mesimarja
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( ^ω^)SKY DUNKのようです
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 21:21:53.86 ID:t7QP9XX40
僕はバスケが大好きなんだ―――。


心臓の鼓動だけが響いている。
さっきまでは五月蝿いくらいだったのに。
この瞬間だけは、いつだって世界は静寂に包まれる。

ドリブルの音も聞こえない。
指示の声、応援の叫びも聞こえない。
ボールがネットを通り過ぎるときの、快い音も無い。

緊張感がこの場を支配する。
だけど、僕は絶対に負けてはならない。

自分の思いを確かな形に変える。


2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 21:22:29.65 ID:t7QP9XX40
1、2とドリブルをついて心を静めさせる。
周囲の人たちが僕に注目しているのは明らかだ。
皆の視線が僕に集まっているけれど、僕の視線は一心にゴールに向けられている。

シュートの構えに入る。

大丈夫。何千、何万回と繰り返してきたシュートだ。
敵はいない、今あるのは僕とボールとゴールだけだ。
何も心配は要らない、当たり前のようにボールを放つだけだ。

あの場所に、僕の想いを届けるんだ。
大好きなバスケに恩返しをする為に。

もう、逃げたりはしない。

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 21:23:00.01 ID:t7QP9XX40
僕の手からボールが放たれる。
放物線を描きながら、ゴールへと一直線に進んでいく。
しゅっ、とネットとボールの擦れる音が、会場が騒がしくなる寸前に聞こえた。

―――ああ、バスケは本当に楽しい。




( ^ω^)SKY DUNKのようです






4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 21:23:55.26 ID:t7QP9XX40
桜舞う4月、今日も晴天なり。
門の前で仁王立ち、私の存在感は既に他を圧倒していた。


――ついに来た、VIP学園!
私の家から電車で40分、徒歩で10分の場所にあるんだ!
転校生だけど、友達100人出来るといいなぁ!!

(*゚ー゚)「そんなことより、バスケ部のマネージャーになるんだもんね!!」

校門で叫んだせいか、周囲の目線が突き刺さる。
これが転校生に立つイジメフラグなんだろうか、気にしない私は強い子。

私の名前はしぃ。
花も恥らうお年頃、現役女子高生で学年は2年生!
趣味はバスケで、特技はバスケの戦略組み立て!好きな男の子のタイプはバスケの上手い人!

今日この学校に転校してきたばっかりなんだ!

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 21:24:27.97 ID:t7QP9XX40
(*゚ー゚)「すいませーん、職員室ってどこですか?」

( ^ω^)「お?職員室は2階の丁度あの角の辺りに・・・・・・」

(*゚ー゚)「ありがとうございましたぁ!」

もちろん、部活はバスケ部のマネージャーになるつもり。
その為に今日は早速、先生に申し込みしに行くつもりなんだ!


(*゚ー゚)「どんな人がいるのかなぁ・・・・・・」

190cm越えのセンター?成功率80%のスリーポイントシューター?
5人抜きのフォワード?相手の深層心理まで読み取るスーパーガード?

凄い楽しみ!
見たこと無いくらいバスケの上手い人がいるといいなぁ!

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 21:25:11.76 ID:t7QP9XX40
(*;゚д゚)「・・・・・・って、ええええええええええええええええええ!!
     バスケ部がもうすぐ潰れるってそれどういうことですかぁ!?」

(;´∀`)「ちょ、ちょっとしぃさん五月蝿いモナ・・・・・・」

意気揚々と職員室に乗り込み、先生に聞いてみたところ衝撃の事実が伝えられた。
今年の夏の大会を最後に、バスケ部は無くなってしまうのだという。
後3ヶ月しかないじゃないか、私が転校してきて、いきなりなんて酷すぎる。


(*;゚ー゚)「一体、なんでなんですか!?
      お金がないんですか!?部員の不祥事でもあったんですか!?
      校長先生の無意味な嫌がらせなんですか!?バナナはおやつにはいりますか!?」

(;´∀`)「落ち着くモナ、胸倉を掴むなモナ!   
       それと最後のはバスケに全く関係ないモナ!」

(*#゚ー゚)「バナナはスポーツマンには欠かせない栄養価値の高い食べ物なんだよ!!」

(;´∀`)(な、なんで僕が怒られるモナ・・・・・・?)

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 21:26:42.29 ID:t7QP9XX40
(*;゚ー゚)「とにかく説明をしてください! 
      納得のいく理由が無い限り、私は断じてそんなことを認めません!」

(;´∀`)「君が認めなくても、社会は回るんだモナ・・・・・・。
       というか、そろそろHRも始まる時間だし・・・・・・。
       何より転校生であるはずの君がなんで、こんなにもアクティブにしてるんだモナ」

(*゚ー゚)「それは、そこにバスケがあるからよ」

( ´∀`)「まったく説明になっていないモナ」

そうだろうか?バスケは時として全て凌駕する魅力を放つと思う。
まぁ、確かに転校初日も朝から飛ばしすぎというのはあったかも・・・・・・。


(*゚ー゚)「でも、このままじゃ気になって夜も眠れません。
     それどころか、クラスメイトの名前を一人も覚えれないかもしれません」

( ´∀`)「せめて授業に身が入らない程度にしておけモナ・・・・・」

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 21:27:34.26 ID:t7QP9XX40
( ´∀`)「・・・・・・そうだ!君のクラスには男子バスケ部の奴がいたはずだモナ!
       そいつに聞いてくれれば、多分僕より詳しく説明してくれる筈だモナ!」

(*゚ー゚)「バスケ部の男の子・・・・・・?」

妄想が無限大に広がっていく。
厚い胸板、繊細な指の動き、賢い頭脳。
バスケットマンならきっと、それくらいは備わっているはずだ。


(*゚ー゚)「オーケー、厄介払いされた気はするけど良いでしょう。
     ・・・・・・それで、その男の子ってのはどんな奴なのよ?」

( ´∀`)「えーと、確かここら辺に写真があった気が・・・・・・。
       あ、あったこれだモナ!」

そう言って、モナー先生は私に写真を突き出してきた。
どれどれっと。


9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 21:28:08.60 ID:t7QP9XX40
(*゚ー゚)「あ、この人・・・・・・!!」

( ´∀`)「知り合いかモナ?
       それなら、丁度良かったモナ」


正直、イメージ図とは懸け離れてた。
けどまぁ、これはこれで一つの運命=デスティニーだよね!

よーし、オラ、ワクワクしてきたぞ!

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 21:28:51.01 ID:t7QP9XX40
.
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・

(*゚ー゚)「雛見沢女学院から転校してきました、しぃって言います。
     えっと、仲良くしてくれると嬉しいなぁ!」

所々から歓声が沸き起こる。
どうやら、私の容姿はなかなかのものらしい。照れちゃう。
でも、私の視線はもうあの人が独り占めよ・・・・・・!!


(*゚ー^)  パチッ パチッ

('A`)「なぁ、ブーン。
    あの子、なんかお前の事を見ながらめっちゃウインクしてないか・・・・・?」

(;^ω^)「いやいや気のせいだお・・・・多分」

今朝出会った男の子がバスケ部だったなんて、神様ありがとう!
食パンでも咥えてれば完璧だったのになぁ。

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 21:29:50.41 ID:t7QP9XX40
( ´∀`)「えーと、じゃあしぃさんの席は・・・・・・ってアレ?」



(*゚ー゚)「すいませーん、そこの席代わって貰えますかぁ?」

(;'A`)「えっ、あっ、はい」

もちろん彼の隣は私の居場所!
徹底的なサポートもマネージャーのお仕事だからね。



(*゚ー゚)「宜しくね、ブーン君!」

(;^ω^)「え、何で僕の名前を・・・・・。
       まぁ、宜しくだお、その、しぃさん」

(*゚ー゚)「もう、他人行儀だなぁ!呼び捨てでいいのに!」

(;^ω^)(初対面で他人行儀の何が悪いんだお・・・・・・)

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 21:30:42.68 ID:t7QP9XX40
( ´∀`)「授業を始める前に・・・・・ドクオは教壇の目の前の席に。
       ここしか空いてないから・・・・なんかすまんモナ」

('A`)「ええ、分かってますよ、ふふふ・・・・俺の人生らしいじゃないですか」

ドクオっていう男の子は、哀愁漂わせながら席を移動しました。
暗いなぁ、バスケットマンを見習って、もっと爽やかになればいいのに。

それに比べて。


(*^ー^) ニコー

(;^ω^)「・・・・・!?ど、どうかしたのかお?」

絶やさない笑顔と、見え隠れする気遣いの心!
やっぱり、バスケをやっていると普通の男の子とは違うね!

これでバスケも上手ければ完璧なのになぁ・・・・・・。
まぁ、身長は低めみたいだからガードタイプなのだけは確かなんだけどね―――

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 21:31:55.93 ID:t7QP9XX40
*** *** *** *** *** ***

ブーン君が囲まれてしまった。
トリプルチームは辛いものがあるみたい。

('A`)「ふんふん、抜かせたりしないぜ!!」

('A`)「ふははは、流石のお前でもこれは抜けないだろう!!」

('A`)「はっはっは、とにかく抜けないだろう!」


でも、ブーン君はピボットを踏みながら攻めのタイミングを計っているのだ。
僅かな隙間をじっくりと観察しながら探し、そして。


( ^ω^) キラーン

(;'A`)('A`)('A`;)「ぬあああああにいいいいい!?」

一気に抜き去った!
その速さ、まさに風の如し!
レッグスルーやバックチェンジもさり気なく混ぜながら颯爽とゴールへ向かう!!

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 21:32:54.63 ID:t7QP9XX40
('A`)「この先へは行かせん!」

('A`)「ゴールは俺たちが死守する!」

残りのセンター陣の二人がブーン君の前に立ちふさがった!
身長さは軽く見積もっただけでも30センチ以上はあるだろう。
くそっ、あの二人の身長はどう考えても200センチ以上あるじゃないか・・・・・・!!


