mesimarja
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( ^ω^) pink spiderのようです
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/07(水) 22:29:57.72 ID:XRcLfowzO
前書き

このお話は、
hide with spread beaverの『ピンクスパイダー』
という曲をもとにして作られています。

ほぼ原曲通りに話は進みますが、一部分は『作者があの部分をそう解釈した』というのがあります。

つまりどういう事かと言うと、貴方が想い描く
『ピンクスパイダー』とは違うかもしれませんよ、という事です。



なんかグダグダと書いてますけど、要するに保険です。
『あそこはこういう意味じゃねーだろ』と言われないための……。
作者はチキンなのです。



そんな説明はいらないからさっさと投下しろ、ですね。わかります。

じゃスタート。


4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/07(水) 22:30:54.45 ID:XRcLfowzO
それはある晴れた昼下がりの事。

大地を我が物顔で歩く奴がいた。



その名はピンクスパイダー。

桃色の体を持った蜘蛛のお話。





( ^ω^)pink spiderのようです

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/07(水) 22:31:57.87 ID:XRcLfowzO
( ^ω^) 「……てな事があったんだお」

(´・ω・`) 「へえ、それはおもしろい話だね」

( ^ω^) 「おっおっ、この話にはまだ続きがあって……」



楽しそうに会話をする二人。

一人はピンクスパイダー。そしてもう一人は大きな、とても大きなツバキの木。
垂れ下がった枝がしょぼくれた顔のように見える。

二人は毎日のように語り合っていた。
とは言っても、主にピンクスパイダーが話してツバキは相づちを打っているだけなんだけど。

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/07(水) 22:33:16.69 ID:XRcLfowzO
今日もいつもみたいに話すピンクスパイダー。
その内容は彼がいろんなところで実際に見た出来事。

バッタたちがカマキリの鎌に細長い葉っぱを巻きつけて使えなくするイタズラをしただとか。

ダンゴムシとミミズが競争してて、ダンゴムシは丸まったほうが速いからって
ハイスピードでくるくる転がってたら目を回してしまっただとか、そんな感じ。

ツバキはそれを興味深そうに聞く。どれもこれも見た事が無かったから。

当たり前だよね。だって木は動けないんだから。

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/07(水) 22:34:34.04 ID:XRcLfowzO
(´・ω・`) 「いいなあ君は。いろんなところに行けるんだから。
      僕はこの場所から動けない。生まれた時からこの場所しか見た事が無い。
      もし僕が君のように自分の足で歩けるのなら、きっと毎日が楽しいのに」

( ^ω^) 「おっおっ。確かに僕はいろいろなところに行けるけど、
       僕からしたらそれが当たり前なんだお。
       毎日たくさんの出来事が起こるけど、どれもいまいち新鮮味が無いお……」

(´・ω・`) 「そう……。僕からしてみれば贅沢な悩みだけど、そんなものなのかもね」

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/07(水) 22:35:55.02 ID:XRcLfowzO
そんな風に話していた二人のもとに、空からスズメが降りてきた。

('A`) 「あれ、二人とも。なに沈んだ顔してんの……?」

(´・ω・`) 「やあ、スズメじゃないか」

( ^ω^) 「……」

(´・ω・`) 「まあなんて言うか……、ちょっと世の中を儚んでいたんだよ」

('A`) 「なにそれ……? まあいいや。そんな事よりさあ、ツバメの奴見なかった?
    俺、カーチャンから明日の天気をツバメから聞いてくるように言われてさあ……」

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/07(水) 22:37:19.44 ID:XRcLfowzO
(´・ω・`) 「天気? ああ、ツバメの予想ってホント当たるからね。
      ……うーん、僕は今日は見てないなあ。ピンクスパイダー、君はどうだい?」

( ^ω^) 「……」

(´・ω・`) 「ピンクスパイダー?」

( ^ω^) 「おっ! なんだお?」

(´・ω・`) 「いや、だからツバメを見たかって」

( ^ω^) 「あー……、いや、見てないお」

('A`) 「そうかー、やっぱ自力で探さなきゃいけないかぁー」

('A`) 「ハァァ、マンドクセ……」

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/07(水) 22:38:25.33 ID:XRcLfowzO
(´・ω・`) 「ごめんね、役に立てなくて」

