

母さんは何処から見ても立派な優等生であった。

片道二時間近くかかる道のりを、遅刻も欠席もせずに通い続けた。
模試の判定では、あえて名前を伏せるが、関東の有名大学を教師から薦められるほどの点数は取った。



だが、お婆ちゃんは泣きながらこう言ったらしい。


あんた、私ら(家族)を殺す気か。
大学に行く金なんて無い。

と。

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 23:09:10.30 ID:JwJvvHOm0

川  - )「……」



そうなのだ。


母さんの家は、俺が言うのは失礼なんだが、お金が無かった。
おじいちゃんは農家、おばあちゃんは内職をしていた。

子供三人、これはとてつもない負担だ。
全員を高校に通わせられただけでも奇跡みたいなものだ。

母さんは参考書も買わず、バス代も節約して歩き続け、それでもトップの成績を取り続け。
遊ばず、勉強し、そして大学を夢見て、そして夢が絶たれようとしていた。

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 23:11:55.88 ID:JwJvvHOm0

仕方が無かった。


仕方が無いから、仕方が無かった。
どうしようもない。


誰も悪くない。
母さんは誰も責められない。


でも、このときおじいちゃんはこう言った。


 「行きたいなら、行け。行かせてやるから」


無口で、普段は何も喋らないおじいちゃんが、このときだけは語気を強くしたという。
おじいちゃんの一周忌のとき、母さんが教えてくれた。

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 23:14:34.95 ID:JwJvvHOm0

母さんは地元の大学へ入った。
一人暮らしするほどのお金は無いからだ。

母さんは大学に入ってからも、勉強を続けた。
授業を取っていない日と土日は全てバイトに当てた。
奨学金とバイトだけで何とか全てをまかなおうとしていた。


川 ゚ -゚)


およそ大学生らしい遊びを全て捨てて、バイトし、勉強していたのだ。

これが優等生と言わずして、誰を優等生というのだろうか。

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 23:18:47.77 ID:JwJvvHOm0



父さんの話をしよう。



( ・∀・)「ちょりーっす」

(´・_ゝ・`)「おい、遅刻だぞ」

( ・∀・)「さーせーん」


父さんは中学時代、高校時代と、
授業を真面目に聞くという概念を一切取っ払っていた自由人である。

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 23:20:42.85 ID:JwJvvHOm0

髪を伸ばし、流行のフォークソングを聴き、
交差点で友達と駄弁りながら道行く通行人(女性)に点数を付ける遊びをしていたらしい。


ミセ*゚ー゚)リ「ところでさー」



( ^ω^)「あれは?」

( ・∀・)「おお!90点だろこれは」


川 ゚ -゚)「うん……うん……」


( ^ω^)「あれは?」

( ・∀・)「40点くらい?」

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 23:22:10.03 ID:JwJvvHOm0

川 ゚ -゚)「?」



( ・∀・)ニヤニヤ( ^ω^)ニヤニヤ



川 ゚ -゚)(感じ悪い…)



有名な進学校で、父さんは悪い意味で少し有名な人だった。

女子更衣室を覗ける穴を発見したのは父さんで、
今更衣室が改装されたのも父さんのせいらしい。

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 23:24:38.53 ID:JwJvvHOm0

父さんの家は小さな診療所である。

つまり、医者の息子なのだ。
父方のおじいちゃんもおばあちゃんも、何処か頼りないような印象を持つような人たちであった。


彼らの下で育ったのだから、自由人となったのかもしれない。
元々、そういう素質があったのかもしれない。


とにもかくにも、父さんは弾けもしないギターを買い、フォークソングを口ずさみ、

( ・∀・)「60点」

他人に点数を付けて笑う、ちょっと駄目な高校生だった。

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 23:26:54.84 ID:JwJvvHOm0

ただし父さんは曲げない信念を持った人間であった。


 「やりたいようにやる。生きたいように生きる」


趣味嗜好のためなら、一切の努力を惜しまない。
そういう、自分に正直な人。


しかしそれは後々わかることであって、当時の二人の互いの評価は、

( ・∀・)「40点」

川 ゚ -゚)「変な先輩」

止まりであったことは確実である。

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 23:28:35.32 ID:JwJvvHOm0




大学生になった母さんは、熱心に授業を受けて、真面目にバイトを取り組んだ。


川 ゚ -゚)(将来、どうしよう)


教育課程に進んでいるものの、果たして教師という職業が自分に合っているのかどうか、
不安になっていたらしい。


母さんは友達を作る暇さえないほど多忙な大学生活を送っていた。
だから、自分と誰かを比較して考えるということができなかった。

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 23:30:01.80 ID:JwJvvHOm0

あの人はこう、あの人はそう、だから自分は―――どう?