―――でも、そんな時でもブーン君は笑っていたんだ。


私はその時、彼が天使なんじゃないかと思った。
だって、背中に神々しい白い翼が生えていたんだから。

( ^ω^) ニコヤカ

(;'A`)('A`;)「ぬあああああああああにいいい!?」


出た、2メートルの壁を飛び越える大跳躍・・・・・!!
マイケルジョーダンもびっくりやでぇ・・・・・!!

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 21:33:53.41 ID:t7QP9XX40
フリースローラインから彼は跳んだ。
しかし、その跳躍はゴールへの距離を埋めるには十分なものだった。
それどころか、天井にまで着いてしまうのではないかという勢いだ。
空高く舞い上がったブーン君はゆっくりと降下し始め、そして!


( ^ω^) ニヤリ

ドガッシャアアアアアアンンンンッッ!!


豪快なダンクをぶちかます!
それは私がNBAなどでも夢見ていたSLAMDANK!!
場内からは割れんばかりの歓声が沸き、私の心も爆発寸前だった。

そう、彼は私の心にもダンクシュートを決めたのだ。

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 21:34:47.07 ID:t7QP9XX40
試合が終わり、両チームは整列を行う。
終わってみれば、ブーン君が200ポイントを決めたので大差の勝利となった。

(*'A`)「キャアアーー!!ブーン様ぁああああ!!」

(*'A`)「サインを、いやむしろ私に熱いチッスをちょうだああああいいい!!」

会場のいたる所から熱いラブコールが巻き起こる。
やはり、バスケの上手い男というのはもてるものだ。当然である。
私なんかじゃ、手も届かない存在なんだよな・・・・・・。

・・・・・・え?

(*;゚ー゚)「ブ、ブーン君・・・・・・!?」

( ^ω^)ニコニコ

彼の瞳が語る。
『ここまで来れたのは、君が裏で支えてくれていたからだ』
『今の僕が存在できるのは、君がいてくれたからなんだ』
と。

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 21:35:53.02 ID:t7QP9XX40
(*゚ー゚)「ブーン君・・・・・・」

( ^ω^)フフッ

二人の視線が交錯する。
試合の熱気よりも熱く、情熱的なムード。

そして、彼の腕が私を包む。
ダンクを決めるほどの力強い腕。
それでいて狂いない綺麗なスリーポイントを決める繊細な指先。

評価しきれないくらい魅力的である。
もう一度見つめあった後、私達は溶け合うように―――



*** *** *** *** *** ***

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 21:36:35.51 ID:t7QP9XX40
( ´∀`)「そんな訳で帰りのHRを終えるモナー。
     それじゃ号令ー!」

(*;゚ー゚)「ハッ!?」

夢!?
私は朝からずっと帰りのHRまで寝ていたっていうの!?
あれ?でも質問に答えたり、昼ごはんを皆と食べた記憶はあるような・・・・・。


(*゚ー゚)「まぁ、細かいことは気にしない気にしない。
    それじゃ、さようならー!」

授業なんて学校にとって飾りです。
放課後の部活動こそ青春、学校の存在意義なんだから。

さぁ、ブーン君。
私と一緒に情熱的に汗を流しましょう―――


19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 21:37:50.50 ID:t7QP9XX40
(*;゚д゚)「―――って、なんで帰ろうとしてんねん!!」

(;^ω^)「おおっ!?」

見れば、部活着も持っていない様子の彼は、普通に帰る仕度をしていた。
うら若き乙女にズッコケでツッコミをさせるとはやるじゃないか。

(*;゚ー゚)「部活は、バスケは!?
      スリーポイントの成功率を上げたり、ディフェンスの根性をつけたりは!?
    使いもしないカッコつけだけのドリブルの練習をしたりは!?」

(;^ω^)「おま、それは全国のバスケをやってる人たちに謝れお!
       試合で使わなくても基本的なドリブル技術の向上にはなるんだお!」

流石バスケットマンだ。
唐突のボケにも、こんな風に突っ込むことが出来るなんて・・・・・!!


(*;゚ー゚)「なんて言ってる場合じゃなかった。
      ど、どうして練習もしないで帰るの??
      もしかして校長の嫌がらせで練習場所がないとか・・・・?」

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 21:38:41.19 ID:t7QP9XX40
( ^ω^)「いや、今日は水曜日だから・・・・・・」

(*゚ー゚)「水曜日?水曜日だと、何かの問題があるの?」

( ^ω^)「うちのバスケ部は、週2回の活動。
       月曜日と木曜日以外は完全オフってなってるんだお」
 
(*゚ー゚) ヘェ ソウナンデスカ

( ^ω^)ソウナンデスオ


そっか、そっか、週二日の活動で今日はオフなのか。
それなら納得だ―――

(*;゚д゚)「って、えええええええええええええええ!!??」

バスケは習慣のスポーツだぞ!?
毎日の繰り返しの果てに、ようやく上達の道が見えてくるスポーツなんだよ!?
それを週二日でって、アンタ達は安西先生に何を学んだんだ!?

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 21:40:02.52 ID:t7QP9XX40
(*゚ー゚)「あっ、それってもしかして潰れるのと関係があるの?   
    校長先生が潰れる部活には練習の時間もあげない、みたいな」

(;^ω^)「やたらと校長先生に固執するのは止めてあげた方がいいお。
       そういうんじゃなくて・・・・・あ、でも、関係なくは無いかも・・・・・・」

(*;゚ー゚)「ど、どういうこと?」

( ^ω^)「うちの部活は週二日の練習だから、当然弱小なんだお。
       おかげさまで、ここ十年の大会は全部一回戦敗退。
       おまけに、その半分はダブルスコアっていう、凄まじい記録を残してるんだお」

・・・・・・ヤバイ、ちょっと挫けそうな真相だ。
一回戦でダブルスコアするのを十年間続けるって・・・・・そりゃ潰れもするわよ。


( ^ω^)「ウチと当たるところは、シード権ゲットも同然。
       なんて噂もよく耳にするお」

追い討ちは止めて欲しい。

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 21:41:15.33 ID:t7QP9XX40
( ^ω^)「それで、今度の大会で記録を残さないと今度こそ廃部らしいんだお。
       とりあえず1回戦突破すればいいらしいんだけど・・・・・・」

(*゚ー゚)「頑張れば良いじゃない!
    校長先生に頼んで、練習時間を増やしてもらうとか!!」

( ^ω^)「こんな弱小部活に、そんなやる気はあるやつがいると思うかお?
       皆、今の状況に既に諦めの色を見せてるんだお。
       バスケ部が無くなったら、カバディ同好会でも始めようかって―――」


(*#゚ー゚)「ふざけないでよ!!バスケが出来る環境があるのに何でやらないのよ!!
    大体、カバディ同好会なんて、そう簡単に出来る訳がないでしょ!!
    あの競技の恐ろしさも知らないくせに・・・・・!!」

(;^ω^)(やった事はあるのかお・・・・・?)

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 21:42:01.29 ID:t7QP9XX40
( ^ω^)「と、とにかく僕たちにはそんな気力はないんだお。
       しぃはマネージャー希望なのかもしれないけど・・・・・僕たちとは縁が無かったということで」

(*;゚ー゚)「あっ、ちょ、待ってよ!!」

しぃって呼んでくれたの嬉しい。
・・・・・じゃなくて、ブーン君は帰ってしまいました。

教室に一人残された私の惨めさなんて誰が知るところでしょう。
バスケットマンは熱意に燃えてるなんて、私の思い違いだったの・・・・・?


(;'A`)「・・・・・・・・・・・」

(*゚ー゚)「・・・・・なんだよ」

(;'A`)「・・・・・・いっ、いや何でもありません」

はぁ、私も帰ろう。


26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 21:42:51.41 ID:t7QP9XX40
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・

(*゚ー゚)「君が好きだーと叫びーたい♪」

放課後、色んな部活の見学に行って見たものの、やはり盛り上がりに欠けた。
いや、カバディ同好会がすでに存在していたことに対してだけはトキメキを隠せなかった。

やっぱり私は男子バスケ部を盛り上げたい。
見てる分には女子バスケ部よりも格好いいしなぁ、迫力が違うし。

だけど男子はあんな感じだし女子バスケ部のマネージャーしか駄目かなぁ。


そんな訳で、苦悩しながら私は帰路につく訳である。
悩みながら歩く姿は、思春期らしくて実にいいものだと自分でも思う。

・・・・・あっ、やべ、それなら鼻歌は禁止か。

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 21:44:07.96 ID:t7QP9XX40

―――ダムダム、ダムダム

(*゚ー゚)「・・・・・ん?」

僅かな音が耳に入る。
この音を聞き間違えるはずはない。
これはバスケットボールのドリブルの音だ。


(*゚ー゚)「しかも、これって!!」

かなり上手い人っぽい!
リズム感がある、チェンジオブペースもやってるみたい。

少なくともボールに馴染んでいることは間違いないだろう。
この音なら・・・・・10年前後はバスケをやってる人だ。


(* ー )(そんな事も分かる私すげぇ)

なんて思いながら、音に誘われて私は公園へ向かった。


29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 21:45:10.28 ID:t7QP9XX40
公園では、街頭の僅かな光を頼りに練習に励む人がいた。
たった一人で、ドリブルを挟みながら何度もシュートを放っている。
周囲の様子はまるで気にしていないのか、草陰に隠れればかなり近寄る事が出来た。

(*゚ー゚)(けど、あれって・・・・・・ブーン君?)