('A`) 「ああ、いや、気にするなよ。始めから駄目もとだったからさ。
    それじゃちょっと行ってくるわ。またな」

(´・ω・`) 「うん、またね」

そう言うとスズメは力強く自分の羽根を羽ばたかせて大空へと消えていく。

( ^ω^) 「……」

その様子をピンクスパイダーはただ、じっと見つめていた。

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/07(水) 22:40:26.02 ID:XRcLfowzO
(´・ω・`) 「ピンクスパイダー? どうしたの、さっきからぼーっとして」

(;^ω^) 「おっ!? あ、いや、なんでもないお……」

(´・ω・`) 「……」



(´・ω・`) 「空を、飛びたいの?」

(;^ω^) 「!!」

(´・ω・`) 「最近君は頻繁に心がどこかに行ってしまっている。
      特にスズメが来たときはいつもそんなだ」

(´・ω・`) 「いや、スズメだけじゃない。ツバメも、トンボも、
      セミたちが来たときも君はただ何も言わずに彼らを見ている」

(´・ω・`) 「……空を、飛んでみたいの? 君には、羽根がないから」

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/07(水) 22:41:47.84 ID:XRcLfowzO
( ^ω^) 「……ふん。急に何を言い出すんだお。
       僕は空になんてこれっぽっちも興味なんて無いお」

(´・ω・`) 「でも君はさっき言ったじゃないか。毎日退屈しているって」

( ^ω^) 「関係無いお。第一、空に行ってもしょうがないお」

ピンクスパイダーは一旦言葉を切って空を仰ぎ見る。

( ^ω^) 「所詮空なんてこれくらいの広さしか無いんだお。
       でも地面は違う。遠くを見て、ずっと遠くを見て、
       見えなくなったその先にも、まだ無限に続いているんだお。
       それに比べたら空なんてちっぽけな存在なんだお」



そう言いながらも、彼は決して空から目を離さない。

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/07(水) 22:43:27.19 ID:XRcLfowzO
(´・ω・`) 「……」



( ^ω^) 「……」



しばらく空を見つめ続けた後、

( ^ω^) 「……今日はもう帰るお」

ピンクスパイダーはツバキのもとから離れていった。



その様子をツバキは黙って見送る。

彼の視界から桃色が失われたとき、ツバキはぼそりと呟いた。



(´・ω・`) 「……嘘つきだね」

(´・ω・`) 「君も気付いているはずだよ、ピンクスパイダー。
      遠く、ずっと遠く続いている地面の上にも、空は広がっているんだって事をね――」

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/07(水) 22:44:44.82 ID:XRcLfowzO
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

気が付くと、そこはもうピンクスパイダーの家だった。
前が見えていない状態でも家に辿り着けるもんなんだな、と彼は思った。



( ^ω^) 「……」

そして、また空を見上げる。

( ^ω^) 「……いい天気だお」

日光は大地に降り注ぎ、雲は遥か上空を優雅に泳ぎ、風は静かに木の葉と踊る。

こんな日はとても気持ちがいい。理由なんて無いんだ。

ただ胸の奥から湧き上がる感情のままに。

そう、理由なんて無い。

僕があの大空を自由に―――




そこで彼は考えるのをやめた。だって彼にはどうしたらいいか判らなかったから。

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/07(水) 22:45:55.59 ID:XRcLfowzO
( ´ω`) 「……はあ。ツバキにはそっけない態度をとってしまったお。明日謝らな、きゃ……?」

急にピンクスパイダーのいる場所が暗くなる。

( ^ω^) 「お?」

ふっと上を見るとそこには、



( ゚∀゚) 「よう。久しぶりだな、ピンクスパイダー」

七色の翼を持った極楽鳥がいた。

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/07(水) 22:49:08.56 ID:XRcLfowzO
(;^ω^) 「おっ……、久しぶりだお、極楽鳥……。
       といっても一週間ぐらいしか経ってないけど」