人は人と交差しながら人生を形作っていく。
誰かの目からでなければ、自分の形がわからない。


母さんは人生を迷っていた。

忙しい毎日の中で、楽しいことも見つからなくなっていた。



(-@∀@)「クーさん」

川 ゚ -゚)「はい?」

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 23:32:02.79 ID:JwJvvHOm0

母さんはデパート内のショップで働いていた。


(-@∀@)「今度フェアをやるから、臨時のバイトを雇いたいんだ」

川 ゚ -゚)「はぁ…」

(-@∀@)「大学生って時間あるでしょ? 友達とか誘っておいて欲しいんだけど」


人によるよ、と母さんは言いたかったに違いない。
そして、


川 ゚ -゚)「……はい」


誘えるほど友達がいなかったようだ。

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 23:34:39.21 ID:JwJvvHOm0

母さんは悩んだ。

唯一何でも喋ることが出来る友達と呼べる人物が一人いたが、
彼女は別のバイトをやっているしサークルで忙しそうだ。
とても暇だから手伝ってとは言えない。


川 ゚ -゚)「んー……ん?」


そして、彼を見つけた。


( -∀-)ンゴ…z


大学の英語の授業であった。
今後の人生を大きく変える決定的であまりにも意味深い出会いを、
退屈な朝の英語の授業で迎えることとなったのだ。

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 23:36:23.63 ID:JwJvvHOm0

川 ゚ -゚)(同じ高校の人だ……え? でも、先輩だったような……)


( ・∀・)「……?」



( ・∀・)「あっ……あー」

川 ゚ -゚)「あの……同じ高校の人ですよね?」

( ・∀・)「そうだけど」

川 ゚ -゚)「私……クーです」

( ・∀・)「おう。俺はモララー。年下か? 俺一浪してるけど」

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 23:38:44.72 ID:JwJvvHOm0

川 ゚ -゚)「あ、はい……一個下です」

( ・∀・)「ふーん。ミセリさんの妹だよね?」

川 ゚ -゚)「あ……知ってるんですね」

( ・∀・)「まあ、一応」



他愛もない、あまりにも意味の無い会話。
けれどもこれが、この夫婦のファーストコンタクトなのだ。

父さんは覚えてないと言っていた。
母さんは、少しだけ覚えていた。

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 23:40:31.73 ID:JwJvvHOm0

川 ゚ -゚)「あの、よかったらでいいんですけど、バイトの話があって…」

( ・∀・)「バイト?」

川 ゚ -゚)「臨時のバイトです」



今でも時々、母さんは父さんに対して敬語を使う。
最初から先輩だとわかっていたし、大学で同期となってもずっと敬語を使っていたから、
結婚してからも時々敬語になってしまうらしい。