驚くことにそこにいたのはブーン君だった。
中々の腕前を持っているようで、まるでボールと踊るような完璧なボール捌きだった。


(* ー )(ふふ、うふふふふふふふ!
     やる気ないなんて言っておきながら・・・・!!
     この照れ屋さんのツンデレボーイめ☆)

(;^ω^)(な、何か妙な寒気が・・・・・!
       ちょっと休んで汗を拭くかお・・・・・・)


31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 21:46:55.63 ID:t7QP9XX40

( ^ω^)「ん・・・・・いつの間にかこんな暗くなっちゃったお。
       お腹も空いてきたし・・・・・帰るかお」

ブーン君は汗を拭きながら、ボールを指先で回していた。
あの疲労を考えると、学校を終えてからずっとここで練習していたと考えるのが妥当だろう。


(*゚ー゚)(私の目に狂いは無かった!!)

やっぱり、バスケットマンはこうでなくっちゃ!
人知れず努力する男・・・・・うーん、カッコイイじゃないか。

本当はもっと練習をしたくてたまらないんだろう。
だけども、周りの空気に合わせて遠慮しているのだ。
なんて健気なんだ。思わず心臓の高鳴りも激しくなっていくというもの。

これは私が手助けしてあげるしかない。


32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 21:47:37.72 ID:t7QP9XX40

(*゚ー゚)「いよっしゃああああああああああ!!」

さぁ、これからは男子バスケ部盛り上げだ!!
ひとまず練習量を今以上に変えないことには話にならない。
その為には男子バスケ部であるブーン君と一緒に頑張らないとね・・・・・!!

ふふふ、明日から『ブーン君と一緒にバスケ部存亡をかけて目指して頑張る作戦
         ~~私は貴方だけのマネージャー☆~~』の始まりだ!!」


(;^ω^)(な、なんなんだお.今の雄叫び・・・・・。
       ここら辺も物騒になって・・・・もう練習止めようかお)

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 21:48:37.84 ID:t7QP9XX40
――作戦その①『さり気なく、かつ大胆に』


(*゚ー゚)「おはようバスケ、今日もいい天気バスケ」

(;^ω^)「・・・・・お、おはようだお」

(*゚ー゚)「一時間目は・・・・・数学かバスケ。
    私あんまり得意じゃないんだバスケなぁ・・・・・・・」

(;^ω^)「そ、そうなのかお。
       ところで、その語尾は一体・・・・・?」


(*゚ー゚)「ああ、これは口癖だから気にしなくていいバスケ」

(;^ω^)(・・・・・関わらない方がいいのかお?)

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 21:49:34.59 ID:t7QP9XX40
―――作戦その②『攻撃は最大の防御なり』




(*゚ー゚)「バスケ部、もっと練習増やそうぜえええええええ!!」



(;゚ω゚)「ここは男子トイレだおおおおおおお!!」


38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 21:50:50.71 ID:t7QP9XX40
―――作戦その③『乙女のラブロマンス』

(*゚ー゚)「ブーン君、メルアド教えて!」

( ^ω^)「ん?ああ、じゃあ赤外線で送るお・・・・・」

('A`)(死ね)





(;^ω^)「一日にメール着信が50件・・・・・。
       内容は全部『バスケ部もっと練習増やそう』・・・・・・」


39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 21:51:48.08 ID:t7QP9XX40
―――作戦その④『乙女のラブハリケーン』


(*゚ー゚)「ブーン君、携帯の番号教えて!!」

( ^ω^)「ん?ああ、じゃあ赤外線で送るお・・・・・」

('A`)(死にたい)






(;^ω^)「非通知電話が一日に20回も・・・・・・。
       内容は『バスケ部の練習増やさないと家が爆発するぞ』って・・・・・・」


41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 21:52:37.06 ID:t7QP9XX40
―――作戦その⑤『誘いの呪文』


(*゚ー゚)「ブーン君、『バスケ部の練習増やしたい』って10回言って!!」

(;^ω^)「・・・・・・・・・・」

(*゚ー゚)「ほらほら、早く!」

( ^ω^)「・・・・・バスケ部の練習増やしたい、バスケ部の練習増やしたい。
          バスケ部の練習増やしたい、バスケ部の練習増やしたい(ry」


(*゚ー゚)「分かった!校長先生の所へレッツゴー!!」

(;゚ω゚)「お、おま、誰か助けてえええええええええええ!!」

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 21:54:03.22 ID:t7QP9XX40
―――作戦その⑥『バスケ部に入ったら、彼女が出来ました!』


('、`*川「えーと、バスケやってる人ってカッコイイよねー」

川 ゚ -゚)「そうだな、スリーポイントを決めたときなんて濡れる」

ξ゚⊿゚)ξ「ソウソウ、カッコイイデスネ」




(;^ω^)「・・・・・・しぃが言わせてるのかお?」

(* ー ) ニヤリ


45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 21:54:54.33 ID:t7QP9XX40
―――作戦その⑦『はぁはぁ、お嬢ちゃんのパンツ何色?』


(*゚ー゚)「ふひひ、いい体してるなぁ、バスケットボールちゃんよぉ。
     茶色く焼けた肌がなんとも言えなくいやらしいじゃないか・・・・。
     こんなとこまで、こんがりなんてよぉ・・・・・・」

(;^ω^)「・・・・・・・・・」

(*゚ー゚)「指でこすってあげようか?ほれ、ほれほれ!! 
     そんなに『きゅっきゅっ』体を鳴らして、感じてるんじゃないのか!?
     ゴールネットを通ってみたいんじゃないのか!?」



(;^ω^)「・・・・・・しぃ」

(* ー )「止めて、何も言わないで。
     私も何かが違うって分かってるから」


47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 21:57:02.17 ID:t7QP9XX40
―――作戦その⑧『乗れ、私という名の大船に!』


(*゚ー゚)「ブーン君は何か夢とかあるの?」

( ^ω^)「ん・・・・・無理だって分かってるけどダンクをしてみたいお」

(*゚ー゚)「ブーン君なら出来るよ!」

( ^ω^)「でも、僕は身長が163センチしかなくて・・・・・・」


(*゚ー゚)「だって、ブーン君は2メートルを飛び越えるほどのバスケセンスを秘めてるんだから!!」

(;^ω^)「それなら僕は違った競技で世界を目指すと思うお・・・・・・」

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 21:57:48.91 ID:t7QP9XX40
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・

(*゚ー゚)「えーと、次の作戦はっと・・・・・・」  
 
(;^ω^)「待って、お願いだから待って欲しいお!」

(*゚ー゚)「ん、どうしたの?
     ひょっとして私の熱意に負けてバスケ部の事を考え直そうって?」

(;^ω^)「そ、そうなんだお!
       僕も正直、どうにかしなくちゃって・・・・・・」


何かよく分からないけど、作戦は成功したみたい。
作戦その⑨は『納豆ねばねばネバーギブアップ』で決定かな。

(;^ω^) (これ以上、何かされたらたまったものじゃないお・・・・・)


50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 21:58:38.54 ID:t7QP9XX40
(*゚ー゚)「よし、それじゃあ校長先生の所へ直談判だね!
     善は急げ、レッツらゴー!!」

(;^ω^)「まじで行くのかお・・・・・普通、顧問に頼んだりとか・・・・・」

(*゚ー゚)「顧問って誰なの?」

( ^ω^)「一応、モナー先生が顧問になってるお。
       でもここ3ヶ月ぐらい体育館にいるとこを見たことがないような・・・・・・」

あの性根の腐った駄目教師め。
アイツのせいでバスケ部まで空気が悪くなってるんじゃ・・・・・なんてどうでもいいか。
今は私が救世主になるんだからね!


(*゚ー゚)「よし、校長室まで案内しなさい!」

(;^ω^)「かしこまりましたお・・・・・」

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 22:00:22.04 ID:t7QP9XX40
/ ,' 3「うん~、もちろん~、練習時間~、増やすの~、駄目~」

(*;゚д゚)「―――って、えええええええええええ!!
     何でなんですかぁあああああああああ!!」

何か、このパターン多い気がする。
いやいや、そんなこと気にしてる場合じゃないか。


/ ,' 3「だって~、この学校には~、部活がいっぱいで~」

(*#゚ー゚) イライライライライラ

(;^ω^)「ああ、僕が説明するからしぃ落ち着くお!
       えっと、この学校はちょっと部活動の数が多すぎてスペースが余ってないんだお。
       体育館もグラウンドも他の部活が使ってるから、僕達は週二日が限界なんだお・・・・・・」

申し訳なさそうにブーン君は語った。
校長の話は何故か羊羹が美味しいという話にフェードアウトしていた。

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 22:01:24.94 ID:t7QP9XX40
(*゚ー゚)「何で、そんな重要な事を今の今まで黙ってたのさ!」

(;^ω^)「聞く耳持たなかったというか、言ったところで無駄と思ったというか・・・・・・。
       とにかく、他の部活も大変な状況なんだから、僕たちが我侭言う訳にはいかないんだお」

(*;゚ー゚)「大変な状況って・・・・!!バスケ部は潰れそうなんだよ!?
     他の部活よりもずっとずっと深刻な状況に立ってるんじゃないの!?」

ブーン君は口を閉ざしてしまった。
反論できないんだろう、崖っぷちにいるのは事実なんだから。


(*゚ー゚)「ねぇ校長、どうにかなりませんかね?
   どうしてもバスケ部には練習時間の延長が必要なんです」

/ ,' 3「そんな~、ことを~、言われても~」

(*゚ー゚)「例えば・・・・・ほら、他の部活と練習時間をかけて勝負するとか」

何言ってるんだ私は。
そんな馬鹿げた勝負が成立する訳―――

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 22:02:39.57 ID:t7QP9XX40
/ ,' 3「―――ほう、それは面白い」

・・・・・あれ?

荒巻校長は持っていた杖を投げ捨て、物凄い勢いで立ち上がった。
背筋は伸びきり、先ほどまでのヨボヨボしていた雰囲気はまるで感じ取れない。
意味するところは・・・・・!!