(;^ω^) (うーん、コイツ見た目が派手すぎてどうも苦手だお。デカいし)

( ゚∀゚) 「おう。先週からちょいと遠くに旅行に行ってたからな。おみやげいるか? まりも」

(;^ω^) 「い、いや、遠慮しとくお」

( ゚∀゚) 「ん? そうか? まあいいや。いやーそれにしても良かったぜ、旅行。
     やっぱ旅ってのは行先がどうこうっていうんじゃなくて、
     それまでの道のりが一番の醍醐味だよな!
     今まで見たことない世界がいくらでも広がってんだ。
     ワクワクしないほうがおかしいってもんだぜ?」

( ^ω^) 「……」

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/07(水) 22:50:47.88 ID:XRcLfowzO
( ゚∀゚) 「お前にも見せたかったぜ。なあピンクスパイダー」

( ^ω^) 「おっ、そうかお……」

( ゚∀゚) 「……」

( ^ω^) 「……」

( ゚∀゚) 「ピンクスパイダー。お前さあ……」

( ^ω^) 「……なんだお?」

( ゚∀゚) 「いい加減、我慢すんのはやめたらどうだ?」

( ^ω^) 「……何の話だお?」





( ゚∀゚) 「お前、空を飛びだいんだろ?」

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/07(水) 22:52:18.44 ID:XRcLfowzO
(;^ω^) 「!」

( ゚∀゚) 「俺知ってんだぜ? 近頃お前が退屈してるって。
     んでいっつもぼんやり物欲しそうに空見てんのもな」

( ^ω^) 「そんな、事……」

( ゚∀゚) 「……」



( ゚∀゚) 「お前って俺のことあんま好きじゃないだろ?」

(;^ω^) 「お!? あ、いや」

( ゚∀゚) 「お前の接し方で丸わかりなんだよ。コイツはあまり俺と関わりたくないんだなって」

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/07(水) 22:53:56.95 ID:XRcLfowzO
( ^ω^) 「……」

( ゚∀゚) 「でもな、俺はお前の事結構気に入ってるんだぜ?
     お前のその派手な桃色はなんか親近感を覚えるしな」

( ゚∀゚) 「だからさ、お前にも知ってほしいんだよ。空の素晴らしさって奴をよ。
     そしてお前もそれをきっと望んでるんだ」

( ^ω^) 「……でも、どうしたら? 僕には大空を飛び回る羽根なんて持っていないお」

( ゚∀゚) 「簡単な事だろ? 自分が持ってねえなら余所から奪っちまえばいいんだよ」

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/07(水) 22:55:22.65 ID:XRcLfowzO
(;^ω^) 「!? そんな……!」

( ゚∀゚) 「おいおいピンクスパイダー。お前の空への想いはそんなもんか?
     お前が一人で空を飛ぶにはその方法しかねえんだぜ?」

(;^ω^) 「……」

( ゚∀゚) 「まあすぐに決めろなんて言わねえよ。ゆっくり考えな」

極楽鳥はピンクスパイダーに背を向け、羽ばたきだした。

そして、一言。

( ゚∀゚) 「最後に言っておこうか、ピンクスパイダー」



( ゚∀゚) 「空はいいぜ。魅せられる」

そう言い残し、極楽鳥は青と白の間に消えていった。

ピンクスパイダーは極楽鳥が見えなくなってもなお、ずっとその方向を見ていた。

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/07(水) 22:56:32.74 ID:XRcLfowzO
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

あれから数日後。

そこには、ただ空を見続けるピンクスパイダー。


その斜め後ろには、





(*゚―゚) 「……どうしても、見逃してもらえないようね」


美しい模様と色彩をした羽根を持った蝶が、白い糸によってはりつけにされていた。

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/07(水) 22:57:57.29 ID:XRcLfowzO
(*゚ー゚) 「でも、一つだけ聞かせてもらえる? どうして私を捕らえたの?
     その事を聞くぐらいの権利は私にはあるはずよ?」