今ではちょっと考えられないくらい、真面目で素朴な人だ。


( ・∀・)「俺はちょっと無理だな……」

川 ゚ -゚)「そうですか……」

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 23:41:51.10 ID:JwJvvHOm0

( ・∀・)「でも、暇そうな奴ら知ってるから、声かけとくよ」

川 ゚ -゚)「え? いや、え?」

( ・∀・)「あとで連絡するから、家の番号教えてくれない?」

川;゚ -゚)「あ、あっ、ありがとうございます」



母さんは優しい人だ。
人の痛みがわかる人だ。

父さんも優しい人だ。
誰かを助ける喜びを知っている人だ。

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 23:46:18.23 ID:JwJvvHOm0

母さんはバイトのフェアを乗り切り、それからまた忙しい日々に戻った。

父さんは父さんで、カンニングペーパーを作り、サークルで遊び惚ける忙しい日々に戻った。



ただし二人は、これを契機にちょくちょく会話をするようになった。

母さんは言う。
人生で最高の友達は父さんだったと。


父さんも、たぶん、そう思ってる。
昔の友達とはほとんど縁を切った今でも、休日の日には母さんとしょっちゅうデートに行くのだ。

最高の夫婦は、心で繋がる親友同士でもあった。

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 23:48:19.66 ID:JwJvvHOm0

それから母さんは、別の人と付き合ったり、デートに行ったりしていた。
父さんも同じように。



けれども二人が離れることはなかった。
くっつきもしなかったが、決して遠ざかることもなかった。


就職活動を始めなければならない時期が来た頃、


川 ゚ -゚)「就職、どうしようかと思って……」


母さんはまた悩んでいた。

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 23:53:27.41 ID:JwJvvHOm0

母さんは悩む人だ。
悩みの無い人生なんて無いというのは母さんの口癖だった。

一人で背負い込んで、苦しみながら這いずって、それでも前を目指す人だった。


彼女が唯一苦しみを見せられる相手は、父さんだった。


( ・∀・)「アドバイスは出来ん」

川 ゚ -゚)「だよね……私のことだし」

( ・∀・)「俺は、やりたいようにやる」

川 ゚ -゚)「え?」

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 23:55:51.42 ID:JwJvvHOm0

( ・∀・)「金持ちになりたいとか、地位が欲しいとか、そういう欲は無い。
      やりたいことを、やりたいときにやる。趣味とか、何でもそうだ。
      俺はそうやって生きるよ。俺の場合はね」

川 ゚ー゚)「……楽しそう」

( ・∀・)「一生は短いぜ。楽しくなきゃ人生じゃない」


趣向は若干異なるが、努力できるヒッピーのような人だ。


母さんは、こう思った。

この人と、一生一緒にいたいと。

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 23:58:07.55 ID:JwJvvHOm0

母さんは教師になった。


なりたくてなった、という訳ではないらしいが、今は楽しいようだ。



父さんは公務員になった。


激しく、自由な公務員だった。
デスクに座るのを嫌い、現場に赴くことを主とした足を使う公務員となった。


二人は就職してすぐに結婚した。
母さんは友達を一人だけ、結婚式に呼んだ。

呼んだのは二番目に仲のいい友達という訳だ。

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/31(水) 00:00:35.98 ID:HPKTXAh50

何もかも違うが、二人は惹かれあい、大きな問題もなく、数十年の時が流れた。

子供を産み、育て、子供が独り立ちしていっても、二人は今も一緒にいる。



俺は三人目の子供になるが、もしも母さんがデパートでバイトをしていなかったら、
もしも父さんが一浪していなかったら、もしも同じ英語の授業を選択していなかったら、
俺は生まれてすらいない訳で。


そういうことを考えると、不思議な気持ちになる。

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/31(水) 00:05:40.42 ID:JwJvvHOm0

実家に帰ったら、時々、母さんと海を見に行く。


そういうとき、よく昔話を聞かせてくれる。
というか、むしろ俺の方からよくせがむ。


昔の話をすると、大抵いつも父さんの話になるのが、
何故か嬉しくて、生まれてよかったと思えるからだ。


実家はかなりの田舎で、俺が子供の頃よりも廃れてしまった。

駄菓子屋は潰れ、ゲームセンターは無くなり、漁船は忽然と姿を消した。
小学校は新築となったが、昔より校舎は小さくなり、敷地も狭まった。
新しいのはバイパスだけで、目に見えるものよりも多くのものが少しずつ消えていった。

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/31(水) 00:07:51.75 ID:HPKTXAh50

それでも、


J( 'ー`)し「ちゃんと食べてる? 三食食べなあかんのよ。
      マーケットに行けば総菜もあるんだからージャンクなものばっかりじゃなくてねー」

( ФωФ)「新しいモニタ手に入れたぞ。どうだ、どぅあるでぃすぷれいというやつだ」


変わらないものもある。
変わらないものの方が、何よりも大事だ。




故郷の夕陽は、今も綺麗だ。


37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/31(水) 00:08:32.93 ID:JwJvvHOm0
終わりです。支援ありあとやしたー( ^ω^)

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