(*;゚ー゚)「この野郎、猫被ってやがったな・・・・・・!!」

/ ,' 3「ふぉふぉふぉ、脳ある鷹は爪を隠すというやつじゃ。
    この荒巻、65を過ぎてもまだまだ健在じゃわい!!」

(*;゚ー゚)「くっ、65歳で校長をやっていいのかという疑問は聞かないでおいてやる!」


( ^ω^)(ちなみに僕は入学式で元気な校長を見てたから知ってた訳だけど・・・・・。
       何か盛り上がってるし、言ったら怒られそうだから止めておくお)

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 22:03:30.66 ID:t7QP9XX40
/ ,' 3「待っておったんじゃよ、いつかそんな馬鹿げた提案をしてくる生徒をな。
    私の部活に、新たなステップを踏み出すチャンスを与えるために!!」

(*;゚ー゚)「貴様も練習時間を求める者か・・・・・!!」

/ ,' 3「如何にも!!私が顧問を務める部活も練習は週たったの3日!
    この現状には私も耐え切れなくてなぁ・・・・・!!」

言葉の一言一言から空間にひびが入るような凄みを感じる。
くっ、なんていう威圧感なんだ。流石は校長といった所か!
でも私はバスケ部の為には絶対に負けてなんかいられない・・・・・!


( ^ω^)ズズー

呑気にお茶すすってんじゃねぇぞ・・・・・!!

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 22:04:53.77 ID:t7QP9XX40
(*゚ー゚)「つまり、貴様は部活を賭けて争いたいということか・・・・・。
    一体何で勝負をするんだ?」

/ ,' 3「ふぉふぉ、お前の部活の競技で構わんさ・・・・・・」

私達の部活の競技で構わない?
つまりバスケットボールで勝負して良いということか。
ふふふ、バスケ部が万年一回戦チームだからって甘く見てるな・・・・・!


( ^ω^)「あっ、しぃ、その誘いには絶対に乗っちゃダm―――」

(*゚ー゚)「乗った、こてんぱんにしてくれるわ!!」

/ ,' 3「望むところよ!もう前言撤回とはいかんからなぁ!!
    この部屋のいたるところに仕掛けたカメラが証拠じゃあ!!」

私のスカートの中覗かれたりしてないかな。
というか、ブーン君が何か慌てふためいてるけどなんでだろ?

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 22:05:54.39 ID:t7QP9XX40
/ ,' 3「お前のチームが勝ったら、夏まで部活の時間を譲ろう。
    私のチームが勝ったら逆に夏まで部活の時間を貰う。
    もっとも、夏の試合で結果を出せなかったら廃部というのは変わらんがな・・・・・!!」

(*゚ー゚)「ふん、そんなのこの試合で勝って練習が出来れば問題ないもんね!
    ここにいるブーン君が貴様の部活なんてぶっ飛ばしてやるんだから!!」

(;^ω^)(いまさらだけど貴様って・・・・・!)

さて、大体言うべきことは終わったかな。
後は試合に向けてバスケ部の調整をするだけだよね。


(*゚ー゚)「そうだ、ついでに聞いておきたいんだけど校長の部活って何?
     まさかゲートボール部なんて言わないよね?」

/ ,' 3「・・・・・・聞いて驚くがいい、我が部活は―――!!」

引っ張るな・・・・!!

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 22:06:44.97 ID:t7QP9XX40
/ ,' 3「私が受け持つ部活はカバディ部!!
    心身共に強靭でなければ出来ない、過酷なスポーツよ!!
    ちなみにマネージャー募集中なんで、よろしく!!」

衝撃!!私達の敵はあのカバディ部だった!!

次週、ありえない筈の名コンビ!?
レイダー×アンティの無呼吸軍団の悪夢!!乞うご期待!!


(;^ω^)(何か楽しそうだお・・・・・・)

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 22:09:07.35 ID:t7QP9XX40
すいません、ちょっとお腹の調子が悪いです。すいません。
少し篭ってくるんで少々お待ちをと。

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 22:22:48.96 ID:t7QP9XX40
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・

(*゚ー゚) 「はーい、男子バスケの皆さんこんにちはー!
     新しくマネージャーになったしぃでーす!よろしくー!!」

バスケットマンから漏れる歓喜の声。
ふふ、もっと褒めてくれても構わないのよ・・・・・!


(*'A`)「本当に入ってくれたんだなぁ・・・・・。
    とうとううちの部活にもマネージャーなんてものが・・・・・!!」

(*^ー^)「初めまして!君は一年生かな?
     これから一緒に頑張って行こうね!!」

あれ、急に落ち込んじゃった。
どうしたんだろう、もしかして三井ばりの膝の痛みが・・・・・!?

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 22:24:28.79 ID:t7QP9XX40
(;^ω^)「しぃ、ドクオはクラスメイトじゃないかお。
       君が席を替わって貰った・・・・・・」

(*;゚ー゚)「あっ、そうかっ、ゴメン!」

('A`)「いいさいいさ、俺は生まれもってこういう人間なんだよ・・・・・」

帰宅部だと信じて疑わなかったからなぁ。
まさかバスケットマンにもこんな負のオーラを出す人がいただなんて。
私もちょっと考えを改めることになりそう。


(*゚ー゚)「まぁ、そんな事はさておきですね。
     今週の木曜日の放課後、試合をすることになりましたー!!」

私一人のパチパチという拍手の音が響く。
のってこいよ、恥ずかしいじゃないか。

69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 22:26:12.87 ID:t7QP9XX40
('A`)「試合って・・・・・俺たちと練習試合を?
    そんな物好きな高校がよくあったもんだな」

(*゚ー゚)「練習試合なんて、甘っちょろい考えは捨ててくださいね。
     私達がやるのは部の存亡を賭けた言わばゲスゲーム!」

( ^ω^)「いや別にそこまでは言わなくていいお。
    えーと、練習時間を増やすためにカバディ部とバスケすることになったんだお。
    勝てば練習時間が増えて、負ければ夏の大会まで学校で練習することが出来なくなるお」

ブーン君が言い終わった途端に、部の全体から通夜の帰りの様な雰囲気が漂ってきた。
私は『よーし、それじゃあ練習だ!』とかそういうノリを期待してたっていうのに。


(*゚ー゚)「どうしたの?ここは盛り上がる所でしょ?
    だって、自分達の得意な種目で戦える最高の条件なんだよ?」

('A`)「そうなんだけど・・・・・・相手が悪すぎるんだよなぁ」

相手が悪い?

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 22:27:14.84 ID:t7QP9XX40
( ^ω^)「カバディ部は学校での練習時間が少ないのは確かにそうなんだお。
       だけどその代わり練習が無い日には、校長が自費で借りたグラウンドで練習してるんだお」

('A`)「おまけに、カバディ部だけはスポーツ推薦が認められてるっていう優遇っぷり。
    あそこの部活にいるのはほとんどが、運動神経抜群のイケメンどもだ。イケメンどもだ」

大事なことなので二回言いましたと言いたげだが、今は最高に関係のないことだ。
だけど相手がそんなチームだっていうのに、ここのバスケ部には運動が得意そうな人がいないのも確か。


(*゚ー゚)「でも、そんな事は関係ないじゃない!!
    私達は普段通りのバスケをすればいいんだからさ!

('A`)「俺達通りのバスケか・・・・・!!
    そうだな、点差を開かせないようにボールキープを必死こいて・・・・・・!」

(*#゚ー゚)「『勝つ』バスケをするんだよ!!」

(;'A`)「は、はひ」

71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 22:29:27.44 ID:t7QP9XX40
そんなこんなで私達は試合目掛けて練習を開始した。
学校で出来ない日には、他所の体育館を借りたり、戦術の猛勉強をした。
ドクオ君がゲームの販売日で帰ろうとした日は、流石の私もぶち切れたりもした。

私達の目の前には確かな絆が芽生え始めつつある。
今までは本気でやろうとしなかった人たちが見せた本物の気持ちは美しいものだった。
不器用ながらに輝きを増していき、まるで宝石の原石の様だ。

確かに犠牲になったものもあるだろう。
自由な時間も減ったし、二度と光を点さない大人気携帯ゲーム機もある。

だけども、いつかはそれも笑いあえる日が来る。
あの時の決断が間違っていなかったと自信を持って言える日がくるはずだ。

そして、試合の日が訪れた―――


73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 22:31:40.94 ID:t7QP9XX40
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・

審判「選手は互いに礼をしてください!」

( ^ω^) 「お願いしますだお」

('A`)(イケメンばっかり・・・・ファールしてでも顔殴りたいなぁ)

( ・∀・) 「ふふ、お手柔らかに頼むよ」

緊張はしていないみたいで良かった。
でも油断は出来ない。相手のチームも余裕たっぷりの表情だ。
もっとも、最後に笑うのはこの私なんだけどね・・・・・・!!


( ´∀`)「丁度始まった所かモナ」

(*^ー^)「あ、モナー先生こんにちはー!
    今日は『珍しく』バスケ部の事を見に来てくれたんですね!!」

(;´∀`)(う、言葉が毒々しいモナ・・・・)


74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 22:33:05.28 ID:t7QP9XX40
バスケ部「飛べー!飛べっ!エイ君飛べー!!」

手拍子と共に、飛べ飛べコールが巻き起こる。
うーん、なんだかバスケの試合っぽくて実に気持ちいい。


( ´∀`)「へぇ、応援なんて今までは一回も聞いたことなかったモナ。
    ベンチにいてもDSをやってる生徒なんかもいたりして・・・・・・」

(*^ー^)「そのDSなら、この前、一個真っ二つにしてあげたところなんですよー!」

ベンチでゲームなんて、うちのチーム内だけじゃなく相手チームにも失礼だろうに。
やっぱり、この先生にも何らかの処罰は必要だと断言出来る。


(*#゚ー゚)「バスケにしろ何にしろ、ベンチにいる人間はいつでも戦える気持ちでいなきゃいけません。
    それに応援することで熱気が増すし、流れを呼び寄せたり維持することだって出来る。
    勝つ為には絶対に必要な行動なんです。それなのにやり方を知らない生徒がほとんどなんて・・・・・!!」

( ´∀`)(僕も知らないなんて言ったらまずいかモナ・・・・・・?)