ピンクスパイダーは空から目を離さない。

それでもぽつりと、独り言のように、あるいは懺悔するかのように言葉を漏らす。



「君は、悪くない。何もしていない」

「僕が君の事を憎んでいる訳でも無い」

「ただ、ただ僕には羽根が無くて――」

一旦、言葉を区切り、蝶に向き直る。



( ^ω^) 「――そして、あの空が高すぎたから。ただ、それだけの事だお」

その顔は歪み、悲しみに満ちていたが、その目だけは強い決意を秘めていた。

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/07(水) 23:00:07.99 ID:XRcLfowzO
(*゚ー゚) 「……」

( ^ω^) 「……」



(*゚ー゚) 「……そう。判ったわ。私の翼を使いなさい、ピンクスパイダー」

蝶も、ピンクスパイダーの決意に答えるために、自分の意志を伝えるために、正面から見つめ返す。

(*゚ー゚) 「でも貴方は飛ぶという事がどういう事なのかを知らない。
     飛び続ける辛さというものを貴方は知らない」

(*゚ー゚) 「私の翼を身につけたら、貴方も遅かれ早かれきっと気付くわ。
     自分が誰かの手の上でしか飛んでいなかった事に。
     そして、それを『自由』なんて呼んでいた事にもね……」

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/07(水) 23:01:19.98 ID:XRcLfowzO
( ^ω^) 「……覚えておくお」

そしてピンクスパイダーはゆっくりと蝶に近づき―――

















                                           .

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/07(水) 23:03:02.85 ID:XRcLfowzO
陽の光。



空に雲。



風が吹き、



花は揺れて、



偽物の翼も揺れる。





ピンクスパイダーは枯れ木の頂上にいた。

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/07(水) 23:04:40.48 ID:XRcLfowzO
/ ,' 3 「zzz……」

もはや何の種類か判らないほどに朽ち果ててしまった木。
一応は生きているみたいだけど、いつも眠っている。
起きているところなんてピンクスパイダーは一度も見たことがなかった。

( ^ω^) 「いよいよこの時がやってきたんだお……」

ピンクスパイダーの背中にはあの蝶の羽根。それを自らの糸で縫いつけてある。

もう一度、確認。パタパタと羽根が上下に動く。問題無く機能するみたいだ。

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/07(水) 23:05:57.89 ID:XRcLfowzO
ここで一つ、大きく深呼吸。



大丈夫。
やれる。
飛べる。
僕は飛べる。
飛べるはず。
いや飛ぶんだ。
飛ばなくちゃいけない。

そうしなきゃ何のためにこの羽根を。





彼女を……。

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/07(水) 23:07:58.37 ID:XRcLfowzO
( ^ω^) 「……そうだ、飛ぶんだお」



何度も夢を見た。
何度も憧れた。
何度も諦めた。
でも何度も、何度も目指したんだ。

あの空を。



そんな葛藤を繰り返して、そして今。



僕の背中には羽根がある。

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/07(水) 23:09:26.97 ID:XRcLfowzO
正直に言って怖い。

もしかしたら飛べないんじゃないか?
一直線に落ちるんじゃないか?
地面に叩きつけられるんじゃないか?

なにより、あの蝶の、彼女の―を無駄にしてしまうんじゃないか?



じゃあどうするんだ?
辞めるのかここまできて?





辞めるわけないだろう!
飛べ!飛ぶんだ!!
ここで飛ばないでどうするんだ!
今更後退する道なんてどこにもないんだ!!

飛べ飛べ飛べぇぇぇぇぇぇっっ!!!!!