75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 22:33:59.44 ID:t7QP9XX40
ジャンプボールはやはり、あちらが制したみたいだ。
やはり基本的な運動神経なら、こちらはかなり分が悪い。

( ・∀・)「ふふふ、それでは早速行かせてもらおうかな・・・・・」

一人の男がボールを持ち、ディフェンスに揺さぶりをかける。
どうやら経験者のようだ。ボールの持ち方一つで初心者との違いが分かる。
はて、それにしてもあの男、どっかで見たような―――


審判「ピピー!5秒ヴァイオレーション!!」

(;・∀・)「ワ、ワッツ!?
     そういえばそんなルールが・・・・・オーマイゴッド!!」


・・・・・まぁ、気にしなくてよさそうだ。
物凄い馬鹿ということだけは把握出来たし。

76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 22:35:33.39 ID:t7QP9XX40
('A`)「ほい、ブーン」

( ^ω^)「ん、それじゃあ一本行くお!」

ドクオ君からブーン君にボールが渡される。
ガードを中心としたボール展開はバスケットボールの基本形だ。
ブーン君以外の人間が、これすら理解していなかった時は流石の私も頭が痛くなった。


( ^ω^)「・・・・・・・・・・・」

( ・∀・)「ふふふ、君も5秒ヴァイオレーションをとられたいのかな?」

( ^ω^)「僕はドリブルをしてるから、ヴァイオレーションはとられないお」

(;・∀・)「な、なにぃ!?」

一瞬の隙を見越して、ブーン君は男を抜き去った。
他の生徒達がブーン君にヘルプに来たところを冷静に対処して、パスを回す。
最終的にがら空きになったゴール下でドクオ君がシュートを決めた。

77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 22:36:12.62 ID:t7QP9XX40
(;・∀・)「シット!精神攻撃をかまして揺さぶりをかけるとは・・・・・!!  
      バスケ部め、なんて卑劣な!!」

(;^ω^)「いや、普通にルールに従っただけなんだけど・・・・・・」

なんか、いきなり揉め事が起きてるみたい。
どうせ馬鹿がブーン君に嫉妬して、いちゃもんつけてるだけだろうけど。


(*゚ー゚)「よしよし、先制点は貰った!
     試合の流れを左右する大事な一点だからね・・・・・最初は飛ばすよ!」

ディフェンスはオールコートマンツーマンだ。
一人に一人を相手にする、基本的な陣形と言っても過言ではないだろう。

もっとも、ちょっとだけ仕掛けを施してある。

79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 22:37:41.77 ID:t7QP9XX40
イケ面A「ふっ、まだまだオッケーイ!」

イケ面B「余裕な感じ、僕セクシー!!」

カバディ部の生徒が、適当にボールを渡そうとする。
周囲のことは軽く確認した程度だ、そこがチャンスになる。


(;・∀・)「の、ノウ!それはトラップ―――」

('A`)「ほいほい、いただきっと」

カバディ部の生徒は驚きのあまり固まっていた。
ドクオ君が飛び出し、カバディ部のボールを見事に奪ったのだ。
油断が命取りのこの世界にナルシストは必要ないんだよ!


(*゚ー゚)「ナイスカットォ!!」

やっぱり、運動神経がいくら高くても初心者は所詮、初心者に過ぎない。
ちょっと離れてディフェンスすれば、すぐに安全だと判断してボールを手放してしまう。


80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 22:38:46.60 ID:t7QP9XX40
唐突の出来事だったのか、カウンターは驚くほどすんなりと決まった。
ドクオ君が粋がってる様子だが、まぁ今だけは調子に乗らせておこう。

( ´∀`)「緩いディフェンスが作戦だったモナか?」

(*゚ー゚)「ええ、序盤は徹底的に初心者の穴をつきます。
    ミートも出来ない人達には、こういうのも意外と簡単に決まりますからね」

( ´∀`)「・・・・・ミートって何だモナ?」

(*゚ー゚)「ググレカス」


モナー先生は律儀に携帯でググり始めた。

ミートというのは飛んできたボールに対して、自分もその方向に向かうことだ。
ボールを迎えに行く様な形になり、そうすることによってボールの滞空時間もなくなり安全性が増す。
おまけに次の一手も踏み出しやすくなる、基本にして最高の技にもなるのだ。

81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 22:39:47.67 ID:t7QP9XX40
( ´∀`)「初心者の穴をつく・・・・・・。
       オフェンスにもそんな方法はあるのかモナ?」

(*゚ー゚)「もちろん、授業とかでやれば簡単に分かることですよ」

もっとも、本当に弱小だったらこの方法はちょっと難しいかもしれない。
そこは私の信頼するブーン君がいるから、まぁ大丈夫なんだけどね。


( ^ω^) 「えー、一本落ち着いていくおー!」

( ・∀・)「ふふふ、もうさっきみたいなヘマはしないよ・・・・・!!
      最高に集中した僕のディフェンスを抜けるはずがないんだ・・・・・!!」

( ^ω^) 「・・・・・・・・」

相手がどんなに熱くなってくれても構わない。むしろ、それがいい。
ブーン君はボールをキープしていることが重要だ。

82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 22:41:04.81 ID:t7QP9XX40
24秒タイマーが10秒以下になるまでは、ドリブルをしていろと伝えておいた。
無理をしなければ、ドリブルミスを彼がすることはないだろう。

( ・∀・)「・・・・・なんだい、さっきからダムダムしながら動くだけじゃないか。
      もっとホットなハートをもって攻め込んでこないとつまらないよ」

( ^ω^)「ん、僕はあくまで冷静に対処することだけが目的だから・・・・・・」

( ・∀・)「ホワーイ?」

時間だ、ブーン君がパスを回す。
その時には、攻めの開始時とはちょっとだけ違った展開が起きている。


('A`)「よし来た!」

イケ面A「・・・・・・・あ!」

フリーとまではいかないものの、かなり攻め込みやすい体制が出来ているのだ。
カバディ部の一人が、自分のマークマンを無視してブーン君に近づいてきていたのだから。

83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 22:42:09.13 ID:t7QP9XX40
ドクオ君が切れ込み、ヘルプが来たところでパス。
教科書通りのチームオフェンスが決まり、またしても一点。
試合のペースは完全にこちらが掌握していた。


( ´∀`)「・・・・・今のは何でドクオが空いてたんだモナ?」

(*゚ー゚)「初心者はどうしてもボールに寄って来る習性があるんですよ。
    授業のバスケで、ゴール下にわんさか固まった状況とか見ませんか?」

( ´∀`)「さぁ・・・・・僕は体育教師じゃないから」

自分が生徒だった時の記憶とかでもいいのに。
とも思ったが、きっとモナー先生はずっとコートの端っこにいる生徒だったんだと思ったので言わなかった。


(*゚ー゚)「良かれと思ってやってるんでしょうけど、マンツーマンで自分のマークマンから目を離すなんて愚行の極みです。
     何らかの狙いが無い限りは、ゴールとオフェンスの間に自分がいるのが良いですかね」

( ´∀`)「はぁ・・・・・バスケは難しいくて分からんモナ」

絶対に、顧問を止めさしてやる。

84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 22:43:28.04 ID:t7QP9XX40

その後、相手の運動神経の高さに困らされた場面もあった。
しかし経験者の利を生かしたバスケが、そう簡単に破れるはずもない。
第一ピリオドは24対8とい大幅なリードを持った上で終えることが出来た。

(*゚ー゚)「よしよし、ここまでは良い感じにいけることが出来たね。
    だけど、ここからは今までと同じ様にはいかないと思った方がいいよ」

('A`)「・・・・・・みたいだな。
    あの経験者の奴が失敗点を語ってるみたいだ」

ブーン君のマークマンの人が熱心にバスケの基本を語っていた。
それはつまり、基本を知らなくても勝てるというくらいの自信があったということなのか。
『オッケーイ』やら『フォー』やらの奇声が耳につく。うざい。


(*゚ー゚)「それでも、君たちが優勢であることには変わりないよ。
    自分達のバスケを続けて、分かってるよね?」

( ^ω^)「・・・・・僕たちの力を出し切って、『勝つバスケ』をするんだお」

(*゚ー゚)「上等!!」


85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 22:44:55.94 ID:t7QP9XX40
タイマーのブザー音が響く。
審判も笛を鳴らし、第二ピリオドが始まろうとしていた。

('A`)「よし、しぃ監督の為にも頑張るぞ!!」

バスケ部一同「おお!!」

ふふ、監督だなんて照れるじゃない。
隣で少しへこんでる先生のことなんか、無視するのが一番。


このまま行けば、私達の勝利は確定。
部の雰囲気も良いし練習さえすれば、夏の大会を最高の形で迎えられる。
はずだった―――

( ^ω^)(・・・・・・ん?何だおこの違和感?)

( ・∀・)「ヘイボーイ、さっきはよくも調子にのってくれたじゃないか・・・・・・」

(;^ω^)「調子に乗ったって・・・・・むしろ君が調子に乗ってたせいじゃないかお?」


86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 22:46:18.88 ID:t7QP9XX40
( ・∀・)「大勢の女の子の前で恥をかかせてくれたじゃないか。
      そのお礼、きっちりと返してもらおう・・・・・・」

(;^ω^)「大勢って、正直この会場に女の子はあんまりいな―――」


―――次の瞬間には、男の姿はブーン君の前から消えていた。
傍から見ている私にでさえ、素早く鋭いドライブに目を疑うほどだったのだから。

簡単に言えばチェンジオブペースという技術である。
緩急をつけた速度に、通常以上の速さを相手に感じさせることの出来るドリブル。
ブーン君も、所々で見せていたものだ。

しかし、男のそれは明らかにレベルが違った。
初速が桁外れなのだ。むしろゼロから最高速度への移行を可能としている。

経験者であるのは分かっていたが、これは流石に想定外だ。
初戦敗退を繰り返しているバスケ部の人たちは、恐らくこのレベルの選手と相対したことはないだろう。


87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 22:47:25.55 ID:t7QP9XX40
風の様に走り抜けた男は、鮮やかにレイアップを決める。
他のバスケ部の人がヘルプに入る暇すらなかった。

いや、というよりこれは・・・・・・!


(*;゚ー゚)「アイソレーション!?」


一対一に特化した攻めの陣形。
ドライブをしやすくする為に、他のオフェンスはウィークサイドに固まる。
ブーン君が微妙に戸惑っていたのもこの為・・・・・・!

( ´∀`)「アイソレーションってなんだモナ?」

さっきのハーフタイムに、自らこの戦法を使うように指示していたのか。
ナルシストではあるが、バスケ部を軽く抜き去るだけの自信と実力を秘めているとは。
一体、あの男は何者・・・・・!?

( ´Д`)(完全無視・・・・・・)

89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 22:48:53.30 ID:t7QP9XX40
/ ,' 3「ふぉふぉふぉ、苦しんでいるようじゃのう小娘・・・・・!!
    我が部活の生徒達の力の前に成す術もなかろう・・・・・!!」

(*;゚ー゚)「き、貴様はマスターオブスクール!?」

(;´∀`)(ま、マスターオブスクール!?)


(*;゚ー゚)「一体、何なのよ、あの男! 
     ちょっと中学時代やってましたってレベルじゃないわよ!!」

/ ,' 3「それも無理もない・・・・何しろあの男の名はモララー!!バスケの申し子!
    中学時代には全国出場チームのレギュラーを務めていた男じゃからの!」

(*;゚ー゚)「な、なんだってー!!」

どうりで少し見覚えがあったはずだ。
全国トップクラスの生徒を呼び寄せるとは・・・・・校長恐るべし!


(;´∀`)(それが何で今はカバディ・・・・・・)


90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 22:50:03.01 ID:t7QP9XX40
そんな男にアイソレーションの状況は辛すぎる!
ここはゾーン・・・・・いや、あのレベルなら外のシュートも難なくこなしてみせるだろう。
ボックスワンが得策か・・・・・!?


イケ面「!!!!!」

(;'A`)「うわあああああ!!」


(*;゚ー゚)「ド、ドクオ君!?」

そ、そんなドクオ君が初心者にやられてしまうなんて!
お似合いの役どころ・・・・・・じゃなくて、そんな事が起きるはずが無い!
モララーはともかく、他の生徒は初心者だから個人レベルではこちらの方が上―――


イケ面「・・・・・カバディカバディカバディカバディ」

(*  ー )「カ、カバディしてる―――!!」


91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 22:52:16.60 ID:t7QP9XX40
カバディ作戦で集中力が上がってパワーアップ!?
そんなふざけた事が・・・・・いやでも、効果があるから困る。

しかし、この状況ではボックスワンを組む事も出来ない。
ゾーン部分の実力がオフェンスの方が勝っていてはどうにもならないじゃないか。
でも、モララーを止めるのも重要だし・・・・・・。


( `ω´)「・・・・・・・・おお!!」

( ・∀・) 「ほう、私についてくるとは・・・・・なかなかの根性だなボーイ」


(*゚ー゚)「ブーン君!!」

そうだ、ブーン君は誰よりも練習をこなしてる人!
実力差も根性でカバー!素晴らしき主人公魂!!
何だかんだでモララーもブランクがあるし、ディフェンスは皆を信じてこのままで行こう!


92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 22:52:44.94 ID:t7QP9XX40
しかし問題があるとするならば、オフェンス面だ。
初心者の穴狙いも、今では易々とこなせるものではなくなっている。

それどころか、本気を出したカバデイ部に対して攻めあぐねてる状況だ。
流れが悪いし、ボールの回転も酷くなっt



(*゚ー゚)「・・・・・あれ?」


今のは、一体何だ?
いや一回だけじゃない、何回も、何回もだ。

まさか―――

93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 22:55:07.73 ID:t7QP9XX40
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・

第二ピリオドは悲惨なものだった。
第一ピリオドにあった勢いはまるで感じられない。

まさに今までの彼らがモットーとしていた『点差をつけられないバスケ』だった。
そして点数は24対27という無情な逆転劇の結果を示している。


(;'A`)「はぁ・・・・・はぁ・・・・・やっぱりダメなのかな」

(;´∀`)「い、いやでも今日のお前らは最高だモナ!
       先生、頑張りに感動してなみだ目って感じだモナ!」

('A`)「・・・・・何かもう負けてもしょうがないぞ、みたいな言い方じゃないですか」

先生の様に今の現状に満足している場合でない。
私達は絶対に勝たないといけないのだから。

ハーフタイムは10分、その間に問題を片付ける。


95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 22:56:19.80 ID:t7QP9XX40
(*゚ー゚)「ブーン君、ちょっと来てくれるかな?」

( ^ω^)「良いけど何処へ・・・・・?」

(*゚ー゚)「・・・・・多分、皆に聞かれたら困る話だから、ね」


ブーン君を引き連れ校舎裏へ出る。
快い風が吹き抜けている。熱気漂う体育館とはえらい違いだ。

他のバスケ部の人には体を冷やさない程度に休ませるように言いつけておいた。
モナー先生の気遣いには期待できないので、各自でストレッチを怠らないようにしておかなければということもある。
つまり、今この場所には私とブーン君の二人きりだ。

微妙に勘違いしているやつ(主にドクオ)がいたが、無視しておいた。
これは、勝利には欠かせないことなのだから。

96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 22:57:03.48 ID:t7QP9XX40
( ^ω^)「どうしたんだお?」

(*゚ー゚)「・・・・・皆、絶対に勝とうと思ってるよね。
     ある意味、初めて全力を込めて闘ってるんだから当然なんだけどさ」

( ^ω^)「それはそうだお。僕だって・・・・・・」

(*゚ー゚)「嘘、だよね。ブーン君はまだ全力を出し切ってないよね」

私の言葉に、ブーン君は少し驚いた様子だった。
あれはもしかしたら、無意識下での行動だったのかもしれない。


(*゚ー゚)「さっきの試合、確かにブーン君はガードとしては優秀だったかもしれない。
     ボール回しやキープ、オフェンスの軸となって全ての攻撃に参加してたもの」

( ^ω^)「うん、だったら何で」

(*゚ー゚)「ブーン君のシュートが、まだ全然無いんだよ」

何か一つ足りない様な気がしていた。
それは、ここぞという時に攻めに向かわない選手がいたからだ。

97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 22:57:51.02 ID:t7QP9XX40
(;^ω^)「元々あんまりシュートには向かわないタイプなんだお。
       今までの練習だって、僕はアシストに徹してたし・・・・・・・」

(*゚ー゚)「今日は、本気で闘うときはそれじゃあ駄目なんだよ。
   今までとは違った君がいて、初めてこのチームは進化出来ると思うんだ」

(;^ω^)「でも・・・・・やっぱり、怖いし・・・・・・」

自信が無いというのだろうか。
誰よりも頑張って練習してきたというのに。


(*゚ー゚)「私は知ってるよ、君が自主練もこなして努力した事。
     実は誰よりもバスケ部が好きで、残って欲しいと願ってくれてる事」

( ^ω^)「僕たち、まだ会ってから全然経ってないのに?」

(*゚ー゚)「本気の思いは、月日なんて関係なく伝わるものだよ」

98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 22:58:57.86 ID:t7QP9XX40
(*゚ー゚)「臆病なままでも良いけど、コートの上では別人にならなきゃならないんだ。
   ブーン君には、バスケというスポーツの中でなら出来ないことなんかないんだからさ」

(;^ω^)「・・・・・・いや、前も言ったけど例えばダンクとかは」

(*゚ー゚)「出来るよ、信じればダンクも出来る」

身長が163cmしかなくったって、君には君にしか出来ないダンクがある。
私はいつも、君のシュートにその影を見ていたんだ。


( ^ω^)「・・・・・なんで、なんだお?」

(*゚ー゚)「え?」

( ^ω^)「初めて会った時から、君は僕に何かを期待していた。
       それが僕でなくちゃいけない理由も無ければ、僕が応えなければならない理由も無い。
       そりゃ僕だって勝ちたいけど、自分のスタイルを変えろなんていきなり言われても・・・・・・」

(*゚ー゚)「人に期待することは、そんなにいけないことかな?」

99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 23:00:18.25 ID:t7QP9XX40
( ^ω^)「別に期待するのが悪いとは言わないけど・・・・・。
       例えば君自身がバスケで上を目指せば良いじゃないかお・・・・・」

(* ー )「・・・・・・・っ!」

少しだけ、過去の事を思い出した。
決して振り返らないと決めたはずの記憶。
地区大会の決勝戦の朝、緊張をほぐす為に走って会場へ向かっていた。
横断歩道を渡ろうとした、そんな時に―――


(* ー )「・・・・・私は、もうバスケをすることは出来ないんだ。
    事故で足を怪我しちゃってね、無理な運動をすることが出来なくてさ」

(;^ω^)「・・・・・・・あ」

(*゚ー゚)「ううん、知らなかったんだから別に良いんだけどね。
    ・・・・・・で、怪我はあったけど、どうしてもバスケに触れていたくてマネージャーになろうって思ったんだ」

男子バスケ部のマネージャーになろうって決めた本当の理由は格好良いからじゃない。
女子バスケを見ていると、未練が沸いてきてしまうから。
どうしても振り切ることが出来なかったから。