( ゚ω゚) 「おおおおおおおおおおおおおおおっっ!!!!!」

( ゚ω゚) 「ブ━━━━━━━━━ン!!!!!」

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/07(水) 23:11:27.25 ID:XRcLfowzO
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

(;^ω^) 「くっ……、おっ……」

ピンクスパイダーは、フラフラと空中をふらつく。
それはお世辞にも『飛んでいる』とは言えない姿だ。

羽根はちゃんと自分の意志通りに動いている。
しかし飛べない。
飛び方が判らないとも言える。
どうもうまくバランスが取れないらしい。

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/07(水) 23:12:55.34 ID:XRcLfowzO
ピンクスパイダーは何とかバランスを取ろうとする。



しかしバランスを取ろうとするあまり、

羽根は不自然な動きをする事になり、

その不自然な動きは無駄な力を生じさせ―――



(;^ω^) 「!!」



結果、編み込まれた糸がほつれ出してしまった。

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/07(水) 23:14:26.86 ID:XRcLfowzO
( ´ω ) 「う……、あ、あ……」

ほころびは止まらず、糸は風に飛ばされて、

( ´ω ) 「あっ……」

そして、とうとう左の羽根が離別する。

( ´ω ) 「あ、あ、あ~~~~~~……」

螺旋を描きながら降下する。
その風圧により、右の羽根も吹き飛ばされてしまった。

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/07(水) 23:15:45.73 ID:XRcLfowzO
( ´ω ) 「あああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ………………」

桃色の軌跡を残しながら、ピンクスパイダーは空から遠ざかっていった。







―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

―――――――――――――――――――――――――――

―――――――――――――――――

―――――

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/07(水) 23:18:47.84 ID:XRcLfowzO
風が、通り抜ける。



( -ω-) 「……ん」

ピンクスパイダーが、ゆっくりと目を開く。

そこには一面の青。
その隙間に雲が北へ。鳥は南へ。

( ^ω^) (あ、そうか、僕は……)

落ちたのだ。何も出来ないまま落ちた。



でも、それでもあの時ピンクスパイダーは存在していた。

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/07(水) 23:19:41.23 ID:XRcLfowzO
飛んでいたとは言えない。
とても不格好で、想い描いていたものとはまるっきりかけ離れていた。



だけど確かに彼はあの空に存在していたのだ。

束の間の出来事だったけど。



それは、楽しかった。
綺麗だった。
理想そのものだったのだ。

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/07(水) 23:21:00.99 ID:XRcLfowzO
( ^ω^) (そうだお。今頃になってようやく判った。
       やっぱり他人の力に任せきりじゃ駄目だった。
       自分の力で飛ばなくちゃ意味が無かったんだお。
       僕一人じゃこの願いは叶えられない。
       その思い込みが、自らが産んだ糸が鎖となって僕を縛りつけていたんだお。
       だから次は、次こそは、この糸を翼に変えて、一から頑張って……)

( ^ω^) (……)

( ´ω`) (……そんな)



( ´ω`) (そんな事を今になってようやく気付くなんて……)

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/07(水) 23:22:22.16 ID:XRcLfowzO
( ´ω`) (彼女には、悪い事をしたお……。
       今更だし、僕にはそんな事を言う資格なんて無いけれど……)

( ´ω`) (勝手だけど、それでも……)







( ;ω;) 「謝りたいなぁ……」

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/07(水) 23:24:11.44 ID:XRcLfowzO
( ;ω;) (ああ……、何だかすごく疲れたお……)



( ;ω;) (そうだなぁ……。あの雲が……、あの雲が通り過ぎるまで、少し眠ろう……)



( ;ω;) (そして……)

( ⊃ω⊂) グイッ

( ^ω^) (その後、飛ぶんだお。もう一度)



静かにピンクスパイダーはその目を閉じて―――





( -ω-) 「あの雲が、通り過ぎたら……」



その顔は、とても穏やかに。

63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/07(水) 23:26:23.81 ID:XRcLfowzO
                                            .






「空が、呼んでいる……」





「行かなくちゃ」






                                            .

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/07(水) 23:28:13.03 ID:XRcLfowzO
昼下がり





ただよう雲の





その色は





わずかに桃色がかったような―――





( ^ω^)pink spiderのようです  おわり

71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/07(水) 23:35:09.56 ID:XRcLfowzO
後書き

( ^ω^) pink spiderのようです
はこれで終了です。

ホントはhideの命日である5/2に投下する予定だったんだけどなぁ……。



ゴメンナサイ。間に合いませんでした。



とにかく読んでくれた方、ありがとさん。

またいつの日か会いましょう。

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