100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 23:01:47.63 ID:t7QP9XX40
(*゚ー゚)「それで、君に出会った訳なんだけどね。
    正直、最初は確かに誰でも良かったのかもしれないかな。
    無理矢理でも、に私の夢を引き継いでくれる人を探してたんだからさ」

( ^ω^)「・・・・・・お」

(*゚ー゚)「だけど、一人で練習してる君を見て思ったんだよ。
     きっと私の夢を引き継いでくれるって、君しかいないんだなって。
     勝手かもしれないんだけどさ、私の心は固まっちゃったんだよね」

あの日の感動は、ちょっと涙ものだったな。
色々と諦めかけてた私には、救世主に見えなくも無かったからなぁ・・・・・・。


(*゚ー゚)「ねぇ、ブーン君、もう一度聞いても良いかな?」

( ^ω^)「・・・・・え?」

(*゚ー゚)「人に夢を託すこと、何かを期待することはそんなにいけないことかな?」

(;^ω^)「・・・・・・・!!」


101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 23:02:33.97 ID:t7QP9XX40
そろそろ、第三ピリオドの時間も近づいてきている。
バスケ部の皆に作戦を伝えるため、戻らなくてはならない。

( ^ω^)「・・・・・・しぃ、君の夢は何なんだお?」

(*゚ー゚)「いつまでも楽しくバスケをすること・・・・だよ。
   ブーン君が受け継いでくれれば、きっと叶えてくれると思ったんだけど、どうかな?」


( ^ω^)「僕なら、いつまでも楽しく・・・・・・」

(*゚ー゚)「思い出してみてよ、何でバスケを始めたのか。
    それはきっと―――ん・・・・・そろそろ戻ろうか」


ブーン君なら大丈夫だ。

私の夢と、彼の心の奥底にある想いは、だって、きっと。


103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 23:03:27.87 ID:t7QP9XX40

・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・

ブザーの音と共に、選手はコートの中へと踏み入れる。
コートの中は確かに普通の空間とは違った戦いの場所だ。
しぃの言うとおり、臆病な心はコートの外に置き去りにしなければならないのかも知れない。


 ( ・∀・) 「ふふ、このピリオドで完全に息の根を止めてあげるよ。
      我がカバディ部に輝かしい栄光を捧げるためにもね」

( ^ω^) 「・・・・・・・おっ」


それでも、怖いものは怖いのだ。

自分より実力の上の敵と戦うのは恐ろしいし。
ミスをするんではないかという不安が渦巻いているし。
同じチームの人間からくるプレッシャーが重苦しい。

やっぱり、この場所には心の地雷が多く埋められているようにしか思えない。

104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 23:04:16.08 ID:t7QP9XX40
・・・・・あれ、じゃあ僕は何でバスケをしてるんだっけ?
怖いことだらけの辛い場所に、何で僕は自ら身を置いてるんだ?

しぃも言っていたっけ。
何でバスケを始めたのか思い出してみろって。
そういえば、僕は何でバスケを始めたんだったかな・・・・・・。


('A`)「おい、ブーン大丈夫か?
    お前がしっかりしてくれないと困るんだが」

( ^ω^)「あ、ああ、大丈夫だお」


僕たちのオフェンスが始まる。
僕が軸になって、パスを回して攻め込まないと。
このチームはずっとこの形で試合をしてきたんだから。

・・・・・でも、しぃは変わってくれと頼んできた。
自分の夢のため、楽しんでバスケをしたいという夢のため。

そして、その夢を僕に託した?

105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 23:05:06.78 ID:t7QP9XX40
僕がバスケを楽しむのが彼女の夢?
なんなんだよ、その無茶苦茶な夢は。

・・・・・・でも、何だか懐かしい気もする。
楽しいか、いつも感じていたようで久々の感覚だ。
試合中は必死で、そんなことを考える余裕もなかったからなぁ・・・・・・。


( ^ω^)「楽しい・・・・・・?」


手に持ったボールを眺める。
時間に直せば一秒にも満たない静止だったが、その時は僕の中で無限に広がっている。
様々な思考と記憶が渦巻いていき、一つの結論を見出していく。

―――そっか、僕は楽しいからバスケを始めたんだっけ。

何でこんな簡単なことに気付かなかったんだろう。

106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 23:05:23.91 ID:t7QP9XX40
彼女の夢が僕に託されれば、一石二鳥じゃないか。
勝手に叶ってくれるんだから・・・・・なんて言ったら怒られちゃうかな。



まぁ、いっか。


さぁ・・・・・・もっとだ!



もっともっと、バスケを楽しもう―――!!



107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 23:06:29.93 ID:t7QP9XX40
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・

―――人間は空を飛べない。

ブーン君がダンクをするなんてことは常識的に考えたら不可能なのだ。
どんなに努力したって、身長という重りがある以上、空を飛ぶことは出来ない。

でも、コートの中は、バスケットという名の空は違うから。

だから、私は君のシュートをダンクを呼びたい。
周りの人たちが認めなかったとしても、私と君だけは、それが願いの形だと信じたい。


(*゚ー゚)「・・・・・・・飛べっ!」


ブーン君がシュートの構えから跳ぶ。
ボールが、彼の手の内から空へと舞い上がる。

普通よりもずっと高いループを、彼のシュートは描く。
山なりの軌道の頂上から駆け下りてくるボールは、重力の力も借りて速度を増していく。


108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 23:07:00.52 ID:t7QP9XX40
私はその光景に、空がボールを後押ししているように見えるのだ。
大きな透明の手が、ボールをゴールへと誘っているように見えるのだ。

だから、私は彼のシュートをこう呼んだ。



(*゚ー゚)「―――SKY DUNK」



ルール上はスリーポイントだと定められていたとしても。

ちっぽけな少女がそう呼称していたって構わないでしょ?


109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 23:07:58.79 ID:t7QP9XX40
そのシュートはあまりにも唐突なものだった。
3ピリオド開始から、5秒も経たない内の出来事で、ボールが彼に手渡されてすぐの出来事で。
スリーポイントラインよりもずっと後ろで放たれたシュートに、誰も反応することは出来なかった。

全員が呆気にとられ、会場はしんとしている。
そして、はっと我に返った審判が両手に3本の指を掲げて頭上に上げた!


(*゚ー゚)「・・・・・・三点だよ!!」

(*'A`)「お、おお!?ナイスシュートだぞ!ブーン!!」

止まった時が動き出すかのように、歓声が沸きあがる。
自分のチームの選手が褒められるのはマネージャーとして鼻高々だ。


(* ー )「まぁ、女としては別だけどね・・・・・・」

キャーキャー言ってるんじゃない。
これぐらいはいたって当然のことだ。

むしろ、これからが本番だ。

110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 23:09:01.65 ID:t7QP9XX40
今の三点で、流れがこちらに傾いたのは明らかだった。
カバディ部は凡ミスを犯し、あっという間にもう一度オフェンスの権利がこちらに渡る。

(;・∀・)「くっ、私達としたことが、これは全然クールじゃないね!
      だがこれ以上、君たちには調子に乗らせたりしないよ!!」

( `ω´)「それはどうも・・・・・だおっ!!」

今までにない動き。

オフェンスに入って、すぐにドライブで仕掛ける。
しかし、突発な行動にも、モララーは潜在能力の高さをいかしてついてくる。
腐っても鯛というやつだ。


( ・∀・)(なかなか速いじゃないか。
      だけど、僕のチームの誰かがヘルパーに・・・・・・」

112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 23:10:09.82 ID:t7QP9XX40
(;・∀・)「って、あっれええええええええ!?いないよおおおお!?」

(*゚ー゚)「よし、やられたらやり返すよ!」

ブーン君を信じて、今度はこちらがアイソレーションを仕掛けた。
一対一の状況でモララーを負かせば、ブーン君の自信もつき、全体の指揮もあがるだろう。
相手が対策をつけてくる前に一回でいいから、かましてやれ!


( ・∀・)「ふ、ふふ、僕にタイマンを挑もうなんて良い度胸じゃないか!
      小さい身長を補う外のシュートは見事だけど・・・・・だからこそ中では絶対に僕は負けないよ!」

( `ω´)「小さい身長を補うシュートは、何も外からだけじゃないお!」


バスケには、生まれ持っての才の一つとして身長があげられる。
しかし、その才を手に入れることの出来なかったからといって、諦める者はいない。

誰しもが、小さな身長を補う為に技を磨いていくのだ。


113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 23:11:05.77 ID:t7QP9XX40
( ・∀・)(減速・・・・!?レイアップにいくと見せかけてミドルシュートか!!
     そんな甘い罠にひっかかる僕じゃないね!)

ブーン君が走る速度を落とし、シュートを放つ。
しかし、モララーもまた走るのを止めてブロックの体制に入っていた。


(;・∀・)(チビのシュートなど叩き落し・・・・・・て!?)


だが、モララーの伸ばした手が届かない。
本来なら間違いなくボールと手が触れていたであろう箇所に届いたにも関わらず。

そう、ブーン君は斜め後ろに飛びながらシュートを打っていた。

114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 23:11:45.00 ID:t7QP9XX40
ゴールネットをボールが通り過ぎる。
一対一の勝者はブーン君、そして鮮やかなシュートにまたしても歓声が沸きあがる。


(*゚ー゚)「フェイダウェイシュート!!」


斜め後ろにシュートを打つことで、軌道をブロックし辛いものへと変える。
更にループの高いブーン君のシュートなら、その効果も倍増というもの。

身長の高さは負けていたとしても、積み重ねてきた練習の成果がある。
歴代の低身長の選手達が編み出してきた技がある。

バスケは、努力したものには嘘をつかないのだ。
ブーン君がしてきた影の努力は必ず報われる。


でも、チームが勝つには、これ以上に―――


115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 23:13:30.25 ID:t7QP9XX40
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・

―――そして、第4ピリオド終盤、私達は無情にも負けていた。

残り時間は僅か15秒、点差は2点。
たとえ一本のシュートを返したとしても引き分けで延長にもつれ込む。
スタミナ面に難がある私達は、残り15秒にかけるしかなかった。

タイムアウトをとるのもこれが最後。
後は選手達に全てをかけて、頑張ってもらうだけだ。


('A`)「スリーだよな・・・・・・ブーンいけるか?」

( ^ω^)「もちろん僕がいくお。
       今はどんなシュートでも外す気がしないお」

笑顔で返しはしていたが、心中はきっと不安でしょうがないのだろう。
足の震えは疲労の蓄積だけではないと私は思う。

116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 23:14:25.04 ID:t7QP9XX40
(*;゚ー゚) 「ブーン君・・・・・」

( ^ω^)「じゃあ、行ってくるお」


タイムアウトが終わる。
続々と選手達がコートの中へ終結していく。

ゲームの最後ともなれば、会場の雰囲気も緊迫していた。
騒がしかった応援も遠慮の色を見せている。

そして、誰よりも緊張するはずのブーン君はスリーポイントラインで構えている。
逆転の可能性は、三点を決めない以外にはないのだ。
ブザーが鳴り、チーム戦にしてブーン君の最後の孤独な戦いが始まった。

―――のだが。

117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 23:15:13.28 ID:t7QP9XX40
(;'A`)「こ、こいつら――!!」

(*;゚ー゚) 「トリプルチーム!?」


カバディ部は中のディフェンスをガラガラにしても、外のシュートを止めようとしてきた。
どうやら引き分けに持ち込み、延長戦を狙ってきたみたいだ。
こすい作戦だが、実に現実的な作戦である。

どうする!?

ここでは絶対に三点を入れる事が必要だ。
ブーン君が外でシュートを打てる可能性は正直言って、ゼロに等しいだろう。

しかし、外を打てるのはブーン君しかいない。
それでも奇跡が起こることを願って、他の選手に打たせるしかないのか―――

119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 23:16:51.80 ID:t7QP9XX40
( `ω´)「ドクオ!!僕に渡すお!!」

(;'A`)「・・・・えっ!?でもそこは・・・・・」

( `ω´)「いいから、僕に渡すんだお!!」

3人のディフェンスを振り切り、ブーン君はドクオ君からボールを受け取った。
しかし、その場所はとてもじゃないがスリーを打てるような場所ではない。
ましてやディフェンスを完全に振り切った訳でもないので、シュートモーションにはいるチャンスすらない。

なのに、一体どうして・・・・・・。


(*゚ー゚) 「―――ーあ!」

そうか、もう一つだけ逆転を出来る方法があったのだ。
さっきまで私も考えていた、勝利への条件がそれに当てはまる。

それにブーン君が気付いたとしたら・・・・!!

120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 23:18:02.76 ID:t7QP9XX40

( `ω´)「おおおおおおおおおおお!!!」

ディフェンスなどお構いなしと言った様子で、ブーン君は走り抜ける。
全速力のドライブ、熱の篭った最後の勝負だ。

今、会場の全員の視線は彼に注がれているだろう。
残り10秒前後の時間を使い切るのが誰なのかは、火を見るよりも明らかだったのだから。
そして今、ディフェンスを引き連れながらも、スリーポイントラインの内側へ入る。


(;´∀`)「あ、あれ、三点のシュートが・・・・・!」

(*゚ー゚)「・・・・・いえ、これで良いんです」

彼がやろうとしているのは、スリーポイントでも引き分けへの妥協策でもない。
バスケットというルールの中で行う、荒業なのだ。

121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 23:18:53.68 ID:t7QP9XX40

最後に待ち構えていたのはモララーだった。
先ほどの屈辱を果たすかのように、ブーン君を睨みつけている。
しかし、その場所は一対一を行った場面よりもゴールに近い。


(#・∀・)「今度はレイアップでくるのかい・・・・・!!  
     だが、2度も上手くいくと思うなよおおおおおおおおお!!」

( `ω´)「僕が、決めるんだおおおおおおおおおおお!!」


絶対に守りきろうという想い。
絶対にシュートを決めるという想い。

互いの譲れない気持ちがぶつかり合う。
モララーの全力のブロックの前で、苦し紛れのようにブーン君のシュートが放たれる。

同時に試合終了のブザーがなった。


122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 23:19:25.11 ID:t7QP9XX40
―――くるくるとリングの上をボールが回っている。
―――徐々に速度を落とし、ふらつき始めている。


私はこのシュートが入るのを確信していた。
強い想いは、時として魔法のようにゴールへとボールを誘うのだから。
だから私はもう一つの奇跡を願っていたのだ。


―――会場の全員が息を飲む。
―――試合の最後は、このボールと共に訪れるのだから。


今、ボールの行方を追っていないのは恐らく私だけだろう。
理由は凄く簡単なことだ。

私は勝利を望んでいるし、何よりブーン君を信じているから。
だからもう一つの奇跡が・・・・・・!!


123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 23:19:49.98 ID:t7QP9XX40
―――ボールがリングの内側へと傾く。
―――確認を終えて、審判がコールした。




審判「バスケットカウントワンスロー!!」




私の望んでいた、もう一つの奇跡は、叶ったのだ。

124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 23:20:40.25 ID:t7QP9XX40
今までで最高の歓声が沸きあがった。
まるで声による爆発のようで、体育館が揺れているようにすら感じた。


( ´∀`)「・・・・・・これはどうなってるんだモナ?」

(*゚ー゚)「・・・・・バスケットカウントワンスロー、ファールを貰ってなおかつシュートを決めた時に生じます。
    通常と同じように2点の得点、そして一本のフリースローの権利が貰えます」

(;´∀`)「てことは、ブーンがフリースローを決めれば!?」

(*゚ー゚)「はい、3点の得点で私達の逆転勝利です」


これが、スリーポイントシュート以外のもう一つの逆転の方法だった。

バスケにとって必要な勇敢な魂。勝利への条件。
それを示すには、不可能だと思われることにも挑める勇気が必要だ。

小さな身長をものともせず、大きな相手に向かっていった今のブーン君のように。

125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 23:21:25.00 ID:t7QP9XX40
( ´∀`)「でも、もしこれを外したりしたら・・・・・・」

(*゚ー゚)「ううん、ブーン君なら大丈夫ですよ」


彼はバスケが好きだから。
彼はバスケを本当に楽しんでいるから。

私の夢を引き継いでくれるのは彼が適任だろう。
バスケをすることは楽しいと彼は改めて知ったのだから。
きっと、その想いを二度と忘れる事は無いはずだ。

フリースローの為に、再び会場は静けさに包まれる。
この静寂の中、ブーン君は何を考えているのだろうか。

もしかしたら、私の問いの答えを考えてくれているのかもしれない。


ねぇ、何でバスケを始めたの―――?


127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 23:22:25.34 ID:t7QP9XX40
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・

とある青年が見事なスリーポイントシュートを決める。
周囲にいた少年達はそれを見て、言ったのだ。


少年A「何がダンクだよ!!スリーポイントじゃんか!!」

少年B「兄ちゃんちっちゃいのにダンク出来るとか言うから期待してたのに、この嘘つき!!」

(;^ω^)「こ、これはSKY・・・・・・ああ・・・・・・」


青年の言葉もむなしく、少年達は去っていってしまった。
彼は一人で寂しそうにシュートを放ち、気を紛らわそうとした。

そんな時、一人の女が近づいて来たのである。

128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 23:23:47.31 ID:t7QP9XX40
(*゚ー゚) 「やぁやぁ、また嘘つきとか言われたねぇ」

(;^ω^)「本当にショックだお・・・・・・せっかくしぃが名付けてくれたのに」

当たり前のように、スリーポイントを決めていく青年。
女はそれを見て満足げに笑みを零した。


(*゚ー゚) 「別に良いよ、スカイダンクって言葉は流行らなくて。
     私一人でも、ずっとずっとブーン君のシュートを見ているもんね」

( ^ω^)「ずっと・・・・・・かお?」

(*^ー^)「うん、ずっとずっと、死ぬまでずーっと!」


青年が照れ隠しにすることと言えば、やっぱりシュートである。
もっとも、今度はリングに弾かれてしまうのであった。


129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 23:24:51.96 ID:t7QP9XX40
( ^ω^)「・・・・・・バスケは楽しいお!」

(*^ー^)「えへへ、私も楽しいなぁ。
    バスケもそうだし、ブーン君といるのも幸せだなぁ」

青年の顔は、トマトのように赤く実りをあげた。
女はそんな彼を見るのが好きでからかっているのである。
本当の気持ちでもあるので、嘘は言ってはいないのだが。


(*゚ー゚)「ほらほら、もっと私に見せてよ!
    最高のシュート、SKY DUNKをさ!!」

( ^ω^)「ん・・・・・・何回だって見せてあげるお」

青年はシュートの構えに入り、女は瞳を輝かせた。

130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 23:25:11.73 ID:t7QP9XX40
放たれたボールは真っ直ぐにゴールへと飛んでいく。
同時に、高く高く空へと舞い上がっていくのだ。


そして、空に包まれたボールが下降し始め――


透明の手が後押しするように―――


それは、そう、まるで―――




( ^ω^)SKY DUNKのようです



133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 23:27:34.77 ID:t7QP9XX40
ジャンプ読みきり風短編第二段でした。
正直、後半の飽きた感は、うん、勘弁してくだしあ。

あーあ、梨花ちゃんに『頑張りましたのです。良い子良い子なのですよ』って頭を撫でてもらいたい。
そして俺の手を胸へと運びながら『僕のここも撫でてほしいのです・・・・・・』って言われたい。
ああー、ああー。




コメント

俺、印象に残ってる短編挙げろって言われたらこれが真っ先に思いつくと思う
[2009/08/04 13:59] URL | VIPPERな名無しさん #- [ 編集 ]


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